東畑開人のレビュー一覧

  • 雨の日の心理学 こころのケアがはじまったら

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    著書の本は4冊目になるかな。いつもながら読みやすく、実際に話を聞いている感じがする。1日分ずつ分けて読んだ。装丁も良い。手元に置いて、自分にもケアが必要だと思ったら時々読み返そうと思う。

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    2025年04月19日
  • 聞く技術 聞いてもらう技術

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    聞く技術に関する本はたくさんある。またうまくプレゼンする技術に関する本はたくさんある。
    この本の特別なところは、その両者でもないところ。「聞いてもらう技術」というのが面白い。

    本書で結構強調して述べられている(「聴く」よりも「聞く」のほうが実は難しい)というのはある意味発見である。本に書いてあるように、私も聞くのは簡単で、聴くの方が難しく効果的なものだと思っていた。

    けれど日々の生活の実感として、圧倒的に必要な場面が多いのは「聞く」であるし、また難しいものであるという認識がないのが始末に悪い。

    家庭、職場での日々を振り返っても、実は難しい「聞く」の技術は伸ばすことができていないせいで日々

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    2025年04月13日
  • 心はどこへ消えた?

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    タイトルが意味深。
    コロナ禍に書かれた連載をまとめた本。
    つい数年前のことのはずなのに、もうずっと昔のような気がする。
    あのときはほんとにおかしな時期だった。
    みんながマスクをして、学校も休校になったし、リモートによる授業もあった。

    その時代性が、このタイトルを引き出した、らしい。
    東畑氏の本を読んだのは初めてだった。
    この人、ふざけているのか?そう思わせるようなエピソードと文体が楽しく、タイトルの堅苦しさと相反する印象を持った。
    だけど、”心はどこに消えた?”という問いは、カウンセリングの中で、真摯に導き出されたものだと思う。

    さまざまなクライアントの話はとても興味深い。
    何か不調を抱え

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    2025年03月29日
  • 聞く技術 聞いてもらう技術

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    小手先のオウム返しなどの技術を紹介しつつ、社会における「聞く・聞いてもらう」重要性と危機感について書かれた1冊。仕事で傾聴、アセスメントスキルが必要になったので、時間をおいてからまた読み返したい。

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    2025年03月29日
  • 聞く技術 聞いてもらう技術

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    聞く技術と聞いてもらう技術はセットである。第三者として自分が誰かの話を聞いてみる、それが、聞くがグルグル循環する最初の一歩となる。聞く人に心の余裕がないと聞くことができない。そのために聞く人は誰かに聞いてもらう。そういう風にして循環していくのだ。

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    2025年03月24日
  • 野の医者は笑う 心の治療とは何か?

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    ストーリーズには少し読みながら考えたことなんかを書いたりもしたけれど、結論を端的にいうならめちゃくちゃ面白くて最高な一冊だった。
    答えと「癒し」を求めて奔走する取材と迷走する妄想に笑って、その後の思索を読めば色々考えて知的探求のスリリングさも感じたり、セミナーやスクールの描写に驚いたり呆れたりもしながら、辿り着く「発見」と真摯な結論には納得して感動もして、その後の人生と選択にも共感もしていた。スピリチュアルではなく現実が繰り出してくる「ミラクル」なオチも素敵だった。そして、最後の最後には微笑みながら少し泣ぐんで本を閉じていた。ともすれば軽薄に感じて冷めてしまいそうな部分もある文体を、文庫版のま

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    2025年03月22日
  • 心はどこへ消えた?

