東畑開人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
対人援助のなかで、繰り返し遭遇するいろいろな場面を思い出した。
筆者が、ポイントポイントで傍点を打ち強調する文言がいろいろ出てくるが、そのひとつひとつが実に臨床を言い当てていて唸らされる。はああー、現場で感じるあれはこんな言葉に集約されるのかー、といちいち腑に落ちることしきり。
「生存は時に、実存を犠牲にする」とか「破局を生き延びる」とか、対人援助職なら誰しもが常々遭遇する現実ではなかろうか。
あまりに合点がいくことが多すぎて、レビュー書くのが追いつかない。
また時々、ライン引いたりしながら読み返し、自分の実践の振り返りにしたい。
タイトル負けしない、まさに「カウンセリングとは何か」を解きほぐ -
Posted by ブクログ
"居るのはつらいよ"を読んだ後に読んだ。自分も沖縄で数年過ごしたこともあり、東畑先生がどのような空気感の元で過ごしていたのか、情景を表現する文章力もあいまって、あまりにもイメージがついた。沖縄は良くも悪くも独特な街で、いわゆる内地の者からすると、拒否反応を起こしてしまうような文化の要素も多数ある。本書では、その要素のひとつでもある、"野の医者"達の活動について深く追求している。表面だけで判断すると拒絶してしまいそうになるものは世の中にはたくさんあるが、深く知ることで見方が変わることもあると、改めて思わされる内容だった。また、沖縄に行ってみたいと思う。
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Posted by ブクログ
本書では、まず、「聞く」と「聴く」との違いから入ります。
聞く:声が耳に入ってくること
聴く:声に耳を傾けること
いま、余裕がない社会になっていて、耳に言葉が入ってくることを塞いでしまって「聞く」が機能不全に陥っている状態になっていることを言っていることには、納得します。嫌なことには耳に入れたくない、そんな状態なのかもしれません。声が耳に入ってきても健全な状態でいられるように、心身ともに良好な状態に保っておける術を自分自身で身につけておかなければならないと思いました。
その1つが個人的には「朝ラン」だと思っていますが、本書を読んで、朝ランは「孤独」の環境下に自分を置いていることがよいのか -
Posted by ブクログ
非常に興味深い本だった。
何かしらの問題が生じている場面において。結局「心に突き当たる」からこそカウンセリングが効果的。
カウンセリングは作戦会議としてのものと、冒険としてのものの2つに分けることができる。作戦会議としてのものは、現実の生活に破綻をきたしており、その状態から生活を取り戻すために行われて、通常1年前後で終了する。
冒険としてのものは、生活は問題なく行われているけれど、そのために心を麻痺させたり無理させたりしていて、空虚感やイライラなどが生じている状態において、その人の心を紐解いて考え方を少しずつ変えてゆくことを目標としており、通常週一回の頻度で行われて5年以上かかる。生活を守る -
Posted by ブクログ
心というのは一種のシステムのよう。社会を営む人間が全てを毎回脳で一から演算していたら忙しすぎるから、心を使って省エネにしているんじゃないかって。でも、心は(脳も)過去を捨てるのがとても苦手なんだろう。『新しい物語を始めるよりも、古い物語を終わらせるほうがはるかに難しい』という言葉に、核心を突かれたような気がした。そして、捨てるためには人と人との繋がりが必要であるという言葉も。
過去には必要だったけれど今は自分を不自由にさせている物語を終わらせて、今の自分が自由に生きられる物語を探すこと。そのパートナーとしてのカウンセラー。カウンセリングで変化を起こすには、ユーザー側の頑張りや勇気や忍耐がそれな -
Posted by ブクログ
新書大賞2026の大賞に輝いた本作。評判が良さそうなのと、カウンセリングというものに興味があったので購入。新書だが400ページを超える大作。最初「結構分厚いなぁ…読むの大変そうだな」と思ったが、わりとスイスイ読めた。カウンセリングの歴史、流れなどが端的に説明され、事例を交えて実際のカウンセリングの流れを説明していく。読みやすいし、実用的な一冊。さすが大賞。
いろいろためになる部分はあったが、僕の中でハッとしたのが「実存と生存の順番」の話。生存が先で実存が後。言われてみれば確かになーという感じではあるが、だからこそハッとさせられた。普段起業家の支援を行うことが多い僕だが、実存=ミッション、ビジ