冲方丁のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
雑誌に三十数回に渡って連載された、
他者から聞いた「泣ける」話をまとめたコラム集。
タイトルのハードルが高い。
「まえがき」によると、
作者が雑誌での連載を始めるにおいて
「泣き」か「怒り」に関する話をテーマに
しようとしていたらしい。
「怒り」の話は
(上手い話にまとめられるかは別として)
比較的入手しやすい(もしくは思いつきやすい)
ものであるだろうし、綺麗ごとじゃない分
反感も得にくい。
かたや「泣ける」話、感動できる話というものは
話の主体となる人物がその体験を「泣ける」話と
みなすわけではないため、入手するのが難しい上に、
話の内容を共感してもらうことの条件が限られていて
難 -
Posted by ブクログ
ファンタジー、歴史物を読んできて、現代物。
格好良さというか、中2っぽさ全開。好きです。漢字の使い方が、かっこいいです。まあでも、これをかっこいいと思うのは、ヤンキー的な、夜露死苦的な感じがないこともないですが。
「天地明察」は、ちょっと中2っぽさは少なかったかな?
まあ、題名と初手天元とかは、ちょっといい感じか。
これを読んでいる間、古川 日出男古屋を思い出していました。とんでもない話なのに見てきたように書くところがにているのかなと思います。
この2人は凄いです。
それにしても、これが16歳の処女作。おとろしい話です。
荒い。でも、ものすごいものが埋まっている感がメチャクチャします。
-
Posted by ブクログ
アニメ化など話題にのぼることが多くて、ようやく手にした本書だが、予想以上にグロいシーン、ハードなシーンが多かった。特に敵の殺し屋グループがヒドくて、こんなのアニメ化したらどうなるん? 見るに耐えるのか? と下世話な興味がわくレベル。
物語の基本構造はごくシンプルで、復讐譚を兼ねた成長物語。
社会の底辺にいた少女が、たまたま社会的に成功した男に拾われ、専属の娼婦となるが、彼の商売のため、計画的に殺害されそうになる。そこを一組の事件屋がレスキューし、「スクランブル09」という法令にしたがって少女を再生させる。彼女はすべての事情を受け入れ、自分を殺害しようとした相手を追い詰めるため、戦う力を手に入 -
Posted by ブクログ
賭博士・シェルの手により殺されかけたバロットはシェルの犯罪を調べていたドクター・イースターと人の知能を持った万能兵器のネズミ・ウフコックの手によって救われる。
そしてバロットは二人と共にシェルの犯罪を暴くため奔走するのだが……。
バロットは家庭環境から娼婦に身を堕とし過酷な人生を歩んできた少女です。彼女の家庭環境の一端は小説内の裁判シーンでも触れられますが、それだけに彼女がウフコックやイースターといった信頼できる大人たち(ウフコックは大人とは違いますが)に出会えたことが、そして彼らを信頼しようとしている姿がとてもいいな、と思いました。
終盤の戦闘場面の迫力もかなりのものです。バロッ -
-
-
-
-
Posted by ブクログ
未成年娼婦の主人公バロットが、自分を「殺し損ねた」男に、マルドゥック・スクランブル09で得た技能を駆使し、復讐をしようとする話。
登場人物の名前がいいなぁ。横文字のSFってただでさえ用語を押さえないといけない上に人物名まで覚えづらいと全然乗れないから。キャラに関連した名前をつけてあると覚えやすいね。
SFといってもどちらかと言えば能力バトルものに近い。ガジェットも想像力の限界は越えない感じ。
キャラクターの書きかたが上手くて読ませるなぁ。敵役のおぞましさとか、主人公の心情とか。バトルも俺tueeeeee!からの絶望の落差で次が気になる。ボイルドの絶望感はやや唐突な感もあるけども。
気になるけど -
Posted by ブクログ
ネタバレ・主題とは皆さんそれぞれの中にある大きなテーマのこと。なぜ内面から生まれてきた主題を小説にしなければならないのかというと、それが「意味不明なものであるから」。主題とはたいていその人にしか理解できないものだから、ストーリーもないうちから「卵とネズミ」と言われても、なんのことかわからない。主題とは混沌とした発見でもある。そんなきわめて個人的なものが、もしかすると他人を喜ばせ楽しませるかもしれない。それこそが主題の価値。
・主題を作るために必要な要素は、技術と知識と感性。作家には、この三つが織りなす三角形の中に収まるレベルの作品しか書けない。
・誰からも期待されずただ黙々と小説を書くというのは、やは -
Posted by ブクログ
ネタバレ久しぶりに、えんさんが出てきたー!
綺麗!可愛い!!
さて、このお話の大一番勝負が…失敗に終わる
ところで終わりますね。うわぁ。
悲劇を乗り越えた先のまた悲劇。。。
原作を読んでいて知っていても、気になる続き。
この本を読んでから久しぶりに囲碁を勉強しなおしています。
まだ5路盤からですが、まっさらな碁盤を見ていると
どんな手になるのかさっぱり分からず、
碁盤を宇宙、ご意思を星と例えた意味がそれとなく
分かってきました。
本来は19路盤なんだよな。。。19×19。
手の数は、wikiによると10の160乗、
チェスで10の50乗ってことらしいです。
天文学的な数字…。
囲碁と天文学は通