冲方丁のレビュー一覧

  • もらい泣き

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    作者がインタビューした第三者の「泣ける話し」をまとめた連作エッセイ(改変があるのでノンフィクションでは無いよう)。
    作者も文書修業のために書いたと言ってるが、これは本当に厳しい作業だっただろうなと感じる一作。

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    2019年12月05日
  • はなとゆめ

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    ワシはいま猛烈に枕草子が読みたい!そんな気持ちにさせられる、枕草子と清少納言を研究して再構築した物語だった。

    日本人の多くが教科書で触れその有名な冒頭文のみ語られがちなそれらに、これだけ豊かな色彩と物語を持たせたことにまずは感嘆する。

    話は清少納言と、彼女が仕えた中宮定子を軸に、宮中の華やかさと権力闘争を描き、枕草子誕生秘話となる。自分より遥かに若く、それでありながら才気煥発な人に出会える喜びを読むと、こんな人に出会い、仕えたことは本当に幸せなのだろうなと思う。

    きっとこんなはなとゆめが、千年の昔にあったのだ。

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    2019年11月25日
  • 決戦!本能寺

    購入済み

    周辺人物の話が面白い

    書きつくされたテーマであるだけに、主役の信長.光秀以外の周辺人物の話が面白い。
    特に意外な視点から描かれた宮本昌孝の作品が気に入った。

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    2019年11月16日
  • 攻殻機動隊小説アンソロジー

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    まだSTAND ALONE COMPLEXしか観られていないけど大好きな攻殻機動隊のアンソロジー。
    面白かったです。
    バトーやトグサ、荒巻がアニメの声で喋って、楽しい読書でした。
    作家さんは5人ですが、それぞれの攻殻機動隊の世界でした。
    一番好きだったのは朝霧カフカさん。
    笑い男が出てきて嬉しかったです。島での戦闘は映像で観てみたくなりました。
    セリフで、中原中也など文学作品を引用するキャラがいるのが朝霧先生っぽかったです。
    この世の全ては電気信号が作り出した虚像で、(本物だと思ってる)その誤解が「心」や「意識」なのか…?ううむ。ぐるぐる。
    三雲岳斗さんのお話の、少佐に会いたいが為にテロリスト

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    2019年10月19日
  • 決戦!川中島

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    数ある合戦の中でも知名度が高く、上杉謙信と武田信玄がしのぎを削った川中島。複数の作家のオムニバスで、上杉方と武田方の視点を入れ替えての作品を楽しめた。謙信、信玄が本人であったのか影武者であったのか、史実を同定することは難しいが故の各作家の視点。それぞれの作家が史料に基づき展開するフィクション。時代小説を堪能する真髄があるように感じた。

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    2019年10月18日
  • 決戦!本能寺

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    7人の作家が異なる主人公と視点、解釈で本能寺の変の顛末を描くアンソロジー。なので黒幕も作品毎に異なり、面白い。個人的には冒頭の織田信房編と5編目の細川幽斎編が良かった。特に織田信房編は君誰やねん???から終始定説の外を突っ走る展開でこんな本能寺があるのかと驚いた。
    結びの明智光秀編は光秀と彼を歴史の表舞台へ引っ張り出してきた信長の最後の対話が実に悲しい。

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    2019年09月23日
  • マルドゥック・アノニマス 4

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    ネタバレ

    主人公サイドの不安がだんだんと払拭される中、絶対的と思われた敵側の不安が高まるという思わぬ展開。次巻が待ち遠しい。

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    2019年09月12日
  • 決戦!桶狭間

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    決戦!シリーズ

    木下昌輝さんの岡部元信の本当の忠義、宮本昌孝さんの今川氏真は、特に、面白かった。
    氏真に関しては、最近色々な作家さんが書き始めていて、評価も様々出されるようになり、興味深い。

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    2019年08月25日
  • 決戦!桶狭間

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    桶狭間の戦いをテーマにしたアンソロジー。前回読んだ関ヶ原に比べて戦の経緯が複雑で理解に苦しむ部分もあったが、一方で各話のバラエティも豊富で、それぞれの物語のレベルが高い。

    砂原浩太郎『いのちがけ』、富樫倫太郎『わが気をつがんや』、宮本昌孝『非足の人』がお気に入り。特に『非足の人』は桶狭間での今川氏真をピックアップするという非常に珍しいテーマの中、放蕩息子を無能の人と描きながらも彼の内面の覚悟の一片を光らせる演出が面白いと感じた。

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    2019年08月03日
  • 冲方丁のこち留 こちら渋谷警察署留置場(集英社インターナショナル)

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    ふーむ、冲方丁が逮捕されていることも知らず、新作でないかなぁとのんびり構えていた。もう一つ知らなかったのはアニメ脚本家の顔~2015年8月22日、ファンとのイベント中、私服警官がやってきて、「奥さんのことで話があるから、警察署まで一緒に」と言われて、そのまま逮捕され、否定指しているにも拘わらず、72時間の抑留で取り調べを受けた後、検察官から「やっていないのか」「はい」だけで拘留が決まる。同房から弁護士を紹介して貰って連絡先を暗記し、夜中に駆けつけて貰った。あとから、供述調書に署名も拇印捺印もするなと言われ、仕事場のマンションのエントランスの防犯カメラをチェックすれば無実なのが分かると言ったこと

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    2019年06月24日
  • マルドゥック・アノニマス 4

