感情タグBEST3
Posted by ブクログ
たくさん学べるすごい本でした。
人間には虐殺を好む性質が
もともと仕込まれていると語る
部分では、事例が次々と挙げられていて、
イヤになります。受け入れ難いが、
そうかもしれないという気になります。
それでもなお、人間は言語があるから
過去の成功及び失敗から
未来の選択を学べるのだとする
著者の訴えは、希望を与えてくれました。
Posted by ブクログ
30年も前に書かれた本なのに、全く古びてなくて、(私がいろんなこと知らなさすぎて?)知的刺激がいっぱい。
私がここ半年くらいで出会った、「人新生の資本論」とか、「チェンジング・ブルー」「歴史を進めた植物の姿」「生命はなぜ死ぬのか」といった本を読んで、初めて知って興味深く思った内容が、こういう人間観、世界観、歴史観、未来観、と繋がり、重なってくるなーと思いながら読みました。
学者って、実際は地味な作業なんだろうと思うけど、こうしてまとめてもらうとすごい(@_@)
目の前のことに忙殺される毎日ながら、、、
こうして日常とは違う視点から俯瞰してみると、人間って大きな可能性を秘めた生き物だなーと感じます。
Posted by ブクログ
ジャレドダイヤモンドの一般向けのデビュー作の本らしい。先に「銃・病原菌・鉄」と「人間の性はなぜ奇妙に進化したのか」を読んでいたのでデ・ジャブ感満載であったが、これらの本が本作の各章を切り出し一つのテーマに焦点を当てて書いた本であるので当たり前ではある。本作は、あくまで人間というもの全体にフォーカスを当てて、なぜ人間がチンパンジーと98%くらいの遺伝子を共有しているにも関わらずこのように特別な存在となっているのかを洞察している。博士の結論としては人間はある意味で特殊ではあるが、人間の特徴である言語、性生活、同種殺し(戦争)、薬物中毒、芸術などをテーマに実はこれらの特徴も類人猿はもとより他の生物にもみられるということを考察している。ただし、人間ほどにそれらの特徴を進化させたものは存在しないのでその意味ではやはり人間は特別ということ。最近のユヴァルノアハラリの人間考察の基底となるような本。こんな思想が30年も前に存在していたとは教学である。
Posted by ブクログ
非常に面白かった。
上巻は正行為に関わる論点が多く筆者の嗜好性が出てたり、古さを感じさせたり、冗長な印象だったが、下巻は面白い。
人類史みたいな部分が筆者の強みだと思う。
ヨーロッパの起源がステップ地域の遊牧民族にある話、ポリネシア人、ネイティブアメリカンのジェノサイドの話など。
非常に面白いし古さを感じない。
また巻末にある、人間の自然破壊に対する一般的な意見への反論が示唆深い。
人間による環境破壊は、長期目線で見たときに、隕石衝突などと比べて大したことはなく、地球温暖化も過去に何回もあったため、大したことない、と言う論に対する反論として、自然消滅のスピードが過去と比べて明らかに早いこと、隕石衝突で哺乳類は死ななかったことで反論している点。
また、人間の生活に貢献しない生物はいらないと言う論へは、複雑なエコシステムをとっている自然環境において、貢献しない種だけを選り分けることが構造的に不可能だと言っている点。
上記の論についてファクトを並べて説明するのではなく、一定ロジックベースで展開する点も非常に読みやすい。
ファクトはたくさん持っているのだろうがそこの開示だけにこだわらず、さまざまな領域の知見フル動員しながら(筆者は非常に幅広い分野に深い造詣がある)、論を組み立てており、知的好奇心が刺激され異常に面白い。
筆者の強みである人類史について書かれた「銃病原菌鉄」は必読だと思ったのでこれから読む。