【感想・ネタバレ】微睡みのセフィロトのレビュー

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Posted by ブクログ

冲方丁の著作を初めて読んだ.もっと早くに読めばよかったと思えるほど,面白かった.
頭のなかで情景を映像化しなから読んでいたけど,どうもパッドはバトーの声で再生される.ラファエルは分からない.

最後の方の,思考ロックを解除されたパッドがラファエルを連れ出すシーンはカッコ良かった.
最終局面の時間操作について,跳躍は「1秒を長くする」という奇妙な表現で理解出来るんだけど,沈むというのは「1秒を短くする」というのでいいのかな?
1秒が一瞬で終わってしまうから,自分の身に何が起こったかが全くわからない,みたいな.
そもそもこの解釈もあってるのだろうか.

中編小説だけあって,とんとんと物語は進む.
読みやすいとも言える.まどろっこしい描写も無く,シンプルなのだ.重厚な世界観ではあるけれど,さほど難しい表現も無い.
他の本も是非読んでみたくなった.

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2014年12月30日

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―――従来の人類である感覚者(サード)と超次元能力を持つ感応者(フォース)が共存している世界。
世界政府準備委員会の要人が、300億個の微細な立方体へと超次元的に“混断”される事件が起こる。
先の戦乱で妻子を失った世界連邦保安機構の捜査官パットは、感応者の少女ラファエルとともに捜査を開始するが…
著者の原点たる傑作SFハードボイルド


本屋大賞をとった『天地明察』の作者によるSF
普通の人間と「超人」としての感応者の軋轢を背景に
超能力バトルが繰り広げられる

200ページぐらいの比較的短い作品やけどきれいにまとまって読める
ヘミングウェイかわいいよヘミングウェイ笑”

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2012年12月30日

Posted by ブクログ

この世界観はかなり好きかもしれない。SF。どちらかというと超能力方面が強め。AfterJudgement。もうこの辺からターミーネターとかダークエンジェルとか。近未来のニオイがしていて悪くない。サードにフォースにヴァティシニアンにマークエルフ。シュレッディング、エモーション。煙巻き大作戦のようなシャレオツ(風)な横文字に酔う。ラノベになりすぎなく、かといって重厚なSFでもなく。映像的で文学的。バランス感覚は好ましい。久しぶりに楽しく読んだ一冊。

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2012年10月21日

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ネタバレ

人類である感覚者(サード)と超次元能力を持つ感応者(フォース)の戦乱後の世界で、SF作品であっても世界観が分かりやすく読みやすい作品で、すぐに話に引き込まれました。

プロローグの少女・ラファエルはとても素敵で不思議な少女という印象を受け、話を読み進めるうちに意志の強さもありラファエルが好きになりました。
主人公・パットはとても家族思いで、確実に仕事をこなしていきます。パットには過去の事情がありながらも、感応者・ラファエルとともに要人を混断(シュレッディング)した感応者を捜査することになります。

戦乱の際には人類を滅ぼしかねない程の感応力を持っていた「女王」。
その女王の娘とまで言われるラファエルの感応力は圧倒的な強さで、女王と同じような超胞体兵器を扱いパットを驚異に凍りつかせます。

パットはラファエルや今回の事件の犯人である感応者との会話で、戦乱中の女王のことについて考えます。そしてパット自身も感応者であるという事実などによって、思考のロックが外れた今でもパット自身の考えをし行動をします。

どの登場人物も個性に溢れ印象に残っています。
その中でも霞むことなく、パットやラファエルは素敵な主人公達でした。

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2012年09月14日

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2002年刊の徳間デュアル文庫から復刊。戦争を経て感覚者(サード)と感応者(フォース)が共存する社会。研究者が300億個に混断(シュレッディング)された事件を、捜査官と少女が捜査する。超能力バトルSF。

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2020年02月28日

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超次元的能力を持つ者フォースと持たざる者サードの対立が原因で一度滅びかけた地球を舞台にする近未来ハードボイルドSF。

主人公パットはその戦争で妻子を失った軍人。装置による制御がなければ正気を保てないほどフォースを憎んでいる。改造した肉体を持つ軍人であるパットはフォースを育成する機関から派遣された少女ラファエルとともにある事件の捜査に当たる、というあらすじ。

