冲方丁のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
心理的に落ちている時に、敢えて読んだハードロマン。他の読者様も紹介しておられるけれど舞台は近未来。
バロットという少女娼婦がヒロイン。彼女はシェルという、賭博師出身のワルに殺害されそうになる。いや、瀕死の状態にされた。
ところがシェルは、それを覚えていない。
ある陰謀のために…。
身体も声も、物的な財産も全て奪われたバロットだが、シェルの犯罪を立証するために、証人となってくれという。
証人保護プログラムの執行のため、彼女には護衛が二人付くことになった。
生体科学や医療に詳しいドクター。
そして、心優しく万能のガーディアン、
ネズミの姿をしたウフコックのコンビ。
バロットに証言させな -
購入済み
「実話をもとにした」という前提のフィクションです。作者冲方丁の周りで起こる、不思議でいていかにもありそうな、ちょっとホロリとするエピソードの数々。ショートショートの名手、眉村卓の「普通の家族」を思い出させました。
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Posted by ブクログ
本屋大賞受賞で一気に知名度が上がり、ファフナー&マルドゥックの映画公開決定で今最も脂が乗ってる作家・冲方 丁。
本書は数年前に発刊されたマルドゥック・スクランブルに大幅改稿をくわえた新装版。どんなもんだろーと最初の方だけぱらぱらめくり即購入決定、冒頭部分から文章に手が加えられてます。
読点の不自然な多さが改善され大分読みやすくなった印象。
氏も絶賛する漫画版に触発されたエピソードも盛り込まれお得な内容に。
他にもバロットの心情部分が付け足されて、等身大の少女としての輪郭がより濃くなった(心身障害者駐車ペースでの行動など)
バロットの兄関連でヴェロシティとのリンクもあり、マルドゥックシリーズを愛 -
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近未来のオーストリアを舞台に児童福祉政策により四肢を機械化された少女たちの戦闘の日々を描くバイオレンスアクション。
最初聞いた時は「それ何てガンスリ?」だったんですがガンスリとは大分イメージ違います、ある意味対極です。二番煎じの心配なし。
三人娘の中でも一番純粋純情で熱血肌の黒犬・涼月、
狙撃の名手にしてクール&ニヒルな赤犬・陽炎、
いつもお気楽極楽な鼻歌を絶やさないムードメイカーの白犬・夕霧。
拳が唸り銃弾飛び交いワイヤー舞う過激なアクションとキャラクター同士のユーモラスな掛け合い(副長いびり、もとい三者三様の副長いじりに注目)が絶妙のテンポを生み最後まで読者をぐいぐい引き付けて離さない -
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ネタバレ「天地明察」や「光圀伝」、またはアニメ「PSYCHO-PASS」なんかでご存知作家の冲方丁氏が奥さんへのDV容疑で逮捕って報道がされてしばらく経って、そういやその後どうなったのかなぁと思っていたらその頃の事を本にしてました作家って凄いですねって一冊。
いや、下手なホラー小説よかより全然怖い。本当に怖い。警察・検察・裁判官などはまぁ当てにはならないよなぁドラマや小説とは違うよなぁとは思っていたけれど、まさかここまで酷いとは思わなかった。話半分としても酷すぎる。
もうこの国では冤罪は有罪になるのがよーくわかった。あと警察の気分次第で逮捕されて留置所でエタヒニン扱いされるし、供述調書も警察の思う -
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とある作家に起きたDV容疑による逮捕から不起訴までの手記。
まことに申し訳ないけれども、私は最初にニュースを聞いたときに、氏が実際に暴力をふるったと思ったし、不起訴と聞いても、被害者が起訴を取り下げたのか、と思っていた。
しかし、これを読むと、拘置所の中で起きていることは、まさに「笑うしかない」状況であった。結局事件として成立していなかったようなのである。
この作品は、作家として書かないと「グレーを黒とみられかねない」事件であり、説明しなければ今後の立場が難しくなる。
そういう意味で、気を使うべきところに使った。配慮をもって書かれた、芸の細かい作品である。勢いだけでは書けないし、自 -
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大分前に購入「積ん読」状態だったのをなぜか読みました。
正直楽しかったです。
作家さん達の代表作のスピンオフというか表題通り「サイドストーリー」。読んだことの無い作品もありましたが、丁寧に作者の横顔やメインのストーリーも書いてあるというサービス付。すべて「煙草」や「一服ひろば」に関連して書いてありますが、上手くからめてあるお話もあれば、やや無くてもいいんじゃない?的なお話も。
冲方丁の「天地明察」は読んでみたいと思っていた本だったので、ますます読みたくなりました。
貴志佑介の「鍵のかかった部屋」からのお話はドラマで見ていた佐藤浩市の芹沢がメインになったのには驚きましたが、まんまでしたね。
限ら