冲方丁のレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
読み出したら一気
少し暗めの書き出し。
歌舞いていた少年時代から友を得て人として成長する青年期の前半まで。
気性の激しい光圀が宮本武蔵に沢庵和尚、林羅山という傑物に接することで成長していく様が生き生きと描かれていて、ページを繰る手がとまりません。
光圀の出生の秘密が木になりますね。
次巻が楽しみです。 -
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めちゃくちゃ面白かった!
冲方丁さんが大好きで、でも冲方さんの歴史小説以外の作品を読むのは初めてだったから、読む前はどうなんだろうな〜いつもの壮大なワクワク感が現代だとどうしても弱くなっちゃうんじゃないかなあ、なんて思ってたけど、読み始めたらすぐにずぶずぶに世界に入り込んで、読んでる間ずっと本当に楽しかった。
歴史小説に負けない壮大なワクワク感が顕在して、この本のことも登場人物たちのこともみんなすっごく大好きになった。
少しご都合展開ではあるかもしれないけれど、こうなったら嬉しいな最高だなって展開が想像を超えて次々に広がっていって、読み進めるうちにどんどんワクワクが大きくなって、はやく次が読 -
Posted by ブクログ
ネタバレ三部作の完結編です。
前作のカジノシーンはルーレットだったせいか少し退屈に感じたのですが、カードになった途端緊張感がすごくて引き込まれました。
劇場版では尺の問題なのか説明が不充分でなぜそうなったのか分からなかったところがちょくちょくあったのでそこら辺の経緯がわかってすっきりです。
ボイルドが最後ウフコックの温もりと声を思い出すシーンで泣いてしまいました……。
つらい……。
ウフコックの手で殺されるのを望んでいたような……。
ラストでバロットがウフコックもずっと自分の体温を感じていたんだと気づくシーンがよかったです。
あとがきで冲方先生がカジノシーンの執筆に熱中するあまり吐いてしまっ -
Posted by ブクログ
死にたい気持ちはどうして生まれるのだろうか。
死にたい。という人は多い。
私が思うに死を根本に望む人はそんなにいないのではないか。だって怖いし。
一般的な死にたいは病の一種としてそういう風な思考になってしまう状態の時もある。また生きている状況的に死ぬしかない、死ぬ方が楽である。という考えからでてくるかもしれない。
死ぬことが目的で死ぬ、変な言い方になるかもだが苦痛を回避するために死を選ぶのではないか。
本当は皆んな幸せに生きたいはずである。幸せの尺度は人それぞれだが。
作中それぞれの登場人物が死を共通点としてお互いに同じ時間を過ごすことで改めて死について話すことで何かを感じとっていくので -
Posted by ブクログ
ネタバレ幕府の隠密組織「拾人衆」の一員として働く了助。明暦の大火を引き起こした盗賊の「極楽組」を追う中で、父親を殺した憎きか男の正体が水戸光圀であることが発覚する。激昂する了助であったが、柳生義仙という剣術家がそれを止める。そして、その流れで了助と義仙は、極楽組を追うために全国廻国の旅に出ることに。
前巻から匂わせていた了助の仇が光圀であったことが発覚。ただ、その背後には極楽組の一員であり、光圀の悪友であった鶴の思惑も。
それを探り、物理的でなく精神的に光圀を追い詰められるように了助は義仙と旅に出る。父親、育ての親などを亡くしてきた了助だから、義仙は死なないで欲しいな。
また、鳩を始めとする拾人衆も了 -
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中宮彰子が一条天皇のきさきとなり、その後、故中宮定子の子、敦康の養母となって国母としてのキャリア(キャリア?)をスタートしていくのが上巻。
上巻の終盤で、才女、紫式部を女房として迎え、彼女から漢詩や教養を学ぶことで力をつけ、そしていずれ朝廷全体に大きな影響力を持っていく下巻。
この時代の権力とはすなわち外戚(天皇の母方の祖父)として摂政・関白の座につくこと。
だから自分の娘を天皇の(天皇になりそうな親王の)きさきとして嫁がせ、そして男児を産ませてその摂政になるというのが権力上のゴール。
民のことなんて一ミリも考えてないだろうってくらい、朝廷の人間は自分の娘を送り込むこと、そして男児を産ま -
Posted by ブクログ
ネタバレ怖いのだけど、続きが気になって気になって1日で読んでしまった。
昔話でしか聞いたことのない、「人柱」。現代にあるわけないと思いつつ、もしかして、と思ってしまうくらい真に迫った描写は圧巻だった。異形の怪物が出てくるわけではないし、誰かが無惨な死に方をするわけでもない。でも、主人公が頑張れば頑張るほど、泥沼にはまっていく様子がとっっても怖かった。何度、「正気に戻ってくれ!」と心の中で叫んだことか。やっと正気に戻ってくれたと思ったら、親身に寄り添ってくれてた人物が、まさか!?という展開で‥読んでる自分の感情の起伏が忙しくて、非常に疲れた。
人柱になることを受け入れた2人‥1人はいろいろやらかした人物