ジャレド・ダイアモンドのレビュー一覧

  • 危機と人類(下)
    ドイツは地政学的に弱く、そこでヴィルヘルム2世とヒトラーという独裁者が誤った方向に国を導いてしまった。大戦後はブラント首相が自国の非を認め新たな国づくりに乗り出し、EUの基礎を築いた。
    オーストラリアは、歴史的形から白豪主義を取っていたが、地政学的条件から必然的にアジア移民の受け入れを行い政治体制も...続きを読む
  • 危機と人類(上)
    フィンランド、日本、ドイツ、インドネシア、チリ、オーストラリア、アメリカの7カ国の近代史における変化と対応を述べて、今直面しているグローバルな危機にどう対処できるかを問う。
    危機の認識、責任を受け入れる、現実的判断、他者から学ぶ、選択的変化の推進、強固なナショナルアイデンティティ、公正な自己評価、失...続きを読む
  • 危機と人類(上)
    ベストセラー「銃・病原菌・鉄」の作家として知られるジャレド・ダイアモンドが、「個人的危機」と「国家的危機」の共通点と相違点を示しながら、危機全般とその危機に対する対応策について考察を行っているのが本書。

    本書の構成が、①個人的危機、②国家的危機、③世界全体の危機、というように徐々にスケールアップし...続きを読む
  • 未来を読む AIと格差は世界を滅ぼすか
    めちゃんこ面白かった。世の中はこんな状態なのかという恐怖ばかりが目立つけど、人生100年時代ははじまったばかり。とほほ
  • 未来を読む AIと格差は世界を滅ぼすか
     私が考える理想の研究者とは、人類がこれまで歩んできた歴史とともに、現在の社会を見つめ、少し先の未来までをも見ようとする「優しい研究者」です。
     「持続可能な開発(SDGs)」という概念が近年注目されていますが、「持続可能な開発」とは、おそらく「次世代を見ようとする努力そのもの」なのではないかと考え...続きを読む
  • 危機と人類(下)
    下巻で取り上げられているのは、ドイツ、オーストラリア、日本(現代)そしてアメリカ。上巻で幕末~明治維新の日本は絶賛されていましたが、現在の日本はかなり厳しい。特に感じるのはドイツと異なる第二次世界大戦に対する清算かな。もちろん、現在直面する危機はあるのだけど、やはり認識の問題はとても大きく、日本人と...続きを読む
  • 危機と人類(上)
    『銃・病原菌・鉄』や『文明崩壊』、『昨日までの世界』など、広範な知識を元に人類の歴史をグローバルな観点で分析をしてきたジャレド・ダイヤモンドの最新作は、近現代史における国家的危機を分析したものであった。

    原題は、”UPHEAVAL: Turning Points for Nations in Ch...続きを読む
  • 未来を読む AIと格差は世界を滅ぼすか
    鋭い現状分析と未来予測にただただ圧倒される。特に、著名なダイヤモンド、ハラリ、グラットンの3氏の慧眼には身震いしてしまう。
  • 昨日までの世界(下)―文明の源流と人類の未来
    201703/

    小作農たちの戦略は「全部の卵をひとつのかごに入れてはならない」という、リスク回避の教訓に沿った戦略ともいえる/

    時間平均の投資収益が低くなろうとも、年間収益が生活維持に必要なレベルをつねに上回るような投資をしなければならない/

    人間の脳は、自然選択による進化の結果、些細な手がか...続きを読む
  • 昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来
    201701/

    グドールが観察したのは、子供たちにバナナを与える遊びである。その遊びでは、まず、子供たちの前に、一房のバナナがおかれる。その房には、ひとり一本のバナナがいきわたるように、十分な数のバナナがついている。この遊びでは、子供たちが一番大きなバナナを取り合うということはしない。それぞれの子...続きを読む
  • 文藝春秋 2015年 6月号

    イイネ

    10年前から毎月購読していますが、本の整理が大変ですので3年前から電子ブックに変更。もう少し、普通の書籍に比べて安くなるとありがたいですが...
  • 昨日までの世界(下)―文明の源流と人類の未来
    さすがな内容だった。読み応えがあったし、説得力もあった。ただ、説得力が勝ちすぎて少々不満が残る本でもあった。主題がわかりやすいことを汲んで、★は5つにした。
  • 昨日までの世界(下)―文明の源流と人類の未来
    伝統的社会と現代社会を、戦争と平和、子どもと高齢者、危険に対する対応、宗教、言語、健康それぞれについて比較している。
     昔の伝統的社会の戻ったほうがいいとか、現代社会がすべてにおいて優れていると断定するのではなく、現代社会においても伝統的社会のいいところを少しでも学んで、取り入れられるところは取り入...続きを読む
  • 昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来
    おもしろい!
    部族間で争っていた時代には敵を殺すことは称賛に値していたんだ。なんで殺してはいけないかといえば、めぐって自分も殺されたらいやだから。殺してはいけない。命を長らえることはよいこと。食糧の確保、危険の回避、医療の進歩。人類は命を長らえるすべを手に入れてきた。ちっぽけなようでやっぱり凄いな。...続きを読む
  • 昨日までの世界(下)―文明の源流と人類の未来
    現代の西洋的な社会が出来上がる過程で、得たもの失ったものは何か。それを今に残る伝統的な社会(昨日までの世界)と比較することで提示されています。
    下巻では、危険に対する対応までは、上巻と同じく比較調査をされています。その後、宗教、言語、病気が、昨日までの世界から、西欧的な世界に至る過程でどのように変わ...続きを読む
  • 昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来
    パプアニューギニアでの伝統社会を主とはしているが、まだ首長制の名残が残っているアフリカやアジアの国々はもちろん、かつての日本における社会の成り立ちを考える意味でも面白かった。特に自然が豊かで狩猟採集から始まった社会では、同じような成り立ちから現代に至っているのではないか。伝統社会やコミュニティがまだ...続きを読む
  • 昨日までの世界(下)―文明の源流と人類の未来
    少し前?の伝統的な生活がどのように形成され、現代の生活・社会とどう異なり、何を活かすことができるのか、知的好奇心がフルに刺激された。少し前読んだNHKのヒューマンとつながる部分も多く、宗教や貨幣経済の構築を考える点が特に面白かった。
  • 昨日までの世界(下)―文明の源流と人類の未来
    「銃・病原菌・鉄」でピューリツアー賞を受賞した人類生態学者である著者による一冊。上巻のテーマが、昨日までの世界と国家を持つ社会のマクロ比較であったのに対し、下巻である本書はミクロ アプローチ。

    印象深かったのは死因の比較。パラグアイ アチェ族・一位 毒蛇、アフリカ南部 クン族・一位 毒矢、中央アフ...続きを読む
  • 昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来
    UCLA医学部生理学教授を経て、主に生物学畑を修めるも、その後鳥類学、人類生態学へと研究領域が多岐に渡った著者による一冊。

    タイトルの通り昨日までの世界すなわち、著者が主なフィールドとして再三渡っているニューギニアの文化をはじめ、オーストラリア周辺からはクナイ族、ヨルング族、ユーラシア大陸からはア...続きを読む
  • 昨日までの世界(下)―文明の源流と人類の未来
    どこか遠い時代の遠い地域の話だった前二冊とは違い、明らかに昨日までの世界をつい最近まで生きてきたこの本の内容は今日の私たちと地続きに繋がっていて、考えさせられることも度々