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    不安、ストレス、超ストレス、そして訪れるカタルシス。
    すっかり売れて色々な引き出しを見せる作者だが、やはりこのシリーズはたまらない。

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    2019年05月29日
  • 決戦!桶狭間

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    好きな「決戦 ! 」シリーズである。
    桶狭間については織田信長が奇襲戦で今川義元を討ち取ったと言う事は知っているが細かい事には知識が無かった。
    多少は作られている部分はあるとしても、細部を知りこの歴史を転換させる戦に思いを馳せる事が出来た。
    特に「いのちがけ」、「わが気をつがんや」、「義元の首」は秀作だと思う。

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    2019年05月07日
  • マルドゥック・アノニマス 4

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    ルーン・バロットとウフコックのコンビがこれでもかっていうくらい活躍する胸のすくような本作。まさに『マルドゥック・スクランブル』を彷彿とさせるアクションの数々。

    アノニマス・シリーズになってからルーン・バロットが学業に専念してしまい、その活躍が見られなかったことにちょっと欲求不満になっていた読者にとって溜飲が下がる一冊。
    20歳になったバロットの成長ぶりがほほえましくもあり、頼もしく感じられる本作。

    本シリーズは4巻で終わるのかと思ったが、本作では3巻の終わりからストーリー的にはほとんど進んでいないので(笑)、さらに続巻に続きます。
    バロットとウフコックの活躍をまだまだ楽しめるということです

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    2019年05月07日
  • SF JACK

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    計11作収監。どれもコンパクトながら、難しくて・・・。だけど、どの作品にも流れているのは、”人はどう在るべきか”という問いなのだと思う。難しかったが、面白かった。

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    2019年05月07日
  • マルドゥック・アノニマス 4

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    ついにバロット参戦!
    ウフコックの窮地(ほぼ詰んでる)にスタスタ歩いて救出しに来るシーンから鳥肌モノだし、その後の戦闘でも圧倒的。

    前作の冒頭、爆発に巻き込まれ大火傷を負ったバロットの全身の皮膚はライタイトと呼ばれる人工皮膚(代謝性の金属繊維)に置き換えられている。
    空間把握、感覚的時間の加速、電子機器へのハッキング、肉体の操作などチート能力がたくさん。

    学業のためウフコック達とは距離を取っていたが、ついに来たねー

    感動して鼻がツンとしちゃった
    (泣いているわけじゃない)

    早く続きが読みたい

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    2019年05月06日
  • マルドゥック・アノニマス 3

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    血を血で洗う用な全面対決。
    誰よりも厳格な善の心を持つウフコックには潜入調査として傍観するしか無い状況は辛かったでしょう。
    だからこそ《善の勢力》を組織した時反転攻勢の機運に燃えたけど、マルドゥックシリーズは甘くない。

    嗚呼、無常…

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    2019年05月06日
  • マルドゥック・アノニマス 1

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    『マルドゥック・クスランブル』から2年後、自らの人生を取り戻したバロットは勉学の道に進み、ウフコックは新たなパートナーのロックらと事件解決の日々を送っていた。
    そんなイースターズ・オフィスに、馴染みの弁護士サムから企業の内部告発者ケネス・C・Oの保護依頼が持ち込まれた。調査に向かったウフコックとロックは都市の新勢力〈クインテット〉と遭遇する。
    それは悪徳と死者をめぐる最後の遍歴の始まりだった。
    (あらすじより)

    マルドゥック・スクランブルは面白かったなー
    今回はバロットの出番はないのか…
    またバロットとウフコックのコンビが見たい。

    でも、ウフコック死んじゃうのか?? 残虐な敵キャラが多数出

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    2019年05月06日
  • マルドゥック・アノニマス 4

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    ウフコックなネズミちゃんとその仲間たちのハードボイルド活劇として楽しく読み始めたけれど、展開が遅くなってきたし、間もかなり空くようになっちゃったなぁ

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    2019年04月14日
  • マルドゥック・アノニマス 4

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    1年かけて書かれた話を1日で読み終える。
    “これは正しいことなのだろうかどうか?"
    そんな疑問がふと浮かんできた。それは、この続きを読むことができるのが、おそらく1年後だからだろう。

    ひとつの区切りを読み終えるたびに、全体の何パーセント読み終えたか確認する。
    電子書籍だと何分の何ページと味気なく表示されるのかもしれないが、物理的な本は開いたまま天を見れば感覚的にわかる。
    “もう半分は読んだな”と何度も思った。
    こんな読み方をするのは初めての経験。

    前巻を読み終えたとき、もうすぐこの物語が終わるのではないかと感じていた。
    それが間違いだったことに気付く。
    予想外の展開。想定外の展開

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    2019年03月23日
  • もらい泣き

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    感動しやすい私なので、いかにも泣かせます!という話は意識的に避けてしまう。

    ただ、こちらは冒頭の「金庫と花丸」を読んで、泣くというよりぐっとくる感じだったので、すべて読んでみたくなり購入した。実話というのもよかった。

    33のショートストーリーのうち、嗚咽をあげて泣いたものもあれば、あまり入り込めなかったものも。
    何に心を動かされるかは人それぞれだと思うが、本当に様々な話が詰め込まれている。
    ちなみに私は「運転免許とTシャツ」「化粧をする人」「先に行きます」で、もらい泣き。

    毎日のように嫌なニュースが流れ、人間であることをやめたくなる瞬間もあるけれど、世の中は捨てたもんじゃない。人間って案

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    2019年02月07日