冲方丁のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
戦いを勝ち抜くのは、何も圧倒的な重火器力だけではないことがこの2冊めと、3冊目の大部分を費やして描かれます。
シェルの犯罪を立証する証拠を握るべく、バロットはシェルの経営するカジノに乗り込むのですが…BJのルールを解って読んでると、息が詰まるような熱戦が。よくわからないと、最初はついていくのに大変ですが、頑張って読み進めて下さい。3巻でいろいろ見えてきます。
ところで。
ウフコックやボイルドが帰属していた研究機関「楽園」が登場します。が…。ここの『何かは、確実に有益で正しく、物悲しいほどの均衡と叡智を持っているのに、確実に何かが間違っている…』
そんな寂寥感と終末感が切ないです。
こ -
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Posted by ブクログ
最終巻。
春海の人生をかけた改暦事業。そこに関わってきた様様な人々への感謝を込めて、天地明察でございます。
自分の好きなことをどこまでも追及し続けることの幸福。同好の士と永遠のあこがれの存在を得たことの幸福。影にも日向にも支えてくれる人がいる幸福。
不安や挫折、不条理に振り回されながらも、成し遂げることができたのは、人々に恵まれていたからです。春海が皆を引き寄せ、逆に引き寄せられて、成し遂げた日本独自の暦という一大事業。ご苦労様でした。
最終話、ラストシーンに感涙。関孝和に算術勝負を挑むも瞬殺。圧倒的強者に挑み続ける興奮と緊張。いくつになっても、失敗の恐怖より、成功の解放感を信じることので -
Posted by ブクログ
あとがきやら解説やら書評やらで知ったけど、カジノシーンは名場面だったんですね。読解力の無さ、作品への共感力の乏しさを嘆くところだけど、でも、自分的には冗長と思ったんだから仕方ない。そこをもっと濃縮して、二分冊くらいの分量に収まっていたら、おそらくもっと好きな作品になっていたと思います。でも、最後の無重力男とのバトルシーン、ベタながらも闘いを通して分かり合えたりとか、人間離れした中に垣間見える、でもかなりの人間臭さを発散するクライマックスは好きでした。前日談が描かれているらしい、シリーズ続編も気にはなるけど、読むとしても優先順位は高くないかな…