東畑開人のレビュー一覧

  • カウンセリングとは何か 変化するということ

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    ネタバレ

    カウンセリングとは何か、の全体像を、特定の学派の具体に入りすぎず、(素人から見れば)抽象的にぼやかしすぎずに記述した本。非常に読みやすく、事例も多いためシーンをイメージしながら読むことができた。
    人は小さく死に続けること、人と人はどこまでいっても別個体であることによる根源的な寂しさに傷つきながら人生を乗り越えていかなければならないこと。ふと自分の人生への向き合い方を振り返らされるような本だった。

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    2025年12月22日
  • 心はどこへ消えた?

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    もとは『週刊文春』に1年間連載した「こころはつらいよ」(2020.5~21.4)。書名、「チーズはどこへ」にあやかったリタイトリングも決まっている。
    「トイレ侍とウンコ男」がいい。「補欠の人格」「補欠の品格」も読ませる(私も永遠の補欠だったもん)。「脳のせいなのか」もいい。このなかにある“ 脳は他者である”は至言。「学者の味噌汁」の回には、まさかの成瀬悟策先生が登場。
    どの回も、軽くて深い。構えずに入ってゆけて、心揺さぶられるこの感じって……昔どこかで味わったことのあるような。うん、なだいなだ、だったかもしんないな。

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    2025年12月21日
  • カウンセリングとは何か 変化するということ

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    自身がカウンセリングに通っているので、非常に興味を惹かれて手に取った。
    昔行ってみたが「中断」した時の自分とカウンセラーの噛み合わなさを振り返ったり、今通っているカウンセリングでは、あーあれはカウンセリング全体のこの部分なのかと合点がいったりと気付きをたくさん得られた。

    また、専門家でない人にも分かりやすく書かれていた点もよかった。
    おそらく読者の中にはカウンセリングに直接関わったことのない人も多くいるであろうが、これは世界や社会の地続きにいる自分と心の話であり、全ての人が多少なりとも心当たりのある話しなのではないかと思う。
    誰もが突き当たる心の問題について専門的見地から、一般の人にも分かる

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    2025年12月20日
  • カウンセリングとは何か 変化するということ

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    ページTurnerで名著と紹介され、旅行先の代官山T-SITEで平積みになって売られていた。
    これは買わねばなるまいと思い購入。
    ①カウンセリングについて自分なりの考えが整理できた
    ②自己・心・世界モデルは臨床でも使える
    ③作戦会議・冒険という分類。
    臨床でも大いに活用できる内容であった。

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    2025年12月15日
  • カウンセリングとは何か 変化するということ

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    専門書であり、詳しく1から10まで書いてあるのに、カウンセリングを専門としてやってる人も、私のようにただ興味を持って読む人もとても読みやすい。それは筆者の文章にユーモアと愛が溢れているからではないかと感じる作品です。
    カウンセリングはただ問題を解決するだけではない。その人が生きやすい人生を見つける手助けでもあります。
    専門家としてどうアプローチしていくのか、その視点が見れた事がとてもよくて、普段人から相談されたり、問題に直面した時にその視点を持っているともっと広く対応していけると思いました。

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    2025年12月14日
  • カウンセリングとは何か 変化するということ

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    分厚い新書。441ページ。
    カウンセリングを説明するのに、なんでこんなにページが必要なのか、、
    と疑問に思いながらページを開く。
    最初の100ページくらいはついていくのがやっと。
    著者が実際にカウンセリングした4人の事例が紹介され、一気に惹きこまれた。
    もちろん、プライバシーの問題があろうから、その者の会話ではないだろうが、
    カウンセラーと患者の緊迫した会話。
    これはすごい。迫力、というか、リアル、というか、真に迫る、というか。
    人の心の弱さが垣間見える。
    それにどうカウンセラーが相対するか。
    これは参った。
    次、どうなるんだ。
    下手なドラマよりも、推理小説よりも面白い。
    ななめ読みもできない

