冲方丁のレビュー一覧

  • マルドゥック・スクランブル The 3rd Exhaust─排気 〔完全版〕

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    手に汗握る戦いの連続…おかげで一気に読んでしまった……こんなにも存在意義や価値を自問するような、己を見つめ返しながら命のとことんの所で戦う話は読んだことがなかった。
    バロットとアシュレイのブラックジャックでのシーンはルールのなかでお互いの生き様とこれからの生き方を問うような熱いものでした。古いゲームのなかで圧倒的な経験と実力を持った強者と新たな技術を得た未熟な少女。社会の成功者と対峙しながらチャレンジャーはその重みに対して寄り添ってくれる味方と共に戦い、成長していく。この過程が丁寧に描かれていて良かったです。
    そして仇敵ボイルドとの戦闘シーン…本当に勝てるのか?となるほどの白熱でした。西部劇のガンマン同士の戦いにも感じられました。

    助けてくれた誰かによって成長するバロット。この世界と自分自身に絶望していた少女が、この世界のルールを理解していきながら人生の主導権を得ていく。そこまでに必要な人生への価値付けや戦い方、そうして誰かとの暖かくも厳しい繋がり。読み終えたときの感動や自分の人生を少し右回りにしたいと思えるような感慨…とても良かったです。
    読後は脳内でAmazing graceが流れました

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    2023年11月22日
  • サタデーエッセー 冲方丁の読むラジオ

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    優しい語り口でラジオを聴いてるみたい。教育格差をなくすことの重要性と親の心がけが自分の心には響いた。また少し時間をあけて読み直そう。

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    2023年11月20日
  • 月と日の后(上)

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    ネタバレ

    平安時代。不遇の生涯を送った中宮の定子。彼女に対して12歳(現代では10歳から11歳ごろ)で入内した道長の娘・彰子。

      一日も早く子供を望まれながら、21歳まで身籠ることができなかった彼女が願ったのは、優しい夫である一条帝を守ること。 
      そして、彼から託された定子の息子・敦康親王を育て上げること。

      しかし漢籍が分からない彼女は敦康が何を学び、一条帝の政が分からない。そんな時に一人の女房が彼女に仕えることになる、のちの紫式部である。
      これは幼い少女が国母なるまでの物語。

      まず私の中の彰子というのが、一条帝と定子は幼いから共にいたために愛情も深く、彼女はそのコピーとして道長に作られた人物。
      ですが、彰子に対しての史実に詳しくないのでわからないので何とも言えないのですが、この作品の中の彰子はそんな私のイメージを見事に壊してくれました(;^_^A

      父よりも一条帝や敦康親王ために尽くす彰子。

      わが子でなくても夫が愛した定子が生んだ敦康親王に対する母性愛は継母でありながらも本物であり、そのために彼女は漢籍(漢文)を教えてくれるかつての清少納言のような人物を探すのです。

      すでに定子が亡くなっている以上、清少納言は宮中から下がっています。そして、道長がつけてくれた女房は子供ができない彰子を軽んじるばかりか、帝である一条帝に対しても軽んじるような呼び名をつける。

      怒りを抑えながら、必死に一条帝の家族になろうとする彰子の姿が胸を打ちます。

      そして、彰子は様々な女性の書いたものを読み、特に『源氏物語』を読んで、そこに出てくる女性たちの姿に自分の影を見つけて心打たれていた。その作者が自分の母である倫子の遠縁であったこと、その父である藤原為時は一条帝に漢詩を献上したために、従五位下の位を受けていることなどから、道長がその才長けた女性・紫式部を彰子の元へ……。

      だが、出仕して一日で紫式部は家に引きこもってしまう

      清少納言と紫式部ってお互いにハブとマングースというくらいに嫌いあってますが、二人とも出仕してすぐに家に引きこもってるんですよねぇ(笑)  ある意味では似たもの同士。

      引きこもっていた清少納言と紫式部を宮中に戻す方法は定子と彰子では違いますが、この辺りはものすっごく面白かったです。

      すでに下巻も読み始めているので、続きも楽しんでおります♪

      肝っ玉母さん気質の彰子に臆病だけど唯一無二の忠臣として彼女に使え始めた紫式部。

      二人の活躍は楽しいです。

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    2023年11月14日
  • 月と日の后

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    冲方丁さんの『はなとゆめ』に続けて読む。
    おもしろいー!
    これは、『はなとゆめ』が清少納言を中心に据えていたのと違って、紫式部が主人公じゃなく、はっきりと彰子が主役。

    なんで私が?と内向きだった14歳の少女が、夫一条天皇や紫式部から、また人々の振る舞いを見ることで自ら学んで、朝廷の和のためにと菩薩道を見出し実践する。
    子女の入内を争い、貴族同士が反目し合うと内裏が燃える……それを憂えた一条天皇を見送ってから、6代もの天皇を支え、6代目の後三条天皇はその意思を引き継ぎ賢政をなした。
    はぁーーーお疲れ様でした、頑張ったーーー。

