冲方丁のレビュー一覧

  • はなとゆめ

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    枕草子の内容と、それを書くに至った背景が小説としてわかりやすく描かれている。

    『枕草子のたくらみ』『平安人の心で源氏物語を読む』や御堂関白記の訳などとあわせて読むと楽しい。

    伊周、隆家兄弟が、花山院の袖を射る事件(長徳の変)とそのすぐ後の清少納言の動きとその理由や、その後の則光や斉信との関係。
    また、その後の清少納言の孤立の具体的な理由。
    定子の「言はで思ふぞ」の手紙の決意。
    権力掌握のため必死な道長の策謀と、時勢をみる貴族たちの動き、定子の覚悟とその女房たちの自負と誇り、決意。

    特に後半、政治色が強くなるほど哀しくて激しい。

    …………伊周と、その弟の隆家、雅な教養はあったんだろうけ

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    2023年11月07日
  • 剣樹抄 不動智の章

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    残念ながら、NHKのドラマの方は、ところどころしか見てなくて、しかも、結末も知らないが、舘ひろしが「義仙」だったのは覚えている。本の方は、何か、大々的な陰謀の気配がして、続きが楽しみだ。

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    2023年10月25日
  • 剣樹抄 不動智の章

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    前作を読んで続編が気になりこちらも手に取る事に。

    読み終わってみればもう少し先があるのでは?と思って調べてみるとやはり今年中に発売予定だと。

    若き頃に取り返しのつかないことをしてしまった水戸光圀や、光圀との因縁を持つ六維了助様々な特技を持った子どもたちからなる拾人衆、人並み外れた技能を持つ柳生義仙、それに加えて悪役としての極大師や、状態が不明のままで終わった鶴市、甲斐、錦氷ノ介等が続編でどの様な絡みを見せるのか、引き続き楽しみです。

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    2023年10月09日
  • 麒麟児

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    周りの人間の理不尽さや利己的な振る舞いに、何度も何度も悪態をつきながらも、決して大義を忘れずにやるべきことを粘り強くやり続ける麒麟児たちの姿には、ただただ畏敬の念を感じる。その一方で、こうも報われない、理解されない状況で行動を辞めない姿には、「なぜそうまでできるのか」「なにが彼らをしてそうさせるのか」と、素直にはてなの気持ちが湧いてくる。そういう点も含め、常人には理解できない麒麟児なんだろうか。

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    2023年09月24日
  • マルドゥック・アノニマス 5

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    ルーンを筆頭にしたイースター・ファミリー総出演のウフコック救出劇はまだまだ続く。敵となるエンハンサーも新手が続々登場し、いくらなんでもと……思わなくもない。
    本巻では、間に挟まれる過去のエピソードも敵側のものが多くなり、重層的に現在へとつながってくる。が、やはりルーンだ。戦闘中の彼女も素晴らしいが、学生生活を送りながらウフコックの手がかりを求め、アビーの庇護者として存在感を示す。
    そして20歳の誕生日をはさんで、過去の事件で失われたものを取り戻す。このシーンは感動的だ。

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    2023年09月10日
  • はなとゆめ

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    「千年の黙 異本源氏物語」という紫式部視点での物語を読んだことがあるが、これは清少納言(中宮定子)視点なので、読み比べをしている感じが面白かった。

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    2023年08月22日
  • マルドゥック・アノニマス8

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    待ちに待った8巻!
    でも、これは自分のせいなんだけど、誰がどう対立して、誰が誰にどんな感情を抱いていて、誰が何を目論んでいて…ていうのがわからなくて、オフィスが出てくるところ以外はいまいち入り込めなかった。ちゃんと1〜7巻を読み直してから読むべきだった。
    そしてまた次を待たねば。。。

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    2023年08月15日
  • はなとゆめ

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    この本の読後、枕草子を読むと、清少納言の中宮定子への敬意と深い愛情が伝わってくる。学生時代に読んだ感じとは全く別物だった。

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    2023年07月09日
  • マルドゥック・ヴェロシティ3 新装版

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    そもそもが難解なのに期間空けちゃったので理解できない部分が多々あった。当然だ。 あとがきのエピソードが狂人のそれで、やっぱこういう作品を産むのはそういう人なんだなあと納得しちゃった。

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    2023年07月17日
  • はなとゆめ

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    ネタバレ

    この作品は清少納言のひとり語りという形で進みます。
      最初の夫である橘則光との別れから始まります。

      則光の母親が花山天皇の乳母だったために、将来を期待されていたがたった二年で出家するとは思わなかったことでしょう。
      彼女は長男を連れて父の清原元輔の元へ戻った彼女。けれども、父である元輔は七十九歳で肥後守になり、彼女とはそれが永遠の別れとなります。仕官をした則光の元へ長男も行ってしまい……。
      二十八歳になった時に清少納言は宮中へ、しかも中宮定子に仕えることになります。定子の年齢は十七歳。
      若く美しいその華に清少納言はその生涯と一冊の書物を捧げることになるのです。

