【感想・ネタバレ】マルドゥック・スクランブル The 2nd Combustion─燃焼 〔完全版〕のレビュー

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Posted by ブクログ 2015年06月05日

 ボイルドの襲撃で負った傷をいやすため、バロットたちは楽園と呼ばれる化学技術施設へ逃げ込む。そこでシェルの犯罪の証拠の在り処をつかんだバロットたち、は証拠のあるカジノへ乗り込むことを決意する。

 楽園での場面で印象的なのはボイルドと楽園の責任者であるフェイスマンとの会話。価値とは何か、技術の功罪は...続きを読む、といった哲学的な対話が非常に面白く読めました。

 そしてシェルの犯罪の記憶が入ったメモリーを手に入れるためバロットたちはカジノでのギャンブルに挑みます。ルーレットのスピナー、ベル・ウイングとの対決も読み応え十分!

 カジノの運営側と客側という金を奪い合う、という対決の図式を越えての「この人を越えたい」というバロットの純粋な思い、そして徐々にバロットの実力と裏に隠された思いの強さを理解し、全力で相手をするベル・ウイングのカッコよさたるや…

 終盤のブラックジャックはギャンブル心理や駆け引きがしっかり書き込まれていてルールが分からなくても、とても興奮して読めました。

 そしてバロットとウフコックの絆が徐々に強まってきているのも分かります。全巻の最後でバロットがウフコックを傷つけてしまいます。
それでもウフコックはバロットを優しく包み込み、バロットはその信頼に応えるため自身の能力を極限まで引き出し、ウフコックもバロットに対し信頼するようになっていきます。その過程の描き方も素晴らしいです。

 最終巻となる次巻もとても楽しみです。

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Posted by ブクログ 2013年06月26日

楽園での出来事と、その後に続くカジノでの勝負。
静と動の対比、とでも言えばいいかな?
楽園内が静に見せかけて動だったり、カジノでの勝負も動きがあるように見せて静かな頭脳戦で、でも痺れるような戦いで。
ギャンブルに対して造形があるわけではないけれど、その展開に興奮させられる。

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Posted by ブクログ 2012年12月09日

「マリッジブルーって知ってるか、ウフコック?」「俺がそれだと?」「我ながらうまい喩えだ」「解決方法は?」「ただ待つのさ。そのときが来るまで」「難しい」「人類始まって以来の難問だからな。まあ、がんばれよ」

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年07月09日

 ルーン=バロットが、ウフコックという金色の万能ネズミと共に、自分の事件を解決していくシリーズ2作目。

 まずは、前回に壊れてしまったウフコックの修理をするために「楽園」と呼ばれるところに。楽園の成り立ち、ウフコックやボイルドの過去が少し明らかになったりする。この場面であった情報の海に飛び込んでい...続きを読むくという描写が印象的。渦に飛び込むことが情報にアクセスするというのが面白い発想だった。


 そして、カジノ編へ。前巻の印象からアクション系のSFかと思って読んでいたから、この展開にはいい意味でびっくりさせられた。ポーカーから始まり、ルーレットにつながる心理描写や、大きな戦いに挑むまでの段階が描かれており、読み応えがあり面白い展開になっていた。スピナーの方がフェアでありバロットの良い師匠になり得る人でよかった。

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Posted by ブクログ 2012年06月19日

ついに登場!女性スピナー、ベル・ウィング。
とにかくこの人はカッコいい!
大好きなキャラクターです。

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Posted by ブクログ 2012年03月20日

ポーカーとかが全然わからないので
ギャンブルのところの描写はよくわからなかったけど
緊張感がすごく感じられた!

