ジャレド・ダイアモンドのレビュー一覧

  • 第三のチンパンジー 完全版(下) 人類進化の栄光と翳り

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    30年経っても色褪せない名著。情報量も多く知的好奇心を刺激してくれる。なぜ新生代第4期に突如として高度な文明を発達させる動物が出現したのか、宇宙には我々のような進化を遂げた生物がいるのか、誰もが一度は抱いたことのある疑問だと思うが、博士が提供する答えはやはり凡人とは視野の広さが全く違う。キツツキの進化を例にもってきて説得力ある説明をしてくれる。こういうユニークな発想を自分も出せるようになりたい。
    印欧語の起源や拡散など、言語に関する考察も非常に興味深かった。

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    2025年01月14日
  • 昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来

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    自分が持っているあらゆる価値観が絶対的ではないと知る。とはいえ、その価値観はその文化を育んできた背景の中で、より平和で幸福な方向へと向かってかなり合理的に決定されてきているのだと考える。わたしはいまの世界の価値観を受け入れつつ、変えるべきことを変えていきたい。

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    ・伝統的社会 社会的ネットワークが強調される。同じコミュニティでは勝ちも負けもない。
    ・現代国家社会。特にアメリカ 個人の重要性が強調される。自己利益最大化、自分本位の個人主義、個人間の優劣

    ▲子供に優劣、競争させ、のべつまくなしに指示を与える→子供の発達を阻害
    ○人と会話して過ごす。受け身ではなく能動的に遊ぶ。社会性を

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    2023年02月19日
  • 未来を読む AIと格差は世界を滅ぼすか

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    ネタバレ

    ジャレド・ダイアモンド氏、ユヴァル・ノア・ハラリ氏、リンダ・グラットン、ニック・ボストロム氏、ダニエル・コーン氏、ウィリアム・J・ペリー氏、ジョーン・C・ウィリアムズ氏、ネル・アーヴィン・ペインター氏の世界の識者8名の方への大野和基さんのインタビュー編です。

    8名の方々のインタビューからはとても思うことや共感することがありました。
    本書を制作されたPHP新書を始めとする方々、インタビューアーの大野和基さんは、観点がとても素晴らしいです。
    本書のテーマに共感せざるをえない日本人が大勢いるはずの内容です。

    ただしとても残念なことですが、日本人の問題点は、本書の内容を受け止めていくべき存在の多く

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    2022年12月18日
  • 第三のチンパンジー 完全版(下) 人類進化の栄光と翳り

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    たくさん学べるすごい本でした。
    人間には虐殺を好む性質が
    もともと仕込まれていると語る
    部分では、事例が次々と挙げられていて、
    イヤになります。受け入れ難いが、
    そうかもしれないという気になります。

    それでもなお、人間は言語があるから
    過去の成功及び失敗から
    未来の選択を学べるのだとする
    著者の訴えは、希望を与えてくれました。

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    2022年10月16日
  • 第三のチンパンジー 完全版(下) 人類進化の栄光と翳り

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    30年も前に書かれた本なのに、全く古びてなくて、(私がいろんなこと知らなさすぎて?)知的刺激がいっぱい。

    私がここ半年くらいで出会った、「人新生の資本論」とか、「チェンジング・ブルー」「歴史を進めた植物の姿」「生命はなぜ死ぬのか」といった本を読んで、初めて知って興味深く思った内容が、こういう人間観、世界観、歴史観、未来観、と繋がり、重なってくるなーと思いながら読みました。

    学者って、実際は地味な作業なんだろうと思うけど、こうしてまとめてもらうとすごい(@_@)

    目の前のことに忙殺される毎日ながら、、、
    こうして日常とは違う視点から俯瞰してみると、人間って大きな可能性を秘めた生き物だなーと

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    2022年10月02日
  • 第三のチンパンジー 完全版(上) 人類進化の栄光と翳り

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    読んでいて、本当に楽しい。
    例示のセレクトがいいから
    納得しながら論旨に身をゆだねられる。
    ヒトの特徴がどこから生じているのか、
    歴史をたどる本。
    初めて知る話が次から次へと
    出てきました。

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    2022年08月11日
  • 第三のチンパンジー 完全版(下) 人類進化の栄光と翳り

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    ジャレドダイヤモンドの一般向けのデビュー作の本らしい。先に「銃・病原菌・鉄」と「人間の性はなぜ奇妙に進化したのか」を読んでいたのでデ・ジャブ感満載であったが、これらの本が本作の各章を切り出し一つのテーマに焦点を当てて書いた本であるので当たり前ではある。本作は、あくまで人間というもの全体にフォーカスを当てて、なぜ人間がチンパンジーと98%くらいの遺伝子を共有しているにも関わらずこのように特別な存在となっているのかを洞察している。博士の結論としては人間はある意味で特殊ではあるが、人間の特徴である言語、性生活、同種殺し(戦争)、薬物中毒、芸術などをテーマに実はこれらの特徴も類人猿はもとより他の生物に