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    ネタバレ

    仙台駅で新幹線に乗り遅れそうになりながら、久しぶりに新刊を本屋で買った。結果として、人生で初めてエッセイを読むことになった。普段は小説ばかり読んでいてストーリーにグイグイと引っ張られていく感覚が好きだったが、エッセイはふわりと心に心地よい風を吹かせてくれるような読書感でした。

    困難は時として栄養にもなる。

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    2025年03月22日
  • ふつうの相談

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    「ふつうの相談」には、p62〈外的ケアの整備〉と〈問題の知的整理〉の機能がある。この二つの機能が果たされた時にはじめて、情緒的サポート(ラポール)が成立する。この順序が重要。

    ラポールを形成してから心理的作業へ、と教科書にはあるが、まだ何の役にも立っていない専門家をどうやって信用できるというのか。p65

    ふつうの相談に決定的に重要なのは、ソーシャルワーク的な想像力p63
    問題の所在がどこにあり、どう変化するとよくて、それは何によって可能になるのかが知的に整理され、言語的に納得できることの価値は極めて大きい。客観的状況は同じでも、主観的な風景が変化するからだ。進むべき方角を実感できると、〜苦

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    2025年03月14日
  • 心はどこへ消えた?

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    「社会人として成長するには、一度徹底的に負荷を与えられる必要がある。それは俗にいう『潰す』という経験で、君にもきっといつかその時がくるよ。そんな壁にぶつかることそのものが大事だし、その壁を乗り越えないと成長には繋がらない。」
    そう言った上司がいた。そうなんだと納得した。でも、その人が言う「壁」とは、私にとっては穴だった。気づいたらどんどん仕事が増えてきて、訳もなく(あるのだけど分からない)不安になり、感受性がどんどんなくなっていった。
    あの人はこれをのりこえる壁だというけれど、私には壁として分かりやすく見えるものではなく、いく先の分からない穴に落ちていくことなのだ。まともに落ちたら、最終的には

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    2025年03月09日
  • 心はどこへ消えた?

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    本書のタイトル、心はどこへ消えた?
    心は対外的に説明するには不確かで、極めて個人的なもの。他者といるとき、心には時々蓋をして、見てみぬふりをしてしまう。
    その状態が当たり前になってしまう。
    東畑さんの『心は見失われてしまう』がとてもしっくりくる。

    だけど、1人になると心の輪郭はすごくはっきりとしてくる。嫌なこと、辛いこと、つい蓋をして振る舞えてしまう、大人だから。
    でも、自分は何がそんなに嫌だったんだろう?と深掘りすると、悔しかった、寂しかった、惨めだった、等具体的な言葉が思い浮かんではっとする。
    そういうことを繰り返して、私は私の扱い方がわかってきて、強くなってきた気がするなぁ。

    溢れで

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    2025年03月09日
  • 心はどこへ消えた?

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    「なんでも見つかる夜に、心だけが見つからない」に続き二作目です。
    今回は週刊文春で連載していたものを文庫化に。

    短くて、読み物としても、楽しく読めました。

    超自我や自分自身を取り締まってしまったり、
    言えなかったモヤモヤは
    心が発熱して炎症してたからだったのかとか、
    ハッとするものも含まれてました。

    物体として存在しない、心。
    だけど確かに存在する、心。

    重たくなりすぎず、
    読みやすいので、
    また折を見て読み返したいと思います。

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    2025年03月02日
  • 野の医者は笑う 心の治療とは何か?

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    最近、ミステリのブックガイドとして参照している本で "ぎゃー何を言ってるんだお前は!いいか、いまのお前はそれでいいかもしれないが [..]" と注釈が入ったものを読んで印象に強く残っていますが、こちらもそんな感じなのかもしれない、と「文庫版まえがき」を読み、そして本編を読みました。
    中身はもちろんよかったわけですが、「文庫版あとがき」の「最後に」がとても刺さりました。

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    2025年03月02日
  • 聞く技術 聞いてもらう技術

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    「聞く」とは何か。私たちは日常から聞くことをしています。それが難しくなった現代。心に余裕がなければ聞くことも正しくできません。世間知の我々は大きな役割を実は担っています。
    普段から気をつけていることもありますが、たまに読み返して心に留めておきたい言葉がたくさんあります。