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Posted by ブクログ 2012年02月15日

完全版の中巻。サイバーパンク3:カジノ7。

中盤以降カジノ小説と化すのだが、これがすごく面白い。心理戦や各種ゲームにおける戦略の描写はかなりの説得力があり、間違いなく著者の冲方氏はカジノ(ギャンブル)への造詣が深いことが分かる。

作中のカジノ参加者と同じく、読んでいて自分も熱中してしまった。必見...続きを読む

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Posted by ブクログ 2011年11月14日

第二部は一気読み。
前巻からその兆しがあった通り、当巻ではボイルドの深層を丁寧に描いていた。それは、もちろんバロットとの対比であり、彼女があるべき姿を暗に滲ませてもいた。

動かざる過去に対してどう立ち向かうか。
まだはっきりとした見解は出せていないが、バロットとシェル、そしてボイルドともにその姿勢...続きを読むは異なる。
過去を正面から見つめ、克服しようとするのがバロットだとすれば、過去の忘却という逃避に走ったのがシェルであり、過去に取り憑かれたまま身動きがとれていないのは、実はボイルドなのかもしれない。

何れにせよ、そういった主要人物の深層に止まらず、あらゆる面で丁寧に、解りやすく描写を心掛けていることが、この作品の大きな魅力だと思った。

一部は活動の高揚感。二部は思考の刺激。三部はどうなるんだろう。楽しみだ。

ー3rdへ続く

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Posted by ブクログ 2011年04月17日

1巻も一気読みさせられたが、この2巻もすごい。
特にカジノに入ってからは、本を置くことができないほど、惹きつけられた。最終巻が楽しみ。

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Posted by ブクログ 2024年02月10日

半分以上がカジノでの心理戦です。
ゲームの描写がすごすぎる……
どうやったらこんなの書けるんだ。

ボイルドとウフコックの出会いのシーンは泣きました。
ボイルドの最期がどうなるかわかってるけど幸せになってほしいですね。

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Posted by ブクログ 2023年11月21日

バロットが自分の生に価値を付与し、それをベットして戦う話でした…!命の価値と人生の綱渡りを意識する2巻でした。
ルーレットやブラックジャックなどのギャンブルを通して、ルールのなかで不自由ながらも自分の成せることを成して自分の戦いをしていくバロット。その姿からは過去と向き合う強さよりもいまを生きる強か...続きを読むさへの萌芽を感じました。
これまで盲目的にルールに従い、流されるまま生かされてきた少女。そんなバロットがルールを知り、そのなかで自分なりの呼吸で生きていくためのステップを登り始めていく。バトルシーンを求めてるとあんまりかもですが、フェイスマンとボイルドの対話とギャンブルパートは社会を生きる人々に何か示唆的なものが溢れていて個人的に好きでした!

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Posted by ブクログ 2023年05月06日

バロットの挫折と復活を描く2巻。
まさかのカジノでイカサマバトルが始まるという展開で1巻とは違う趣があって面白い。
カジノという場を与えることでバロットが弱くて悪い人間と向きあいつつもその中で、目指す方向を見つけていくという話になっていて、敵討ちが成功するかどうかという次元と別の方向が示されるのが良...続きを読むい。

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Posted by ブクログ 2018年12月31日

冲方丁作品は先に『天地明察』、『光圀伝』を先に読んでいて、どちらも素晴らしかったので、元々SFが本業だということに驚いた。

『マルドゥック・スクランブル』は3冊組で、①はいかにもSFという感じの戦闘モノの色が強い。著者の言葉選びは面白いと思う一方で、ちょっと中2感がすぎるなと感じる時もあって、その...続きを読む辺はちょいと寒いかなと。
ただ②、③は戦闘より、ギャンブルのシーンが長く、ここがとにかく面白い。SFらしく特殊能力を使っているものの、それを凌駕するほど強いディーラーとの戦い。


“撃ったら引く(ヒット・アンド・ラン)。プレイヤーいつも不利な条件だから。自分よりも強い相手と戦うための戦法。”

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Posted by ブクログ 2019年09月18日

戦いを勝ち抜くのは、何も圧倒的な重火器力だけではないことがこの2冊めと、3冊目の大部分を費やして描かれます。

シェルの犯罪を立証する証拠を握るべく、バロットはシェルの経営するカジノに乗り込むのですが…BJのルールを解って読んでると、息が詰まるような熱戦が。よくわからないと、最初はついていくのに大変...続きを読むですが、頑張って読み進めて下さい。3巻でいろいろ見えてきます。

