【感想・ネタバレ】月と日の后(上)のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年11月14日

平安時代。不遇の生涯を送った中宮の定子。彼女に対して12歳(現代では10歳から11歳ごろ)で入内した道長の娘・彰子。

  一日も早く子供を望まれながら、21歳まで身籠ることができなかった彼女が願ったのは、優しい夫である一条帝を守ること。 
  そして、彼から託された定子の息子・敦康親王を育て上げる...続きを読むこと。

  しかし漢籍が分からない彼女は敦康が何を学び、一条帝の政が分からない。そんな時に一人の女房が彼女に仕えることになる、のちの紫式部である。
  これは幼い少女が国母なるまでの物語。

  まず私の中の彰子というのが、一条帝と定子は幼いから共にいたために愛情も深く、彼女はそのコピーとして道長に作られた人物。
  ですが、彰子に対しての史実に詳しくないのでわからないので何とも言えないのですが、この作品の中の彰子はそんな私のイメージを見事に壊してくれました(;^_^A

  父よりも一条帝や敦康親王ために尽くす彰子。

  わが子でなくても夫が愛した定子が生んだ敦康親王に対する母性愛は継母でありながらも本物であり、そのために彼女は漢籍(漢文)を教えてくれるかつての清少納言のような人物を探すのです。

  すでに定子が亡くなっている以上、清少納言は宮中から下がっています。そして、道長がつけてくれた女房は子供ができない彰子を軽んじるばかりか、帝である一条帝に対しても軽んじるような呼び名をつける。

  怒りを抑えながら、必死に一条帝の家族になろうとする彰子の姿が胸を打ちます。

  そして、彰子は様々な女性の書いたものを読み、特に『源氏物語』を読んで、そこに出てくる女性たちの姿に自分の影を見つけて心打たれていた。その作者が自分の母である倫子の遠縁であったこと、その父である藤原為時は一条帝に漢詩を献上したために、従五位下の位を受けていることなどから、道長がその才長けた女性・紫式部を彰子の元へ……。

  だが、出仕して一日で紫式部は家に引きこもってしまう

  清少納言と紫式部ってお互いにハブとマングースというくらいに嫌いあってますが、二人とも出仕してすぐに家に引きこもってるんですよねぇ(笑)  ある意味では似たもの同士。

  引きこもっていた清少納言と紫式部を宮中に戻す方法は定子と彰子では違いますが、この辺りはものすっごく面白かったです。

  すでに下巻も読み始めているので、続きも楽しんでおります♪

  肝っ玉母さん気質の彰子に臆病だけど唯一無二の忠臣として彼女に使え始めた紫式部。

  二人の活躍は楽しいです。

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Posted by ブクログ 2024年01月04日

平安時代を描いた小説にあまり馴染みがないので、名前の読み方とか色々難しくて最初読み進むのが遅かったけど、なんとか慣れてきて、人物の相関図もだいたいわかってきた。
12歳で入内してまだ幼かった彰子が、だんだんと成長して、一条天皇を支えたいと一途な想いで頼もしくなっていく様が健気で胸が熱くなる。
それに...続きを読むしてもこの時代の女の身分の低さ、親から物のように出世の道具にされる様は腹立たしい。親族間なのに争いが絶えず、怨霊とか怨念が信じられてて、それによる病や火災の多さにびっくりする。
身分が高くても、心安らかになる時がない大変な時代だったんだな。
紫式部が出てきて面白くなってきたので、下巻でさらに彰子が成長していくのが楽しみ。

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Posted by ブクログ 2024年02月17日

「この世をば わが世とぞ思ふ 望月の
  欠けたることも なしと思へば」
の句でおなじみの藤原道長。その娘で、一条天皇の中宮となった藤原彰子の物語。
一条天皇のきさきとなったが、なかなか子に恵まれず(そりゃ12歳で入内しても)、そのうち中宮定子の子、敦康の養母となる。
それを始めに国母として70余年...続きを読む、藤原家の後ろ盾として、そして朝廷の安定に大きな影響を及ぼし続けた女性の一代記。

上巻は彰子が国母として独り立ちしていき、そして女房として彰子に仕えた紫式部が登場するまでがメイン。
彰子は国母としてのモットーとして「人を決して恨んではならない」ということを強く掲げる。そしてそのきっかけになったのが、夫である一条天皇の母、藤原詮子の体験を本人から聞かされたからなのだが、これが長い。とにかく長い。
上巻の三分の一くらいを占めるのではないかというくらいの、詮子のモノローグ。

この部分は大切なのはわかる。ここを理解しておかないと、彰子の行動規範に説得力がなくなるから。わかるんだけど、長い。
しかも、会話としての体はとっているものの、とにかく説明に次ぐ説明なので、途中で「あれ、おれ、新書読んでるのかな」っていう気になってくる。しかもご存知の通り、平安の朝廷なんて、血縁同士の結婚があたりまえだから、誰が誰だかわからなくなってきてモノローグの最後の方は白目をむく。

でも、この本をこれから手に取る人に言いたい。この部分を乗り切って、紫式部が出てきたらこの物語は俄然面白くなってくる。
なんなら詮子のモノローグ、斜め読みでも構わない。「あー、詮子、めちゃくちゃむかついてたんね」くらいのことがわかれば大丈夫。

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Posted by ブクログ 2024年02月02日


文章が好き ◯
作品全体の雰囲気が好き ◯
内容結末に納得がいった ◯
また読みたい
その他 ◯

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Posted by ブクログ 2024年03月08日

途中まで彰子の視点でただ史実を語る感じなのかと思いきや、彰子が変わると本も変わって、文章も変わったので面白かった。
ただやっぱりどうしても史実が列挙されるだけのゾーンがあって没入してたとこから少し引き戻される感じがする

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