冲方丁のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
初・漫画版マルドゥック。
ここからの「導火」編の扉絵が、階段に立つバロットと誘拐犬で連作になってるのがえらい怖い。好きだ。
ボイルドの見た目が端正なのにびっくりした。あと展開がまったく違うし登場人物もここまで違うのか、って驚きつつある意味納得した最初。
回想の場面の「雛料理」バロットはかなりイメージ通り。
誘拐犬の皆さん登場でああこれは面白くなるなあ登場の仕方に愛嬌があるなあとニヤニヤしてたらえげつなかった。
しかし映像化して補ったらこれくらいのことは日常的にやってるキャラクターなんだったそう言えば。
シェルの「綺麗好き」もえげつない。
ミディアムとヘアが可愛い。
大今さんが「ミディアムは死ななきゃいけませんか」(バンダースナッチ好きになってきたので何人か生き残らせたい)と冲方さんに聞いたらしいとSFマガジンで読んだけども確かに力が入ってる。楽しそうで家族みたいに仲良い誘拐犬もいいな。この後ああなるわけだがそれ含めてそういう書き方が。 -
Posted by ブクログ
ここまで変えられると素直に別物としてストレスなく読めた。
2→3→1の順で読んでしまった。1巻がなかなか見つからなくて我慢できずつい。
改訂新版を読み終わってから、と思ったので余韻を引きずった状態で読み始めたら、冒頭の改変っぷりにまず驚いた。
「ばいばい、バロット」がきっと原作終盤のあれにつながると思って期待、するには、ばっしばし改編されてるからどうかな。
「ああいう育ち方をした十五歳の女の子」に、彼女が殻やネズミに対してどう思うか、に特化してるという印象。
ウフコックも「優しく使ってくれる」使い手を待ってる、という点で原作とは別人な様な気がするので、このお互い幼い二人組がどうなるのかハラハラする。楽しみというか興味がある。
バロットが硬質なお人形みたいな美少女、ってか可愛い。愛くるしい。幼い。
シェルの記憶がなくなるって設定やそこから来る人格の破綻っぷりも、なかなか激しく改編されてるので、外見のイメージが全然違ったのもそれなら納得。
(これで本当の動機が原作通りだったらそれはそれで凄まじいな) -
Posted by ブクログ
焦げ付いて、ないなぁ・・
今回はボイルドと初戦闘(原作には無い)から畜産業者と戦闘開始まで。
ショーンが親父ハジく→養護施設→娼館行きのバロット過去話らへんはこの絵柄だからこそのどうにもなら無さがあって好き。特にダンボール。
うーん、ところどころ重要なシーンをかっ飛ばしてるんだよなぁ・・。
まずバロットがウフコックのバディになるときに告ってない。相棒とか友達とかすっとばしていきなり「愛してる」とか言っちゃうその焦げ付いた感じがバロットなんだけどな。それと畜産業者とボイルドの会話で「虚無だけくれ」のくだりが無いのは凄く違和感。虚無というキーワードにしがみついてるのがボイルドの焦げ付きなんだし、これが無いと後でフェイスマンと問答するときに困るんじゃなかろうか。
まだまだ続刊に期待するけど別マで濫用シーン見る限りでは、なんかイメージが違うというか意図して焦げついた感じを削ってるんじゃないかと思う。うーん。 -
Posted by ブクログ
冲方丁の力作ファンタジー。ものすごいエネルギーと執着が感じられますねえ。作者が世界と主題にこだわって書いたというだけあって、強烈な世界観を作り出しています。ヒロインの少女ベルは人間らしいんだけど、周りの登場人物が猫、蛙、山羊、人魚といった人間以外の動物的特性を持った連中なので、ベルは何の特徴も持たないのっぺらぼうとして異人扱いされます。ベル自身も自身の出自が分からず、自分ていったい何?と自身の存在を問い続けながら、愛用の剣で敵と戦い続けます。
人々は機械仕掛けの神に支配されていて、「都市」と「外」に分かれて予定調和的な戦いを繰り広げます。剣が育ったり、鉱物が動いたり色が変わったり、花から生物が生まれたり、音楽が人や戦いや農産物に影響を与えたり、不思議な設定が多い。空にアースが浮かぶことから、どうやら舞台は月らしい。人間であるベルだけ重力に慣れてなくて身軽に動けたり、バカ力を発揮したりと一部では妙にリアルな設定だったりする。
すごく面白いんだけど、特殊性の高い設定に加えて独特の言葉遣いや造語の嵐で読みにくいことこの上ない。筆者の気迫もすごくて、戦闘シーンや心理描写をこれでもかというくらい過剰に描くので、あまり熱を入れて読み込むと頭痛がしてきます。
最後にSF的な種明かしが一応あるんだけど、なんかはっきりしないというか、問題がヒロインの内面内面へと向かっていく感じで、その辺はあまり重視してないみたいだ。