【感想・ネタバレ】危機と人類(下)のレビュー

あらすじ

日本、アメリカ、世界を襲う
現代の危機と
解決への道筋を提案する!

国家的危機に直面した国々は、選択的変化によって生き残る――では、現代日本が選ぶべき変化とは何か?
現代日本は数多くの国家的問題を抱えているが、なかには日本人が無視しているように見えるものもある。女性の役割、少子化、人口減少、高齢化、膨大な国債発行残高には関心が寄せられている一方で、天然資源の保護、移民の受け入れ、隣国との非友好的関係、第二次世界大戦の清算といった問題には、関心が低いようだ。現代日本は、基本的価値観を再評価し、意味が薄れたものと残すべきものを峻別し、新しい価値観をさらに加えることで、現実に適応できるだろうか?
博覧強記の博士が、世界を襲う危機と、解決への道筋を提案する。

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Posted by ブクログ

やっぱり読ませるな~というのが感想です。これまでの著書にあった人類史というより、近現代の歴史を中心に、個人の危機と国家の危機を比較し、後者については、さらに7つの国の危機対応を対比するという内容。特に、日本と米国には2つの章を割いており、関心の高さが伺えます。

7つの国は、ダイヤモンド博士が住んだか関係の深い国とのことですが、読んだ中ではドイツの記述が興味深かったです。

日本については、1つの章で明治日本をうまく危機を乗り越えた事例としてあげつつも、もう1章では現代の課題を列挙。人口減少については資源保全の観点から寧ろ喜ばしいこととする一方で、移民の受け入れやドイツとの対比での中国・韓国との関わり方については、日本では議論を呼びそうと個人的には思える内容でした(ただ、「外国人からはこう見えるのか」と、これはこれで参考になりました)。

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2021年07月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

各国に起こった危機を分析している本書は、各章それぞれとても面白いだけでなく、12の要因を分析し、他の国と比較することで、よりその国についての理解が深まる。
第8章で現代の日本を分析しているが、人口現象そのものは憂慮するような問題ではないこと、少子高齢化の対応策として移民の受け入れを提案していたのは新鮮だった。
この様にして歴史から危機とその対応策を学び、将来に生かすことで闇雲な対処をしなくていい。歴史を学ぶことは将来の自国の利益につながるのだと思った。

危機を学び、先人の知恵を得ることで、我々の社会をより良いものに変えていく。

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2021年01月11日

Posted by ブクログ

アメリカ大統領選挙が行われましたが、ジャレド・ダイヤモンドはアメリカが抱える大きな危機としてまず最初に「政治の二極化」をあげています。
今回の大統領選挙の投票率は低くなかったようですが、「投票率の低下」も大きな問題だと…、というのも年収15万ドル以上あるアメリカ人の投票率は80%を超えているのに、年収2万ドル未満のアメリカ人の投票率は半分に満たないそうです。選挙活動資金の高騰は、ますます政治権力を富裕層側に向かせ、富裕層の税負担率と再配分のための公共投資を低下させています。
 このような事態の進展を招いている原因として「顔を合わせないコミュニケーションの台頭と直接的コミュニケーションの減少」をあげています。顔を合わせないコミュニケーションは、自分と似ている意見の情報ばかりを収集して異なる意見を排除する。政治的な妥協は後退し、自国ファースト、自分ファースト、の風潮が世界中で拡大しています。ジャレド・ダイヤモンドは「政治的2極化こそが、アメリカ社会が今日直面している最も危険な問題」だと言っています。

 トランプとバイデンの選挙は、アメリカを分断しました。バイデンはこれから国民に一体感を持たせようとするでしょうが、トランプのプロパガンダは強烈なのでそう簡単には元に戻りません。

 アメリカも日本も、現在多くの危機的な問題を抱えているのですが、それを正視しようとはしません。ジャレド・ダイヤモンドの目から見れば日本の財政赤字や少子高齢化や中国や韓国との関係は、とても大きな問題なのですが、最近はますます「日本は素晴らしい国」「世界が尊敬する日本」なんて言う人が増えています。
 何か大きな危機が実際に起こらないと、人々は「将来大きな悪いことが起こりそうだ」としても、行動は起こさないのです。そして行動を起こさないことを合理化するため「危機であることを認めない」ということなのだろうなと思いました。

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2020年11月09日

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ネタバレ

 上巻では明治日本の選択的変化を評価した著者は、下巻では現代日本の国家的問題への対応について「希望を持っている」という。そのことは、突然の鎖国政策の廃止や第2次世界対戦での敗戦の時と同様に、「もう一度時代に合わなくなった価値観を捨て、意味のあるものだけを維持し、新しいしせたせいに合わせて新しい価値観を取り入れること、つまり基本的価値観を選択的に再評価すること」である。
 女性、高齢者、移民、中国と韓国、自然資源管理について、「公正で現実的な自国認識」が必要だと述べる。自国認識を誤っているという指摘である。
 下巻では、戦後ドイツ、オーストラリアの経験を学び、現代日本とアメリカ、そして世界共通の危機(核兵器、気候変動、化石燃料、格差・・・)を明確にし、その危機の枠組みについて明らかにする。あとは、我々の問題である。

