冲方丁のレビュー一覧
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ネタバレ藤原道長の娘で、一条天皇の后、その後の天皇3人の母である藤原彰子の生涯を描く歴史小説。さすがは冲方丁、非常に面白い小説だった。
藤原道長、頼道親子の官僚としてのしたたかさを裏にして、ちょっと神経質で情けない側を表にみせる描写、一条天皇や後一条天皇の徳政、紫式部の知性と不思議ちゃんっぷり…こういうややデフォルメさせた個性的な登場人物たちを配して、主人公の彰子の幼少期の無力っぽさ、一条天皇を慕う一途さ、父道長を利用したり弟頼道を泳がせつつ手綱を握るしたたかさを、魅力たっぷりに描く。
平安時代、こと藤原氏全盛期のなんともドロドロ・コソコソした宮廷風景があまり好きではなく、例の望月短歌に見られるイ -
購入済み
しゃれた構成のアンソロジー
煙草をテーマに有名作家の有名小説の番外編ばかりを集めたという大変にしゃれた構成のアンソロジー。
もとの小説を読んでいれば読み返したくなるし、読んでいなければ読みたくなるという、出版社 作家の術中にはまってしまうたちの悪い本。
番外編ではあるが元の本の色合い香りを程よく保った佳作が多い。 -
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ネタバレバロットとウフコックが再会し救出できたかが、ウフコックはブルーの奪還のためにそのまま再度潜入捜査をすることに。ただ、その捜査は長くはかからず、誓約の銃との全面戦争へ。バロットの成長とともに圧倒的な勝利をするもマクスウェルは逃してしまう。
また、一方では、ハンターが市議会員になったいるやうな描写や誰かの葬儀など、まだまだ明らかにされてない描写がワクワクした。
シザーズ側として、バロットたちから逃げ出したマクスウェルやイースター達の仲間であるレザーやラフィがシザーズ側になってしまうような描写があったりと新たな不穏な動きが。
今後は、ウフコックとハンターの針の共鳴を軸に彼らとの戦いが描かれるとともに -
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ネタバレウフコックを取り戻すべく奮闘するバロット。誕生日を機に声帯再建手術を受け、その成功の翌日にハンターとの二度目の邂逅へ。
そして、その邂逅でウフコックの居場所の特定に成功し、奪還作戦へ。また、ハンター側もシザーズとの直接対決が始まろうとしており、ウフコック奪還作戦の時にハンターの登場がなかった理由も明らかに。
最後は、ウフコックが脳死状態にあるブルーを救出に行くために再びの潜入捜査をするという、ちょっと驚きとバロットみたく悲しい続きに。
脱出作戦のようなバロットとウフコック、そしてアビーたちの連携プレーがまた読みたいし、次巻以降もそうなって欲しいと願っている。 -
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ネタバレハンターのエンハンス能力により、新興勢力のエンハンサー集団を取り込んでいくクインテット。それに対抗しようとウフコックとイースター博士が中心となり善の組織を作り上げる。
中盤から終盤にかけて直接対決することに。そこでは数々の仲間や敵方の人物がやられていったが、まさか、最初のロックに続けてブルーまで死んでしまうとは驚きだった。ニヒルなキャラで好きになりかけていたところだったのに、ここで殺してしまうとは。。。
また、短編でネタバレされていたが、ネヴィル検事には、すごくイライラさせられた。
最後に、ウフコックとバロットが再開できていたので、やっと反撃の希望が出てきた。 -
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ネタバレ前作からサム弁護士の遺志を継ぎ、クインテットへの潜入捜査及び犯罪者のリストメーカーとなるべく奔走するウフコック。
ただ、そこではハンターの緻密な戦略のもとアンダーグラウンドをあっという間に制圧する悪徳の極みたるクインテットを傍観するしかなかったウフコック。いっときバロットに癒されたが、すぐに潜入捜査に戻ってしまった。かれが隠してしまった感情は、彼女に対する恋慕やそれに付随する形の思い遣りなどかな。と想像しつつ読み進めていた。
また、『マルドゥック・フラグメンツ』で描かれていたエンジェルの登場など、敵方と思われる人物ばっかり出てくるわ、ウフコックは相変わらずガス室からのレポートであるなど、全く希 -
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ネタバレ『マルドゥック・スクランブル』から2年後が舞台。今作の主人公は前作からのバロットではなく、新しくウフコックのパートナーとなったロック。。。だと思って読んでいたが開始早々に彼を失うことに。
『マルドゥック・フラグメンツ』において絶望的なレポートをウフコックが書いていたし、また、合間合間にウフコックの絶望的な振り返りもあってとっても重苦しい雰囲気でしかない。ただ、その雰囲気がこの世界に引き込まれてしまう要因でもあるのが面白いところ。
物語的には、馴染みのスラムで活動するサム弁護士が持ち込んだ依頼から全てが始まり、ウフコックがその弁護士の意思を継ぐ形で新勢力との戦いが勃発して行くこととなる。 -