    ちなみに、その1代あとの天皇は、白河天皇。あの、白河院になった人。彰子のひ孫だそうな。

    そのあとは、源氏や平氏といった武士が台頭してくる。世の中って…

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    2023年11月10日
  • 新装版 冲方丁のライトノベルの書き方講座

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    面白かった。
    こういう感じの本をあまり読んだことがなかったけど、読みやすくてよかった。
    好きな作品の裏話的なものも読めてよかったな。

    #タメになる

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    2023年10月20日
  • SGU 警視庁特別銃装班

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    1章だけでも十分一冊にできる面白さ。SGU顛末記のような雰囲気で、事後レポートを読まされているような文体での記載手法は新鮮。その上で、冲方氏らしい、圧倒的な情報量とスピーディさと情景描写・人物描写の上手さが光っており、最初から最後まで面白かった。日本がこのような近未来になっていないように祈るばかり。。

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    2023年09月06日
  • マルドゥック・アノニマス 5

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    ネタバレ

    様々に展開を迎えるシーンがあって、読んでいて楽しい。

    バロットとバジルの交渉が終わり、vs.ガンズが始まる。
    ライムの指揮。とそれに反発を覚えるバロット。

    ハンターの過去、そのギフトのルーツ=シザースにたどり着くバロット。

    ハンターvs.シザース(シザース狩り)が始まる。
    劣勢のハンター。

    バロットは、レイ・ヒューズという最高のメンターを得て、その交通整理と銃の扱いを学び始める。

    2つのバックグラウンドによる強み。
    バロットの過去との和解。

    バロットの20歳の誕生日。バロットは声を取り戻す。
    ハンターはバロットを己の鏡とすべく、
    バロットはウフコックの手がかりを掴むべく、
    2人の再びの対決の始まりとなる電話。

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    2023年09月05日
  • 天地明察 上

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    解いてみました

    本屋大賞の受賞作として読みました。
    話の面白さはもちろんですが、具体的な算術の問題も掲載されていたので、実際に解いて楽しみました。

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    2023年09月03日
  • マルドゥック・スクランブル The 1st Compression─圧縮 〔完全版〕

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    (1st~3rdまでを合わせた感想です)

    本作にはいくつかのバージョンがあるが、私が読んだのは2010年に刊行されたハヤカワ文庫JAの[完全版]。解説では全部読むのを勧められたけど、読むとしたらシリーズの続刊のほうが先だろうからちょっと無理かな・・・
    でも時間があれば読んでもいいかも、と思わせるくらいの面白さと魅力にあふれた作品でした。
    特に中盤のカジノシーンは、ディーラーとの頭脳戦の描写がスリリングかつ圧巻で、本作一番の読みどころだと思う。敵との戦闘シーンも、重力を無視して歩くとか、情景を想起しにくそうな場面が多いにもかかわらず、さほど気にせず読み進められたのは描写力と文章のリズムが良いからなのではなかろうか。
    この設定だとどうしても『攻殻機動隊』や『ブレードランナー』が想起されるんだけど、主人公の置かれた境遇とかが普通のSFだとまずやらないようなハードさで、先行作品とは一味違った新鮮さを感じた。
    それにしてもよくこの内容で映画化できたなあと思う。

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    2023年08月20日
  • マルドゥック・アノニマス 4

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    ネタバレ

    マルドゥックシリーズは何度読んでも楽しい。

    アノニマス4で特に好きなシーンやフレーズなど

    再びバロットの手に握られ、共に戦うウフコック。
    ウフコックと同じ高揚感を読んでいて感じる。

    バロットvs.ハンター(キャンパスでのディスカッション)
    スクランブルのカジノ戦のような心理戦たが、バロットの成長を感じる。1人で、新たに得た知識で戦うバロット。
    これは、バジルとの交渉にも通じる。

    その人のバックグラウンドがその人の思想を作る。
    バロットにとってそれは、スラムからはじまり、イースターオフィス、ハイスクール、大学、家族、友人、なによりウフコック
    「経験主義に裏づけられた原理的な法律家」≒煮え切らないネズミ
    これはこの巻では、様々な登場人物の描写に用いられる。

    COA(センターオブアテンション)
    カジノで自分の勝ちをアピールするもの。チップを見せびらかし、講釈たれる。こういう者はいずれトラブルを起こす。
    自分の成果を見せびらかし、講釈をたれるのに、相手に与えようとしない。
    アビーやトゥイードルディに対する態度をライムに諌められるバロット。

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    2023年08月13日
  • マルドゥック・アノニマス8

    匿名

    購入済み

    面白かった。
    クインテット周りの話が大変面白い。
    バジルが飛んでもなくいいキャラになってて楽しい。
    曇らせられてるけど。

    #ダーク #ドキドキハラハラ #カッコいい

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    2023年07月31日
  • マルドゥック・スクランブル(6)