展開が早く文字数あたりの情報量が多いのでやっと着いていってる感じだったが、読んでいて不思議に状況が見える。迫力のあるサイキックバトルは怖いくらいだ。

父親としてのパットに共感しながら読んだのでラスト少し前パットとある人物の対面シーンでグッときた。

あとがきを読むとこの話は完結しながら他の話のプロットにもなっているらしい。それらも気になる。

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2015年10月31日

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マルドゥックスクランブルやらその後の冲方作品の「ネタ」が詰まっている感じがする。あっさりと読めて良い作品。まとまっているし。
しかし、これ。シリーズ化しても良いのではないかなぁ~と思う。

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2014年08月19日

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鋭くてハードなSFの王道的な感じはそのままに、ラノベちっくな雰囲気もあり。読者の年齢層が広がるかも。

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2013年10月21日

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ネタバレ

黒い月は全てを抱く。
憎悪も祈りも愛情も。
微睡みの中を飛び跳ねて今日も天使は祈り続ける。




ウブカタ作品はこれが初めて。
ページは少ないけれど世界観の作りこみが半端ない。

最後の終わり方もエピローグもいちいちかっこいい。

ウブカタさんは初見だけれども
刃物のような文体がつきささる。
クールのヒトこと。
マルドゥックも見てみたい。

ただページ数が少なかったせいか、
少々わかりにくい節も。
多眼装置とかいつの間にか使われていてハッとなった。

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2012年12月06日

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マルドゥックや黒い季節を読んだ後に読んだせいか、外連味のない素直な話だと思いました。

設定は旧人類と新人類という、平たく言えばありきたりなモチーフなんですが、それを感応者と感覚者という切り取り方をしてあるのがいいと思います。感応者の痕跡が香りでのこるというのもいいですね。
若い少女と壮年の男性の組み合わせは、いかにも冲方SFという感じ。
個人的には主人公であるラファエルより、パットの方に感情移入して読んでいました。

良い意味で、冲方さんの若さを感じさせてもらえました。
設定はまだ続編を書けそうなポテンシャルはあるのですが、巻を重ねてしまうと、この巻で十分チートキャラであるラファエルがどんどんインフレしそうでもあるので、この作品はこのまま終わってもいいのかもしれません。

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2012年05月23日

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ばいばい、アースとマルドゥックスクランブルの間に執筆されたとのこと。
さもありなん。読めばわかりますね。
思った感想がウブカタさんご当人のあとがきと、
水鏡子さんの解説にぜーんぶ被ったので割愛。ですよねぇ。

作品としては、いかにもウブカタさんにしてはやけに薄い本なので、
その分さっぱり薄味。ですが、ファンならいろいろにやにや出来る点と、
上述のあとがき・解説が面白いので+1点。
「微睡みのセフィロト」なのに「ばいばい、ア-ス」を推しまくる解説に乾杯。
ですよねぇ。

ある意味コレクターアイテムなのかも。

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2012年02月11日

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ラファエルはかわいいわヘミングウェイはかっこいいわパットはツボだわで大変なお話でした。マルドゥック・ヴェロシティを読んでから読むと、何となくパットがボイルドに被って、感慨深いものがありました。

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2011年12月09日

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まず、かっこいいおっさんと聡明な美少女とどがっこいい犬っていう組み合わせがヤバイと思う。
ツボだよ。
おっさんと美少女いいよ。そこに犬とか完璧にも程があるよ。

なんだか2時間の映画を見ているような感じで、どんどん展開していく世界に引き込まれました。

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2011年11月17日

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少し時間があったので何か読もうと、立ち寄った本屋で購入。

ページ数は少な目ですが、その世界観や設定、ダイナミックな展開で最後まで一気に読めました。
話自体はコンパクトですが、ドラマとして描くべき所とそうでないところが割り切ってあるので、芯の通った作りの印象を受けます。

