冲方丁のレビュー一覧

  • 月と日の后
    450ページ近い長編だが、とても面白く読めました。今年の大河ドラマと重なる題材で、エピローグ的な感覚で興味深かったです。親子、叔父叔母、従兄弟、従姉妹、兄弟姉妹、登場人物が錯綜して、家系図なくして理解不能。はじめはなんとなく間延びした展開が途中主人公の藤原彰子が国母となる事を決意してからの話の流れが...続きを読む
  • 冲方丁歴史小説4作品試し読み合本(『天地明察』『光圀伝』『はなとゆめ』『麒麟児』)

    歴史もの4連発

    史実に基づいて書くのが歴史小説で時代背景を借りるのが時代小説、というのが定義らしい。まごうことなき歴史小説 豪華4点揃い踏みである。作者冲方丁といえばマルドゥックスクランブルに代表されるハードSFもの という先入観があったが、まるっきり違う文体で、めんめんと または剛直に 個性豊かな人物を描きあげて...続きを読む
  • 月と日の后
    藤原道長の娘であり、今年の大河ドラマの主人公・紫式部が仕えた主人、藤原彰子が主人公の本作。
    入内してから亡くなるまで約80年間の人生を描いた、まるで伝記のような小説。ボリューム感満載だけど、ページをめくる手が止まらない。

    入内してしばらくまではつまらないかなと正直思っていたけれど、おばの藤原詮子か...続きを読む
  • 天地明察 下
    時代小説は殆ど読まないのですが、しばらく前に「12人の〜」を読んで冲方丁さんの文体が好きになり、読んでみました。
    いやー、面白いですね。
    歴史が大の苦手で詳しくないため、登場する歴史上の偉人たちがどのようなことを成し遂げて来たのかが気になって、いろいろネットで調べながら読み進めました。久々に勉強した...続きを読む
  • 十二人の死にたい子どもたち
    起承転結を考えると3.7ぐらいですが、自殺志願者を集めて、集団自殺という単純なものではなく、途中からピアカウンセリングのようになっていったのが面白かったです。主催者もピアの一員であること、しいていえば余命幾ばくかの子がカウンセラーみたいではあるけれど、そういう視点で読ませてもらったので面白いなと思い...続きを読む
  • 月と日の后
    幼くして一条天皇に嫁いだ、藤原道長の娘、彰子の物語。何もわからず、権力争いの駒のひとつとして天皇の妻となるも、次第に自分の立場に意味を見出す。天下泰平の為に、争い事が起こらぬように、決しておごらず、周りを見る力があることが、上に立つものに必要なのだと感じさせる良書。
    道長一族の栄枯盛衰も悲しくも、人...続きを読む
  • マイ・リトル・ヒーロー
    善良だけが取り柄の男が、バトルロイヤル系ゲームの世界に閉じ込められた息子を救出することを通じて幸せを取り戻していく心温まるエンタメ小説。ただ、ネットゲームの世界を想像できない人にとっては苦痛かも。
    冲方さんは『天地明察』(2009)で本屋大賞を受賞された作家です。荒唐無稽と思われる設定で、よくこのよ...続きを読む
  • 骨灰
    祟りを信じるか
    江戸時代から戦後にかけて東京は地中深くどこでも大火、戦争の後の屍があったとしても不思議では無い。都心での建設ではまさに土壌深くをも調査しすることで始まるが、その地鎮祭などを仕切る企業が人柱を侵した事で奇妙なミステリーが始まる小説だ。現代、その慣習は続いており不気味な何かが起こっても不...続きを読む
  • 十二人の死にたい子どもたち
    12人の子供たちが集団自殺しようと廃病院に集まるところから始まるんだけど、なんせ人数が多いのでそれぞれが目撃した違和感の関連性が最初は全然見えなくて行く末がわからなかった。そして数字というどうしても目が行きやすい要素もまた混乱に陥れるポイントになっていてすごいなと思った。
    順に話し合いで謎が解き明か...続きを読む
  • 天地明察 上
    歴史小説だから読めるか心配だったけどキャラクターが立っててするする読めました!
    伊藤さんと建部さんが観測中に二人ではしゃいでる場面と春海さんが二回目に貼り出した問いに明察と書く場面が気に入ってます。
    下巻も楽しみ
  • 天地明察 下
    碁打ちが色々あって改暦をする。キャラクターが分かりやすく読みやすい。
    上巻の最後の問題って解けない気がしますが。。
  • SGU 警視庁特別銃装班
    劇画チックというか報道っぽいというか、独特の描きっぷりが始めは違和感あったけど、途中からテンポとともに心地良くなった。登場人物も魅力的。続編読みたい!
  • 骨灰
    面白かった!怖かった!
    霊的な怖さは勿論なのですが、主人公の幼い娘に危険が及ぶのではないかと気が気でなかった。
    一度祟られると自分では正しい事をしているつもりが、どんどん墓穴を掘る行動を取ってしまうんだなぁと思い知らされた。
    途中、何人ものホームレスを祭祀場に連れて行ってしまった時には「これでハッピ...続きを読む
  • 月と日の后
    藤原彰子の物語。
    父道長の姉、詮子の怨み。
    夫、一条天皇の仁政、
    父道長の野心と母倫子の思い。
    亡き定子の息子、敦康親王への思い。
    国母となり、敦成親王(後一条天皇)と敦良親王(後朱雀天皇)を支える。
    紫式部も女房として仕えた。
    糖尿病を発症した道長の最後は悲惨に描かれ、
    彰子は慎重かつ思慮深い賢后...続きを読む
  • 月と日の后(上)
    「この世をば わが世とぞ思ふ 望月の
      欠けたることも なしと思へば」
    の句でおなじみの藤原道長。その娘で、一条天皇の中宮となった藤原彰子の物語。
    一条天皇のきさきとなったが、なかなか子に恵まれず(そりゃ12歳で入内しても)、そのうち中宮定子の子、敦康の養母となる。
    それを始めに国母として70余年...続きを読む
  • 麒麟児
    『天地明察』がとても面白かったので、冲方丁の他の歴史ものも読んでみようと手に取った一作。

