冲方丁のレビュー一覧

  • 月と日の后(下)
    国母として頂点に君臨せざる負えなかった彰子。

    なんだか、己の親類縁者に振り回されないよう、定子の産んだ子供たちを守ろうとしながらも、思い及ばず。

    そして、長生きの家系である彰子は次々と多くの死を見つめることになるのが切ないですね。

    友人と彰子の家系は長生きという話をしていたことがあるの...続きを読む
  • マルドゥック・スクランブル The 3rd Exhaust─排気 〔完全版〕
    手に汗握る戦いの連続…おかげで一気に読んでしまった……こんなにも存在意義や価値を自問するような、己を見つめ返しながら命のとことんの所で戦う話は読んだことがなかった。
    バロットとアシュレイのブラックジャックでのシーンはルールのなかでお互いの生き様とこれからの生き方を問うような熱いものでした。古いゲーム...続きを読む
  • サタデーエッセー 冲方丁の読むラジオ
    優しい語り口でラジオを聴いてるみたい。教育格差をなくすことの重要性と親の心がけが自分の心には響いた。また少し時間をあけて読み直そう。
  • 月と日の后(上)
    平安時代。不遇の生涯を送った中宮の定子。彼女に対して12歳(現代では10歳から11歳ごろ)で入内した道長の娘・彰子。

      一日も早く子供を望まれながら、21歳まで身籠ることができなかった彼女が願ったのは、優しい夫である一条帝を守ること。 
      そして、彼から託された定子の息子・敦康親王を育て上げる...続きを読む
  • 十二人の死にたい子どもたち
    ヤバい❗めちゃくちゃ面白かった!!5年前の作品だけど今回初めて読んで今のところ今年1番面白かった!!映画化もされているけど…納得の面白さでした‼️序盤からずーっと違和感があって最後には「そうきたかぁ」と唸ってしまいました…オススメの1作です!
  • 月と日の后
    冲方丁さんの『はなとゆめ』に続けて読む。
    おもしろいー!
    これは、『はなとゆめ』が清少納言を中心に据えていたのと違って、紫式部が主人公じゃなく、はっきりと彰子が主役。

    なんで私が?と内向きだった14歳の少女が、夫一条天皇や紫式部から、また人々の振る舞いを見ることで自ら学んで、朝廷の和のためにと菩薩...続きを読む
  • 骨灰
    久しぶりの分厚い本だったが一気に読んだ。骨灰のタイトルの通り、そして表紙の通り、見えない何かの恐怖と謎の空間と儀式の恐怖、いろいろな恐怖を感じつつ読み進める手が止まらなかった。現地調査に行った男やその家族の身に降りかかる様々なこと、焼けたニオイなども実に分かりやすい描写で想像できるので、より恐ろしさ...続きを読む
  • マイ・リトル・ヒーロー
    ゲームを通して人との繋がりや成長が印象的な1冊。
    FPSなどゲーム好きには共感する部分がある思います。
    プレイ中の喜びや興奮が読んでる側としてもドキドキし、読んでいて楽しくなりました。
  • 新装版 冲方丁のライトノベルの書き方講座

    面白かった。
    こういう感じの本をあまり読んだことがなかったけど、読みやすくてよかった。
    好きな作品の裏話的なものも読めてよかったな。
  • 天地明察 下
    久々に気持ちの良い小説だった。江戸初期日本で初めての天文学者渋川春海の本。
    囲碁のプロの一家でありながら算術と日時計が趣味。23歳から取り組み46歳、23年かけて改暦に挑んだ男。
    平安時代の貞観4年(862)から中国の宣明暦をもとに毎年の暦を作成したが、800年以上もの長い間同じ暦法を使っていたので...続きを読む
  • 骨灰
    すっごい怖かった。
    主人公が祟られたことによってだんだん狂っていく様がリアルで、夜眠れなくなりそうなほど。
    映画になってほしいな。
  • 骨灰
    始めの数行で、もう、既に怖い!
    どんどん、深い地下に潜っていくたび、読んでいて、息が止まりそうだった。

    東京は、震災や空襲で、たくさんの人が亡くなったことはよく知っていて、たくさんんの暗渠があることも知っている。

    ホラー的には、
    死んだ父親?に翻弄される、主人公の行動。
    骨灰がまとわりつくあたり...続きを読む
  • SGU 警視庁特別銃装班
    1章だけでも十分一冊にできる面白さ。SGU顛末記のような雰囲気で、事後レポートを読まされているような文体での記載手法は新鮮。その上で、冲方氏らしい、圧倒的な情報量とスピーディさと情景描写・人物描写の上手さが光っており、最初から最後まで面白かった。日本がこのような近未来になっていないように祈るばかり。...続きを読む
  • マルドゥック・アノニマス 5
    様々に展開を迎えるシーンがあって、読んでいて楽しい。

    バロットとバジルの交渉が終わり、vs.ガンズが始まる。
    ライムの指揮。とそれに反発を覚えるバロット。

    ハンターの過去、そのギフトのルーツ=シザースにたどり着くバロット。

    ハンターvs.シザース(シザース狩り)が始まる。
    劣勢のハンター。

    ...続きを読む
  • 天地明察 上

    解いてみました

    本屋大賞の受賞作として読みました。
    話の面白さはもちろんですが、具体的な算術の問題も掲載されていたので、実際に解いて楽しみました。
  • マイ・リトル・ヒーロー
    読書体験は児童書のそれに近い。しかも後半はほとんど落とすことなく上がり続けていく。ご都合主義と冷めてもおかしくない構成なのに、むしろのめり込んでしまった。
  • 十二人の死にたい子どもたち
    タイトルにどきりとし、店頭で気になりながらなかなか手に取れなかった本。勇気を出して手に取ってみたら、とっても面白そうじゃないか!読み始めたら面白くて止まらない。こういう密室対話劇好きだなーと実感しました。映画も良かったけど、本がやっぱり面白い。
  • 天地明察 下
    面白く読み進めることができた。所々難しい言葉が使われ、北極出地の観測場面では、どういう大きさでどんな器具が設置されたのか想像が難しかったが、全体的には読みやすかった。

    23年にも及ぶ改暦への軌跡。主人公春海は碁打ちの名人であり、算学にも通じている。はじめ、算額絵馬では無術による失敗をするが、北極出...続きを読む
  • マルドゥック・スクランブル The 1st Compression─圧縮 〔完全版〕
    (1st~3rdまでを合わせた感想です)

    本作にはいくつかのバージョンがあるが、私が読んだのは2010年に刊行されたハヤカワ文庫JAの[完全版]。解説では全部読むのを勧められたけど、読むとしたらシリーズの続刊のほうが先だろうからちょっと無理かな・・・
    でも時間があれば読んでもいいかも、と思わせるく...続きを読む
  • 天地明察 下
    今更ながら読んでみたが非常に面白かった。

    実話でありながら、将軍お抱えの囲碁の棋士が、算術や天文学も究める中で、和算の開祖関孝和との出会い、全国への北極星測量の旅を通じて、暦の改定という大事業に取り掛かっていく、漫画としか思えない展開を、非常に美しい日本語で綴る本作はレベルがとても高いと言える。
    ...続きを読む