東畑開人のレビュー一覧

  • カウンセリングとは何か 変化するということ

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    ネタバレ

    いい本だった。
    新書の割に厚くて物怖じしていたけれど、読んで良かった。

    カウンセリングとは何か?
    それは生活を回復するための科学的営みでもあり、人生のある時期を過去にするための文学的営みでもある。
    カウンセリングとは、近代の根源的なさみしさの中で、人が可能な限り、正直に、率直に、ほんとうの話をすることを試み続ける場所である。

    ---以下要約---

    ・カウンセリングとは何か?という問いそのものを扱う本。技法やマニュアルではなく、カウンセリングを支える思想・姿勢・歴史・臨床経験を立体的に描く。

    ・カウンセリングは「生活を回復するための科学」と「人生を過去にするための文学」の両面を持つ。
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    2025年11月30日
  • カウンセリングとは何か 変化するということ

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    めちゃくちゃ良かった。
    本書は、カウンセリングというものを体系的に整理し、原論を導き出そうというもの。
    専門知識が土台にありながらも、社会側(ユーザー側)における位置づけとして整理することで、素人にも読みやすい読み物となっている。
    また、架空のユーザーが登場し、実際のカウンセリングの様子をエピソード仕立てで要所要所に配置されていることで、感情移入しやすく、惹きこまれる。
    かといってただの小説や物語になっているのではなく、理論も語られていて、読者を引き込む物語と理路整然と整理された論文調のバランスが素晴らしいと感じた。
    本人も語られているが、まさに東畑先生の集大成でありその達成感を感じた。
    レベ

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    2025年11月30日
  • 雨の日の心理学 こころのケアがはじまったら

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    妻がメンタルの不調に悩んでいるため手に取った本。本書の主張の通り、ケアは突然やってくる。
    「家族というのは支え合うもの」とはよく聞くが、支える方法を教わったことのある人はほとんどいないだろう。
    ケアとセラピーの理論は一見当たり前のように感じるが見落としがちな知見が含まれていた。ケアをすっ飛ばしてセラピーをしてしまう人は多いと思われる。
    この本はこれからの人生で何度も思い出すことになるだろう。

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    2025年11月26日
  • 野の医者は笑う 心の治療とは何か?

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    僕は占いのみで生計を立てています。
    つまり、本書でいうところの “野の医者” です。

    これまでいくつかの東畑先生の著書を読んできましたが、本作も最高に笑わせていただきました。

    無職時代の東畑先生が、トヨタ財団研究助成プログラムの支援を勝ち取り、沖縄を舞台にスピリチュアル界隈を縦横無尽に駆け巡る、ワクワクするフィールドワーク冒険譚です。

    スピリチュアルのエネルギーは良くも悪くも強力です。
    臨床心理士として確固たる信念を持っているはずの先生でさえ、大量の謎のスピリチュアルエネルギーに染め上げられ、ミイラ取りがミイラになってしまいます。
    しかし、その包帯の隙間から覗く心理士としての眼を光らせ、

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    2025年11月22日
  • カウンセリングとは何か 変化するということ

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    本書を読んで、もっとも衝撃的だったこと。
    「人生の脚本は反復される。」
    それが面接室で、カウンセラーとの間に「転移」するということ。

    たしかにと、思ったこと。
    「人は自分の物語が聞かれて初めて、人の物語と共存することができる。」

    「古い物語を終わらせないと、人生の次の段階に進めない。」

    面接室で展開されるカウンセリングはドラマチックで、形を変えて誰にでも起きうることで、読み進めるのがスリリングでさえあった。

    カウンセラーは誠実な人だけれど、全知全能の神ではないし、完璧でもない。また、その必要もない。その意味で、家族と身近な大切な人たちに対して素人にもできることはあると思った。家族の役割

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    2025年11月20日
  • カウンセリングとは何か 変化するということ

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    難しい内容もありますが、大部分は、筆者に語りかけられているような感じで、すっと頭に入ってきます。

    後半は一気読み。自分自身の物語を頭の片隅で考えながら読みました。

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    2025年11月20日
  • 野の医者は笑う 心の治療とは何か?

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    一気に読んだ。

    あとがきがミュージカルの
    カーテンコールに感じるくらい
    圧巻の物語だった。

    私が見てきた世界が
    次々言語化され爽快だった。

    2025年で一番必要だった本。

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    2025年11月20日
  • カウンセリングとは何か 変化するということ

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    新書としては分厚いがカウンセリングのやりとりが書かれているためであり読みやすい

    少し胡散臭いカウンセリングが具体的に詳細に解き明かされる

    人生の脚本は反復される。
    転移とは人生の脚本がカウンセラーとの間で再演されることである。

    このようなことが起こるのは人は人との関係をだいたい同じ型でしか築けないからだろうか。

    こどもを持つか迷っていた女性のカウンセリング
    仕事で休まらない若い男性のカウンセリング
    この展開が圧倒的

    整理しながら読み直したい

    たまたま斎藤学を扱った本を読んだのもタイムリー

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    2025年11月19日
  • カウンセリングとは何か 変化するということ

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    「話をするだけ」という印象のあるカウンセリング。それだけでどうして精神が変わっていくのか。そんなブラックボックスにも思える不思議な営みを懇切丁寧に解説した一本。人生の「脚本」をやり直すのに伴走をし、「こころ」を揺らしていく営み。私自身はカウンセリングは単発でしか行ったことがないが、冒険としてのカウンセリングの章はとてもぐっときたし、自分の今まではどうだったか、そんなことを振り返ることもできる本なのではないか。まさに例の女性とよく似た年齢の今、読めてよかった一冊だった。

