冲方丁のレビュー一覧
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冲方丁作品は先に『天地明察』、『光圀伝』を先に読んでいて、どちらも素晴らしかったので、元々SFが本業だということに驚いた。
『マルドゥック・スクランブル』は3冊組で、①はいかにもSFという感じの戦闘モノの色が強い。著者の言葉選びは面白いと思う一方で、ちょっと中2感がすぎるなと感じる時もあって、その辺はちょいと寒いかなと。
ただ②、③は戦闘より、ギャンブルのシーンが長く、ここがとにかく面白い。SFらしく特殊能力を使っているものの、それを凌駕するほど強いディーラーとの戦い。
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“撃ったら引く(ヒット・アンド・ラン)。プレイヤーいつも不利な条件だから。自分よりも強い相手と戦うための戦法。 -
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冲方丁作品は先に『天地明察』、『光圀伝』を先に読んでいて、どちらも素晴らしかったので、元々SFが本業だということに驚いた。
『マルドゥック・スクランブル』は3冊組で、①はいかにもSFという感じの戦闘モノの色が強い。著者の言葉選びは面白いと思う一方で、ちょっと中2感がすぎるなと感じる時もあって、その辺はちょいと寒いかなと。
ただ②、③は戦闘より、ギャンブルのシーンが長く、ここがとにかく面白い。SFらしく特殊能力を使っているものの、それを凌駕するほど強いディーラーとの戦い。
“撃ったら引く(ヒット・アンド・ラン)。プレイヤーいつも不利な条件だから。自分よりも強い相手と戦うための戦法。” -
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ここまで来るのが本当に長かった。
2011年に三冊構成で刊行されると思われていた『マルドゥック・アノニマス』は形を変えてやってきた。
ようやく、ガス室で再会した二人。
このシチュエーションは、『Preface of マルドゥック・アノニマス』として2011年に開示されていた。
そして今は2018年春。
『マルドゥック・アノニマス3』である。
この物語は長い。
そのひとつの要因は、登場人物の多さ。覚えられない。だけど、読み進める。そこにバロットがいるから。
そしてたどり着いたのが、前出のガス室での再会だ。
バロットとウフコックは再びパートナーとなるのだろうと思っていた。なぜならバロットは -
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先に「決戦!関ケ原2」を読んでしまったので、こちらも。
今回は徳川家康(伊東潤)、可児才蔵(吉川永青)、織田有楽斎(天野純希)、宇喜多秀家(上田秀人)、島津義弘(矢野隆)、小早川秀秋(沖方丁)、石田三成(葉室麟)。
2を読んだ時も感じたが、この戦いほど様々な思惑が交錯した戦いもないように思える。裏切りや傍観や致したかなく、という気持ちで参戦する者、戦いが終わった途端に保身や論功行賞に走る者、純粋に戦うことを突き詰める者、自分自身でなく自分の国をどう守るかに徹する者…。
この戦いでの勝者と敗者ははっきりとあるものの、その後の人生や評価、あるいは自分自身が顧みての勝者と敗者はそれぞれで、何が勝 -
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決着が、つきます。
ともかくも、それに尽きる。
死すべきものは死に、残るべきものは残り…。
印象的だったのは、カジノの勝負の大詰め。バロットがウフコックを「外し」て勝負に臨む場面。
あ、この娘は自分の力で生きようとしてる…と。それでこそ、ウフコックといることが出来る…と。心の中で快哉を叫びました。
冒険小説の魅力とは、
「現実ではあり得べからざる困難に対して、様々なものを奪われ、喪失した人物が、自ら能力と心を振り絞って戦うことで乗り越えていく自己回復のプロセスを読む」
という達成感と爽快感、必死さにあると思うのですが、これはそういう意味では一級品。回復の助力をする者は魅力的であって