    幕末も幕末、江戸の無血開城直前における西郷と勝海舟の二人の、江戸での戦争を避けるための駆け引きが本筋。カバー画の荒々しい感じをよそに、血湧き肉躍るような戦いは一切出てこず、二人の心の動きや会話が繰り広げられる...続きを読む
  • 十二人の死にたい子どもたち
    「もったいぶってないでさっさと結論言えよ」って何度も思ったし「話が進まんだろちょっと黙れ」ってイライラして、自分が十四人目になったみたいだった笑 登場人物覚えられるかなって心配したけどみんなしっかり個性があって問題なかったし最後はハッピーエンド?で面白かった。
  • 十二人の死にたい子どもたち
    ☆3.8

    廃病院になった建物に続々と少年少女が集まっていた。
    彼らはあるサイトがきっかけで、同じ場所で集い安楽死をしようとしていた。
    予定していた十二人が参加し決行目前というところでアクシデントに見舞われる。
    用意されていたベッドにはすでに一人の少年が死んでいたのだ。
    何故この「十三人目」がここに...続きを読む
  • 月と日の后
    藤原道長の娘として一条天皇の后としての彰子の生涯。
    何も知らなかった少女がだんだん政争や後宮での争いに巻き込まれ、紫式部を味方につけるなどして賢くしたたかに生きていく。後半は彰子の物語というより天皇家と藤原一族の歴史書のような感じ。系図を見るだけでその異様さがわかる。
    また火事が天災として扱われてい...続きを読む
  • マルドゥック・スクランブル The 2nd Combustion─燃焼 〔完全版〕
    半分以上がカジノでの心理戦です。
    ゲームの描写がすごすぎる……
    どうやったらこんなの書けるんだ。

    ボイルドとウフコックの出会いのシーンは泣きました。
    ボイルドの最期がどうなるかわかってるけど幸せになってほしいですね。