【感想・ネタバレ】天地明察 上のレビュー

あらすじ

徳川四代将軍家綱の治世、ある「プロジェクト」が立ちあがる。即ち、日本独自の暦を作り上げること。当時使われていた暦・宣明暦は正確さを失い、ずれが生じ始めていた。改暦の実行者として選ばれたのは渋川春海。碁打ちの名門に生まれた春海は己の境遇に飽き、算術に生き甲斐を見出していた。彼と「天」との壮絶な勝負が今、幕開く――。日本文化を変えた大計画をみずみずしくも重厚に描いた傑作時代小説。第7回本屋大賞受賞作。 ※本書は2012年5月に発売された角川文庫版『天地明察』を底本に電子書籍化したものです。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

物語りは北極出地が終わったところまで。

登場人物がどれも優しい人ばかりで温かい心で読める。主人公の渋川春海は優しくて穏やかな印象を持った。一緒に測量をした建部と伊藤も歳は離れているけど春海を対等に見ていた、何の引っかかりもなく読めた。
優しくて熱い人に弱いので、建部が亡くなった描写には思わず泣いてしまった…まだまだやりたい事もあっただろうし悔しかっただろうけど、充実した人生を送ってたんだろうなあ。伊藤も春海を気遣ってあえて言わなかったのも涙。

関孝和はどんな人物なのか、早く会えるといいね

最後に、
最近は優しい本ばかり読んでたから、江戸時代固有の単語や言葉遣いに苦戦した。読めない単語を何だったっけ…?と振り返りながら読み進めていたから、読み終わるまでに時間かかった。でも面白かった。再読したい

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2025年10月02日

Posted by ブクログ

当時の時代背景がわかりやすく、数学や天文という自分とは縁遠い分野の小説で胸を熱くさせてくれるストーリー展開が魅力と思った。

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2025年08月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

とても面白かったです。
春海が算術に対して真摯に向き合う部分に感銘を受けましたし、北極出地で初めて天地明察という言葉が出たときは震えました。
これから下巻でどのような話の展開になっていくのか楽しみです。
「誤謬もまた答えの一部である。誤謬が増えていけばいくほど、辿り着くべき正答の輪郭が浮かび上がってくる」という言葉も心に響きました。
自分も誤謬を恐れて動けないこともあるので
この言葉を大切にしていきたいです。

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2025年03月08日

Posted by ブクログ

面白すぎる!時代小説だからと尻込みして積読していたのがもったいなかった。
登場人物がみんな文章の中で生きていてとても魅力的。算術好きの主人公、春海のワクワクした感情はこちらまで伝わってくるし、道策はかわいいし、伊藤と建部は素敵なおじさま達だし…

下巻もとても楽しみ。

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2025年02月09日

Posted by ブクログ

第7回本屋大賞受賞ということで読んでみた
素晴らしい小説だった
巻末の解説で養老孟司が書いているが、「気持ちのいい本を読んだ」まさにこれだ
くだらないパズルみたいな書き物と違って、人がちゃんと生きてる小説は読むに値する
江戸時代をずっと敬遠してきたため、全く予備知識がない状態で読めたのも新鮮で良かっ
渋川春海が歩いた江戸のあちこちを実際に見てまわりたいと思う

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2025年01月18日

Posted by ブクログ

私は小学生の頃この本をきっかけに囲碁を始めたのですが、ストーリーを忘れた今読み返すと主人公は家柄から周囲に期待される囲碁を拒んで自分が惹かれる天文・数学の道を選んでおり驚きました。一人の人生を描くという大きな主題の割に、主人公春海の挫折した時の心情描写が巧みで没入してスルスル読むことができました。何はともあれ趣味のなかった自分に春海の暦のように打ち込めるものを与えてくれました、ありがとうございました。

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2024年11月07日

Posted by ブクログ

徳川第四代将軍の時代。
日本独自の暦を作るという事業が
立ち上がる。

歴史にも数学的な知識にも
うとい私がわかるのかしら···

と心配したものの、

人物描写が素晴らしく、
ぐいぐい引き込まれました♡

生真面目で、
天然な部分もあり、
なんだか頼りなげな青年が主人公。

いろんな人の熱い想いを受取りながら
いずれ歴史的大事業の中心になるまでの
彼の成長の過程をじっくり描く。

難しそうなテーマだけど
とても読みやすかったです♪

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2024年09月28日

Posted by ブクログ

碁の才能に恵まれながら御城碁の勤めに飽き、また寄る辺のなかった春海が、自分の存在意義を見つけて自己実現を果たす物語だと思います。昼行灯の天才っぽさはラノベ主人公的でありながら実はそうでは無く、春海が自分の未熟さにもんどり打っているのが印象的でした。

