冲方丁のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ内裏の生々しい政権争いに巻き込まれた女御たち、一条天皇と言えば定子と彰子、この物語は彰子を主人公として語られており、この本で初めて紫式部が彰子の女房として就いていたのを知って衝撃を受けた。また、同時代の清少納言の名前までもが登場するのでどういう背景で二大作家が書き物をしていたのかが窺える。
また藤原道長と彰子と言えば、少年陰陽師を思い出し、安倍晴明が出てくると豪華絢爛な時代だったんだなぁと笑
それにしてもこれだけ私利私欲が渦巻く後宮で女の戦いが繰り広げられていると呪詛も実現していたのかもって思ってしまう。そんなこんなで12歳から内裏に入内して数年、彰子がようやく懐妊したところで上巻終了。
ハー -
Posted by ブクログ
『マルドゥック・アノニマス』も第10巻。
え?10巻!?と驚きです。
もう10年もこの物語は続いているのか。しかも、発表から考えるともっと長く――。
1年に1巻ペースの刊行なので、いつもストーリーを忘れている。“最初から読み直した方が……”といつも思うのだけど、そのまま読む。
今回はここ数巻と違った感想(たぶん)。
この物語、終わるの!?と。終わる気がしない。いまどの時点にいるのかまったくわからなくなった。まだ序盤かもしれないし(それはないだろう)、中盤かも、終盤かもしれない。どの時点と言われても、納得してしまう。
ただひとつ、ウフコックの物語の終わりは見えてきた(ように思う)。
まだま -
Posted by ブクログ
こうして読み終わってみると、本作は終わり方や終盤の展開を決めてから全ての構成を固めたのではないかと思えてしまう。それ程までに終盤に至る展開は美しく、且つそこまでに春海が経験した諸々が生きていると思える
上巻ラストにて気持ちの良い「明察」が出たのだから、続く下巻は改暦に向かって気持ち良い展開が続くかと思いきや、その道中は何もかもが苦行の如く難事ばかりというのは驚きだったり
でも、考えてみればそれまで当然のように使われていた暦を否定して新たな暦を制定するとなれば、それこそ天が牙を向くかのような反発が起きるのは当然と言えたのか
勿論その難事に春海一人で立ち向かったわけではない。事業を命じた保科正 -
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購入済み
大ボリューム
作者冲方丁の幅広い分野の作品の前端部分を集めた作品集である。とにかくSF ラノベ 時代物と対象分野が幅広く作品数も多いので大変なボリュームになっている。改めて読み返してみると、ばいばいアースから始まりマルドゥックスクランブルで頂点を迎えるSFものが私には一番しっくり来る。
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Posted by ブクログ
中国の最新鋭ステルス爆撃機が羽田空港に着陸したと思ったら、パイロットが「核が積んである」と衝撃的な言葉を発します。
登場するのは、警察庁(警備局)、警視庁(羽田空港署)、防衛省(防衛装備庁)、経済産業省、法務省(出入国在留管理庁)、外務省の面々なのですが、それぞれに癖アリ。しかも、協力して事に当たるというよりは、それぞれの組織益が目的なので、裏をかきあうという・・・。
そしてもう一つ、アメリカ(在日米軍)がここに出てきます。これは本当に黒子ですね。
話は意外に複雑です。そして、ポリティカルサスペンス化と思いきや、意外にそうでもないかも。アクションサスペンス要素の方が強いかも。
話的には