あらすじ
「試者の灰」をもって王を葬り、闇のものたちをも率いて世界をも壊そうとする剣士アドニス。彼と少女剣士ラブラック=ベルの闘いは痛く果てしなく、濃密に続く――生きとし生けるもの、全てのことわりを巻き込み続けながら。そしてついに訪れた終わりのとき、ベルが見いだしたものは――? 異能の世界構築者冲方丁、最初期の傑作ファンタジー、堂々の完結!!
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Posted by ブクログ
最後に向かっていくあのシーンと
他のレビューでも書かれていた「余韻」はまさに音楽のそれでした。
個性強く荒々しくねじ伏せるような言葉たちが
絡み合って最後には交響楽になる、
久々に読んだ後何も考えられなくなるようなファンタジーでした。大好き。
Posted by ブクログ
物語は転から結へ。
ウブカタさんのテーマである所のNowhere / Now Hereの銘も高らかに刻み込まれる最終章「今ここに在る者」。読む側のテンションも沸騰状態からなめらかにランディング。そして旅立ち。固有名詞の氾濫するハイ・ファンタジーが、SFに転ずる瞬間が堪らない。
のっぺらぼうでひとりぼっちのベルだからこそ、「現存」の二文字が実に重く、同時にピッタリでございます。世の中クソッタレだ、でも負けてられるか俺は俺だ、なにくそこん畜生、という根っこからのパワーが欲しい時に、つい読み返してしまうシリーズ。心の書。
Posted by ブクログ
「戦うソフィーの世界」と評されたと聞いたことがある作品です。とっても面白く、何回も読み返してしまいました。独特の世界観に慣れてしまうと、テーマパークでアトラクションを観ているような気分になりました。
人生は旅。旅の呪いも祝福も、自分次第。超重量の剣とのっぺらぼうの少女がその身を賭して教えてくれました。大絶賛のシリーズ最終巻です。
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解説の人も書いてるけど、導入部分にはすごく手こずりました。読んでも読んでも前に進まない感じで、やや苦痛ですらありました。ですが、世界観とキャラクタを掴んで以降は、どんどん物語に入って行けました。
物語の体裁はファンタジーですが、あえてカテゴリーはSFにしました。
本屋大賞とかの影響で手に取る人は増えると思いますが、ぜひ最後まで読み切ってほしいです。
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完結編。
人類の歓喜の共に、己の存在を歌い上げるシーンは読んでいて戦慄きさえ覚えました。
ラカンの「クッションの綴じ目」理論を暗示する行…まさに実存主義の謳歌で締めくくられた物語。
しかし、己について模索する、問う旅は続く。余韻のある物語に感嘆しました。
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冲方さんの初期の頃のSF
マルドゥック・スクランブルから、こっちに飛んできた。
言葉の使い方が特徴的で、なかなか難しい。
でも物語は理解できるし、サクサク読める不思議。
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完結。
全体的に長すぎといえばそうなんだろうなぁ。エピローグなんて、「ロード・オブ・ザ・リング」並な感じです。
でも、これぐらい物語に対しては、やっぱり、これぐらいのエピローグが必要なのかなぁと思います。
熱くて、ぶっとい、良い物語でした。
Posted by ブクログ
圧倒される世界観。広げられた風呂敷のたたみ方は「斜め上」を言った。
若さゆえの勢い。熱めいたものがなんというか「むぎゅっ」としている。勢いで押し切られた…ってのが、素直な感想。
無人のテーマパーク。神々の末裔。彼らが与える答えは想像以上にお粗末で、納得のいくものではなく。「お前らのいうことはちっともわからないな!」はベルでなくても、言いたくなるセリフ。
田村由美「BASARA」と物語の構造が似ているようにも感じたし、士郎正宗「APPLE SEED」に世界観が類似しているようにも感じた。
Posted by ブクログ
表紙のベルが一気に巨乳に(笑)!!
最後まで旅に出ないのかと思ったけど最後でようやく…
1巻ではファンタジーかと思ったけど、これはSFファンタジーだったのね。
Posted by ブクログ
NO WHERE――――
それは嘆きの言葉であり、渇望する言葉。
そのスペルを断ち切ったとき彼らの願いがわかる
NOW HERE――――
いまここに・・・。
この文章見たとき鳥肌立ちました。
ちなみにベルの剣のEREWHONが逆文字ということもやっと気づきました(笑)
結構集中して読まないとわからなくなってしまうので、読み進めにくかったです。
冲方さんの読ませ方はほんとに最初が肝心だな・・・。
Posted by ブクログ
氏のデビュー後、初長編。
発売当時、余りの高価さに手が出なかったので、文庫化が嬉しい。
ラブラック・ベル。
のっぺらぼうと称される一人の少女が、己が相棒の一降りの剣と共に、自らの由縁を探るヒロイック・ファンタジー。
氏が文庫本後書きに書かれたように、「主題と世界の構築と発見に特化した」初期大作をごらんあれ!
Posted by ブクログ
たぶん、誰もが一瞬は至ってしまう疑問とその答、がテーマ。
無駄な設定がある気もするけど、それも重要。
最後が、何も変わっていないのに凡て変わっている、ていうのもお気に入り。
世界は素晴らしいね。
Posted by ブクログ
何が悔しいってここまで来てもわからないことが多いと言うこと。
言い回しや名前が理解できそうでわからない。
完全にお手上げではなく、なんとなくわかるようなわからないような…みたいな状態なので、一応最後まで読むことはできたけれど、もやもやで頭の中がいっぱいに。
面白い、面白くないの前にわからないというのはとても悔しい。
これはまた1巻から再読します。
Posted by ブクログ
怒濤の闘いは良かったのだけど、途中の詩が冗長すぎてちょっと最期に乗り切れませんでした。これはこれで完結なんだろうけど、この世界「ばいばい、アース」と言うにはここから、旅だってからが本編になると思うのですが、キティの国でノマドが旅人としてのラブラックが何をしでかしたのかとか、その決着、更にはこの世界全体の理を断ち斬るまで描いて欲しかったなぁ…