      身分、美

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    2023年06月04日
  • 天地明察 上

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    読んでいてすごく爽やかな風が吹き抜けた気になる上巻。上巻のテーマは算術と測量でしょうか。塾や神社の絵馬に算術の問題を書いて、答えを解かせるというこの時代の風習に、へえーと思いました。主人公は碁打ちを職業としつつ、算術、測量、暦術に優れた若き侍。上巻の後半は測量。各地を巡って星を観測して、緯度を計測するというもの。この時代は大変だなぁと月並みな感想ですが、思いました。一緒に旅をしていた2人も良かった。年をとっても常に探究心が大事だなぁと感じました。自分も見習いたい!そして算術については、主人公は、江戸時代の天才、関孝和に挑みます。『明察』なのか、『無術』なのか、最後はドキドキして読みました。下巻

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    2023年05月07日
  • もらい泣き

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    どの話ももらい泣くことはできなかったけど、知り合いの小咄を聞いているみたいで楽しかった。個人的には「爆弾発言」と「旅人たちのバス」は登場人物に興味を引いてとても印象に残った。
    本の後半、震災後に書かれたショートストーリーは、どこか人の繋がりを強く感じた話しが多かった。「盟友トルコ」の『近くの親類より、遠くの他人』は今の自分の人間関係の共感性が強くグッときた。

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    2023年05月06日
  • マルドゥック・スクランブル The 2nd Combustion─燃焼 〔完全版〕

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    バロットの挫折と復活を描く2巻。
    まさかのカジノでイカサマバトルが始まるという展開で1巻とは違う趣があって面白い。
    カジノという場を与えることでバロットが弱くて悪い人間と向きあいつつもその中で、目指す方向を見つけていくという話になっていて、敵討ちが成功するかどうかという次元と別の方向が示されるのが良い。

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    2023年05月06日
  • 十二人の死にたい子どもたち

    匿名

    ネタバレ 購入済み

    想像してない結末でした

    タイトルから想像できなかった結末に驚きでした。
    なんだか辛いこと沢山あるけど、前を向いて生きることで、また楽しいことが見いだせるんじゃないかと思えるような作品でした

    #深い

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    2023年04月20日
  • マイ・リトル・ヒーロー

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    冒頭、何この変化球?、と思ったら、中味はド直球の冲方丁だった。

    後半、どんな大ピンチに遭遇するか、と思ったら意外な小ピンチで、拍子抜けするよりはホッとした。

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    2023年04月17日
  • 剣樹抄

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    大江戸諜報劇
    そういえば時代モノ初めて読んだ
    それぞれに長けた技を持つ少年少女たちと
    それをまとめる曲者な大人たち
    はぁ面白い…

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    2023年04月07日
  • 剣樹抄

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    光圀伝とは違う角度で水戸光圀とその周辺を描いている。戦乱が無い故に働き場所を無くした武士たちが鬱憤を晴らすために悪事に手を染めるという矛盾、武士としての存在価値が戦闘員から治安維持に移行する時代の難しさが、この時代を象徴しているのだろう。
    孤独と復讐心に捉われ続ける了助の姿が愛おしく、また泰姫や左近さんと再び会えたことが嬉しいです。

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    2023年03月12日
  • 麒麟児

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    他の幕末関係の本を読んで勝海舟が好きになったが、この本を読んでさらに好きになった。

    戦いというのは闘争だけを指すのではなく、目的を達成するあらゆる手段をいうのだなと思った。

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    2023年02月01日
  • 月と日の后

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    平安中期の藤原彰子の半生を描いた歴史小説。

    清少納言を描いた「はなとゆめ」に続いての平安王朝絵巻です。
    平安時代が舞台の小説は少ないのでありがたいです。
    一般的に定子が理想の后のように描かれるのに対し幼いイメージの彰子でしたが、中盤の覚醒から一条天皇の意思を理解し継承するすごい政治家としての物語になっていて驚きました。
    この時代の小説では清少納言を主人公とした田辺聖子さんの「むかし・あけぼの」や藤原道長を主人公とした永井路子さんの「この世をば」がありますが、彰子が主人公の物語は初めてなので嬉しかったです。
    ただ、一般的に有名でない時代の物語なので「大鏡」や日記が残っているので読者に史実を伝え

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    2023年01月14日
  • 決戦!桶狭間

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    『どうする家康』桶狭間の戦い!面白さを増幅するストーリー揃い。オススメのアンソロジー。決戦!シリーズの第5弾。桶狭間の限定された時空に凝縮された義元の首を巡る七つの物語。どれも傑作です。七つ目の物語が首になった義元の語りになっていますが、こちらの読む気力が無く、評価できませんでした。
     六つの物語を評価すると5点満点中、平均は4.8点になりました。
    ①覇舞謡 幸若舞の敦盛をバックミュージックに信長公記を素直に解釈した作品。斬新性は有りませんが、冒頭にあることで、桶狭間の戦いのガイドストーリーになっています。 4点
    ②いのちがけ 信長の勘気を被っていた前田利家の主従の物語。ネタバレ出来ない傑作。

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    2023年01月09日