東畑開人のレビュー一覧
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カウンセリングの臨場感が伝わる名著。
もともと心理学に興味があったが、どのように考えているのかが、理論過ぎずナラティブ寄りで解説されておりイメージしやすかった。
印象に残ったのはハルカさんの破局の場面。涙が出た。
snsが出現し、AIが出現し、効率化、コスパ重視の世の中で、他人からのオススメに囲まれて生きてる中で、自分の物語を置き去りにしないこと、大事だと思う。
カウンセリングというと、本書でいう「生存のための作戦会議」のイメージだったが、冒険としてのカウンセリング=じぶんという物語の再発見、変化すること が、真に現代人の多くが必要としていることだと感じる。
外来で応用していきたいという下心 -
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三宅書店の朝井リョウさんがゲストの回で三宅さん朝井さん両者とも名著とおっしゃっていたので購入。
適応障害でお休みしている時に読みました。
作中に出てくるミキさんの仕事への姿勢は同じだと思ったし、何もかも私のことか?と思うぐらい思い当たる節しかなかった。
数年前に当時の上司から、組織や仕事にはファジーな部分はあったほうがいいと言われ、尊敬していた方だったから飲み込もうとしたがなんだか意味がよくわからなかった。
今回この本を読んで、理解の入り口に立てたと思った。
朝井さんがTBS CROSS DIGのFUTURE CARDで、本は複雑なものを複雑なまま届けることができる唯一の媒体と言っていた。
心 -
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著者によれば、カウンセリングについては各論の専門書は多々あれど、カウンセリングという行為を包括的、俯瞰的に書いたものというのはなく、「ぶっちゃけカウンセリングって何をするの?」というユーザー目線での問いに答えている著作というものが無いそうなのだ。なぜなら様々な心のトラブル(破局)に対応するために様々な診療方法(学派)があり、また、目指すべき着地点(何をもって治ったと見做すか)が、それらの学派によっても、個々の診療でも、異なった見解が起こり得るからで、一言で説明するのがとても難しいからだ。さらにその様々な学派が、他派のそれぞれの「カウンセリングとは何か」の定義付けについて「それはカウンセリングで
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自分が対人支援職として働いていることもあり、関心を持ち本書を手に取ったが、繰り返し問われる「カウンセリングとは何だったのか」というテーマが全体を貫く核心であると感じた。
本書は「心の病」を孤独の悪循環として捉え、理解されにくさが苦しみを増幅させる構造を示している。また、カウンセリングを「心の非常時を扱うテクノロジー」と位置づけ、アセスメントの重要性や、治療者とクライエントが共有する「説明モデル=物語」の意義を丁寧に描いている点が印象的であった。
特に「古い物語を終わらせ、新しい物語を始める」という変化の原理や、終結を通じた心理的変化の捉え方は示唆に富む。理解は変化の十分条件ではないが不可 -
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1. 幼少期の家族環境と「心の鎧」の形成
社会の影響を色濃く反映した家族の形は、力の弱い子供の心に生涯にわたる影響を与える。親からの愛情の欠落や、愛という名目での支配的な関わりを受けた結果、傷ついた心を守るための防衛機制として、他者への寄生的な依存や対人関係の回避など「分厚い鎧」をまとった大人が形成される。
2. 現代における人間関係の摩擦の必然性
社会は、そうした多様な傷と鎧を抱えた大人たちによって構成されている。家族の形が多様化した現代においては、個人の「鎧の形状(心の凹凸)」も多様化かつ複雑化しているため、それらがうまく噛み合わず、人間関係に不全が生じるのはある意味で不可避な構造である -
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カウンセリングを「作戦会議」と「冒険」にわけて書いてあり、わかりやすい言葉でスラスラ読めた。
心を揺らし、凍結を溶かす場。
実際の事例のやりとりがとてもリアルで参考になる。
カウンセリングって本当に意味あるの?とどこかで思っていた。
科学やエビデンス(も当然必要だけど)に振り切ったり、いかに短時間で回復・成長するかが重視される社会では個人の物語は置き去りになりがちだ。
でもみんな「個人である自分」を生きて、自分の物語を必要としている。
カウンセリングって、焦点を当てきれずにこぼれ落ちた個人的なものに辻褄を合わせ、生き直そうとする場、なのかもなと。
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ケアを受ける側ではあるが、
薬だけでは、どうも進展がない。
良い時間(気を張っている時間)と
もうどうしょうもなくなってしまう時間 これが雨の状態でしょうが、
カウンセリングを受けるかどうかを迷っている状態で読みました。
5章立てで、1日~5日と分けてくれているので、
適度な負荷で助かる。その日に学んだことが頭に入りやすい。
勉強なのに、ところどころ声を出して笑ってしまう言葉がある。
こんな講義をされているなら、受講したいなと思った。
探してみよう。
また、
ケアしてもらうことは、やっぱり周りに迷惑をかけているなとともに、
気づきを与えている立場かもしれないと、少しポジティブに思った。
ケ -
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うーんよかった。わかりやすくまとめていることが良いのかという批判は想像できるけれど、カウンセリングとは何か、という問いにかなり大局的に回答している本。カウンセリングが始まりから終わりまで、何を行われているのか。その営みを解き明かして共有しようという試みが、勇気があって救いがあってすごく良い。カウンセリングで何が行われているか知ることで、読者は物理的な意味でのカウンセリング室で行われていることへの理解とともに、同様の視点を自分の中に持ち合わせることにつながる本だと感じました。
救いを求めること、救いの現場で行われていることを自分の中で持つことは大事なこと。まさに大作と言える一冊でした。