文章もイキイキとしています。特に春海が関孝和の稿本を前にして恐れ、その世界に飛び込もうとする描写がいいと思います。測地の旅での建部・伊藤との交流も面白く読みました。

上巻を読んでいる途中、既に2周目を読みたいという気持ちが湧きました。こんなことは初めてです。

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2024年06月09日

Posted by ブクログ

さすが本屋大賞の一言に尽きる。
囲碁打ちの渋川春海は徳川将軍の名を受け、新しい暦を作るべく奔走する!
どこかナヨっとした晴海の人間臭さに惹かれ、謎の天才算術家、関孝和との算術問題を通したやり取りからも目が離せない。
江戸時代にここまで天文学や測量の技術が栄えていたのかということは非常に勉強になる。また、技術者魂に何度も心揺さぶられた。

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2024年03月31日

購入済み

解いてみました

本屋大賞の受賞作として読みました。
話の面白さはもちろんですが、具体的な算術の問題も掲載されていたので、実際に解いて楽しみました。

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2023年09月03日

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 上巻にして、この読後感。しきりに人にお薦めしたい本に登り上がった。
 時代は江戸が泰平の世として安定しようとする時期で、自身の生まれが、その人の人生をほぼ決定してしまう世において、囲碁の家に産まれた安井算哲こと渋川春海が、ただ研鑽することでなく、決められた手筋を教示する囲碁の世界、仕事に倦み、算術への尽きぬ興味から、偶然(いや必然なのか)ながら一気に話は北極星測定、暦作成の命を授かる。
 それにしても登場人物が、何とも生き生きとして魅力的である。才能漲る、何処か主人公と対極的な位置で碁の道に生きる本因坊道策、磯村塾の村瀬義益と神社に奉公している女性の、えんの会話などついついこちらがニヤニヤとしてしまう。そして観測隊隊長の建部昌明と副隊長の伊藤重孝の老練コンビの、決して老いを感じさせない、子供心と探究心を持続している素晴らしさなど、このような魅力的な人物が織り重なり、日頃当然のように成り立っていて、今や疑ってもいない暦の真実に気づかされ、今よりも誤りを正すことの難しい時代において、未知のものへの挑戦に自然と吸い寄せられてしまった。
 下巻が楽しみである。

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2023年07月31日

Posted by ブクログ

以前、新婚旅行の際に異国に携えて行って読んで以来、ちょうど10年ぶりの再読。
ストーリーなど、ほぼ忘れてしまっていて、新鮮な気持ちで読めたのだが…こんなに面白かったっけ!?というのが素直な感想。
春海をはじめとする登場人物が皆魅力的だし、どんでん返しが何度もあったり、伏線回収がしっかりあったり、ラストが序章につながっていたりと、構成も秀逸。
読んでいて何度も涙が出た。
この小説を選んで読んだこと、まさに”明察”!

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2023年07月20日

Posted by ブクログ

江戸時代、囲碁棋士安井算哲又の名を渋川春海が改暦に挑む話。上巻は算術に心掴まれ、北極星観測に向かう話で面白くワクワクする。算術を挑む所は緊張して、北極星を初めて3人で測る所は心が震える。ちょっとそこで感極まったもん。何より伊藤さん建部さんが好きになる。最後はふぅと一息吐いた。下巻が大変気になる

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2023年07月06日

Posted by ブクログ

よかった。読み応えもあり、文章もしっかり地に足がついてると言うか、浮かれた感じのない、信憑性を感じる。
作文してる会話なども当然あるはずだけど、全て史実のように感動して読んだ。
天才と努力と、そして、関わってきた人たちのタスキを繋ぐという思い。じんときた。
保科正之もかっこよ。

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2023年06月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

算術の世界がこんなにも楽しく感じるのは、正直意外過ぎました。塾で、神社で…いろんなところで問題を出し合い、解き合う。「失敗を恐れてはいけない」この言葉が胸に響く。だからこそ、解けたときの「明察」って気持ち良いのだろうな。学生時代に、この本に出会えていたら、数学に対しての意識が少しは変わっていたかもしれないと思うと惜しい。この算術が、これからどう関わってくるのか…楽しみです。

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2023年06月24日

Posted by ブクログ

 安定の冲方丁品質。タイトルやテーマを見た時点で「面白くなるハズないやろ??」という題材だが、むちゃくちゃ面白く出来上がっている。冲方丁は、本当にスゴイ。

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2025年12月07日

購入済み

 

面白い。
難しい内容だと思い込んで読み始めたが、とても分かりやすくスラスラと読めてビックリ。
作者的にSFのイメージが強かったので、こういう系統の内容も面白くて、すごいと思った。

