あらすじ
改暦を懸けた「三暦合戦」。渋川春海(しぶかわ・はるみ)の推す授時暦は、最後の勝負で予報に失敗した。これで事業は頓挫、春海は絶望の底に追い込まれた。無為の日々を過ごす春海に、あの関孝和(せき・たかかず)が名指しで設問したとの報せが。尊敬する関の設問を見た春海は、その意図を知り彼の自宅を訪ねるが……!? 絶望から再起へ、感情は膨らみ爆発する! 名場面満載!!
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Posted by ブクログ
本当に春海は幸せ者だ…。
原作小説、これまでの漫画の巻。いずれを読んだ時も思った事ですが、渋川 春海は幸せな男です。
それは碁や数学、天文への才能に恵まれているという事ではなく。国家の大事業に抜擢されたからでもなく。
ただ彼の事を認めてくれる人、支えてくれる人、背中を押してくれる人に満ちているから。
国家の期待を一心に背負った改暦の儀「三暦勝負」に敗れた。
何という挫折。何という絶望。
とにかくこの漫画・作品の優れた所は、春海の内心描写と表現が上手いと言う点にあります。先の挫折と絶望が丁寧かつ陰鬱に描かれており、立ち上がる事すらできない「無念さ」を際立たせています。
誰しもが挫折を味わい、絶望した事があるのではないでしょうか。そこから立ち上がる事はできたのでしょうか?
絶望も挫折もその人だけのものですから、他人がその軽重をとやかく言うことはできません。しかし、春海の絶望の深さはヒシヒシと感じられるのです。ここから立ち直る、新たな試みに立ち向かうのはどれほどの勇気が必要なのか…。
そこに現れる、天才・関 孝和。
これはまさに鮮烈。
強烈なキャラクター、そして有無を言わせぬ圧倒的な語彙、迫力。
確かに、これは春海を奮起させるに足る人物だと言えます。巻末コメントで作画の槇えびしさんも言っていますが、彼はこの作品におけるヒーローとも言える存在感があります。
この関と春海の間で交わされるやり取りの熱い事!
憧れの存在である関からの叱咤激励、そして共感…まさに心が震える思いです。
そう、先に春海が幸せだと書いていますが、逆説的に関や道策の孤独や無念を描く事で、唯一無二の才能を持つ彼らの姿と対比、春海がいかに恵まれているかを描ききっています。
そして同時に、彼らもまた、春海に共感する事で何かの癒しを得ているのだ、という事も。
新たに改暦の儀を目指す春海のはつらつとした姿。そしてそれを取り巻く人々の楽しそうな姿。…本当に幸せな事です。
後はもう走り続けてそれを成すのみ。最終九巻が楽しみです!
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やっと出た⭐️関孝和‼︎の巻。
小説を読んでいるため、起承転結を全て知っているのですが、小説にない部分をググッと書き込んで下さっているので、既読派にこそお勧めかもしれません。
当時、小学生だった娘には少々難しいかと思い、コミックスを買い与えたのですが、お母さんも愉しんでいます。
しかし、小説版から数えても、何度建部さまに泣かされているのだ私は!‼︎又泣いてしまったじゃないか、コンチクショウめ!
Posted by ブクログ
わぁぁ、やっと関さんが出てきた〜!
時間軸がめまぐるしく進んでおります。
春海さんすっかり壮年になりました。
改暦事業も頓挫しても、刀を返しても前を向く姿が
本当に凛々しいです。かっこいい。
そして、実は次巻で最終巻…!!
とうとう終わってしまう。
まだまだ終わらないと思ってたんだけど。
終わり知ってるけれど、それがどう漫画として描かれるのか楽しみです。寂しいけど。
が、しかし、次巻は冬。先だなぁ。。。
Posted by ブクログ
"「今度の勝負は何年かかるのです?」
「じゅ 十年
ッ!?では…なくて…いや… そッそれよりは早く成就させる 必ずだ」
「一年の次は三年 その次は十年ですか……
大体あなたが期限を守った事があるのですか?」
「う…うん…まあ…」
「家が許すのでしたら 今度こそあなたが期限を守る様
傍で見張って差し上げます」"[p.106]
Posted by ブクログ
三暦勝負に敗北して改暦はなりませんでした。その理由がわからない。絶望に沈む春海の前に現れたのは、関孝和。
大いなる才能に打ちのめされ、憧れと尊敬がある意味神格化さえしていた存在からの呼び出し。彼との出会いが、再び改暦への歩みを取り戻させます。
新たな伴侶のえんと目出度く結ばれ、己の人生を駆けた改暦へと進むだけです。
ま、えんさん艶やかでうらやましいわ。
Posted by ブクログ
遂に関さん登場。
彼との会合で主人公は絶望の日々から立ち直り、再度の改暦に向けて奮闘しだす。
1巻から名前だけ出てきていて、やっとの登場。こうゆう立ち位置のキャラは結構好きである。