ところで。

ウフコックやボイルドが帰属していた研究機関「楽園」が登場します。が…。ここの『何かは、確実に有益で正しく、物悲しいほどの均衡と叡智を持っているのに、確実に何かが間違っている…』

そんな寂寥感と終末感が切ないです。

これはどこかいびつだと感じて、ウフコックは外に出たのだろうなと、私は感じました。

どんな障害や疾病、傷を持っていても、ある意味万能に生きられる、そんな世界は、確かに桃源郷。それを差し出されたら私は、どうするでしょう。愛する人に鳥籠で捕らえられるのなら、一種のファンタジー。でもここには、その優美さはありません。

…私もやはり、猥雑でも良い。傷つけられる怖さと可能性を孕んだ都市へと出ていく気がします。

過去と向き合うことを放棄したものは、冒険小説の
主人公にはなれません。楽園でのいろんな邂逅や、カジノでの熱戦は、バロットが自分の内面と過去に降りていく、その長い縄梯子なのかもしれないのです。

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Posted by ブクログ 2016年09月28日

世界の仕組みがだんだんはっきりしてきて、それに応じてのめり込めるようになってくる第2巻。楽園内部のシーンは印象的で、イルカやサメが宙を舞う幻想的な情景に癒されるけど、化け物の出現で叩き壊される。で、後半の舞台は、いよいよ核心に近付いた感のあるカジノ。腹の探り合いとかスリリングなんだけど、その薀蓄を含...続きを読むめた描写が、どうも冗長に感じられてしまいました。女主人公の性能とか、ネズミとの相性とか、印象付けるために必要な展開かもしれないけど、それにしても…と思ってしまいました。残るは下巻。怒涛の展開を期待してます。

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Posted by ブクログ 2013年12月09日

敗北を味わいながらそれでも前進する主人公。

後半からはシリアルキラーの背後の陰謀を暴くために証拠があるカジノへ乗り込み、ディーラーとの心理戦が面白い。

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Posted by ブクログ 2013年09月30日

己の身体一つしか持たない被虐者から、チカラの行使者へ。
過去に捕われ復讐者となるか、過去を乗り越え救世主となるか、楽園という名の鳥籠で世捨て人となるのか。
斯くしてバロットは選択し、『天国への階段』に挑むべくカジノへ向かう。
スリリングなカジノ編が始まります。

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Posted by ブクログ 2013年05月01日

1stより好きな展開。

楽園でのフェイスマンとボイルドのやりとりが読み応えがあった。まあそこだけいきなり押井守テイストだったけれど、やっぱりここがこの小説のテーマであろうし。このあたりからボイルドのキャラクターとしての引力が強くなってくる。

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Posted by ブクログ 2013年01月26日

一巻の時点で既に「(ほぼ)最強」となったパロットをどう見せるのかと思っていたけど、まさかカジノが出てくるとは。

その新しい戦場では、指は撃鉄ではなくスロットのボタンに。銃弾の代わりに飛び交うはルーレットの球。しかしその手には変わらずウフコックがいて(あんまり上手くない)。名コンビだなぁ。

もっと...続きを読むも銃撃戦でも心理戦(?)でも最強は最強なんだけどね。

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Posted by ブクログ 2013年01月14日

とても面白かった。一巻とは違い、戦闘シーンよりもバロットとウフコックやドクターとの繋がりという再生のシーンに重きを置いている印象。
カジノでの心理戦のシーンは最高。とてもよく考えられているし、勢いがある。ディーラーのベル・エポックという老婦人が、多くのの描写があるわけでもないのに、非常に魅力的な人間...続きを読むとして書かれていて印象的。
ひたすら戦闘ではなく、緻密なカジノシーンに多くが割かれている所が、この物語のすごい所なのだろう。

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Posted by ブクログ 2012年12月31日

疾風は音色となり、物理世界から解き放たれる。

(以下抜粋)
○人間のくせに、そんな狭い概念に囚われてちゃ駄目だぜ。(P.45)

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Posted by ブクログ 2012年11月11日

卵シリーズで構成されているマルスク二巻目は楽園・ハンプティ・ダンプティへ舞台を移し、観念的な哲学的なやりとりを経て、地上へ降り立つ。無敵のボイルドから逃げ出す先がフライングハウス。というSFだから、使えるフライング技。