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    2022年07月23日
  • 昨日までの世界(下)―文明の源流と人類の未来

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    第5章 - 子育て
    授乳中は妊娠しない理由
    1. 授乳性無月経。母乳を作る作用のあるホルモンの分泌が卵巣からの排卵を抑制する。しかし、頻回授乳を継続する必要があり、1日数回では意味なし。
    2. 限界脂肪説。排卵が起きるには、女性の体脂肪率が一定の臨界地を越える必要あり。

    祖母や年長の兄弟と一緒に暮らす拡大家族の一員として同居できる環境が存在すると赤ん坊の発育が早まり、認知機能の発達も見られる。
    狩猟採取民の子育てから学ぶこと。
    知育玩具で子供の独創性を奪うのはやめにして、子供に自分で遊びを工夫させる。
    同年齢遊戯形態で遊ばせる。
    赤ん坊とのスキンシップをもっと濃密に。
    赤ん坊がないたらすぐに

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    2021年11月29日
  • 昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来

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    600万年の人類史。1万1000年前に農耕民族になり、5400年前に国家が成立し文字が生まれた。

    大きく4つの社会形態
    1. バンド (小規模血族集団) - 数十人だけ。平等で1万1000年前まで存在。
    2. トライブ (部族社会) - 数百人規模。みな知り合い。政治的指導者の存在が希薄で専門家は進んでない。1万3000年前から存在?
    3. チーフダム (首長制社会) - 人口が増加して経済活動が専門化しはじめる。見知らぬ人と会っても同領内いることによる安心感で紛争が減る。首長の神権的地位から派生した共通の政治的宗教的アイデンティティあり。また経済的な再分配。貢物と分配。政治的経済的イノベー

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    2021年11月29日
  • 危機と人類(下)

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    やっぱり読ませるな~というのが感想です。これまでの著書にあった人類史というより、近現代の歴史を中心に、個人の危機と国家の危機を比較し、後者については、さらに7つの国の危機対応を対比するという内容。特に、日本と米国には2つの章を割いており、関心の高さが伺えます。

    7つの国は、ダイヤモンド博士が住んだか関係の深い国とのことですが、読んだ中ではドイツの記述が興味深かったです。

    日本については、1つの章で明治日本をうまく危機を乗り越えた事例としてあげつつも、もう1章では現代の課題を列挙。人口減少については資源保全の観点から寧ろ喜ばしいこととする一方で、移民の受け入れやドイツとの対比での中国・韓国と

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    2021年07月11日
  • コロナ後の世界

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    それぞれの得意分野の視点から現状の分析とこれからが理路整然と分かりやすく述べられる。どの商も興味深い内容ばかり。特に第1章のダイヤモンド氏のパートは感動さえ覚えた。

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    2021年03月07日
  • コロナ後の世界

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    ネタバレ

    コロナ禍で「オンラインファースト」が強制的に進められました。
    10年は進んだともいわれます。
    僕は仮想空間と現実が輻輳する社会にギリギリ親和性のある世代です。

    これからは必ずしも人口が経済力にならないと思います。
    仮想空間にシフトすることで現実の消費が下がるのは自明です。
    ただ人口が基本となるのは否定できないとも思います。

    「大阪市の人口増加を考える」
    もちろん魅力的な都市にすべきやと思います。
    ただそれよりも直接住むことにメリットを感じてもらえないかと考えています
    住民票を置いてもらえると税収も上がるし役所にもメリットある話なんですよね

    例えばあいりん地域
    アドレスホッパーの拠点にでき

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    2021年01月28日
  • 危機と人類(下)

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    ネタバレ

    各国に起こった危機を分析している本書は、各章それぞれとても面白いだけでなく、12の要因を分析し、他の国と比較することで、よりその国についての理解が深まる。
    第8章で現代の日本を分析しているが、人口現象そのものは憂慮するような問題ではないこと、少子高齢化の対応策として移民の受け入れを提案していたのは新鮮だった。
    この様にして歴史から危機とその対応策を学び、将来に生かすことで闇雲な対処をしなくていい。歴史を学ぶことは将来の自国の利益につながるのだと思った。

    危機を学び、先人の知恵を得ることで、我々の社会をより良いものに変えていく。

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    2021年01月11日
  • 危機と人類(上)

