あらすじ
〈『マルドゥック・スクランブル』の原点 傑作SFハードボイルド、待望の復刊〉300億の微細な立方体に混断された男。世界連邦保安機構の捜査官パットは、第四次元感応者の少女ラファエルと捜査を開始するが……
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
人類である感覚者(サード)と超次元能力を持つ感応者(フォース)の戦乱後の世界で、SF作品であっても世界観が分かりやすく読みやすい作品で、すぐに話に引き込まれました。
プロローグの少女・ラファエルはとても素敵で不思議な少女という印象を受け、話を読み進めるうちに意志の強さもありラファエルが好きになりました。
主人公・パットはとても家族思いで、確実に仕事をこなしていきます。パットには過去の事情がありながらも、感応者・ラファエルとともに要人を混断(シュレッディング)した感応者を捜査することになります。
戦乱の際には人類を滅ぼしかねない程の感応力を持っていた「女王」。
その女王の娘とまで言われるラファエルの感応力は圧倒的な強さで、女王と同じような超胞体兵器を扱いパットを驚異に凍りつかせます。
パットはラファエルや今回の事件の犯人である感応者との会話で、戦乱中の女王のことについて考えます。そしてパット自身も感応者であるという事実などによって、思考のロックが外れた今でもパット自身の考えをし行動をします。
どの登場人物も個性に溢れ印象に残っています。
その中でも霞むことなく、パットやラファエルは素敵な主人公達でした。
Posted by ブクログ
黒い月は全てを抱く。
憎悪も祈りも愛情も。
微睡みの中を飛び跳ねて今日も天使は祈り続ける。
ウブカタ作品はこれが初めて。
ページは少ないけれど世界観の作りこみが半端ない。
最後の終わり方もエピローグもいちいちかっこいい。
ウブカタさんは初見だけれども
刃物のような文体がつきささる。
クールのヒトこと。
マルドゥックも見てみたい。
ただページ数が少なかったせいか、
少々わかりにくい節も。
多眼装置とかいつの間にか使われていてハッとなった。
Posted by ブクログ
言葉選びが難しい・・・。
世界観はいいけど、短編であるためちょっと物足りない。
やはり長編ものの方が作りこみの背景が分かって面白いと思う。
サードがフォースになるというのもいまいちつかめなかった。
私には合わなかったようで残念。
Posted by ブクログ
作者のストーリーテラーとして発展途上の作品であることは否めないが、解説にもあるように、のちのヒット作に繋がる設定と時代感、人物造形等、全てに、その片鱗が伺えるので、本来であれば、発表年代通りに、後の作品の先に読んだ方が良い作品である。後の作品を先に読んでしまうと、どうしても比較してしまうため、話としても主人公や敵役の造形としても、その表現方法にしても多くの点で物足りなく感じてしまうのだ。そういった先入観を抜いてみて、純粋に作品として見た場合はどうかというと、若さゆえか、多くの題材を少ない尺数に無理やり詰め込んでいるため、分かりにくく、消化不良気味な部分もある。ただし、個人的には、そういった作者の思いが迸るような作品は嫌いではない。