ハンプティ・ダンプティでのやりとりが一貫して理屈っぽくて、青臭くて「INOCE...続きを読むNCE」を彷彿とさせられる。嫌いではないが、押井守程煙に巻き切れていないところが、惜しい。

一皮も二皮もむけたバロットが乗り込んだ先はカジノ。スピナー、ベル・ウィングの「右回りの運」はなかなか、いい言葉だ。

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Posted by ブクログ 2012年04月25日

2冊目。
命からがらボイルドから逃れ、回復のため楽園と呼ばれる研究施設に逃げ込む。
そこで物語の真相が少しずつ暴かれる。
後半はカジノ回に突入。
ポーカーもルーレットもルールはよくわからないから、深く考えずに読み流すことにした。
詳しければ格段に楽しくなるかもしれない。
カジノでの経験で更なる成長を...続きを読む遂げるバロット。

バロットとウフコックをボイルドが追う。

1巻と違い序盤以外にドンパチはなく、がらりと雰囲気が変わって静かな心理戦が展開される。

どのキャラも魅力的です。
ただ『天地明察』でも思ったけど、冲方さん緻密だな~。
この書き込みが世界の深さだろうけれどちょっとヘビーだわ。

そして一つの長編を分冊しているので話の切れがあまりよくない。
次巻ラスト。

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Posted by ブクログ 2012年03月29日

SF架空の世界の物語。
只、この小説は、その世界が間違い無く存在している
と思わせてくれる。何時の間にか、引き込まれている。

未来になっても、人の心は変わらない。
登場人物の細かな心情描写が物語にリァリティーを与えている。
人の心の動きが露骨に表れるのは、欲が絡むカジノ。
そこを舞台にして、キャラ...続きを読むクターを浮彫りにする。上手い。
早く続きが読みたい。

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Posted by ブクログ 2011年09月20日

前巻「マルドゥックスクランブル~圧縮」とは打って変わって、落ち着いた話が続きます。

落ち着きすぎとも感じたり、少し冗長な感じもしますが、結末に向けて着々とコマが進んでいるので、退屈することなく読み終えられました。

いよいよクライマックスに向けての助走が始まりました。
登場人物達に、どのような結末...続きを読むが待っているのか、期待して次巻~排気も読みたいと思います。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年07月06日

何これ急に面白くなった。アクション描写よりもこういった駆け引きの描写が上手く感じる。主人公が本当の強さを手に入れ始める。物語はここから動き出すと言ってもいいだろう。文字通り「燃焼」が始まった巻。

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Posted by ブクログ 2011年04月14日

1巻では派手な戦闘を繰り広げたのですが、2巻では一転、“楽園”での静かな雰囲気、カジノでの息詰まる心理戦が描かれます。
って言うか、カジノのシーン、長っ!
さすが『天地明察』の著者。この人は数学が好きなんだろうなぁ。
ルーレットの場面が最高でした。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年06月17日

冲方丁の作品の中で一番好き、
特にこの2巻が

楽園の描写がいい

すべてが満たされた人間がだんだんと植物人間になっていく

ただしいったん捕食者が現れた場合は
なすすべなく命をとられる

かれらがそんざいできるのは強力な武力で守られた施設の中だけにしかない

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Posted by ブクログ 2012年06月12日

楽園 情報の海 三博士 シェルの弱点 互いの生存を賭けたカジノギャンブル ポーカー ルーレット ブラックジャック 徐々に覚醒していくバロット ドクターのギャンブル好き

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Posted by ブクログ 2012年06月08日

雑魚キャラおよび敵キャラの造詣が浅すぎる。作者の嗜好が外皮に偏っているように思う。外見は中身のメタファであるべきだと思うけど、この話では外見から中身が作られているようだ。全部がそうではないけど。
話を作るときに映像からやってくるんだろう。メディアとしては小説よりアニメやハリウッド映画の方が向いてるよ...続きを読むうな。

とりあえず、賞をとったSFとのことで期待してた気持ちは裏切られた。ただのSFラノベだった。ラノベにしては面白いけど。

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