【感想・ネタバレ】マルドゥック・ヴェロシティ1 新装版のレビュー

あらすじ

戦地において友軍への誤爆という罪を犯した男――ディムズデイル=ボイルド。肉体改造のため軍研究所に収容された彼は、約束の地への墜落のビジョンに苛まれていた。そんなボイルドを救済したのは、知能を持つ万能兵器にして、無垢の良心たるネズミ・ウフコックだった。だが、やがて戦争は終結、彼らを“廃棄”するための部隊が研究所に迫っていた……『マルドゥック・スクランブル』以前を描く、虚無と良心の訣別の物語。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

マルドゥック・スクランブルの続編です。
ボイルド推しなのでずっと気になってはいたのですが、死んじゃったのに過去とかみても辛いだけじゃないか……となかなか読めずにいました。

……さっさと読んでればよかった!
すごい面白いです!!

ボイルドに合わせてか文体が独特なのでちょっと読みづらいですが。

ルドゥック・スクランブルのボイルドは感情の起伏もほぼなくターミネーターみたいでしたが、まだ虚無に支配される前ということで人間みがあって素敵。
几帳面で真面目、仲間思いのいい人です。
恋人いたんだ……そりゃいるよね。
ウフコックをこんなに大事にしているのに……この後を考えるとつらい。

戦争や薬物は人を狂わせますよね。
覚醒剤でハイになって仲間の上に爆弾を落とした快感が忘れられず苦しむボイルドがつらい。
ウフコックに素直に話してたら変わってたのかもしれないけど性格的に絶対話さないだろうなぁ。

とにかく2が楽しみです!

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2025年01月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

マルドゥックスクランブルより前の話。
ボイルドが戦地において友軍への誤爆という罪を犯したのちに研究所に収容されていた。そこで出会った知能を持つ万能兵器であるウフコック。研究所は戦後の影響で三つのグループに分かれることに。

ボイルドが、このあと、どう虚無の世界へ向かっていくかの導入部だった。

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2023年07月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前作で命を落とした男、ボイルドが主人公です。
なので時系列は前作の前。

彼は味方を殺したがために
研究所に入れられました。
そして致命的なヤク中でした…

「かつてウフコックのパートナーだった」
前作のあの恐ろしさとは違った
パートナーを悪辣な実験から救うその行動は
まさに信頼していた者同士の行動です。

そしてところどころに前作の伏線が出てきます。
この時系列からもあのヤバイ野郎は
暗躍していたわけです。
そこの描写はグロなのでまじめに注意。

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2022年03月13日

Posted by ブクログ

「虎よ、虎よ」のような暴力と廃退と虚無、そして疾走感。
SFに限らず、ハードボイルドやダークヒーローものが好きな人にはお薦めできるなぁ。
独特の「クランチ」文体に慣れる頃にはもう世界に浸ってました。

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2012年09月27日

Posted by ブクログ

スクランブルにおける圧倒的ラスボス、ボイルドが虚無に呑み込まれていない頃。心に潜む巨大な闇と対峙しながら、己を律し、仲間を気にかけ、ウフコックを大切に扱う姿に胸が締めつけられる。眠ら(れ)ない身体、フラッシュバックするビジョン。小さな金色のネズミが救いであり、全てを見透かされる故に恐怖でもあったのだなあ。自分の傷を突きつけられる鏡は恐ろしく、また好きな相手に恥じている部分は見せたくないよね…。

ウフコックはめちゃくちゃキュート。人間の感情や社会構造についてスポンジのように学習する、まさに成長期という感じ。パートナーとしてのボイルドへの信頼と、周りに「必要とされたい」という欲求が純粋で、幼くて、なんともいじらしい。
スクランブルでは、バロットという不安定な主人公を支え・導く役割を担う頼りがいのあるネズミだったから、可愛い1000%な姿を見れるヴェロシティは素晴らしいでしかない。この先を考えると少し辛いけど…09の仲間たちは最後どうなるのか…

特殊能力持ちがバンバン出てくる楽しさがあり、全員に悲惨なトラウマがあるにはあるがスクランブルより陰鬱な雰囲気は薄めで(そうか?)、とっても面白いです。仲間と連携する貴重なボイルドが見れて興奮するし、気弱なドクターがこれからどう変わっていくのかも気になる。
また、ボイルド視点だからか文体が箇条書き(?)のようになっている。ト書きのような。独特で最初はびっくりしたけど、慣れると頭の中で映像が紙芝居のごとくパッパッと切り替わり、それが地続きになって面白い。臨場感があってバトルシーンに向いてる。

