ジャレド・ダイアモンドのレビュー一覧
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個人の人生には、自己分析を行い、自分の課題を認識して、それの改善に取り組むことが当然ある。
それを国家に当てはめ、過去に国が直面した課題、それに対してどう対応し、どんな現場が生まれているのかを体系的に説明いた本。
個人に当てはめると、自分の課題が、国家の危機に当たる。
どこまでも現実路線を貫いた国の決断や、逆に国の失政についても学べる。
上はフィンランド、日本、チリ、インドネシアについて書かれている。
世界史を専攻していなかったので、全然知らない世界の歴史についても自然と学ぶことができた。
ジャレドダイヤモンドさんの博学にはビビった。
というか取材と下調べが深い。
的確に自己を捉え、現実路線で冷静にどう進むべきかをアレンジメントするか。個人、組織双方を動かす際に勉強になる話を国家レベルの事例から学べる。 -
購入済み
危機と人類
名著「銃、病原菌、鉄」ほどの衝撃はなかった。文章が他のダイヤモンド氏の著作に比べて叙述的だった。ただ、日本に関する記述が多く、身近に感じられる部分が多かった。アメリカと日本の危機についてわかりやすく書かれていた。
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Posted by ブクログ
ー たとえば、お金というものには客観的価値は何もありません。お金の価値は、多くの人がドルや円について同じストーリーを信じているという事実から出てくるのです。ほとんどの経済学者はそのことをわかっています。
私は決して「これらは虚構だ。信じるのをやめようではないか」と言っているのではありません。もし信じることをやめれば、経済システム全体が崩壊します。そして他人同士はお互いに協力できなくなります。しかし、注意しなければならないのは、われわれは虚構の奴隷になるのではなく、虚構がわれわれのために機能するようにしなければならない、ということです。
人間は長い時間の中で、目の前にあるものが現実なのか、それとも誰かが作ったストーリーなのか、区別する能力を失いました。結果、多くの人が、国家や会社や神という想像上のものに自分を捧げて戦争に行き、何百万人という人を殺戮したのです。こうした事態を回避するためには、まずは目の前にあるものが、現実か虚構なのかを区別し、その上で利用する方法を考えることです。 ー
ジャレド・ダイヤモンド、ユヴァル・ノア・ハラリ、リンダ・グラットン、と重要な方々との対談集。
コロナ前の作品だが、今読んでも十分にリアリティがある。
信じているストーリー(虚構)の崩壊、あらゆる格差が生み出す社会的歪みと崩壊なんて、まさに今考えるべきテーマかと。 -
Posted by ブクログ
下巻は、ドイツとオーストラリアにおける過去の危機、そして、現在進行形の日本と米国の危機などが取り上げられ、最後には世界的な問題と、これらの実例から一般化された法則の有無が検討される。
オーストラリアの歴史が中々面白かった。アジア・太平洋に位置しながら英国との一体性というアイデンティティを次第にアジアの国という位置付けに変えていった国民意識の変容がどのようなものであったか、当事者でないと分からない部分はあると思うが、様々な出来事や要素が挙げられていて興味深い。
日本の現在の危機については、概ね理解できるが、資源に乏しい日本が海外の資源を濫費しているという指摘は、少々理解に苦しむ。そういうイメージなのか、あるいは、日本人が本当には知らない事実がそこにあるのか。 -
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2020年15冊目
下巻では、ドイツ、オーストラリア、現代の日本、アメリカを扱う。
上巻にも登場した戦前から戦後の日本に続いて、現代の日本について扱う。少子高齢化や資源の獲得について著書は人口が減ることで、日本は必要以上の資源獲得に走ることなく、改善していくと考える。但し、戦争への認識については改める必要があるとか。
歴史は何が正しくて何が間違っているかはその時点ではわからないけれど、ひとつ言えることは強者が歴史を作ってきたことは事実の様な気がしました。
オーストラリアはイギリスとの関係から、アジアやアメリカとの関係に重点を置く。
ドイツは戦後は隣国との関係改善に力を注ぎ、ドイツ統一を果たした。
アメリカは世界一の経済力や軍事力で唯一、壊滅的な危機に瀕することはなかったが、他国を参考にしないとあった。経済面や戦争でも日本を十分に研究していたこともあり、これは当てはまらないのではと思ったり。 -
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読み終わりましたー!
ちょっとした達成感(笑)
上巻レビューも割と詳しく書いたので、こちらは概要的なものは飛ばして、中身に入ります。
上巻に引き続き、国家が危機を乗り越えた事例としてドイツとオーストラリアの紹介があります。
ドイツについては、敗戦にまつわる自己憐憫的な振る舞いから一転し、政治的中枢を担う人物がきっちりナチスドイツの暴虐を謝罪し、教育にもその反省が生かされている点が評価されていました。
その点で、曖昧な態度を取り続ける日本の今の問題点も、後の章で取り上げられます。
オーストラリア編では、母なる国イギリスへの奉仕を中心に進んでいきます。
これを読んだ時、オーストラリアではなくニュージーランドに行ったときに受けた感じに、あれはイギリス系住民のプライドだったんだな、と思い当たる部分がありました。
まぁ、英語全然出来ない自分がダメだったんですけどね(笑)
第3部からは、現代の日本とアメリカが抱える危機について述べられます。
日本については、少子高齢化と移民受け入れに対する消極性のこと。
そして、資源がないのにサスティナブルな運用をしていかないこと。
更に、教育の行き届いている国なのに、女性の登用にはまだまだ壁があるということが主でした。
個人的には、女性に光が当たりつつあるという感触がありましたけど、筆者から言わせると根強い壁が残っていて難しいとあって、そういう風に捉えられているんだな……と思いました。
この第3部については現在進行形の危機ということもあり、やや教訓的で、そこがちょっと読みづらかったです。
なので、上巻は星5つ付けたんですが、下巻は1つ減らすことにしました。
上下巻共に、時間はかかりますが、読みやすい!
