冲方丁のレビュー一覧

  • 天地明察 下
     下巻。それにしても改暦事業という壮大なことは、容易ではなく、時がかかる。それはこの時代においては人がよく亡くなるということであり、この小説も漏れずに登場人物の移り変わりが激しい。しかし改暦事業の意思は、確かに主人公である渋川春海に託され、徐々にではあるが、形となっていく。
     そして特に下巻は、情熱...続きを読む
  • マルドゥック・アノニマス 4
    マルドゥックシリーズは何度読んでも楽しい。

    アノニマス4で特に好きなシーンやフレーズなど

    再びバロットの手に握られ、共に戦うウフコック。
    ウフコックと同じ高揚感を読んでいて感じる。

    バロットvs.ハンター(キャンパスでのディスカッション)
    スクランブルのカジノ戦のような心理戦たが、バロットの成...続きを読む
  • 天地明察 上
     上巻にして、この読後感。しきりに人にお薦めしたい本に登り上がった。
     時代は江戸が泰平の世として安定しようとする時期で、自身の生まれが、その人の人生をほぼ決定してしまう世において、囲碁の家に産まれた安井算哲こと渋川春海が、ただ研鑽することでなく、決められた手筋を教示する囲碁の世界、仕事に倦み、算術...続きを読む
  • マルドゥック・アノニマス8

    面白かった。
    クインテット周りの話が大変面白い。
    バジルが飛んでもなくいいキャラになってて楽しい。
    曇らせられてるけど。
  • マルドゥック・スクランブル(6)
    『マルドゥック・スクランブルのカジノ』これが面白くない訳がない。欲を言えば最後の無限◯◯描写もじっとり描いて欲しかった。
  • 天地明察 下
    めちゃくちゃ傑作でした。
    何かにチャレンジするとき、頑張ろうとしているときにまた読み返したい作品でした。
  • 天地明察 上
    以前、新婚旅行の際に異国に携えて行って読んで以来、ちょうど10年ぶりの再読。
    ストーリーなど、ほぼ忘れてしまっていて、新鮮な気持ちで読めたのだが…こんなに面白かったっけ!?というのが素直な感想。
    春海をはじめとする登場人物が皆魅力的だし、どんでん返しが何度もあったり、伏線回収がしっかりあったり、ラス...続きを読む
  • マルドゥック・アノニマス8
    前巻の終わりでハンターが市議会委員を名乗っていた。その過程を描く今作。相変わらず、ネタバレしてから、それになるまでの過去を描く、という進行の仕方は変わらない。

    マルセル島を舞台として、そこでの抗争の結果、集団訴訟の法定外戦術をするとともに、市議会議員の立場を得てしまうハンター。ここまで合法化したハ...続きを読む
  • マイ・リトル・ヒーロー
    いわゆるeスポーツの世界が物語の中心です。

    読書を趣味にしている人にとって、パソコン
    ゲームなどというものは全く真逆の世界であ
    って、想像もつかないと思います。

    しかし読書でその世界観を楽しめてしまうの
    です。

    「なるほど、eスポーツという世界はこうい
    うものなのか」というくらいの体感はできま...続きを読む
  • マルドゥック・ヴェロシティ3 新装版
    09法案をめぐる都市での対立。ボイルドが虚無に落ちるまでを描く。ナタリアの証言により明らかとなったオクトーバー一族の陰。そして、そのために次々と命を落としていく09メンバー。

    都市によって殺されたと言える最愛の女性と仲間たち。それに抗うことができずに虚無へと落ちていったボイルド。ウフコックを眠らせ...続きを読む
  • 天地明察 上
    江戸時代、囲碁棋士安井算哲又の名を渋川春海が改暦に挑む話。上巻は算術に心掴まれ、北極星観測に向かう話で面白くワクワクする。算術を挑む所は緊張して、北極星を初めて3人で測る所は心が震える。ちょっとそこで感極まったもん。何より伊藤さん建部さんが好きになる。最後はふぅと一息吐いた。下巻が大変気になる
  • 天地明察 下
    江戸時代、囲碁棋士安井算哲又の名を渋川春海が改暦の総大将として改暦に天に挑む話。上巻で既に面白かったのに下巻で更に面白さが増す。改暦の任命震えたし、挫折と挑戦を繰り返す春海尊敬する。歴史に疎いからこそめちゃくちゃ興味深く楽しみながら読めた。まだ熱が冷めぬ。
  • はなとゆめ
    前から気になっていたけど、来年の大河もあるし友人も読んでいたので。
    清少納言が語り部の、生い立ちから定子様に出会って別れるまでの話。一乗の法とか香炉峰の雪とか知っている言葉の意味を初めて知った。俺は愛の話が大好き。
  • マルドゥック・ヴェロシティ2 新装版
    まだまだ誰が仲間で、誰が敵なのかがわからないまま、最後の抗争へと物語が加速して行った。
    カトルカールを操る真の黒幕は誰なのか。度々出てくるオクトーヴァー家の人たち。それぞれがそれぞれの野望のために動いているせいか、誰と誰が繋がっているかがよくわからない。
    また、物語の途中で出てきた「虚無」という単語...続きを読む
  • マルドゥック・ヴェロシティ1 新装版
    マルドゥックスクランブルより前の話。
    ボイルドが戦地において友軍への誤爆という罪を犯したのちに研究所に収容されていた。そこで出会った知能を持つ万能兵器であるウフコック。研究所は戦後の影響で三つのグループに分かれることに。

    ボイルドが、このあと、どう虚無の世界へ向かっていくかの導入部だった。
  • 天地明察 上
    よかった。読み応えもあり、文章もしっかり地に足がついてると言うか、浮かれた感じのない、信憑性を感じる。
    作文してる会話なども当然あるはずだけど、全て史実のように感動して読んだ。
    天才と努力と、そして、関わってきた人たちのタスキを繋ぐという思い。じんときた。
    保科正之もかっこよ。
  • 天地明察 上
    算術の世界がこんなにも楽しく感じるのは、正直意外過ぎました。塾で、神社で…いろんなところで問題を出し合い、解き合う。「失敗を恐れてはいけない」この言葉が胸に響く。だからこそ、解けたときの「明察」って気持ち良いのだろうな。学生時代に、この本に出会えていたら、数学に対しての意識が少しは変わっていたかもし...続きを読む
  • 天地明察 下
    「失敗を恐れてはいけない」この言葉が、本当に心に深く刺さる。こんなにも失敗を繰り返し、罵声を浴びながらも諦めない人はいるだろうか。関わってきた人の想いを胸に達成する。その気持ちの強さに胸が打たれた。数学の公式もしかり、暦もしかり…昔の人のたくさんの努力の上で成り立ち、今の世の中で役に立っているのかと...続きを読む
  • SGU 警視庁特別銃装班
    大作映画を見終わった感じ。
    戦闘シーンは迫力があるのに、現実的。
    登場人物は、悪役も含めて魅力的。
    以前住んでいた場所が、最終ターゲットとして登場するので、臨場感が半端なかった。
    また、富の分配や官僚社会などの問題に対しても考えらせられた。
  • 十二人の死にたい子どもたち
    廃病院に安楽死のために集った12人の子どもたち。本当ならすんなりと安楽死を実行できるはずだったのに、彼らのために用意されたベッドの一つにはすでに少年の亡骸が横たわっていて……
    子どもの集団自殺という重い題材だけどするするっと読めてしまうし、少しずつ謎解きに傾倒していく様やそれぞれの子どもたちの個性が...続きを読む