冲方丁のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
面白かった〜!
息もつかせぬアクション、アメリカ、中国、ロシア入り乱れての亡命劇。日本の中も一枚岩ではなく、主人公の真丈と義弟のバディが離れた場所から真相を解き明かし、二人にとっての「勝利」を模索していく。サスペンス部分もしっかりしているし、亡命もミグ25事件を下敷にしているので違和感なく読める。冲方丁の真骨頂。
とはいえ、長編、しかも昨今のラノベとは違って、難解な単語も平気で混ざった文章、とっつきにくい人も多いのでは。参考文献の数の多さは、それだけ小難しい文章を理解した証。
だが、それがいい。事件が離れた場所で同時進行、義弟の方では頭脳戦メインで、主人公の方では肉体派のおはなしあい -
Posted by ブクログ
なかなか面白かった。東棟、どう見てもスクランブルスクエアやん。
ホラーの醍醐味というか、それを文学たらしめている所以として、名もなき弱者の声を可視化するという点がある。近頃は田舎ホラーや実話怪談にたびたび他者への差別的なまなざしが見られることについて盛んに指摘がされており、わたしもその点は多くのホラー好きが認識すべきだと思うが、一方、おおっぴらに声を上げることがかなわない存在の苦しみや悲しみを掬い上げることができるのもまたホラーなんだよな。
本書はこうした名もなき弱者の犠牲を描き出しているわけだが、建物の建設にともなう祭祀というモチーフを使いながら、再開発に浮かれる都会の大企業とその陰でひ -
Posted by ブクログ
今年も夏はホラー!第一弾!いつも夏のホラーを読むのに迷いに迷いますが、今回もいつも大変参考にさせて頂いているTomoyukiさんのコメントに大変興味をそそられ迷う事なく著書を手に取る事が出来た!Tomoyukiさん、いつも素晴らしいコメント感謝致します。
著書を読み始めると不思議?恐怖?の世界観が、非常に面白くドンドン先が気になって読み進める。
しかし何処かで、この世界観何かな?と考えてみるとパッと浮かび上がる。「呪術廻戦」の呪いや呪物、両面宿儺が出てきそうな展開も、楽しませてもらう。
また、主人公の松永光弘が変わっていく様子に、「しっかりしろ!」「なんでそうなるかな?」「解れよ!」等いつ