ジャレド・ダイアモンドのレビュー一覧
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非常に面白かった。
上巻は正行為に関わる論点が多く筆者の嗜好性が出てたり、古さを感じさせたり、冗長な印象だったが、下巻は面白い。
人類史みたいな部分が筆者の強みだと思う。
ヨーロッパの起源がステップ地域の遊牧民族にある話、ポリネシア人、ネイティブアメリカンのジェノサイドの話など。
非常に面白いし古さを感じない。
また巻末にある、人間の自然破壊に対する一般的な意見への反論が示唆深い。
人間による環境破壊は、長期目線で見たときに、隕石衝突などと比べて大したことはなく、地球温暖化も過去に何回もあったため、大したことない、と言う論に対する反論として、自然消滅のスピードが過去と比べて明らかに早いこと、隕石衝突で哺乳類は死ななかったことで反論している点。
また、人間の生活に貢献しない生物はいらないと言う論へは、複雑なエコシステムをとっている自然環境において、貢献しない種だけを選り分けることが構造的に不可能だと言っている点。
上記の論についてファクトを並べて説明するのではなく、一定ロジックベースで展開する点も非常に読みやすい。
ファクトはたくさん持っているのだろうがそこの開示だけにこだわらず、さまざまな領域の知見フル動員しながら(筆者は非常に幅広い分野に深い造詣がある)、論を組み立てており、知的好奇心が刺激され異常に面白い。
筆者の強みである人類史について書かれた「銃病原菌鉄」は必読だと思ったのでこれから読む。 -
Posted by ブクログ
8人の知の巨人が、怒涛の変化を続ける21世紀について未来を推測する
前段は、高齢化、AI 後段は、技術、格差、そして現在のUSA
気になったのは、次です。
①ジャレット・ダイアモンド
・日本は最高齢社会なのに、定年退職制がのこっているのはおかしい
・経済性多様性、人間の多様性ともに少ない日本にはイノベーションが起きにくい
②ユヴァル・ノア・ハラリ
・社会の急激な変化のため、21世紀にあった政治システムは現れていない
・AIが生み出す「役立たず階級」が多量に発生する
③リンダ・グラットン
・人生100年時代は、労働問題の解決(定年の廃止)と、生涯学習が必要
⑦ジョーン・C・ウィリアムズ
・米白人で親の代より稼いでいる人は半分以下で、アメリカンドリームから乖離
・アメリカのエリートは、生まれたときには、すでに三塁にいた
・トランプは、つよい白人の象徴
⑧ネル・アーヴィン・ペインター
・米白人は、自分たちを犠牲者としてみている
・トランプが勝てたのは、白人の怒りの結果
・新世代のフェミニストは、ヒラリーに我慢できない。なぜなら母を思い出すから -
Posted by ブクログ
コロナの情報としては古い(2021年5月現在。2020年7月の新書なのでやむを得ない)けど、それ以外はとても興味深く読めた。
違う見解もありつつ、海外の知識人たちが日本に対してほぼ同じように感じているんだなーと思ったのが、結婚後の女性の負担が多いところと定年退職が不要では?という話。
海外から見ても異様なんだね、日本の結婚後の夫婦間の家事育児分担(笑)
たしかに、双方が仕事を持つのになぜ育児も家事も女性がするんだろう。私も思う。
定年退職については詳しくないからわからないんだけど、働きたくても辞めざるを得ないのはたしかにおかしい。気力体力的に辛いならリタイアは全然ありだけど60代はたしかに元気だもんね。私自身はどうなるかわからないけど、自分がやりたいことをできる60代でいたいなぁ、とは思う。
結構政治的なこともガシガシ切り込んでいて、読んでいてスッキリした(笑) -
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ネタバレ下巻読み終わりました。
個人的には、下巻の方が上巻より面白かった。
危険な事への対応と宗教や健康について、小規模社会と現代の西洋社会の違いについて説明しています。
面白かったのは危険に対する建設的パラノイアと健康について。
