冲方丁のレビュー一覧

  • 麒麟児

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    周りの人間の理不尽さや利己的な振る舞いに、何度も何度も悪態をつきながらも、決して大義を忘れずにやるべきことを粘り強くやり続ける麒麟児たちの姿には、ただただ畏敬の念を感じる。その一方で、こうも報われない、理解されない状況で行動を辞めない姿には、「なぜそうまでできるのか」「なにが彼らをしてそうさせるのか」と、素直にはてなの気持ちが湧いてくる。そういう点も含め、常人には理解できない麒麟児なんだろうか。

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    2023年09月24日
  • マルドゥック・アノニマス 5

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    ルーンを筆頭にしたイースター・ファミリー総出演のウフコック救出劇はまだまだ続く。敵となるエンハンサーも新手が続々登場し、いくらなんでもと……思わなくもない。
    本巻では、間に挟まれる過去のエピソードも敵側のものが多くなり、重層的に現在へとつながってくる。が、やはりルーンだ。戦闘中の彼女も素晴らしいが、学生生活を送りながらウフコックの手がかりを求め、アビーの庇護者として存在感を示す。
    そして20歳の誕生日をはさんで、過去の事件で失われたものを取り戻す。このシーンは感動的だ。

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    2023年09月10日
  • はなとゆめ

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    「千年の黙 異本源氏物語」という紫式部視点での物語を読んだことがあるが、これは清少納言(中宮定子)視点なので、読み比べをしている感じが面白かった。

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    2023年08月22日
  • マルドゥック・アノニマス8

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    待ちに待った8巻!
    でも、これは自分のせいなんだけど、誰がどう対立して、誰が誰にどんな感情を抱いていて、誰が何を目論んでいて…ていうのがわからなくて、オフィスが出てくるところ以外はいまいち入り込めなかった。ちゃんと1〜7巻を読み直してから読むべきだった。
    そしてまた次を待たねば。。。

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    2023年08月15日
  • はなとゆめ

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    この本の読後、枕草子を読むと、清少納言の中宮定子への敬意と深い愛情が伝わってくる。学生時代に読んだ感じとは全く別物だった。

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    2023年07月09日
  • マルドゥック・ヴェロシティ3 新装版

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    そもそもが難解なのに期間空けちゃったので理解できない部分が多々あった。当然だ。 あとがきのエピソードが狂人のそれで、やっぱこういう作品を産むのはそういう人なんだなあと納得しちゃった。

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    2023年07月17日
  • はなとゆめ

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    ネタバレ

    この作品は清少納言のひとり語りという形で進みます。
      最初の夫である橘則光との別れから始まります。

      則光の母親が花山天皇の乳母だったために、将来を期待されていたがたった二年で出家するとは思わなかったことでしょう。
      彼女は長男を連れて父の清原元輔の元へ戻った彼女。けれども、父である元輔は七十九歳で肥後守になり、彼女とはそれが永遠の別れとなります。仕官をした則光の元へ長男も行ってしまい……。
      二十八歳になった時に清少納言は宮中へ、しかも中宮定子に仕えることになります。定子の年齢は十七歳。
      若く美しいその華に清少納言はその生涯と一冊の書物を捧げることになるのです。

      身分、美しくないわが身への引け目。そうしたことから、宮中は決して清少納言にとって居心地が良い場所ではなく、それを変えてくれたのが、だれでもない最も尊い女性である中宮。

      ふさわしくありたいという気持ちが彼女を変えていく。それでも、宮中に恐れを感じる彼女に定子は上質な紙を与えるのです、いつか彼女が描く『枕』のために。

      そして、定子の父である藤原道隆の死後、道長と伊周との政局争いに巻き込まれて、定子は髪を切り、清少納言は口さがない人々のうわさ話に疲れ果てて、定子の元から離れてしまい、そこで様々な思い出を書き綴り始まるのです。それはかつて定子が『枕』と呼んだもの、のちの世に『枕草紙』として歴史に残る書物になるのです。

      道長と定子との政治的な争いは続き、結果として道長が勝利を収めたかのようにも思えるのですが、その後、定子をモデルにした『源氏物語』を書いていた紫式部を宮中に招いたり、彼女が彰子の漢文を教授したりということを考えると、あくまでも彰子は定子のコピーでしかなかったと思われて、切ないですね。

      宮中で多くの人が続きを待ち望んだ『源氏物語』
      定子が読み、苦しい生活の中で笑みを浮かべたと言われる『枕草子』

      どちらにも価値があり、どちらの妃も辛い日々を送っていたと読み終えたときに思っていました。

      この作品では淡々と、静かに語られていく日々が愛おしいと思わせてくれるものでした。だからこそ、歴史に翻弄された一人の女性の生涯が胸を打つのでしょう。
     

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    2023年06月04日
  • もらい泣き

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    どの話ももらい泣くことはできなかったけど、知り合いの小咄を聞いているみたいで楽しかった。個人的には「爆弾発言」と「旅人たちのバス」は登場人物に興味を引いてとても印象に残った。
    本の後半、震災後に書かれたショートストーリーは、どこか人の繋がりを強く感じた話しが多かった。「盟友トルコ」の『近くの親類より、遠くの他人』は今の自分の人間関係の共感性が強くグッときた。

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    2023年05月06日
  • マルドゥック・スクランブル The 2nd Combustion─燃焼 〔完全版〕

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    バロットの挫折と復活を描く2巻。
    まさかのカジノでイカサマバトルが始まるという展開で1巻とは違う趣があって面白い。
    カジノという場を与えることでバロットが弱くて悪い人間と向きあいつつもその中で、目指す方向を見つけていくという話になっていて、敵討ちが成功するかどうかという次元と別の方向が示されるのが良い。

