ジャレド・ダイアモンドのレビュー一覧
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大野和基 / ジャレド・ダイアモンド / ユヴァル・ノア・ハラリ / リンダ・グラットン / ニック・ボストロム / ダニエル・コーエン / ウィリアム・J・ペリー / ジョーン・C・ウィリアムズ / ネル・アーヴィン・ペインター3.9 (30)
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人工知能と格差を主題にインタビューしたもの。ダイアモンド、ハラリ、コーエンがよかった。
民主主義は、人類が直面している難題を処理する能力を失いつつある。テクノロジーの進展によって経済や社会が変化するスピードが加速しているため、有権者も政治家も、世界で何が起きているのか、将来どうなるのかを理解することができなくなっているため(ハラリ)。
テクノロジーが多くの格差をもたらし、多くの人が取り残された。テクノロジーの直接の恩恵を受けている人の生産性は向上したが、その範囲は限られている(ダニエル・コーエン)。
ベーシックインカムは、何が不可欠でいくら必要なのかを決めるのが難しく、コンセンサスを得る -
大野和基 / ジャレド・ダイアモンド / ユヴァル・ノア・ハラリ / リンダ・グラットン / ニック・ボストロム / ダニエル・コーエン / ウィリアム・J・ペリー / ジョーン・C・ウィリアムズ / ネル・アーヴィン・ペインター3.9 (30)
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Posted by ブクログ
下巻は 宗教・言語・健康
全部の卵を1つのカゴには入れてはならないというリスク回避の教訓
宗教学における機能主義的アプローチ
宗教はある種の役割を担い、社会秩序を維持し、人々の不安を慰め、政治的服従を教える
旧約聖書4分着
善なる全知全能の神が存在するのであれば、なぜこの世に悪が起きるのか?
超自然的な信念は、事実上すべての宗教に存在する
他人にとっては信じがたい宗教的迷信を、時間や資源を投じて信じることが、どの宗教にも見られる特徴である
人に癒しや希望を与えて、人生の意味について語る
人は不幸な目に合えば会うほど、より信心深くなる。止める人々よりも貧しい人々が、止める地域より -
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食料とセックスでは、どちらのほうがより重要であるか。この問いについての答えは、シリオノ族とわれわれ西洋人とではまったく逆である。シリオノ族は、とにかく食料が一番であり、セックスはしたいときにできることであり、空腹の埋め合わせにすぎない。われわれ西洋人にとって最大の関心事はセックスであり、食料は食べたいときに食べられるものであり、食べることは性的欲求不満の埋め合わせにすぎない。(下巻p.104)
宗教に消滅する兆しがみられないのはなぜなのだろうか。それは、人間というものが、いまも昔も、事象の意味について模索しつづけているからかもしれない。われわれは、いまも昔も、人生の意味について模索しつづけて -
Posted by ブクログ
かなり内容の濃い本だった。筆者の基本的なスタンスとして、とことんまで事実を調べて、それと比較が出来る別の事象までも集めてきて、細かすぎるまでに徹底的に論理的に検証を進めている、ということが伝わってきて、どの話も、とても説得力が有る。
扱っているトピックも、戦争や、子殺し、賠償、などどんな小さな村や社会にもあるような普遍的で、かつ生々しい、根源的な事柄を取り扱っていて、どれも人間の本性について考えさせられる興味深い内容ばかりだった。
いかに自分が、自分の育ってきた世界の価値観に染まりきっているかということがよくわかる。
世界には様々な価値観があって、その間に優劣はないし、どれが絶対的に正しい常 -
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Posted by ブクログ
興味深かったのは、ニューギニアで交通事故を起こした場合の調停の部分。
使用人として事故を起こした場合は会社が責を負い、すべて対応するのは当たり前ですが、報復殺人を避けるために代理人を置いてわずか5日程度で調停が終了する。代理人は被害者・加害者とは別の部族のものが行い、ほぼ1回の調停で賠償額(Sorry Money)を決め、報復殺人が行われないと確信した時点で被害者・加害者ともに葬式が行われた。もし個人で起こしてしまった場合には、加害者の村・親類縁者が賠償することになる。
このような状態になっているのは、現代社会において事故など発生しても当事者同士がかかわることはまずないが、ニューギニア -
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Posted by ブクログ
ジャレド・ダイアモンド「昨日までの世界(原題:The World until Yesterday~What can we learn from Traditional Societies?)」の上巻を、やっと、本当にやっと読み終わる。
この人の本は、「銃・病原菌・鉄」、「文明崩壊-滅亡と存続の命運を分けるもの」に続く三回目、それぞれ上下巻二冊で、どれも、もぉぉ~本当に分厚くて長い。小さい活字で頁にびっしりというのが定番だ。なぜこんなに長いのか? それは彼が実際に見聞きした事実を隠さずに克明に書こうとしているからだ、ということになるだろう。今回はインドネシアのニューギニア島でのフィールド -
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Posted by ブクログ
ネタバレ本書(下巻)では「危険に対する対応」「宗教、言語、健康」についての考察。中でも「危険」という概念に関する考え方が面白い。それは我々にも重要な教訓を与えてくれます。
言うまでもなく「伝統的社会」における危険とは、我々の世界とはかなり異なります。例えば「倒れてきた木の下敷きになる危険」というのは我々にはほぼ考えられないリスクですが、ニューギニアの密林の伝統的社会ではそれはリアルなものです。毎日のように密林のどこかで木が倒れる音が聞こえ、年間に100日くらいは村を離れて野営しているとしたら、その頻度は充分にリスクを計算すべき数字になります。我々が交通事故に注意するくらいのリスク回避はするべきなの -
Posted by ブクログ
上巻では、伝統的社会の紛争解決、戦争、子供と高齢者、について書かれていた。下巻では、伝統的社会におけるリスク、宗教、言語、健康・病気について書かれている。
伝統的社会における危険・リスクは現代社会との大きな違いのひとつに違いない。「建設的なパラノイア」と著者が名づける伝統的社会の人びとの行動が描かれているが、その行動は奇異に映っても昨日までの世界においては正しい行動であることがわかる。
宗教の話についてはその起源について考察し、人類が因果関係の把握という能力を獲得する中で、不安の軽減、事象に説明を付ける、癒しの提供、忠誠の証し、などの役割を持つようになったのではと推察している。ほとんどすべ