認知行動療法の哲学 ストア派と哲学的治療の系譜

認知行動療法の哲学 ストア派と哲学的治療の系譜

ビジネス・実用
3,564円 (税込)

17pt

4.3

認知行動療法は、古代ストア哲学の末裔である――
霊と呪術から心を解放した近代科学の正嫡・認知行動療法には“知られざる系譜”が存在した……心の正面ドアをノックする「理性のコントロール」か? はたまた心の裏階段から忍び込む「非理性のカタルシス」か? アーロン・ベックとアルバート・エリスが愛したストア派の賢者たち――マルクス・アウレリウス、エピクテトス、セネカ――に導かれ、心の治癒の一大精神史を体感する。

「この本は古代から連綿と続いてきた「理性による治療」の解説書であると同時に、ワークブックとしても使うことができる。千々に乱れる情念を理性でコントロールする。そのために、読者が理性の筋トレとストレッチを行えるようになっている。だから、同じように、読者であるあなたにも「理性に癒される」体験をしてもらえたならば、監訳者としてはそれで十分な気もする(それはおそらく原著者の願いでもある)」(東畑開人「理性に癒される――解題に代えて」より)

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認知行動療法の哲学 ストア派と哲学的治療の系譜 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    なかなか読み込むのはハードだったけれど、読めてよかった。とてもよかった。

    認知行動療法が、近代の科学的アプローチとして
    突如出てきたのではないということ。
    「仄暗い夜明け前の古代からの前史があったというイマジネーションに勇気をもらった。」という東畑さんのあとがき、本当にその通りだなと思った。

    力動的なものと認知行動療法、非理性と理性、
    より糸のように組み合わさり、すべてのアプローチに二重性があるということ。
    これが絡まり合いながら、時期によって濃度を変え営まれる両眼視の視点。

    認知行動療法の見方がだいぶ変わった。

    聞くことで心を支援する
    この営みの途方のなさに疲れたとき、古代から人間ってのは同じように悩み続けていたのかと、そんなことを想像してなぜか勇気をもらう。

    理性とは何か。
    「個」としての輪郭、他人との境界がくっきりしてようやく理性と理性のやりとりができる

    境界に薄膜を作ること
    果てしないなあ

    でも、とても良い本だった。
    最後の付録「ストア派セラピーのツールキット―日々の自己改善に向けた養生法」も哲学的でよかった。

    果てしない営み

    0
    2025年10月08日

    Posted by ブクログ

    超いい本
    っていうか認知行動療法ハマってる人の中でそもそも中高生の時からストア派好きな人沢山いるとおもうもん

    0
    2022年11月18日

    Posted by ブクログ

    面白かった。ストア派入門としてもいいのでは。
    ストア派に、認知の流れも行動の流れもあって、第二世代までは自覚的に自分を西洋哲学ないしストア派の流れの延長に置いていたとのこと。

    0
    2022年08月23日

    Posted by ブクログ

    ニーバーの祈りやアルコール依存症治療の考え方の源流がストア哲学にあるという。領域横断型の書籍は面白い。

    0
    2024年03月02日

    Posted by ブクログ

    マルクスアウレリウス本より前に書いたものようだ。あっちはそこそこおもしろいけど、こっちはどうだろうなあ。CBTをストア派に寄せすぎじゃないかと思う。歴史的にもなんというかちがうんちゃうかっていう気がするし。私はあんまり乗る気になれません。

    0
    2022年07月16日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    【行動認知療法はストア派哲学だった】

    認知の仕方、考え方に介入するこで行動の変容を促すような現代の治療法である行動認知療法(CBT)。20世紀ごろから科学的、臨床的に発展してきたこの治療法のようですが、まさにストア派哲学の教えに多くの点で通ずるところがあるということが本書を読んでわかりました。

    これまで、マインドフルネスなどは東洋哲学が起源だとの認識が一般的にあったかと思いますが、著者はこの本により、西欧にも同じような考え方の起源があり、またそこから今日の行動認知療法へのインスピレーションを得られるのでは、との動機で本書を書かれたようです。

