東畑開人のレビュー一覧
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私たちが人の話を聞けなくなってしまうのは、その人自身が孤立してしまっている時。
部下の文句を受け止めるには、上司自身が他に善きつながりを持っている必要があるし、お母さんが子どもの話を聞こうと思ったら、お母さんの話を誰かが聞いていないといけない。
話を聞いてもらうには、「聞いてもらう技術」がいる。だけど、たいした技術じゃなくて、小手先の技術である。話を聞いて欲しい人と隣の席に座ってみたり、一緒に帰ったり。あとは会議後のzoomで最後まで残ってみたり。焚き火を一緒に見るとか、歯磨きに一緒に行くとか。不安や愚痴を話しやすくなる場を共有してもらうという感じ。
だけど緊急事態であれば、ワケありげな顔を -
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心のケアって難しい。確かに、と思う内容でした。ただ、どう自分の生活に適用していくべきか、そこが難しい。本の内容は難しくありませんが、心のケアという課題自体の難しさを感じました。
以下、学んだことメモ
・ケア
→傷つけないこと、ニーズを満たす
・セラピー
→傷つきと向き合う
・ケアが先で、セラピーが後
・雨の日は相手を理解し直す
・心に補助線を引いて、心をわかりやすくする
・やさしさとは技術である
・会話の矛盾を見逃さない
・わかったふりをせず、
もうちょっと教えて、と言う
・また話そう、ちょっと考えておく
・目の前のニーズにこたえるおせっかいをする
・本人ではなく、環境を変える
・ケアがうま -
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人生は急に雨の日に直面したり雨の日に直面している人と関わらなければならない局面がくるかもしれない。その前提が毎日の細かな出来事にも大いに当てはまる気がしています。毎日いろんなことが起きる。そして、「雨の日はわからなさからはじまる」から、そうかわからないんだわかりづらいんだということが個人的に腹落ちするというか、素直に共感を持って読みすすめられました。授業形式で学びを得られる内容構成も今の気分に合ってて読みやすかった。
東畑さんの書籍はおもしろいし、優しい。町の心理学者としての本人の覚悟が表れている感じ。
ケアの心や視点を持てると社会や世界がグッとよい場所に変わりそうだな… -
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山崎怜奈さんが「コロナ禍に読んですごく救われた」と絶賛されていて気になった本。
臨床心理士の著者の元には、さまざまな悩みを持った人々がカウセリングを受けに訪れる。
アメリカでは美容院に行くような感覚でカウンセラーの元を訪れる人が多いと聞いたことがある。ちょっと前髪伸びてきたから、みたいな気軽な感じで、ちょっと心が疲れてきたからカウセリングに行く。
鬱などの明確な諸症状がないと受けられないと思っていた私は、それを聞いてカウセリングに興味を持ったのだが、本書で初めて、カウセリングは長い時間をかけるものと知った。
著者は時に何ヶ月もかけてクライエントの話を聞き続け、思いを吐き出させる。そこには説 -
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ネタバレ「雨の日の心理学」が良かったので気になっていた本。こちらは論文の形態で「雨の日の心理学」より難しかったけど興味深かった。
世間知と学派知と現場知。いずれも賢いのだろうが、ときにバカになる。専門知は世間知らずになりやすく、世間知は傲慢になりやすい。学派知は暴走しやすく、現場知は閉塞しやすい。(p149)
この部分ほんとにその通り。
たとえば自分の仕事で言えば、「ふつうに考えてその状況はつらいよね」と相談者に共感する心や、「その行動は疾患が大きな原因になっていそう」と分析する知識、「こういう時はちょっと距離を取って様子を見た方が良い方向に転びそう」と経験に基づいた勘。
どれも日々の相談業務にお -
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聞く技術に関する本はたくさんある。またうまくプレゼンする技術に関する本はたくさんある。
この本の特別なところは、その両者でもないところ。「聞いてもらう技術」というのが面白い。
本書で結構強調して述べられている(「聴く」よりも「聞く」のほうが実は難しい)というのはある意味発見である。本に書いてあるように、私も聞くのは簡単で、聴くの方が難しく効果的なものだと思っていた。
けれど日々の生活の実感として、圧倒的に必要な場面が多いのは「聞く」であるし、また難しいものであるという認識がないのが始末に悪い。
家庭、職場での日々を振り返っても、実は難しい「聞く」の技術は伸ばすことができていないせいで日々 -
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タイトルが意味深。
コロナ禍に書かれた連載をまとめた本。
つい数年前のことのはずなのに、もうずっと昔のような気がする。
あのときはほんとにおかしな時期だった。
みんながマスクをして、学校も休校になったし、リモートによる授業もあった。
その時代性が、このタイトルを引き出した、らしい。
東畑氏の本を読んだのは初めてだった。
この人、ふざけているのか?そう思わせるようなエピソードと文体が楽しく、タイトルの堅苦しさと相反する印象を持った。
だけど、”心はどこに消えた?”という問いは、カウンセリングの中で、真摯に導き出されたものだと思う。
さまざまなクライアントの話はとても興味深い。
何か不調を抱え -
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ストーリーズには少し読みながら考えたことなんかを書いたりもしたけれど、結論を端的にいうならめちゃくちゃ面白くて最高な一冊だった。
答えと「癒し」を求めて奔走する取材と迷走する妄想に笑って、その後の思索を読めば色々考えて知的探求のスリリングさも感じたり、セミナーやスクールの描写に驚いたり呆れたりもしながら、辿り着く「発見」と真摯な結論には納得して感動もして、その後の人生と選択にも共感もしていた。スピリチュアルではなく現実が繰り出してくる「ミラクル」なオチも素敵だった。そして、最後の最後には微笑みながら少し泣ぐんで本を閉じていた。ともすれば軽薄に感じて冷めてしまいそうな部分もある文体を、文庫版のま