ボイルドとウフコックの過去が濃密に読めるヴェロシティ。スクランブルが好きだった方は必読だと思います。

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2025年04月16日

Posted by ブクログ

文体はボイルドの客観的かつ冷酷な視点を表現しているのかと思ったが、他の方のレビューを読んでクランチ文体というものだと知る。なるほど。しかし作品にマッチしている。

映像的に目まぐるしく展開していく疾走感あるアクションが楽しい楽しい。ボイルドのチート能力っぷりは『スクランブル』でよく知っているが、彼の鉄壁のメンタルがまだ築かれていないあたりが不安を醸す。限りなく強いはずがどこか危うく、一歩間違えばすぐに誰かが死んでいきそうな雰囲気。先が楽しみ。

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2016年03月18日

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冲方的クランチ文体初体験。素地があったおかげか意外と馴染みやすい。字コンテ的な?感じか。テンポがとても良くなるが、想像力が追いつかない時もある。

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2014年05月22日

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マルドゥック・スクランブル以前の話。ボイルドが主人公の一大絵巻。
展開の速さがいいテンポで進む。なかなかの序盤ですよ。

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2014年01月04日

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マルドゥック・スクランブルの前日譚。なぜボイルドはあのように変わってしまったのか、ウフコックとの間にかつてあった絆は何だったのかが語られる。色んな能力者が出てくる、少しSF的なジョジョのように読める一方、ストーリーはかなり残酷で暗い。そして前日譚であるために、救いがないことも分かっている。

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2013年11月10日

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■マルドゥック・ヴェロシティ1 ★★★★☆
星は衛星を束ねながら回転し進む。
美しく、煌々と輝きながら。

(以下抜粋。○:完全抜粋、●:簡略抜粋)
○お前は不確定要素に心を砕きすぎる。
 二分後のことに集中して、二分前のことを忘れろ。(P.229)

○「俺も、だんだんと人間の機微について理解が深まってきたと思わないか?」
 「ああ。ひやっとする。」(P.276)

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2013年03月02日

Posted by ブクログ

完全版ではなく、単なる新装版ではあったが、すっかり忘れていたので再読。スクランブルの完全版の時にも記載したが、やはり圧倒的にカトルカールの異形ぶりが際立つシリーズであり、それに対比する同じ生まれであるはずのO9のメンバーの健全ぶりと、特に主人公たるラスティポンプの人格が余りにスクランブルとかい離しており、序章のスクランブルの最後のシーンに至るまでの徘徊者とユニバーサルアイテムとの2マンワンセルから別離までが描かれる。再読ではあり、また結末が最初に用意されている以上、先が読めているが、フラグメンツで示された鼠の最後を推し量るためには、もう一度、復習して臨むことが望ましいだろう、何しろフラグメンツではO9と同じ技術で製造されたと思しき敵の出現が予告されているからだ

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2012年11月04日

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『マルドゥック・スクランブル』では、ひたすらに恐怖の対象で
でもどこか気になってしまうウフコックの“元”相棒、ボイルドが主人公。

彼がどうしてあぁいう結末になったのか、がわかる1冊。

久しぶりに半分徹夜をして、読みふけった。
ものすごいストーリーだった。
文体が独特だったけれど、それもすぐに慣れて苦にならなくなった。
ともかく、おもしろかった。

『マルドゥック・スクランブル』よりも、もっとSFのにおいが強くなっていたと思う。

これは、ともかく一気に、一息に読むのがオススメ。
ウフコックとのかけあい、仲間たちの様子などなど、
1巻から刻々と、グラデーションのように変化していく様子や
3巻での畳み掛けるようなラストへの波が、
よく感じられると思うから。

これを読んだら『マルドゥック・スクランブル』から見えてくる景色も変わるのだろうな、と思うと
そちらを読み返すのも楽しみだ。

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2012年08月30日

Posted by ブクログ

マルドゥックスクランブルにも登場したボイルドというキャラクターの過去の物語。
ボイルドとウフコックの関係を見ている笑っちゃうけど、じりじりと悲しさも湧いてくるのが辛いね。
ボイルドの一人称視点の文体はスプライトシュピーゲル感あってエモい。

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2023年10月07日

Posted by ブクログ

再読。
なんだろ初めて読んだときの方がドキドキした気がする。
この巻では異能バトルが本格的に始まらないからだろうか。
終盤になるにつれて戦いが壮絶になっていくので、まあ仕方ないのかもしれない。
とはいえウフコックの悩む姿はとても愛くるしく、ボイルドの静かな狂気も不穏でよい。
久々にみんなに再開した感じ。

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2020年03月07日

Posted by ブクログ

マル・スクのあの戦いを終えたボイルドの一人語りから始まるマル・ヴェロ。

ウフコックとの出会いから紡ぎだされる。切り刻まれる文章はボイルドの切り刻まれたあるいは切り刻んだ記憶なのか。人なのに、どこかロボット的な無機質な感じが雰囲気を出している。

ボイルドたちの有用性の証明がメインテーマではあるものの、ゴッドファーザーのような血族のゴタゴタさが絡み、きな臭さと生臭さが入り混じった奇妙なにおいがする。

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2013年01月17日

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