    古代哲学は、医療であったこと。哲学者は、魂の医師とのクリュシッポスの記述もあるそうです。

    また、現代の認知行動療法の開発者のアーロン・ベック博士、また、論理情動行動療法(REBT)を創始したアルバート・エリス博士が、ストア派のえピクテイトスの言葉「人々を不安にするのは、事柄ではなく、事柄についての重いである」を引用しているなど、素の親和性はさまざまな学者も論じられているようです。

    なので、本書ではあらためてそのつながりを体系的に検証するような形で、
    ストア派哲学を認知行動療法の視点で深め、
    後半では現在用いられている療法と、古代ギリシャで実践されていた哲学手法やストア派の実践を照らし合わせて紹介しています。

    ・・・

    私は臨床心理学や認知行動療法はまったくの素人であり、
    基礎的な知識があったほうが確かに読みやすいですが、
    それでも興味深く拝読しました。

    エピクテトス は、私たちの「力の及ぶもの」、と「力の及ばないもの」を区別すること、この区別ができるようになることこそ、教育だと。

    自分を変えることで世界が変わる、とか、
    過去は変えられない、とか、
    ポジティブ思考、とか、
    自己啓発やアドバイスでもよくいわれることですが、

    エビデンスに基づいて医療として実施しているのが行動認知療法。

    ・・・

    モデリングの手法は、古代ギリシャでも、賢者を見習う、ソクラテスをロールモデルとする、周りで最良の人たちを君の友達とせよ、といったピタゴラスからも見ることができる。


    ディスタンシング、マインドフルネスも、古代の哲学者が今、何に自分の心を用いているのか、意識とその対象、思考と事実を区別することが説かれています。コントロール可能なことに対しては責任を果たし、不可能なことは無関心でいること。カタルシスの浄化作用も触れられています。

    自己分析も実践されています。吟味されていない人生に生きる価値はない、とするソクラテスの哲学。彼の問答法は、自己欺瞞や矛盾、二重基準を解くプロセスでもある、と。

    自己陳述、自己教示訓練、アファーメーション、のようなこともなされていたとのこと。定期的に自己暗示、回顧的瞑想などを実践していました。

    そして、心的暴露、心的準備、視覚化、認知リハーサル、ロールプレイといった手法。これらも、ストア派哲学の災厄の予期、死の瞑想、現実のものとして事態を想定することなどから見ることができます。


    ・・・

    自然界に価値は存在しない。
    苦痛も動揺も、不幸も善悪も、自分を介して初めてある。

    冷静に考えることは大事だっていうけれど、
    これには継続的な訓練があって身に付けられていくものであること、そのスキルをどうやってどこまで高められるか、よりよく生きることだということ。

    自分の内側の動きを自覚し、
    苦痛については苦痛の反応を取り除く。
    あらためて自分の持つ情動を観察し、どのような考え方があってどのように判断を下したかを分析する。そして情動をコントロールする、物事に与える価値を見直す。


    心が乱れたときをチャンスとして、
    自分はどんな価値判断をしたのか、
    を学んでいこう。

    情動に理性を使う。
    その姿勢を鍛錬する。

    過去の自分も、未来の自分も、今の自分の意識も力も及ばないもの。
    同時に過去も未来も自分も他人もあらゆる物事が、全ての一部であるというつながり。

    だから、事に当たる際には、いま・ここ、で感じているもの、意識しているものに心を向けて、より良い判断を下していくこと。より良い物事の見方、反応の仕方を習慣づけること。

    ・・・


    認知行動療法は症状を直す、治療的、短期的なアプローチで、
    ストア派はレジリエンスを高める、予防的、長期的なアプローチだ、
    とも論じられていて、

    古代ギリシャの賢人は人間の絶頂期だったのではと思ってしまう。…

    本も継続的に読み続けることでもっと習得できそう。

    0
    2024年06月02日

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