建設的パラノイアとは、ニューギニア人が、さほど危険では無い事について、被害妄想なくらいに心配するという行動から付けた作者の造語です。
作者がニューギニア人と森に出かけ、野宿をするとき、大木の下で寝ようかと持ちかけたところ、木が倒れて死ぬかもしれないので、絶対に嫌だ、と断られたという。ニューギニア人は一年に100日、40年で4000日くらい野営をする。たとえ、1000回に1回しか起こらない事でも、彼らの生活からすると10年以内に死んでしまう確率になってしまう。なので、細心の注意を払うことは理にかなっている、ということだ。
普段、私たちはスピードを出している車のすぐ脇を歩いていたりする。でも、さほど危険を感じていないことが多い。このケースでの事故の確率が10000分の1でも、一生で10000回くらい車の脇を通ることがあれば、1回は事故になる計算になる。であれば、そうした状況では細心の注意を払うことが理にかなっているのだ。
もう一つ、印象に残ったのは健康に対すること。西洋化する前のニューギニアの人たちは現代病として悪名高い高血圧や糖尿病の人が極端に少なかったのだ。当時のニューギニア人は現代の西洋社会での生活とは異なり、塩分も糖分も少ししか摂取していなく、朝から晩まで生活のために身体を動かす生活をしていた。私たちの身体は現代においても、このような暮らしに適したつくりになっているようだ。だから、急激に西洋化した発展途上国であった国の人々(インドとか)が、現代病に罹る割合はひどく大きくなっているらしい。
これは、衝撃的でした。そういうことか、と妙に納得しました。全部が全部、本当の事なのかは分からないので、鵜呑みにしてはいけないのかもしれませんが。
生活を改めるきっかけとなりました。 -
Posted by ブクログ
<目次>
はじめに
第1章独裁国家はパンデミックに強いのか
第2章AIで人類はレジリエントになれる
第3章ロックダウンで生まれた新しい働き方
第4章認知バイアスが感染症対策を遅らせた
第5章新型コロナで強力になったGAFA
第6章景気回はスウオシュ型になる
あとがき
P147FBとグーグルのアルゴリズムはつながりを検知
する~よい記事と判断~多くの人の目にふれるように
~ランキング上昇
反論の多い記事は上昇する⇒フェイクへ
P192ロックダウンを早期にしても経済を止めることに
変わりはないので、失業率は同じ
知の巨人へのインタビュー本 -
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ネタバレ読み終わってから知ったけど、「銃・病原菌・鉄」の著者なんだ!!
この本はいくつかの国の危機(日本も開国と敗戦の時で取り上げられている)について、12の視点で分析したもの。
歴史、心理、政治、経済、気候などなどを複合的に学べる一冊。
そして、国や組織、個人が危機に陥った時に頭を落ち着かせて、状況を把握し、危機の原因を分析し、対応法を考えられるようになる助けにもなるかもしれない。
そして、日本への厳しい指摘はできるだけ多くの日本人に読んでほしいし、受け止めなきゃと思う。
因みに、分析軸は下記。
1.危機に陥っていることを認める
2.責任を受け入れる。被害者意識や自己憐憫、他者を責めることを避ける
3.囲いをつくる/選択的変化
4.他国からの支援
5.他国を手本として利用する
6.ナショナル・アイデンティティ
7.公正な自己評価
8.過去の国家的危機の経験
9.国家的失敗に対する忍耐
10.状況に応じた国としての柔軟性
11.国家の基本的価値
12.地政学的制約がないこと -
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ネタバレ注)感想は上巻と同じです
ジャレドさん、銃病原菌鉄に続いて2冊目。
この本では、いつくかの国に訪れた危機と、その危機にどのようにして対応したのかが描かれている。
まず、はじめに思ったのは、知らないってことは恐ろしいな、と。この本に書いてあることが、真実なのかどうか、私には確認する術がないけど、それでも、歴史について知ることは自分の考え方に幅をもたらしてくれるような気がする。
