冲方丁のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
〈1-3巻合わせて〉
未成年娼婦であるルーン・バロットは、賭博師であるシェルの奸計により、一度死ぬ。助けてくれたドクターとウフコック、そして手に入れた能力により、シェルとそのパートナーであるボイルドと戦いを繰り広げる。
今作は卵をモチーフとした名前が多く使われるが、それは多分に意味的なことのように感じられる。ウフコックが沸きらない半熟野郎だとしたら、ボイルドは俗に言う「ハードボイルド」と同じく、軟弱・妥協しない様を描いているのか、あるいは凝り固まった様を描いているのか。シェルはどういう殻なのか。
私にとっての本作の魅力は、作中の登場人物のカッコ良さ。ドクターもウフコックもバロットもボイル -
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面白かった!SF描写がしっかりしていて説得力があり濃密。だけど本作の魅力はそれだけではなく、その上でさらに登場人物たちの葛藤や悩みを丁寧に描いているところだと思う。社会機構の中で搾取され続ける少女という存在、バロットの描写が素晴らしい。一つ一つ「対応を間違えると怒られる、殴られる」と怯えながらドクターやウフコックと相対するところは正直泣きそうになってしまった。使用される武器であるウフコックが彼女の痛みに寄り添える存在だということが美しくもあり、彼女がこれまで人ではなくただただ物として消費されてきたのだという事実が悲しかった。「なぜ私なの」というバロットの問いに対して、終盤で彼女が「こんなものな
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Posted by ブクログ
ネタバレ清少納言の物語であるが、あ、平安時代の枕草子のアレね、と思って読むと全く違う。解説にかいてある通り、「平安時代のキャリアウーマン小説」と表現するのがぴったりな作品だ。
平安時代という時代の違いこそあれ、主君、中宮に中忠誠を誓った、働く女が、その繁栄と陥落(に近い)の苦しみの中で、どのような気持ちで生きてきたのか。
働く女性にこそ読んでほしい作品である。
私こそ働く女として、行き詰まりを感じているときにこの本を読んだ。
序盤は、あんまり面白くなかったのだが、途中からぐいぐい引き込まれ、最後は少し泣いた。
読む人を選ぶだろうが、私には本当に心に刺さる作品でした。 -
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Posted by ブクログ
未成年娼婦として働く主人公が雇い主に殺されかけたところを助けられ、「自分はなぜ殺させたのか」「なぜ生きているのか」を問いながら殺人事件の解決を目指す話。
助けられた時に金属繊維の人工皮膚を移植されたり、空飛ぶ車が出てくるなど、SF要素が非常に強い作品。
全体的には非常に暗い内容。
上巻は読者に対して情報がほとんど開示されない状態で事件が進むため、正直おもしろくない。
でも、中巻〜下巻がバツグンに面白い。特に中巻の中盤〜下巻の中盤にかけて行われるカジノゲームがとてもよい。
『ライアーゲーム』のように頭脳を使ってゲームをクリアしていく様子は爽快感があって非常に面白いため、おススメ。
戦闘部分 -
Posted by ブクログ
心理的に落ちている時に、敢えて読んだハードロマン。他の読者様も紹介しておられるけれど舞台は近未来。
バロットという少女娼婦がヒロイン。彼女はシェルという、賭博師出身のワルに殺害されそうになる。いや、瀕死の状態にされた。
ところがシェルは、それを覚えていない。
ある陰謀のために…。
身体も声も、物的な財産も全て奪われたバロットだが、シェルの犯罪を立証するために、証人となってくれという。
証人保護プログラムの執行のため、彼女には護衛が二人付くことになった。
生体科学や医療に詳しいドクター。
そして、心優しく万能のガーディアン、
ネズミの姿をしたウフコックのコンビ。
バロットに証言させな -
購入済み
「実話をもとにした」という前提のフィクションです。作者冲方丁の周りで起こる、不思議でいていかにもありそうな、ちょっとホロリとするエピソードの数々。ショートショートの名手、眉村卓の「普通の家族」を思い出させました。