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2022年09月28日

購入済み

あーもう

良い。悔しいけど良い。読め('A`)y-~

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2013年12月03日

Posted by ブクログ

「渋川春海-貞享暦」高校受験の時に中身を理解せずこの2単語を紐付けて覚えましたが、小説のテーマになるどころか本屋大賞まで受賞されるほどだったとは。。何も知らない中で読み始めたけど、春海の魅力に引き込まれる上巻でした。下巻が楽しみすぎる。早速読み始めます。

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2025年09月13日

Posted by ブクログ

歴史物は多く読んできたが、史実も含めて知らない登場人物がイキイキと描かれており、下巻に期待を持たせる。

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2025年01月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

関がもっと早く改暦に関わってくれたらうまく行ったのかな。江戸時代はいろいろ面倒な人間関係ある中、最後通したのが見事だった。若い頃じゃうまく行かなかったろうな。改暦の重要さはピンとは来ないが当時、吉凶を占う元にもなってたから重要なんだろうな。囲碁命の道策のキャラもいい。こんてんぎをえんに抱かせるところよかった。夢が叶う直前に過去のつながりを思い出すシーンもよかった。

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2024年11月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

歴史小説だから読めるか心配だったけどキャラクターが立っててするする読めました!
伊藤さんと建部さんが観測中に二人ではしゃいでる場面と春海さんが二回目に貼り出した問いに明察と書く場面が気に入ってます。
下巻も楽しみ

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2024年02月25日

Posted by ブクログ

読んでいてすごく爽やかな風が吹き抜けた気になる上巻。上巻のテーマは算術と測量でしょうか。塾や神社の絵馬に算術の問題を書いて、答えを解かせるというこの時代の風習に、へえーと思いました。主人公は碁打ちを職業としつつ、算術、測量、暦術に優れた若き侍。上巻の後半は測量。各地を巡って星を観測して、緯度を計測するというもの。この時代は大変だなぁと月並みな感想ですが、思いました。一緒に旅をしていた2人も良かった。年をとっても常に探究心が大事だなぁと感じました。自分も見習いたい!そして算術については、主人公は、江戸時代の天才、関孝和に挑みます。『明察』なのか、『無術』なのか、最後はドキドキして読みました。下巻もすっごく楽しみです。

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2023年05月07日

Posted by 読むコレ

悔しいことに、作家の側にはもちろん、読み手の側にも力量が必要なのではないか。子育てにもひと段落して本を読む量が多くなった最近、とみに思うようになりました。というのも、本書の冲方丁だけでなく、伊坂幸太郎、海外ミステリ全般など、過去に挑戦しては挫折した作家の本について、面白いと考えを改め直す機会が多くなったからです。
冲方さんの本ですが、過去になにがしかのSFものを手に取って、挫折した記憶があって、話題作となった本書も手を伸ばすのに非常に勇気が必要でした。
が、面白い!
感想は下巻に譲るとして、春海の人間らしさを素直に応援したくなる、気持ちの良い一冊と感じました。
ただ、えんちゃんの件が・・うぉぉーい!

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2013年12月22日

Posted by ブクログ

今村翔吾さん作品の流れで歴史系を選択。
建部伊藤のカッコ良さ。主人公も順風満帆ではないけど親近感の湧きやすい性格してて応援したくなる。

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2025年06月21日

Posted by ブクログ

「天地明察」という単語の意味がよく判らないままに読み始めただけに序盤で「明察」の意味が説明される下りによって、本作そのものがどのような方向性へ進もうとしているかを推察できる作りになっているのは感嘆してしまったな

他にもこの上巻の終盤で現れる展開・心情描写の前フリとなる要素が序盤・中盤に散りばめられていたりと、伏線と表現するには大袈裟かもしれないけれど、読み進めれば読み進む程に作品に織り込まれた輝かしい星星が目に入る作りになっていると感じられたね

特に主人公の春海の人物造形が面白い
碁打ちの家に生まれ将軍にも拝謁できる立場なのに熱中するのは算術ばかり。いわば身近な人には理解できない趣味に没頭するタイプか
そのような在り方だからか同業の道策には彼の熱中は理解されず、むしろ少し立場の異なる安藤や村瀬が良い話し相手になってしまうと
そうした状況だからこそ、彼が城で求められる本業である碁に飽きを覚えていて、その感覚が本作の主題へと繋がっていく構成は面白い

だとしても碁打ちが幕府の公式事業として天体観測を命じられるなんておかしな話だと思うけれど
でも、そうした要素だってそれだけ天体に関する事業に当たる者の役割が定められておらず、同時に新しい境地への挑戦事業であった事が見て取れるね


