冲方丁のレビュー一覧
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表紙は緋色の地色に了助その人。
毬栗頭の少年 年は十三、四か。
真っ黒い羽織に、分厚い草鞋、
妙に迫力があった。
好い顔立ちをしていた。浮世絵の若衆じみている。
不(うてな)と刻まれた黒の木剣を肩にかけてる立姿。
別丁扉に蘇芳色で、人間三人を串刺しにした剣樹。
装画 井筒啓之 装丁 城井文平
天地明察・光國伝・剣樹抄 光國三部作?
私は、この本の光國が一番好き。
……黙る了助の前で、光國が屈み込んだ。
「逃げなくともよい。お前は手柄を立てたのだ。胸を張れ。立派な働きであったぞ」と
了助が、二度も父親を失ったので、またいなくなるのが嫌だ、一人でいい、と
頭を下げた。寺で習った礼儀作法以上に、育ててくれた者達から学んだ心構えが現れている。
「……だって、ここにいたら……」
急に込み上げてくるものがあり、
「おれ、一人じゃ生きてけなくなっちゃう」
「人を頼ったっていいんだぞ、了助」
この子は、不幸にも一人ぼっちになってしまったが、孤独じゃなかったと思いたい。
NHKで始まるのが、楽しみです。
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Posted by ブクログ
3巻も読んだのですがド派手に味方陣営が負ける話、というイメージで4巻。ようやく、ようやくバロット登場。
ウフコックや博士はバロットを巻き込みたくなかったのは分かるけど、読者としては彼女と彼女のパートナーとしてのウフコックの活躍を期待していたので巻き返しの展開が楽しい。
というかイースター側がずっとクインテットにくっついていたのが今一つ理解できなかったというか。ホスピタルの巡回バスが来たらそっちを追跡・調査対象に変更した方が黒幕がわかってよかったんじゃないかなぁと個人的には思ったり。あの時点ではハンター達も踊らされていたゲームの駒の一つだったわけだし。
随分オカネかけてエンハンサーを大量生産して何がしたかったんだってのを暴く方が解決に近づくような気がしたんだけどまぁそれはそれ。
個人的にはサムはハンターと組んだ方が本懐を遂げられたのかもと皮肉に思わなくもない。やり方には心を痛めるだろうけど。 -
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ふらふらと本屋さんで物色してたら飛び込んできた「ばいばい、アース」のコミカライズ。購入即決。
こういうことあるから、本屋さんでぶらりするのは楽しい。ステイホームの大きい味方です、読書。
小説の方は、15年ぐらい前かな?に読んでいるのですが、世界観に馴染むことが難しくて。独特の言葉使いが、この世界を構築しているのですが、そこに馴染むことができないというか。ここに馴染むことができれば、この世界へと没入することができるのに、なぜか飛び込むことができない、というもどかしさを感じて読み進めた記憶。
物語通してベルが感じてゆく、世界との距離、阻害感や孤独感。小説世界に飛び込めない、飛び込みきれないという点では、共感できたのかな、と思います。
ある意味「ばいばい、アース」へのリベンジのつもりです。漫画版を手がかりに、再度小説の世界へ。
冲方丁のファンタジーは、彼の小説の世界に入れないとしんどい。入れれば楽しいということが、わかってしまっているだけに、余計しんどいのです。好きな作家なだけに。 -
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戦国時代を駆け抜けた有名無名六名の武将を、それぞれの視点で描く短編連作ながら、全てが繋がっている完成度と緻密さ、何より全作品の説得力に圧倒されました。
以前、別の本で「白き鬼札」を読んだ時には、光秀が本能寺の変に至るまでの心境の変化にかつてなく納得し、その光秀像が自分の中で最も腑に落ちると思っていたのですが……この本に収録されている他の五編についても、同様の衝撃を感動を覚えました。
信長や光秀と言った智将で知れた人物は言わずもがな、一般的なイメージでは暗愚や凡庸な小者として描かれがちな武将たちも、この本では皆、類まれな頭脳と高い理想の持ち主として登場し、それぞれの信念を曲げることなく、智謀を巡らせ、家康らと互角に渡り合う。その深い思想に違和感を覚えることなく、どの主人公にも一切嫌悪感を持つことなく物語に没入できます。いやはや、特に大谷吉継の格好良いことよ……!
この方が秀吉や家康を描いたらどうなるのかな、などと妄想を膨らませつつ。血腥い戦場が舞台でありながら、からりと気持ちの良い将たちの生き様が快い、短編ながら骨太な一作でした。 -
購入済み
重
ものすごく重いテーマ。
事件性があって推理小説のような要素もある。
犠牲者である子どもたちに,我々大人は何ができるか。
みんながみんな,自分のことで必死になる社会。
未来のある彼らこそ,無条件で守らなければいけない宝であるというのに。 -
購入済み
主人公があこがれを持つ関さんは、江戸時代の人にもかかわらず現代人の私が理解している数学よりずっと高度な数学を使えていたようです。
天文学や数学に関して一番ではない主人公が、人の助けを借りながら大きなことを成し遂げる話です。 -
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「決戦!」シリーズに書き下ろした作品に加筆し、「道」というテーマで統一した連作集。
織田信長、上杉謙信、明智光秀、大谷吉継、小早川秀秋、豊臣秀頼という戦国末期の六人の武将を、著者独自の視点で描いている。
各編とも、著者の想像力を駆使して、今までの歴史観を覆すような人物像が現れる。
特に、『真紅の米』の小早川秀秋。
凡愚の代名詞のように言われているが、けっして凡愚などではなく、彼は生い立ちの立場から利発さを秘して行動していたとしている。
『燃ゆる病葉』の大谷吉継。
関ヶ原での活躍ばかりが語られるが、家康とも厚誼があり、最後まで関ヶ原の戦いを忌避せんと光秀を説得しており、家臣からも絶対の信頼を寄せられていたことが綴られる。
『黄金児』の豊臣秀頼。
家康とも対等に渡り合う、英明で戦略的な傑物として描かれている。大阪の冬の陣では、秀頼自ら出陣したとも。
歴史は勝者によって造られるとの言葉がある。取り上げられているのはいずれも非業に倒れた人物たちであり、こういう見方もあるのかと、新発見をする作品といえる。