方法論としては大学生の方にオススメします。
んー。楽しかった! -
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今まで読んだダイアモンドの作品とは一線を画している様な気がする。
この作者がずっと研究してきた伝統的社会との比較を通じて、現代社会への問題提起をしている。
どれが正しいとか間違っているとかの判断を下そうというものではなく、哲学的な色が強いかな。
恐らく晩年に達している作者は、自分の研究から得た考えを集大成的する意味合いで作ったと思う。それだけに作者の強い思いが伝わってくる。
自分と他者とを区別する境界線から始まって、「平和と戦争」・「子育てと高齢者」についての考察が上巻の内容。
作者のいうところの工業化社会に属している自分にとって、全く別の価値観(伝統的社会の価値観)を提示することで、自分たちの考えを俯瞰して冷静に見ることができる。
こういう風に自分の価値観をひっくり返す作業は、頭を柔らかくするには一番な気がする。
個人的に面白かったのは終盤の高齢者の位置づけと価値の話。
特に高齢化社会が今後も進んでいく日本としては、作者が提示する高齢者の価値(子育て・経験の共有・高齢だからこそできる仕事)は暗い問題に対する希望になり得るんじゃないだろうか。
下巻への期待も込めて星四つで。 -
Posted by ブクログ
<目次>
プロローグ
1ジャレド・ダイアモンド(銃・病原菌・鉄)
資源を巡り、文明の崩壊が起きる
2ユヴァル・ノア・ハリ(サピエンス全史)
近い将来、役立たず階級が大量発生する
3リンダ・グラットン(ライフシフト)
人生100年時代、生き方は3つのステージからマルチステージへ
4ニック・ボストロム(スーパーインテリジェンス、AI学者)
AI万能時代が訪れ、働き方は根本的に変革する
5ダニエル・コーエン(フランスの経済学者)
テクノロジーは中流階級を豊かにしない
6ウイリアム・J・ペリー(クリントン時代国防長官)
北朝鮮は核開発をあきらめない
7ジョーン・C・ウリアムス(労働問題)
民主主義を揺るがすホワイトワーキングクラスという人々
8ネル・アービン・ペインター(労働問題)
アメリカは分極化の波にさらされている
エピローグ
「VOICE]などに掲載されたインタビューのまとめ本。
おなじような本の「世界の未来」より、圧倒的にいい。
各人の著名な著書を読まなくても、その内容くらいは
分かるのか?というげすな考えはだめでした。
語っていることが、本当に起る未来、とは思わないが、
近いことではあろうと思う。 -
Posted by ブクログ
最初の2人、ジャレド・ダイアモンド氏とユヴァル・ノア・ハラリ氏のインタビューが最も印象的だった。特にハラリ氏の論は、ほぼ同年代の自分にとって斬新な切り口ながらながら納得できる内容と感じられた。
・われわれはこの世にリアルに起きていることと、想像の中で作り出したストーリーを区別する能力を失いつつあります。
・われわれはパワーを獲得することには長けていますが、パワーを幸福に転換する方法はわかっていません。
・今は、三十年後の社会がまるっきりわからないのです。
・歴史から学べることは、油断してはならない、ということ。愚かさへの油断を防ぎつつ、叡智を信じる態度が戻られる。
・人生を生き抜く上では、絶えず新しいテクノロジーを学び続け、新しい経済状況・社会状況に対応しなければならない時代に入っています。しかしこれは、非常に難しい。なぜなら、人は本質的に変化を好まないからです。
・今日われわれが直面している重要な問題を扱うには、学問横断的なアプローチが不可欠となっているのです。
全体として、インタビュー形式で論者からうまく言葉を引き出していると感心させられた。それぞれの著書を読む上でも要約として、言換えの表現として、あるいは背景を知ることで理解が深まる。
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Posted by ブクログ
人工知能と格差を主題にインタビューしたもの。ダイアモンド、ハラリ、コーエンがよかった。
民主主義は、人類が直面している難題を処理する能力を失いつつある。テクノロジーの進展によって経済や社会が変化するスピードが加速しているため、有権者も政治家も、世界で何が起きているのか、将来どうなるのかを理解することができなくなっているため(ハラリ)。
テクノロジーが多くの格差をもたらし、多くの人が取り残された。テクノロジーの直接の恩恵を受けている人の生産性は向上したが、その範囲は限られている(ダニエル・コーエン)。
ベーシックインカムは、何が不可欠でいくら必要なのかを決めるのが難しく、コンセンサスを得ることができない。また、すべての国は貿易でつながっており、発展途上国は単純労働に依存しているが、他国の労働者に払うべきかという問題もある(ハラリ)。