天体観測とは別の要素として本作において重きを成して描かれているのが関孝和への設問か
春海にすれば熱中する算術の遙か先に居る偉人。彼に並び立ちたいとも、彼に認められたいとも区別がつかない感情は春海に背伸びをしたかのような設問を出させるね

ここで面白いのは対決相手と言える関が登場しない点、そして一度目の設問が「無術」となってしまう点か
関が登場しないのだから春海は関が何を考えているのか、どのような表情をしているのか知る由がない。それ故に「無術」となってしまった己の設問を見て関が何を感じたのかをただしく測る術がない
これって見方を変えれば、北極出地に通ずる要素かも知れず

作中で指摘されたように瑕疵の無い暦は当時存在しない。つまりは誰も見た事がない。それを正しく見る為には北極出地を繰り返して少しずつ天地の姿を図る必要があるが、そこには建部が起こしたような間違いが生じる可能性だってある
だから間違いを少しでも少なくする為に、何度も間違えたり何度も測ったりするわけだろうし

その行動は春海が関へ2回目の設問を出す為に何度も伊藤や安藤を通して設問の確認をした事にも、そして一度目の設問が「無術」となってしまった事とも同類と言えるのかもしれない

だとすれば、この上巻のラストで「明察」が出た事はこれから測っていく大きな大きな星星の姿をより「明察」にしていく一歩目となるのかもしれないと思えたよ

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2025年05月06日

Posted by ブクログ

大老酒井から日本の端から端を周り天体観測と地理測量をするように命令を受けた。そこから浮き上がる暦と占術の謎が浮き上がって来ると会津藩藩主保科正之(幕府での執行者)からも謎が絡む使命が出てきた。それは日本の大勢から宗教、習慣文化を大きく変える可能性のある事態を招くことになる。

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2025年02月26日

Posted by ブクログ

晴海のように何かに夢中になって、その道を突き進んでみたいという気持ちはわからなくない。
でも自分に合った何かにはまって成功するのは、とても難しい事。
普通の人にはなかなかできない。
だからこそ面白く読み進む事ができる話なんだろうね。
下巻に行くよ。

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2025年02月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

冲方丁の著書を読むのは「花とゆめ」に続いてこれで2冊目。

歴史は好きだが理系的な話が苦手で最初は読み進めることに苦戦したが、3章の北極出地あたりから徐々に面白くなってきた。

建部が好きだったので亡くなった時の報せが悲しかった。伊藤は長生きしてほしい。

春海とえんがくっつきそうと思っていたので、えんがあっさり結婚していて驚いた。

下巻ではついに関が出てくるのか?
続きが楽しみです。

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2025年01月19日

Posted by ブクログ

本屋大賞受賞作読破のいよいよしんがりとなりました。天変地異にスピリチュアルが絡み合うのかなどと想像をしつつ恐る恐るスタート。

生きることに真っ直ぐで聡明な主人公、渋川春海。囲碁棋士でありながら算術を愛する彼が、成し遂げるであろう偉業、「改暦」がテーマだった。
天下泰平の時代なのかな。自分がやりたい事を慎み深く究めていこうとする清廉さが良い。

渋川春海は実在の人物のようだ。それを知ってより下巻が楽しみになった。

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2024年11月24日

Posted by ブクログ

主人公が純粋に、失敗しながらも好きなことに没頭している姿が好感が持てます。
今では当たり前となっている数学や天文学が、当時は道楽という位置付けで、一部の人にしか理解されていなかったことに驚きました。
いつの時代も、新しいことを理解してもらうのは大変なんだなぁと思いました。現代でいったら、ゲームとか漫画とか道楽とされているものが、いつか学問になるのかなーなんて思いました^_^

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2024年09月09日

Posted by ブクログ

徳川四代将軍の治世、碁打ちの名門に生まれた渋川春海が改暦のプロジェクトに参画し、親子以上に歳の離れた建部や伊藤のあくなき探究心に触発されていく様が面白かった。改暦プロジェクトを予感させるところで上巻は終わっており下巻を読むのが楽しみ。

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2024年06月22日

Posted by ブクログ

養老さんのお勧めだったので読みました。宇宙の仕組みを数学で解き明かす。好きこそものの上手!こんなにワクワクできる人生は最高ですね!

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2023年06月24日

Posted by ブクログ

時代ものというよりは青春小説のイメージ。それが嫌ではないけれど、意外とこういう感じなんだ〜と頷く感じ。

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2023年06月23日

Posted by 読むコレ

これは期待できそうな予感・・。

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2013年04月08日

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