例えば、フィンランドの話し。ソ連との関係性について、その内情を知らない人から見たら、なんでそこまでソ連の機嫌を伺うような振る舞いをするのか、理解ができないことだろう。でも、それまでのソ連との関係からフィンランドの人々がどのように考えるに至ったのかを知れば、理解できるようになる。
日本についても、明治維新後の日本については、危機への対応が良かったことが書かれているが、第二次世界大戦や昨今の日本には対応の不味い点が指摘されている。特に戦後のドイツとの比較で、戦争時の過ちに対して正確な自己評価が不足している、と指摘する。ドイツは過ちを詫び、自国内でその過ちについて、きちんと教育しているが、日本ではいまだに戦時の教育ではそうした負の部分が正確に伝えられていない。わたし自身、どちらかというとこの作者の指摘通り、日本がそこまでひどいことをしていないのではないか、という幻想を抱くことがあったように思う。
歴史に学ぶことの重要性を考えさせられる本でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレジャレドさん、銃病原菌鉄に続いて2冊目。
この本では、いつくかの国に訪れた危機と、その危機にどのようにして対応したのかが描かれている。
まず、はじめに思ったのは、知らないってことは恐ろしいな、と。この本に書いてあることが、真実なのかどうか、私には確認する術がないけど、それでも、歴史について知ることは自分の考え方に幅をもたらしてくれるような気がする。
例えば、フィンランドの話し。ソ連との関係性について、その内情を知らない人から見たら、なんでそこまでソ連の機嫌を伺うような振る舞いをするのか、理解ができないことだろう。でも、それまでのソ連との関係からフィンランドの人々がどのように考えるに至ったのかを知れば、理解できるようになる。
日本についても、明治維新後の日本については、危機への対応が良かったことが書かれているが、第二次世界大戦や昨今の日本には対応の不味い点が指摘されている。特に戦後のドイツとの比較で、戦争時の過ちに対して正確な自己評価が不足している、と指摘する。ドイツは過ちを詫び、自国内でその過ちについて、きちんと教育しているが、日本ではいまだに戦時の教育ではそうした負の部分が正確に伝えられていない。わたし自身、どちらかというとこの作者の指摘通り、日本がそこまでひどいことをしていないのではないか、という幻想を抱くことがあったように思う。
歴史に学ぶことの重要性を考えさせられる本でした。 -
Posted by ブクログ
日本を含む7つの国家について、そのターニングポイントとなる歴史と特徴を、個人の危機とそれへの対応に照らし合わせて理解する。
読み始めは、なぜ個人と照らし合わせる必要があるのかやや理解不能だった。
だけど、読み進む内に理解できる。個人に生い立ち・経験等に裏打ちされた人格があるように、国家にも性格があるのだ。
それはブラックジョークやヘイトスピーチに見られるような国籍ステレオタイプ、みたいな単純なことではなくて、その国の立脚する環境(例えばどこと国境が隣接しているか)や、その国が誇らしく・或いは苦々しく思い出し、しかも広く国民が共有する歴史(特に、危機についての)によって、否応なしに刻み込まれてきたもの。
そして、これこそが本書の存在意義だと思うが、渦中にいると置かれた危機環境には気付きにくい!
日々わたしたちは、あまりに頻繁に危機感を煽られ続けている。
常に日本は変革が急務だし、深刻な問題に囲まれてて、でも他の国家も同様にいくつもの大きな問題を抱え変革を迫られているように見える。コロナ前は全人類共通の危機への実感が希薄だったし、それじゃわたしたち日本人の状況はどの程度ヤバいのかなんて認識する機会もなかったと思う。
本書の客観的事実や比較によって、日本がまさに危機、ヤバい状況らしいことが認識できる。対応すべき方向性も示唆される。
良薬口に苦い、グローバル版『シン・ニホン』といった印象。