冲方丁のレビュー一覧
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『春はあけぼの』って、実は1000年前の“推し活”だった。これを知っていたら、学生時代の古文の授業はもっと楽しかった気がします。
冲方丁さんの『はなとゆめ』は、『枕草子』をまったく新しい視点で見せてくれる歴史小説です。
主人公は清少納言。彼女が仕えた中宮・定子は、一条天皇に深く愛されながらも、藤原道長による熾烈な権力争いの中で次第に追い詰められていきます。宮中では血縁や権力を巡る争いが続き、誰もが生き残るために戦っていました。
そんな中で、清少納言が選んだ武器は剣でも政治でもありませんでした。
「好きなもの」を書くこと。
『枕草子』は、定子という一人の女性の美しさや知性、宮中で過ごした輝く時間を未来へ残すための文学だった――そう考えると、この作品の見え方は一変します。
私は読みながら、「これは定子様への同人誌であり、1000年前の推し活なんだ」と思いました。
もちろん現代の「推し活」とは違います。でも、大切な人の魅力を誰かに伝えたい、この人の存在を未来まで残したいという気持ちが、1000年経った今にも残った凄みを感じました。
特に心を動かされたのは、血なまぐさい権力争いが続く世界で、それでも清少納言は憎しみを書かなかったことです。政治を批判するのではなく、「美しいもの」「心が動いたもの」を書き続けた。その静かな筆が、結果として千年後まで定子という存在を生かし続けています。
この本を読んで改めて感じたのは、愛とは「守る」ことなのかもしれないということでした。
歴史小説でありながら、文学とは何か、愛とは何かを考えさせられる一冊です。そして何より、「春はあけぼの」がこんなにも熱い物語だったことを、もっと早く知りたかったと思いました。 -
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大政奉還
江戸城の無血開城
教科書でただ事実として伝えられたその言葉が、何を意味するのか、どんな歴史を包み込むのか、深く、立体的で、さまざまさ方面からの思惑が重なり合う、その様が、心も抉りながらでも考えさせられるとても良い作品だと思います。久々にゆっくりと小説を読みながら、そうそう、こういう世界観が描けるから冲方さんのことが好きだった、私は最近腐ってばかりだけど、こういう無鉄砲で、正義のために戦う人たちが好きだったと改めて思い出させてくれました。主君のためというよりも、困った民心のため。そのために粉骨砕身働く勝さんが、やはり私は好きです。
純粋に政治的な駆け引きも参考になりますけどね! -
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なんかわかんなくなっちゃってんだよね前巻読んだのだいぶ前だから。そんで7割くらいのボリュームでずーっとどっかで戦ってるんだよね。こっちの勢力とあっちの勢力が。なんでこいつとあいつがこっちの勢力になってんのか、もうよくわかんねえんだよ。そんなだけど破天荒に面白いんだわ。もうこれ天才でしょ。マルドゥックスクランブルのときからもちろん好きだったけどさ。これだけの数の異能力者を描き切って文章で表現するのは著者が異能だよ。
アレよね、シザースが当面の敵なのよね?だから均一であり完璧であるべきとする勢力と、個々の弱みを補い合う多様性の勢力の紛争、と捉えていいのよね?1巻から読まないともうわけがわからなくなってしまっている。
ワイはこの世界に生きるんだったら、風を操るエンハンサーになりたいな。指先でワイヤーワームを生成して、そのワイヤーワームを高速回転させて風を作るの。ワイヤーワーム自体は非力なんだけど、連結させてすごい風を作ったりできるの。風に砂を混ぜ込んでサンドブラスト攻撃なんかもしちゃうの。風の障壁を作って仲間を守ったりもしちゃう。 -
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これは秀逸。
