冲方丁のレビュー一覧
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ネタバレ藤原道長の娘で一条天皇の皇后となる彰子が主人公の物語。
著者には清少納言を主人公にした別のお話があるが、ある意味それと対になる平安栄花物語。
わずか12歳の彰子が道長の思惑で中宮定子に対抗するために入内してからの宮中や政治の場で起こる権力争いが描かれる。
とくに叔母で一条天皇の母でもある詮子がこれまでの経緯や怨念を語って聞かせる場面はおどろおどろしくトラウマになりそうだ。
それでも世間的にはライバルであった中宮定子がなくなってその子の親王を養育することになってからの彼女の心の成長が頼もしくなる。
この子を守りたい、一条天皇を助け、尽くしたいという彼女の想いは、しかし、これからの歴史の事実を知 -
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ネタバレNHKの大河ドラマの少し後のお話だった。道長の娘である藤原彰子の事はぜんぜん知らなかったので、平安時代の貴族の暮らしや政治の進め方、天皇との関係などと合わせて興味深く読んだ。権力争いに巻き込まれる彰子ら貴族の娘達。
彰子は、わずか12歳で一条天皇に嫁ぐが、既に子を成している定子がいるのになぜ自分がここにいるのかと悩み、孤立無援の状態が2年ほど続く。政治の事はほとんど知らずに嫁いだため、周りで何が起きているのか把握できず、漢詩もわからないため、男たちの話している内容がわからない。彰子は誰に聞いたらいろいろな疑問が解けるのか考える。そして父の姉で、一条天皇の母である詮子ならば、と思い当たる。
彰子 -
購入済み
歴史もの4連発
史実に基づいて書くのが歴史小説で時代背景を借りるのが時代小説、というのが定義らしい。まごうことなき歴史小説 豪華4点揃い踏みである。作者冲方丁といえばマルドゥックスクランブルに代表されるハードSFもの という先入観があったが、まるっきり違う文体で、めんめんと または剛直に 個性豊かな人物を描きあげている。ちょうどNHK大河ドラマでもやっている平安時代中期を描いた「はなとゆめ」が特に印象に残った。
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ネタバレ藤原道長の娘であり、今年の大河ドラマの主人公・紫式部が仕えた主人、藤原彰子が主人公の本作。
入内してから亡くなるまで約80年間の人生を描いた、まるで伝記のような小説。ボリューム感満載だけど、ページをめくる手が止まらない。
入内してしばらくまではつまらないかなと正直思っていたけれど、おばの藤原詮子から一族間の恨み辛みを聞かされてから一気に面白くなった。
一条天皇の力になりたいからと紫式部から漢文を習い、一条天皇亡き後は国母として、宮中になるべく怨みが生まれぬよう多方面に渡り気を配る姿は、現代のビジネスマンにとって十分示唆に富むものだと思った。
歴史の授業でもっと彰子のことを取り上げてもいいく -
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「この世をば わが世とぞ思ふ 望月の
欠けたることも なしと思へば」
の句でおなじみの藤原道長。その娘で、一条天皇の中宮となった藤原彰子の物語。
一条天皇のきさきとなったが、なかなか子に恵まれず(そりゃ12歳で入内しても)、そのうち中宮定子の子、敦康の養母となる。
それを始めに国母として70余年、藤原家の後ろ盾として、そして朝廷の安定に大きな影響を及ぼし続けた女性の一代記。
上巻は彰子が国母として独り立ちしていき、そして女房として彰子に仕えた紫式部が登場するまでがメイン。
彰子は国母としてのモットーとして「人を決して恨んではならない」ということを強く掲げる。そしてそのきっかけになったのが -
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『天地明察』がとても面白かったので、冲方丁の他の歴史ものも読んでみようと手に取った一作。
幕末も幕末、江戸の無血開城直前における西郷と勝海舟の二人の、江戸での戦争を避けるための駆け引きが本筋。カバー画の荒々しい感じをよそに、血湧き肉躍るような戦いは一切出てこず、二人の心の動きや会話が繰り広げられる。
それが退屈かというとまったくそんなことはない。勝は、なんとかして主君の徳川慶喜に少しでも有利な条件を勝ち取りたい。西郷も、新政府軍には強硬派もいるものの、本人としてはなんとかして平和に主権交代を成し遂げたい。
その主張をストレートには表に出せず、それでもそれぞれの目的を達成するために交渉が繰り広 -
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平安時代を描いた小説にあまり馴染みがないので、名前の読み方とか色々難しくて最初読み進むのが遅かったけど、なんとか慣れてきて、人物の相関図もだいたいわかってきた。
12歳で入内してまだ幼かった彰子が、だんだんと成長して、一条天皇を支えたいと一途な想いで頼もしくなっていく様が健気で胸が熱くなる。
それにしてもこの時代の女の身分の低さ、親から物のように出世の道具にされる様は腹立たしい。親族間なのに争いが絶えず、怨霊とか怨念が信じられてて、それによる病や火災の多さにびっくりする。
身分が高くても、心安らかになる時がない大変な時代だったんだな。
紫式部が出てきて面白くなってきたので、下巻でさらに彰子が成