世界観や主人公達には描かれていない部分も多く、もっと外伝などもあればなぁ~と思ったり。

以前、マルドゥックスクランブルを読みましたが、雰囲気は似ています。

後書きによると初期作品のひとつなみたいなのですが、今発刊されている小説はそんなことは感じませんでした。
自分は読み終わるまで、最近の作品だと思っていましたし。
気軽に読めて、中身が濃く、良かったです。

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2011年11月16日

Posted by ブクログ

ドンパチしながら、しっかりしたテーマがあった。
「自分の最も愛する人が、自分の差別する対象になってしまったとき、
それでも忌み嫌い、差別を続けることができるのか。」
最後は少し泣けた。

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2011年09月20日

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これは一冊で読むものであっているのかな………。
薄い割りにとにかく世界観の広い本。バトルシーンが格好よくてわくわくする。香りの描写が特に好きでした。
ただ、あんまりにも情報やこの世界の専門用語みたいなのが多くて、結構想像で補う部分が多かったように思います。
最後が少し引っかかりました。

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2010年06月06日

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マルドゥック・スクランブル的な影が見えつつも、より明快にエンターテインメントに徹している感じ。読みやすい。1冊の本としてまとまりがよく、一気に読めてしまいました。
緻密に世界観を作り上げているので、これ1冊だけではもったいない気もします。続きやサイドストーリーが読みたくなります。

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2010年06月06日

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『天地明察』や『十二人の死にたい子どもたち』の冲方さんしか知らなかったのですが、もとはSFがメインの作家さんと言うことだったので読んでみました。
代表作の『マルドゥック・スクランブル』は巻数も多いので断念。カバーイラストがラノベっぽくって躊躇しましたが、1冊で完結するので当作を選択。いやラノベでも構わないのですが、、、
前半は耳慣れない用語や固有名詞に戸惑いましたが、慣れてきた後半は読書スピードもアップ。フォースディメンショナー、シュレッディング、超胞体、、、SF初心者ゆえどこまでが一般的なSF用語でどこからが作者のオリジナルなのか判らないのが残念。ヒロインのラファエルが聖女すぎて、ラノベというより昔の少年マンガのようでした。

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2024年01月21日

Posted by ブクログ

ページ数はすくないが、中味は物凄い濃い。独特な言い回しや世界観に振り回されてしまった。

途中で何度も読み返したくなる(ならざるをえない)一冊。

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2022年09月11日

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超越した力点が、仄かに香る。

(以下抜粋)
○私に謝るのではなく、自分に対して謝るのだ、ピエール。
 お前は、銃よりも強い(P.60)

○選択する未来への自由さには、現実への耐性が不可欠なんです。(P.72)

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2014年07月26日

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冲方丁の初期の長編。やがてマルドゥックスクランブルに至る世界観、人物像が見られる。面白いけど、マルドゥックスクランブルが深く描かれていたために、どうしても全てがその原型であったりプロトタイプのように読めてしまう。

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2013年08月14日

Posted by ブクログ

「天地明察」とはまた全然違った読み応え。

人間を微細な立方体へと超次元的に砂粒のように切り刻む「混断」、またそれを繋ぎ合わせる「結合」、他人の感情を感受する「緒感」、鏡のように分身を作り出す「同時並在」、未来を見る「予見」…

波打つプラチナブロンドに薄いブルーの瞳、華奢な身体つきの少女 ラファエルはほぼ全ての能力を網羅して、空間や時空さえも操る。相棒は忠実な頼もしいシェパードのヘミングウェイと、人体改造で脅威の回復力を持つ 人間狩人のパット。

感応者たちの持つ能力の説明がややこしくて混乱した。そもそもがっつり文系なんすよ、私は…。でもこの言い回しとか、中2的な格好良さは認める。アニメ化するとこの魅力が活かせそう。

マルドゥックの方を早く読みたい。

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2013年04月11日

Posted by ブクログ

マルドゥック・スクランブルにいまいちのめり込めなかったので他の作品に挑戦してみたけど、うーん……。
うぶかた作品の独特な感傷的な書き方に自分は馴染めないんだな。他にも感傷的な書き方してる小説はごまんとあるのになんでだろう……。登場人物誰にも感情移入できないからか。
うぶかたさんの著作は、好きになる人は全部好きになりそうだけど苦手な人はとことん苦手なんじゃないだろうかと思った。