戦国時代の脇役の心理がわかる。作者によって見方が少しづつ変わるのも面白い。作品の並びも素晴らしい。秀吉の朝鮮出兵が与えた武将らの心持ちが、それ以降の人生を変えていく様もしゆういつ。
・人を致して、伊藤潤
人に致されてきた家康、今回も三成が取り除きたいと考えた武将に絡む策に乗る。
・笹を噛ませよ、吉川永青
敗軍の将につかい続けた槍の名手可児歳三、とった首には笹を噛ませる。一番槍を横取りした味方の井伊直政を追う。何のために戦うかを学んだ才蔵、直政の配慮。
・有楽斎の城、天野純希
信長の13歳下の弟、父信秀の11番目の男子として生まれた。武芸よりも芸事。武運にも見放され茶の湯にハマる。武将らからは蔑まれるものの兄の威光で本能寺後も配慮される。その有楽の心の動きを一人称で追う。
・怪僧恵瓊、木下昌輝
恵瓊は元々武田の一棟、安芸の武田。信長や秀吉の行先を予言。父が毛利に殺された恨みは忘れてはいない。毛利に恨みと感謝、どのような策を練るのか。吉川広家を主人公に展開。
・丸に十文字、矢野隆
島津維新義弘、激情の男。家康の依頼に意気を感じたものの、また三成は三成、急激に冷めた心を、また、燃え上がらせたものは。
・真紅の米、冲方丁
小早川金吾中納言秀秋、子どもの頃から必要なものは全て与えられてきた。食としての米、財政としての米、を知り、朝鮮出兵の総大将も経験。三成の所業に不満。こだわった米に毒。
・狐狼なり、葉室麟
三成は誤算ではなく、自ら計算づくでこの結果を導いたと言う。これは無理あるんちゃう?と思いました。すいません。 -
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驚くほどのお人好しである暢光が巻き起こすFPSゲームファンタジー。
人を信用することが難しいこの時代に、ファンタジーと電子世界を融合させ、上手く家族の団結や絆を描き出せている作品。
戦闘場面の描写は少々斜め読みしてしまいつつ、次の展開がどうかるかもある程度予想がつきながらもおもしろく読み進めることができた。
世代を超えてコミュニケーションや絆を確かめるのは会話だったり、はたまたアニメだったり、ゲームだったり、時には何気ない公園でのキャッチボールなのかもしれない。
人をつなぐコミュニケーションの手段は無数にあり、心をつなぐことは信じることなんだと改めて思えた作品。
後日談のようなエンディングも心地よく読み終えられた。
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めちゃくちゃ読みやすいのは変わらず、一巻と大きく場面が変わる巻。
前巻の終盤がかなり激しかった対比なのか、安心や平和な雰囲気が心地よく、主人公に暖かく接してくれるキャラクターに好感が持てた。
怒り、悲しみ、反省など、主人公バロットの感情が流れ込んでくるような読み味に心を動かされる。本当にすごい。
巻の後半はさらに場面が変わって、次巻までまたがる長いパートが開始する。
普通、スタートが好評な作品は中高盤ダレがちだけど、今作は丁寧な説明と、飲み込まれるように読める展開の面白さが衝撃的。
キャラクターの成長と、ストーリーの進みがマッチして非常に気持ち良い一冊! -
匿名
ネタバレ 購入済み某少女漫画雑誌と同じタイトルだなあと思いつつ(笑)
タイトルのうち「はな」とは【華】
「その人なりの才を発見し、柔らかに導いてしまう。その人自身にその人ならではの華があることを悟らせる」
とは、中宮定子の最大の美点として、この物語の主人公清少納言が表した言葉。
かの清少納言が、少し引っ込み思案で、
父親のような卓越した歌才がないことに対しコンプレックスを持ったりしているという人物造詣には少し驚いたのだけど、
それはこちらの勝手な思い込みに過ぎないのかもしれないなあと思いました。
(何しろ「枕草子」も中学校で習った「春はあけぼの」しか読んだことないんで)
中宮定子様がこの本に書かれている通りの方だったとしたら、なんと仕え甲斐のある主だったんだろうとも思いました。
また、ふんだんにカラーのイラストが入っていて、そちらもきれいで楽しめました。