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    『マルドゥック・スクランブルのカジノ』これが面白くない訳がない。欲を言えば最後の無限◯◯描写もじっとり描いて欲しかった。

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    2023年07月25日
  • マルドゥック・アノニマス8

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    ネタバレ

    前巻の終わりでハンターが市議会委員を名乗っていた。その過程を描く今作。相変わらず、ネタバレしてから、それになるまでの過去を描く、という進行の仕方は変わらない。

    マルセル島を舞台として、そこでの抗争の結果、集団訴訟の法定外戦術をするとともに、市議会議員の立場を得てしまうハンター。ここまで合法化したハンターたちにバロットたちは打ち勝つことができるだろうか。ウフコックが作っている勢力作りは上手くいくのだろうか。ただ、シルバー社のCEOやモートン議員などが復活して、手助けをしてくれるのは小さい希望の光の一つではあった。

    また、やっと最後に前巻から描かれていた葬儀の人物が発表された。が、その過程はまた次巻以降になるもよう。

    全体を通してバトルがメインの今作のためか新登場のエンハンサーや統廃合されていくエンハンサー部隊の名前がたくさん出てくるので、整理しないと読みにくいのが難点であった。

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    2023年07月17日
  • マルドゥック・ヴェロシティ3 新装版

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    ネタバレ

    09法案をめぐる都市での対立。ボイルドが虚無に落ちるまでを描く。ナタリアの証言により明らかとなったオクトーバー一族の陰。そして、そのために次々と命を落としていく09メンバー。

    都市によって殺されたと言える最愛の女性と仲間たち。それに抗うことができずに虚無へと落ちていったボイルド。ウフコックを眠らせることなく一緒にいたならば、またちがう展開もあり得たのではないか。と悲しくなってしまう終わり方だった。

    マルドゥックスクランブルでは、イースターが最期の事件を簡潔にバロットに聴かせていた(事件関係者を片っ端から殺していった、と。)が、やはり、見方を変えればボイルドの行動も致し方ないところがあったのかな、とも思えた。

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    2023年07月10日
  • はなとゆめ

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    前から気になっていたけど、来年の大河もあるし友人も読んでいたので。
    清少納言が語り部の、生い立ちから定子様に出会って別れるまでの話。一乗の法とか香炉峰の雪とか知っている言葉の意味を初めて知った。俺は愛の話が大好き。

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    2023年07月06日
  • マルドゥック・ヴェロシティ2 新装版

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    ネタバレ

    まだまだ誰が仲間で、誰が敵なのかがわからないまま、最後の抗争へと物語が加速して行った。
    カトルカールを操る真の黒幕は誰なのか。度々出てくるオクトーヴァー家の人たち。それぞれがそれぞれの野望のために動いているせいか、誰と誰が繋がっているかがよくわからない。
    また、物語の途中で出てきた「虚無」という単語。ボイルドが今のところはナタリアを通して人間らしい自分を取り戻そうとしているだけあってここからの展開が楽しみ。
    最後に連れ去られて決まったクリストファーは、これのせいで目が覚めなくなるのか。また、ショーン・フェニックスの物語がどうなるのかが楽しみ。ショーンのフルネームがわかった時はニヤッとしてしまった。彼もまたウフコックの物語にも関わっていたのか。と。ただ、スクランブルの時にそんな描写があったっけ?とも少し感じた。

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    2023年07月05日
  • マルドゥック・ヴェロシティ1 新装版

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    ネタバレ

    マルドゥックスクランブルより前の話。
    ボイルドが戦地において友軍への誤爆という罪を犯したのちに研究所に収容されていた。そこで出会った知能を持つ万能兵器であるウフコック。研究所は戦後の影響で三つのグループに分かれることに。

    ボイルドが、このあと、どう虚無の世界へ向かっていくかの導入部だった。

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    2023年07月02日
  • SGU 警視庁特別銃装班

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    大作映画を見終わった感じ。
    戦闘シーンは迫力があるのに、現実的。
    登場人物は、悪役も含めて魅力的。
    以前住んでいた場所が、最終ターゲットとして登場するので、臨場感が半端なかった。
    また、富の分配や官僚社会などの問題に対しても考えらせられた。

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    2023年06月11日
  • 天地明察 下

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    渋川春海と彼の人生に関わる登場人物たちが生き生きと魅力的に描かれていて、夢中で読みました。冲方さんの書く文章が本当に好きです。

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    2025年10月11日
  • 剣樹抄

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    地獄と極楽は地続きなのかもしれない。大火事からの復興の最中で起こる事件とセリフから人物それぞれの人間味が感じられて、時代小説としてもさながらヒューマンドラマとしても面白い話だった。

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    2023年03月08日