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    ネタバレ

    国家的な危機には、それが外部からであれ内部からで荒れ混乱を引き起こすが、逆にチャンスになるうるのだなと思った。
    日本が明治時代の危機を脱した理由に、決断を先延ばしにして国力を高めたというのは、なるほどと思った。しかしながら、その成功体験が今の日本ではデメリットになっているのかもしれない(コロナ禍での決断の遅さなど)。

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    2020年12月20日
  • 危機と人類(下)

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    アメリカ大統領選挙が行われましたが、ジャレド・ダイヤモンドはアメリカが抱える大きな危機としてまず最初に「政治の二極化」をあげています。
    今回の大統領選挙の投票率は低くなかったようですが、「投票率の低下」も大きな問題だと…、というのも年収15万ドル以上あるアメリカ人の投票率は80%を超えているのに、年収2万ドル未満のアメリカ人の投票率は半分に満たないそうです。選挙活動資金の高騰は、ますます政治権力を富裕層側に向かせ、富裕層の税負担率と再配分のための公共投資を低下させています。
     このような事態の進展を招いている原因として「顔を合わせないコミュニケーションの台頭と直接的コミュニケーションの減少」を

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    2020年11月09日
  • 危機と人類(下)

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    ネタバレ

     上巻では明治日本の選択的変化を評価した著者は、下巻では現代日本の国家的問題への対応について「希望を持っている」という。そのことは、突然の鎖国政策の廃止や第2次世界対戦での敗戦の時と同様に、「もう一度時代に合わなくなった価値観を捨て、意味のあるものだけを維持し、新しいしせたせいに合わせて新しい価値観を取り入れること、つまり基本的価値観を選択的に再評価すること」である。
     女性、高齢者、移民、中国と韓国、自然資源管理について、「公正で現実的な自国認識」が必要だと述べる。自国認識を誤っているという指摘である。
     下巻では、戦後ドイツ、オーストラリアの経験を学び、現代日本とアメリカ、そして世界共通の

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    2020年09月27日
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線

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    ネタバレ

    1人めの養老先生の「私の人生は「不要不急」なのか?」という問いでガツンと来る。数に限りがある人工呼吸器を若い患者、高齢の患者どちらに使うかで、現実にトロッコ問題が発生しているとは。「トライアル・アンド・エラー」ではなく「トライ・アンド・エラー」という表現は相変わらず気になる。伊藤隆敏さんのページにもあるように現金給付は一律じゃなくてもよかったんじゃないかと思う。ブレイディみかこさんのページにあるように普段質問しなかった子がオンラインだと質問するようになったみたいな予想していなかった変化は今後も起こるだろう。

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    2020年09月22日
  • 危機と人類(上)

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     フィンランドの対ソ戦争、明治日本、チリのクーデターとその後、インドネシアのクーデター未遂後を襲った危機。その時、「国」はどういう選択をしたのか。

     重要だったのは、必要だったのは「選択的変化」。
    「危機に直面した個人と国家にとって難しいのは、機能良好で変えなくていい部分と、機能不全で変えなければならない部分との分別だ。そのためには、自身の能力と価値観を公正に評価する必要がある。」

     明治日本は選択的変化によって国家的危機を解決した。それは「他に類を見ないほど公正な自国評価」、つまり欧米は日本よりも強いという真実と、日本が強くなるためには欧米から学ぶ以外に方法はないという真実を受け入れたと

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    2020年09月19日
  • 危機と人類(下)

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    ジャレドダイアモンド様にどハマりしました。

    上下で危機に直面し、変えることのできない制約と選択できる変化とを分別して危機を乗り越えた国家の事例を解説してくれる。

    国家が紡いだ歴史から、どう組織は危機を乗り越えるのか。何が危機を生み出したのか、などを世界史を知らない人でも1から学べる。

    その上でその国の課題やあるべき姿を提言する。
    それは説得力に富んでおり、国が取るべき対応策まで歴史から学べる気がする。

    なによりも適切な自己評価、それに伴って最善の行いを行うことの大事さを感じる。
    危機に迫られると、人や国家は変わる。それは、ピンチはチャンスということにもつながるのかな。

    逆に自己評価を

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    2020年05月26日
  • 危機と人類(下)

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    ジャレットダイアモンド氏の歴史書。政治史・社会史
    国家的な危機について、その内容・原因・解消の分析が
    個別の事例で紹介せれている内容です。
    フィンランド・近代日本・チリ・インドネシア・ドイツ・
    オーストラリアの6か国の歴史と
    日本とアメリカの進行中の危機
    現代日本の進行中の危機についての論述と分析について
    非常に有意義で深い内容であったと思います。
    また、この内容が個人的に個人の危機と
    その原因や解消すべき方向に対する示唆があるように
    思いました。
    また、本当に今の日本の問題意識の本質を指摘している
    ものだと思います。

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    2020年05月05日