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    2025年02月16日
  • ふつうの相談

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    この仕事は向いていない、私はいつか徹底的に相手を傷つけてしまうことがあるだろう、この分野に身を置くにはあまりに不勉強すぎる(でも何だか向き合えない)、今の仕事は本流ではない…と何度も何度も思いながら、この分野に身を置いてしまっている中で、この本は自分に向けられたものでは?と勘違いしたくなるくらい、お守りになることが書かれていた気がする。
    自分の守備範囲がわかっていて、限界がわかっているなら、それはそれで専門性だと思うし、その守備範囲ならではのできることもあるよな、と思った。研鑽していくのはこの守備範囲を広げていくことだったり、自分の守備範囲ってどこだろう(対象しかり、技法しかり、自分自身の力量

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    2025年01月28日
  • 聞く技術 聞いてもらう技術

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    自分の感じていたことが文章化されているような気持ちになった。納得する部分も多く、また「小手先のテクニック」から深い話まで、どう振る舞うべきかの指針が書いてあるので役立ちそう。
    ただ、「聞いてもらう技術」の小手先テクニックは、一時期自分がとても苦しい時期に無意識に実践していたことばかりだけど、誰からも声掛けされなかった覚えがあるので、苦々しい気持ちになってしまった。

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    2025年01月18日
  • 聞く技術 聞いてもらう技術

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    今、職場でうまく言語化できてないモヤモヤが解消された気がした。
    私は聞いてもらっていないし、聞いていない。
    上司からはいつも聞けていない。だから、聞いてもらうにも何を聞いてもらったら良いか分からない。分からないなりに、いったん聞いてもらうことに注力してみるけど、その後聞くことを疎かにしているからうまくいってないんだろうな。
    なるほどなって思うと同時にやっぱり面倒くさいし難しいなー!て思った。笑

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    2024年12月07日
  • 聞く技術 聞いてもらう技術

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    「聞く」ことの重要性とともに「聞いてもらう」ことの大切さにも気づかされました。

    「聞く」と「聞いてもらう」が循環し、人と人とのつながりができることが肝要なのではないかと思います。

    友人的な第三者が、心配してくれ、わかってくれる。それだけで心満たされ、その体験によって誰かを気づかい、声をかけ、話を聞くことができる。ゲートキーパーなどの役割を声高に説かなくても、そんな小さな積み重ねによって、世の中が少し変化するような気がしました。

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    2024年12月04日
  • 聞く技術 聞いてもらう技術

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    生きていくためには、聞いてもらい、聞くことが必要

    具体的で小手先感のある技術の話から、生きていくのに必要なつながりの話になる
    心理士の著者の具体的な話には説得力がある
    誰かに聞いてもらおうと、勇気をもらえる
    時々、読み返したくなるかもしれない

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    2024年11月21日
  • 悲しみとともにどう生きるか

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    ネタバレ

    未解決事件の遺族である入江杏さんが主宰する集まりの場「ミシュカの森」。
    そこへ招かれた方々が「悲しみとともにどう生きるか」をテーマに様々に語ったことをまとめた一冊。

    六人の方それぞれの悲しみに対する向き合い方に考えさせられたり理解が深まったように感じたり。

    第4章東畑開人さんの「アジールとアサイラムとパノプティコン」という話が興味深かった。避難所と収容所。シェルターと管理所。
    そしてその後の対談の中で「自分の物語を物語ることによる癒し」という話がなされます。河合隼雄先生が物語によって生きる力や癒しを得られるというようなことをいくつかの著作の中で語られていたことを思い出しました。
    読みながら

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    2024年11月20日
  • 聞く技術 聞いてもらう技術

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    社会に出たばかりの新入社員たちが、次々と心を病んで、「○○病」と診断されて休んでしまう。もちろん企業も悪いわけだが、別面で、「医者に行く前に人生の先輩たちに相談しようよ」というケースもある。だって、社会に出ることはとてつもなく大変な体験なんだから。それは病気じゃなくて、社会的な事実なんだよ、と。

    こういうケースに適切なアドバイスを受けられる環境がずいぶんと減って、いきなり医者=専門家になっている。その手前の大きなグレーゾーン=世間知が空洞化してしまった。困るのは若者や弱き人たちだ。現代に必要なのは、「つながり」だ。

    とてもまっとうで、真摯な指摘だ。逆にいえば、ここまで現代社会は孤立化、空洞

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    2024年11月14日