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    2025年12月12日
  • カウンセリングとは何か 変化するということ

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    ゆっくり読んでいたので、読み終わるまでに時間がかかったのだけど、、、途中自分の話を聞いてもらってる気持ちになって泣けた。。。

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    2025年12月10日
  • カウンセリングとは何か 変化するということ

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    かなり長かったけど
    途中から加速し最後は一気に、という
    小説であればよくあるパターン

    感想に替えていくつか引用を

    『話すことは離すことでもある。過去を物語るのは起きた出来事を現在から引きはがし、過去に置いていくためです。

    カウンセラーの手助けを借りながら、破局を生き延びる。すると、人生のある時期が終わっていたことに気づく。古い物語がかつてのものになっている。昔から続いていたものが過去形になる。』(P419)

    『一人ひとりの心は決して文学を手放さないし、遠くには聞こえないような小さな声で物語を語り続けることをやめません。

    物語のない人に、僕は出会ったことがない。』(P420)

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    2025年12月09日
  • カウンセリングとは何か 変化するということ

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    “変化の土台には理解がある。理解によってのみでは人は変わらないけど、人が変化するためには理解は欠かせない。理解によって、他者とつながること、そして自分とつながることが可能になるからです。”(p.158)



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    2025年12月07日
  • カウンセリングとは何か 変化するということ

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    カウンセリングとは何か?なぜ学問的対立を繰り返してきたのかが、とても整理されていてユーザー側目線でわかりやすく語られた本。

    生活をたてなおす作戦としてのカウンセリングと、行き詰まった人生をなんとかする冒険のカウンセリング、この2つの整理が、実例も踏まえて説明されており、理解が深まった。

    専門家が関わる非常時のカウンセリングが語られているが、日常時でも非常の手前のすれすれなところまではいくことはあると思う。そういう心の動きをユーザー側として投影しながら読むことができる。

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    2025年12月07日
  • カウンセリングとは何か 変化するということ

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    カウンセリングとは個人が人と関わり、人として生きていくための技術であり、生きていくことそのものであると感じる。

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    2025年12月01日
  • カウンセリングとは何か 変化するということ

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    ネタバレ

    いい本だった。
    新書の割に厚くて物怖じしていたけれど、読んで良かった。

    カウンセリングとは何か?
    それは生活を回復するための科学的営みでもあり、人生のある時期を過去にするための文学的営みでもある。
    カウンセリングとは、近代の根源的なさみしさの中で、人が可能な限り、正直に、率直に、ほんとうの話をすることを試み続ける場所である。

    ---以下要約---

    ・カウンセリングとは何か?という問いそのものを扱う本。技法やマニュアルではなく、カウンセリングを支える思想・姿勢・歴史・臨床経験を立体的に描く。

    ・カウンセリングは「生活を回復するための科学」と「人生を過去にするための文学」の両面を持つ。
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    2025年11月30日
  • カウンセリングとは何か 変化するということ

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    ネタバレ

    めちゃくちゃ良かった。
    本書は、カウンセリングというものを体系的に整理し、原論を導き出そうというもの。
    専門知識が土台にありながらも、社会側(ユーザー側)における位置づけとして整理することで、素人にも読みやすい読み物となっている。
    また、架空のユーザーが登場し、実際のカウンセリングの様子をエピソード仕立てで要所要所に配置されていることで、感情移入しやすく、惹きこまれる。
    かといってただの小説や物語になっているのではなく、理論も語られていて、読者を引き込む物語と理路整然と整理された論文調のバランスが素晴らしいと感じた。
    本人も語られているが、まさに東畑先生の集大成でありその達成感を感じた。
    レベ

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    2025年11月30日
  • カウンセリングとは何か 変化するということ

