あらすじ
永禄三年五月十九日(1560年6月12日)。「海道一の弓取り」こと今川義元が、天下に号令せんと東進を開始。織田信長の所領・尾張に大軍が侵入したところでそれは起こった。丘陵地帯の地勢と豪雨を味方につけた、乾坤一擲の奇襲。三国の太守が寡兵による一撃で落命したしたのだ。「群雄割拠」から「天下布武」へ。戦国時代の流れを変えたこの変事は、本当に奇跡だったのか、それとも必然か!……戦国最大の逆転劇を、七つの視点で描く。累計21万部突破の大好評「決戦!シリーズ」第5弾!冲方丁(織田信長)砂原浩太朗(前田利家)矢野隆(毛利新介)富樫林太郎(徳川家康)宮本昌孝(今川氏真)木下昌輝(岡部元信)花村萬月(今川義元)
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Posted by ブクログ
『どうする家康』桶狭間の戦い!面白さを増幅するストーリー揃い。オススメのアンソロジー。決戦!シリーズの第5弾。桶狭間の限定された時空に凝縮された義元の首を巡る七つの物語。どれも傑作です。七つ目の物語が首になった義元の語りになっていますが、こちらの読む気力が無く、評価できませんでした。
六つの物語を評価すると5点満点中、平均は4.8点になりました。
①覇舞謡 幸若舞の敦盛をバックミュージックに信長公記を素直に解釈した作品。斬新性は有りませんが、冒頭にあることで、桶狭間の戦いのガイドストーリーになっています。 4点
②いのちがけ 信長の勘気を被っていた前田利家の主従の物語。ネタバレ出来ない傑作。 5点
③首ひとつ 毛利新介と共に、戦場を駆けめぐる!臨場感抜群。5点
④わが気をつがんや 家康が格好良すぎる? 5点
⑤非足の人 義元の嫡男、氏真は蹴鞠の達人。蹴鞠したさに沓掛城まで来たが… 5点
⑥義元の首 最前線の今川方の守将、岡部元信。義元の首は信長が丁寧に供養し、元信は降伏して命は助けられたと、信長公記にあり、信長らしくないと思っていましたが、実は…5点
⑦漸く、見えた。義元の首はかく語りき 評価に含まず
以上、合計29点平均4.8
Posted by ブクログ
決戦!シリーズ
木下昌輝さんの岡部元信の本当の忠義、宮本昌孝さんの今川氏真は、特に、面白かった。
氏真に関しては、最近色々な作家さんが書き始めていて、評価も様々出されるようになり、興味深い。
Posted by ブクログ
桶狭間の戦いをテーマにしたアンソロジー。前回読んだ関ヶ原に比べて戦の経緯が複雑で理解に苦しむ部分もあったが、一方で各話のバラエティも豊富で、それぞれの物語のレベルが高い。
砂原浩太郎『いのちがけ』、富樫倫太郎『わが気をつがんや』、宮本昌孝『非足の人』がお気に入り。特に『非足の人』は桶狭間での今川氏真をピックアップするという非常に珍しいテーマの中、放蕩息子を無能の人と描きながらも彼の内面の覚悟の一片を光らせる演出が面白いと感じた。
Posted by ブクログ
好きな「決戦 ! 」シリーズである。
桶狭間については織田信長が奇襲戦で今川義元を討ち取ったと言う事は知っているが細かい事には知識が無かった。
多少は作られている部分はあるとしても、細部を知りこの歴史を転換させる戦に思いを馳せる事が出来た。
特に「いのちがけ」、「わが気をつがんや」、「義元の首」は秀作だと思う。