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    2023年05月06日
  • 十二人の死にたい子どもたち

    匿名

    ネタバレ 購入済み

    想像してない結末でした

    タイトルから想像できなかった結末に驚きでした。
    なんだか辛いこと沢山あるけど、前を向いて生きることで、また楽しいことが見いだせるんじゃないかと思えるような作品でした

    #深い

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    2023年04月20日
  • 剣樹抄

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    大江戸諜報劇
    そういえば時代モノ初めて読んだ
    それぞれに長けた技を持つ少年少女たちと
    それをまとめる曲者な大人たち
    はぁ面白い…

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    2023年04月07日
  • 剣樹抄

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    光圀伝とは違う角度で水戸光圀とその周辺を描いている。戦乱が無い故に働き場所を無くした武士たちが鬱憤を晴らすために悪事に手を染めるという矛盾、武士としての存在価値が戦闘員から治安維持に移行する時代の難しさが、この時代を象徴しているのだろう。
    孤独と復讐心に捉われ続ける了助の姿が愛おしく、また泰姫や左近さんと再び会えたことが嬉しいです。

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    2023年03月12日
  • 麒麟児

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    他の幕末関係の本を読んで勝海舟が好きになったが、この本を読んでさらに好きになった。

    戦いというのは闘争だけを指すのではなく、目的を達成するあらゆる手段をいうのだなと思った。

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    2023年02月01日
  • 決戦!桶狭間

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    『どうする家康』桶狭間の戦い!面白さを増幅するストーリー揃い。オススメのアンソロジー。決戦!シリーズの第5弾。桶狭間の限定された時空に凝縮された義元の首を巡る七つの物語。どれも傑作です。七つ目の物語が首になった義元の語りになっていますが、こちらの読む気力が無く、評価できませんでした。
     六つの物語を評価すると5点満点中、平均は4.8点になりました。
    ①覇舞謡 幸若舞の敦盛をバックミュージックに信長公記を素直に解釈した作品。斬新性は有りませんが、冒頭にあることで、桶狭間の戦いのガイドストーリーになっています。 4点
    ②いのちがけ 信長の勘気を被っていた前田利家の主従の物語。ネタバレ出来ない傑作。 5点
    ③首ひとつ 毛利新介と共に、戦場を駆けめぐる!臨場感抜群。5点
    ④わが気をつがんや 家康が格好良すぎる? 5点
    ⑤非足の人 義元の嫡男、氏真は蹴鞠の達人。蹴鞠したさに沓掛城まで来たが… 5点
    ⑥義元の首 最前線の今川方の守将、岡部元信。義元の首は信長が丁寧に供養し、元信は降伏して命は助けられたと、信長公記にあり、信長らしくないと思っていましたが、実は…5点 
    ⑦漸く、見えた。義元の首はかく語りき 評価に含まず
    以上、合計29点平均4.8

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    2023年01月09日
  • 剣樹抄

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    久々に侍劇らしい時代小説に出会う。
    剣と心と、チャンバラと。光圀と了助の関係性も危険含みで、これからどうなるか、ハラハラする。敵役の設定も面白く、この時代の幕府が直面していただろう文治へのパラダイムシフトという課題、うねりを背景としている。続編も楽しみだ。

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    2022年08月04日
  • 決戦!関ヶ原

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    関ヶ原の合戦をさまざまな人物の視点から描いたアンソロジー。それぞれの物語が最後に繋がるのかと思っていたけれど、結局は完全に独立したままだったのが少し残念ですが、短編程度の文章量で立場を変えて見ることができるのは興味深い。

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    2022年07月26日
  • OUT OF CONTROL

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    "名刺代わりの小説10選"ってよく見るじゃないですか。好きな本紹介するやつ。この本は"冲方丁の名刺代わりの7篇"って感じです。
    ジャンルも文体も様々で、感想を一言で言えば「多才だなぁ!」以外ない。

    私は「天地明察」が大好きなので「日本改暦事情」がやっぱり良かったけど、他のも良作ばかり。
    特に1つ目の「スタンド・アウト」が良かった!
    ホラー系は…まぁ怖かったです 笑。

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    2022年05月17日
  • マルドゥック・アノニマス7

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    既に前巻までの内容を思い出すのが難しいので、早くシリーズ完結してほしいような、まだまだ読みたいような。新たなエンハンサーが出てきて異能者バトル方面も楽しみだが、集団訴訟も始まって今後の法廷対決も楽しみ。マルドゥックスクランブルでバロットの内面を描写するカジノシーンも圧巻だったが、どのような読書体験をさせてくれるか次巻も期待です。

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    2022年05月15日
  • もらい泣き

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    馬瀬あずささんの漫画版を読んでからいつか読もうと思っていた冲方丁さんの原作。
    ショートストーリーとある通り、33 話いずれも短く入りやすく読みやすい。また、個人情報や物語の構成上の理由からまるまるノンフィクションというわけではないが、それでも実話をもとにした話かと思うと、どの話も胸をあたたかくさせるものがあった。
    特に好きなのはこれ。
    「ぬいぐるみ」
    「ノブレス・オブリージュ」
    「空へ」
    「地球生まれのあなたへ」
    「先にいきます」
    「タクシーと指輪」
    人の想いや信念、やさしさやあたたかさが織りなす素敵な一冊。

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    2022年05月06日
  • 戦の国

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    信長と義元、景虎と晴信、光秀と信長、秀頼と家康など、直接会話をするわけではない相手との関係性を意識した作品群。元は雑誌企画のようだが、一冊の本としてよくまとまっている。話が出尽くされてる戦国ものをこれだけしっかり書けるのはすごい。

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    2022年05月03日