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    カウンセリングとは、人が人に話をすること。
    日常行われていることだが、これが成立しなくなり、エスカレートすると、それは「心の非常時」であり、専門家が必要になる。
    と筆者は言っているのだが、そこには連続性があると言っていいのだろうか。
    心というものを一括りにした乱暴な議論なのではないのだろうか。あるいは「正常」な部分と「異常」な部分。あるいは「普遍」と「特異」。その他にも分類、分析は様々な形がありそう。
    これには、理論的には答えられない。臨床的、実際のカウンセリングに基づいて答えてくれるらしい…
    読み進めるもんですね。
    「自己」を「ままならないもの」と整理。
    「世界」=「外部」と「自己」の間に「

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    2025年12月18日
  • 雨の日の心理学 こころのケアがはじまったら

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    妻がメンタルの不調に悩んでいるため手に取った本。本書の主張の通り、ケアは突然やってくる。
    「家族というのは支え合うもの」とはよく聞くが、支える方法を教わったことのある人はほとんどいないだろう。
    ケアとセラピーの理論は一見当たり前のように感じるが見落としがちな知見が含まれていた。ケアをすっ飛ばしてセラピーをしてしまう人は多いと思われる。
    この本はこれからの人生で何度も思い出すことになるだろう。

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    2025年11月26日
  • 野の医者は笑う 心の治療とは何か?

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    僕は占いのみで生計を立てています。
    つまり、本書でいうところの “野の医者” です。

    これまでいくつかの東畑先生の著書を読んできましたが、本作も最高に笑わせていただきました。

    無職時代の東畑先生が、トヨタ財団研究助成プログラムの支援を勝ち取り、沖縄を舞台にスピリチュアル界隈を縦横無尽に駆け巡る、ワクワクするフィールドワーク冒険譚です。

    スピリチュアルのエネルギーは良くも悪くも強力です。
    臨床心理士として確固たる信念を持っているはずの先生でさえ、大量の謎のスピリチュアルエネルギーに染め上げられ、ミイラ取りがミイラになってしまいます。
    しかし、その包帯の隙間から覗く心理士としての眼を光らせ、

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    2025年11月22日
  • カウンセリングとは何か 変化するということ

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    本書を読んで、もっとも衝撃的だったこと。
    「人生の脚本は反復される。」
    それが面接室で、カウンセラーとの間に「転移」するということ。

    たしかにと、思ったこと。
    「人は自分の物語が聞かれて初めて、人の物語と共存することができる。」

    「古い物語を終わらせないと、人生の次の段階に進めない。」

    面接室で展開されるカウンセリングはドラマチックで、形を変えて誰にでも起きうることで、読み進めるのがスリリングでさえあった。

    カウンセラーは誠実な人だけれど、全知全能の神ではないし、完璧でもない。また、その必要もない。その意味で、家族と身近な大切な人たちに対して素人にもできることはあると思った。家族の役割

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    2025年11月20日
  • カウンセリングとは何か 変化するということ

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    難しい内容もありますが、大部分は、筆者に語りかけられているような感じで、すっと頭に入ってきます。

    後半は一気読み。自分自身の物語を頭の片隅で考えながら読みました。

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    2025年11月20日
  • 野の医者は笑う 心の治療とは何か?

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    一気に読んだ。

    あとがきがミュージカルの
    カーテンコールに感じるくらい
    圧巻の物語だった。

    私が見てきた世界が
    次々言語化され爽快だった。

    2025年で一番必要だった本。

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    2025年11月20日
  • カウンセリングとは何か 変化するということ

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    新書としては分厚いがカウンセリングのやりとりが書かれているためであり読みやすい

    少し胡散臭いカウンセリングが具体的に詳細に解き明かされる

    人生の脚本は反復される。
    転移とは人生の脚本がカウンセラーとの間で再演されることである。

    このようなことが起こるのは人は人との関係をだいたい同じ型でしか築けないからだろうか。

    こどもを持つか迷っていた女性のカウンセリング
    仕事で休まらない若い男性のカウンセリング
    この展開が圧倒的

    整理しながら読み直したい

    たまたま斎藤学を扱った本を読んだのもタイムリー

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    2025年11月19日