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2013年03月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

言葉選びが難しい・・・。
世界観はいいけど、短編であるためちょっと物足りない。
やはり長編ものの方が作りこみの背景が分かって面白いと思う。
サードがフォースになるというのもいまいちつかめなかった。
私には合わなかったようで残念。

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2013年03月17日

Posted by ブクログ

従来の人類である感覚者(サード)と超次元能力を持つ感応者(フォース)との破滅的な戦乱から17年、両者が確執を残しながらも共存している世界。世界政府準備委員会の要人である経済数学者が、300億個の微細な立方体へと超次元的に“混断”される事件が起こる。先の戦乱で妻子を失った世界連邦保安機構の捜査官パットは、敵対する立場にあるはずの感応者の少女ラファエルとともに捜査を開始するが…著者の原点たる傑作SFハードボイルド(「BOOK」データベースより)

おーもーしーろーいーーーー!!
そうそう、こういうしっかりした世界観を持つ骨太SFを書いてほしいのよ、冲方さん!
『天地明察』みたいな爽やかな話も嫌いじゃないけど、やっぱりSF畑で活躍してほしいなぁ。

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2012年07月06日

Posted by ブクログ

初の冲方丁作品。
本作は随分前に発表されたものを加筆訂正し、再出版されたものらしい。


久々にSF作品を読んだ。
あまりSFを読まないので他と比べたりは出来ないのだけど、「SFらしいSF作品」だなぁという印象を受けた。

設定がやや入り組んでいたり、独自の専門用語が多いせいかはじめは戸惑ったけど、次第に独特な世界観と人々に引き込まれていった。

登場人物それぞれが抱えてるものが重く、簡単に答えが出るものは全然無さそう。
それぞれの葛藤をみると、「誰も楽して生きていないなぁ」と思う。
SFらしい超人的能力とか、自身の思考を操れる技術とか、そういうものがあってもそうなのね、と。

この人の本をもっと読みたいなぁと思った。
『マルドゥック・スクランブル』『天地明察』が気になる!

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2012年04月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

作者のストーリーテラーとして発展途上の作品であることは否めないが、解説にもあるように、のちのヒット作に繋がる設定と時代感、人物造形等、全てに、その片鱗が伺えるので、本来であれば、発表年代通りに、後の作品の先に読んだ方が良い作品である。後の作品を先に読んでしまうと、どうしても比較してしまうため、話としても主人公や敵役の造形としても、その表現方法にしても多くの点で物足りなく感じてしまうのだ。そういった先入観を抜いてみて、純粋に作品として見た場合はどうかというと、若さゆえか、多くの題材を少ない尺数に無理やり詰め込んでいるため、分かりにくく、消化不良気味な部分もある。ただし、個人的には、そういった作者の思いが迸るような作品は嫌いではない。

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2012年01月02日

Posted by ブクログ

冲方丁の小説はアニメの絵コンテ(悪い意味ではないです)。
これ、このままアニメ化でlきるでしょう。

「あぁ、ここでカットが切り替わって、こうカメラが寄って」というのがイメージできる。

ただ、これセフィロトは救われてないんですよね。

すべてを背負って沈黙する天使。

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2010年10月09日

Posted by ブクログ

本屋大賞取った本は文庫になるまで置いておいて、と思ったらハヤカワから新刊が出てたので買ってみました。読むまでにずいぶん時間がかかりましたが読み始めたらあっという間でした。

昔に出した本の再出版なんですね。確かに試みとしては色々面白いなあ~と思いましたが欲を言えばもう少し長い話で読みたかったです。お話自体は結構ありがちかなあ?シリーズになりそうな設定でした。

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2010年09月22日

Posted by ブクログ

ちょっとラフェエルが超人的すぎたのがよくなかったな。短い、というハンデもあるが、やはり冲方作品の中ではもう一つ。ただ、パットの多眼兵器の格好よさといったらないね!

やっぱり、冲方先生は長い方が面白い作家だわな。入門編として勧められるのは、未だに上中下のマルドゥック・スクランブルなんだよなぁ。

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2010年09月08日

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