東畑開人のレビュー一覧
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電子で買ったけど紙で買ったらよかった。手元に置いておきたい。
純粋に心理学に対する知的好奇心が満たされたし、人生の難局の捉え方を変えてくれるパワーのある本だった。
「破局を乗り越えることで、これまでの自分を脱ぎ捨てて、新しい自分になる。」
この言葉を、しんどい時の自分にかけてあげたい。
小川洋子さんの引用があったように、「人生には物語が必要」という意味がよく分かった。
この本で紹介されるカウンセリングのユーザーにも物語があった。一つの小説を読んでいる感覚だった。
特にハルカさんの話。すごかった。自分も苦しくなった。
昔、心理学に興味が湧いた時期はあったけど、安易な気持ちでカウンセラーにはな -
Posted by ブクログ
ネタバレカウンセリングユーザーとして読みました。
破局を生き延びる経験によって、生き方の核の部分に変化が生じる。(P.235)
約1年程度ですが、時に苦しみ、適応障害スレスレをなんとか生き延びた自分としては、この言葉は大きな実感を伴うものでした。
本書では「生存」と「実存」という区別が繰り返し語られます。
• 生存…とにかく生き延びること
• 実存…どう生きるかを見つめ直すこと
生存は時に、実存を犠牲にする。(P.247)
自分を押し殺して日々をやり過ごす──そんな経験がある人には、この言葉はきっと深く刺さるはずです。「どう生きるか」は決して贅沢ではなく、誰にとっても切実な悩みだと感じました -
Posted by ブクログ
ネタバレカウンセラーの頭のなかを覗くことができる。
(p.424)カウンセリングとは何か。それは生活を回復するための科学的営みでもあり、人生のある時期を過去にするための文学的営みでもある。カウンセリングとは、近代の根源的なさみしさの中で、人が可能な限り、正直に、率直に、ほんとうの話をすることを試み続ける場所である。
本当に最後の一節を抜粋したが、ここに書かれている意味が通読してようやく自分の頭の中で腑に落ちるような感覚を得られた。
3つの事例(脚色事例)をもとに、筆者のカウンセリングを眺めることができる。実際にたくさんのクライアントに対してカウンセリングを行ってきた筆者だからこそのリアリティがす -
Posted by ブクログ
カウンセリングの入門書を読むのは、小説を読むのと同じくらい好きだ。小説の多くは未熟な登場人物が壁に当たり、苦悩しながら試行錯誤し、仲間と共に解決し、成長していく。
カウンセリングの本の中で描かれる人も同じだ。クライエントは自分の物語を振り返り、苦悩し、セラピストという仲間と共に成長する。セラピストも、クライエントに対する臨床経験から、伴走し、苦悩し、後悔し、成長する。
本の中に、「文学的変化」という言葉がある。カウンセリングの事例とは、人の成長物語であり、二人の主人公がいる小説でもある。「中断」した事例は、主人公に起きた悲劇であって、残された仲間=もうひとつの物語に対する試練と -
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人は、それぞれ心のクセを持っている。
昔誰かから言われた言葉。
そのクセが、認識を歪め、時に人生を生きづらくしているんだと。
この本を読んで、その真相を知ることができた。
実際自分もその認識の歪みからひどく落ち込んだことがあったけれど、苦しみを乗り越え一度違う見方に気づくと、今までとは世界が違って見えてくる。
この経験の手助けをしているんだなぁ
今までこびりついた心のクセを、カウンセリングラーはユーザーと共に経験し直し、自分で自分のクセに気付いてもらうのを待つ。
すごい仕事だし、すごい学問だなぁと思った。
それにしても、
心は突き当たるもの
だよなぁ〜
人間の心って、本当に面倒 -
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新社会人になり、しばらく仕事の重圧にやられてた時期があった。
一年くらいごまかしごまかしやっていって、しんどかった時、2ヶ月くらいカウンセリングに通った。
住所見ていったら、普通のマンションの部屋で、なんか薄暗い部屋の中にアロマ的な蝋燭的なやつが置いてあって、占い師?ってなったのを覚えている。
この本でいうところの作戦会議のカウンセリングだったのだと思う。職場の上司が怖い。仕事で失敗するのが怖いと伝えた私に、なぜ怖いのか、実際に失敗したらどうなると思う?と問うた。
失敗しても結局なんとかなると自分でも思えていること、総合的なパフォーマンスを上げるために適度にサボるのはむしろ良いことだとい -
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本書は、「カウンセリングとは何か」という根源的な問いに対して、原論を生み出そうとする試みである。
とても特徴的だと思ったのは、クライアントの立場に立って「カウンセリング」を説明をしてゆくことである。そのため、クライアントはユーザーと呼称される。また、各章にエピグラフがあったり、具体的なエピソードが交えられたりする。このような工夫が用いられたのは、社会からのまなざしから、あるいは読者のまなざしから「カウンセリングとは何か」を記述するためであろう。
この工夫が功を奏しており、新書にしてはページ数が多いものの、さまざまな人が手にとっているのだと思う。初学者である自分も楽しみながら学ぶことができた。 -
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僕は占いのみで生計を立てています。
つまり、本書でいうところの “野の医者” です。
これまでいくつかの東畑先生の著書を読んできましたが、本作も最高に笑わせていただきました。
無職時代の東畑先生が、トヨタ財団研究助成プログラムの支援を勝ち取り、沖縄を舞台にスピリチュアル界隈を縦横無尽に駆け巡る、ワクワクするフィールドワーク冒険譚です。
スピリチュアルのエネルギーは良くも悪くも強力です。
臨床心理士として確固たる信念を持っているはずの先生でさえ、大量の謎のスピリチュアルエネルギーに染め上げられ、ミイラ取りがミイラになってしまいます。
しかし、その包帯の隙間から覗く心理士としての眼を光らせ、 -
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野の医者とは何者か?
“癒しに関わり正規の科学から外れている人で、自身が病み、癒されたい人”
大方、このように臨床心理士の著者は定義しています。
“野の医者”を見ることで、臨床心理学はどういう学問か再考してみるというのが、本書のテーマです。
何だかこのように書くと小難しい感じですが、いやいやどうして著者の語りは、めちゃめちゃ面白い。著者の東畑さんは、ご自分のことを“野の学者”と称しています。東畑節さくれつで、「ちょっと真面目にやってください!」とツッコミを入れたくなるぐらい面白い。
場所は沖縄で、著者自らがヒーリング(怪しい治療?!)を受け、実況中継してくれるので説得力があります。な -
Posted by ブクログ
2025.12
今年読んだ本で一番良かったかも
救われる気持ち
まさに読むセラピー
すごい
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P29 体が回復するとき、体は異常な状態から正常な状態に戻ります。折れた骨がつながり、バイキンが体から除去される。そうやって、体が以前の状態に戻ることを、僕らは「回復した」と言います。だけど、心の回復は違う。たとえば、働きすぎて「うつ」になったとき、治療をして元通りになっただけであれば、再び働きすぎてしまうでしょう。心が回復したと言えるには、以前とは違う働き方ができるようになっていないといけません。つまり、これまでとは違う生き方をインストールしなくてはいけない。そうはいっても、どういう