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    2025年11月18日
  • カウンセリングとは何か 変化するということ

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    カウンセリングについて凄くよく分かる。こんな本は初めて読んだ。カウンセリングが素人ができるようなものではない事もよく分かって、知ったかぶりをしなくて済んだのも大きい。是非多くの若い人に読んでもらい、カウンセラーになってもらいたい。大袈裟ではなく、非常に重要な仕事だと思う。

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    2025年11月16日
  • カウンセリングとは何か 変化するということ

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    会社の人が休職し自分の心やメンバーの心を理解するヒントになるかと手に取った
    読み進めるとどちらかというと自分の心を振り返ることが多く、また冒険のカウンセリングは面白そうだった
    心の進み方やカウンセリングの大きな流れを理解した
    心の動き方についてもう少し知りたいと感じた

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    2025年11月16日
  • カウンセリングとは何か 変化するということ

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    大満足な内容で、しっかりと分かりやすい文章で進めてくれている。カウンセリングについて、ここまで分かりやすく共通性を見出してかける人はこの人だけしかいない。
    カウンセリングの教科書みたいなものやな

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    2025年11月15日
  • カウンセリングとは何か 変化するということ

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    カウンセリングとは何か?臨床心理士、公認心理師の著者がまとめた本。
    作戦会議としてのカウンセリングと冒険としてのカウンセリングがあり、前者は非常に理解しやすいが、後者はとても奥が深い。
    後者のカウンセリングはとても変化が大きく、カウンセラーの方の負担が大きい大変なものに感じた。
    今までモヤッとしていたカウンセラーの中身を少し識ることが出来、とても良かったと。

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    2025年11月15日
  • カウンセリングとは何か 変化するということ

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    カウンセリングという閉ざされた空間で何が起きているのか。

    カウンセリングには二種類ある。
    ご飯を食べて寝て生活する、生存のための変化。
    生活はできている上で、どう生きるか、実存のための変化。

    生きながら「小さく死ぬ」を繰り返す。
    終わらせてまた新しくはじめていく。

    そうした生活が自分の力でうまくできないときに、カウンセラーに聞いてもらう。
    ただ話を聞いてもらうということが、なぜだか心を落ち着かせる。

    とてもわかりやすく"カウンセリングとは何か"を言語化してくれていて、おもしろかったです。カウンセリングを受けたことはないですが、受けた気になった読後感でした。

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    2025年11月12日
  • カウンセリングとは何か 変化するということ

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    外から見ると分かりにくいカウンセリングをわかりやすく説明した一気読みできる鈍器新書。カウンセイリングを作戦会議と冒険と分けて、認知行動療法的なカウンセリングと精神分析的カウンセリングに分けて解説。その成り立ちや歴史、現代に至る問題点など、公平な意味での社会的な視点も入れて解説しておりバランスが取れている。自分後もっと若い時にこのような本があれば、苦労しなくて済んだのにと思う書であった。

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    2025年11月10日
  • カウンセリングとは何か 変化するということ

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    対話やカウンセリング、きくことや物語ること、それによって生じる「変化」が人間にとって無くてはならない過程であること、そしてそれが軽視され続けている現代社会を生きる身として、足元を照らす灯台になってくれるような本。

    不安定で不可視である「心」という概念を数値化し、それを偏重しすぎている傾向がみられる近年の心理学に対して、学生時代から不信感を抱いていた自分にとっては希望の書ともいえる。科学的な心と文学的な心、分かりやすい心と分かりにくい心、そのバランスを現代だからこそ学問として取り戻していってほしいと切に願う。

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    2025年11月10日
  • 雨の日の心理学 こころのケアがはじまったら

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    「晴れの日」には効果的だった心理学が「雨の日」には暴力になりうる。このことが大きな気づきだった。
    しんどいときに自己啓発本を読むと、なんかギュッと心がしんどくなる理由が分かった気がする。
    正論はときに人を傷つけるんだなぁ。

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    2025年11月04日
  • カウンセリングとは何か 変化するということ

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    この本を読むとカウンセリングの解像度が上がる。カウンセリングは人の心を読むような魔法ではなく、信頼関係の上に成り立つ対話である。自分も実存的カウンセリングを受け、手解きを受けながら心の内面と対峙してみたいと思った。

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    2025年11月03日
  • 野の医者は笑う 心の治療とは何か?

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    野の医者とは何者か?

    “癒しに関わり正規の科学から外れている人で、自身が病み、癒されたい人”

    大方、このように臨床心理士の著者は定義しています。

    “野の医者”を見ることで、臨床心理学はどういう学問か再考してみるというのが、本書のテーマです。

    何だかこのように書くと小難しい感じですが、いやいやどうして著者の語りは、めちゃめちゃ面白い。著者の東畑さんは、ご自分のことを“野の学者”と称しています。東畑節さくれつで、「ちょっと真面目にやってください!」とツッコミを入れたくなるぐらい面白い。

    場所は沖縄で、著者自らがヒーリング(怪しい治療?!)を受け、実況中継してくれるので説得力があります。な

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    2025年11月03日
  • 心はどこへ消えた?

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    最近好きな東畑さんの本。
    この本はエッセイで、1つの話が短くてサクッと読める。

    話の中に出てくる、クライアントとのやり取りが興味深かった。あ、そういう返しをするんだ、と思うところがたくさんあった。

    他の本にも書いてあったけれど、カウンセリングはその人のこころを指摘することではなくて、ただ聞くこと。自分で気が付くように、認められるように、言葉をかけること。そんなやりとりが詰まっている。

    なんだか、ほっとする。不思議な本。

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    2025年11月03日