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2020年09月27日

Posted by ブクログ

ジャレドダイアモンド様にどハマりしました。

上下で危機に直面し、変えることのできない制約と選択できる変化とを分別して危機を乗り越えた国家の事例を解説してくれる。

国家が紡いだ歴史から、どう組織は危機を乗り越えるのか。何が危機を生み出したのか、などを世界史を知らない人でも1から学べる。

その上でその国の課題やあるべき姿を提言する。
それは説得力に富んでおり、国が取るべき対応策まで歴史から学べる気がする。

なによりも適切な自己評価、それに伴って最善の行いを行うことの大事さを感じる。
危機に迫られると、人や国家は変わる。それは、ピンチはチャンスということにもつながるのかな。

逆に自己評価を謝ると、破滅的な結果を招くことも歴史から学べた。

問題や課題から目を逸らさずに忍耐強く取り組むこと。
そして、組織を団結させるために神話的なストーリーを繰り返して組織のアイデンティティを増強するなどの方策もまなべた。

いろーんな矜恃に満ち溢れた良書の典型だった。

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2020年05月26日

Posted by ブクログ

ジャレットダイアモンド氏の歴史書。政治史・社会史
国家的な危機について、その内容・原因・解消の分析が
個別の事例で紹介せれている内容です。
フィンランド・近代日本・チリ・インドネシア・ドイツ・
オーストラリアの6か国の歴史と
日本とアメリカの進行中の危機
現代日本の進行中の危機についての論述と分析について
非常に有意義で深い内容であったと思います。
また、この内容が個人的に個人の危機と
その原因や解消すべき方向に対する示唆があるように
思いました。
また、本当に今の日本の問題意識の本質を指摘している
ものだと思います。

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2020年05月05日

Posted by ブクログ

ドイツは地政学的に弱く、そこでヴィルヘルム2世とヒトラーという独裁者が誤った方向に国を導いてしまった。大戦後はブラント首相が自国の非を認め新たな国づくりに乗り出し、EUの基礎を築いた。
オーストラリアは、歴史的形から白豪主義を取っていたが、地政学的条件から必然的にアジア移民の受け入れを行い政治体制も徐々に変化していくことになり、50年前とは全然違う時ものとなった。
アメリカは、今格差の拡大に直面している。経済と政治的分断が進行しているが、これを認めて立ち向かえるかどうか、日本はアジアとの関係および人口減、財政赤字拡大、自然資源の浪費といった問題に適切に対処できているのか。
世界的には、環境問題特に新興国が先進国の1/32しか資源を消費しておらず、これがキャッチアップすることで人口は数百億人のレベルと同様の資源消費となりうる。これに対しては、問題の認識、正当な自己評価、妥協の受け入れが世界的レベルでできるのか過去に事例はなく、各国の認識をパリ協定のようなもので確保して、さらに個別の判断を地味に積み上げていくことで対処できるかもしれない。

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2020年03月15日

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下巻は、オーストラリア、アメリカ、日本という異なる政治・社会背景をもつ国の脆弱性、地球規模のスケールの危機問題を歴史的文脈の中で解き明かしていく。

面白いのはオーストラリアの存在。日本にいると何となくイギリスの別荘地みたいな感覚で国家としてのアイデンティティがどこまであるのか分かりにくい。差別的な国だが、至近は中国人に侵食され、差別国家の個性が揺らいでいるという皮肉的な状況、そんな印象だ。

アボリジニ政策から白豪主義によるアジア系移民への差別、先住民の存在そのものを歴史から消し去ろうとする冷酷な国。その後の謝罪や共和制論争の動きは、植民地主義的価値観の見直しが始まったことを示唆するが、それが「反省」であるのか、あるいは「現実主義的戦略の転換」にすぎないのか、第二次世界大戦後のイギリスの価値観への同調にしか過ぎないような気もする。

差別という点では、ジャレドダイヤモンドはアメリカの有権者登録制度も指摘する。「自由と民主主義の国」というイメージがいかに理想と現実のあいだで揺れているかを暴く。1965年の投票権法がもたらした進歩を、2013年の最高裁判決が逆行させる構図は、民主主義が自明の制度ではなく、不断の努力によってかろうじて維持される「綱渡りのプロセス」であることを示す。制度の運用と「政治的利害」のせめぎあいは、今やアメリカ政治の根幹を揺さぶっている。

欺瞞だらけ、だ。

そして気候変動への指摘に広がる。国境を越えた問題解決の必要性と、しかし、それに対する各国の脆弱な対応能力を明らかにする。自然環境が国家の存立条件そのものを左右するが、足並み揃えた人類全体の動きに対し、我々はあまりに幼い。

我々が直面している「危機」は、特定領域のエゴであり、それはしかし、生存本能ゆえの自衛でもあるから複雑だ。国家や文化圏に閉じたものアイデンティティが、地球全体の課題に取り組めるのか。その難しさを「差別や欺瞞」の歴史から炙り出すのである。

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2025年05月29日

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上巻に比べると、読み易さは変わらないと言えども、現在進行形という事もあり、非常に呻吟しつつ読んだ感じ。
二度目に取り上げる米、豪州、独逸が俎上に。

自国だけってアメリカへの切り口は鋭く、内容もつぶさ。方策論も多岐にわたる。
豪の現代史、特に英国コンプレックスを切り抜け、日本の侵略までが知らない事ばかりだった。
第3部の現代の危機は、今さらなる一触即発問題が絡むだけに読みつつ動悸すら覚えた。

日本では今年に入って一段とSDGs問題がマスコミを絡めて姦しくなっているけれど、実際のところお祭り騒ぎというレベルにも思える。我々の大半が生きている間に先進諸国の国民一人当たりの消費率が今より低くなることは確実という刃がどれだけグサッと日本国民・・いやアメリカ国民も含め突き刺せることができるか。

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2022年02月12日

Posted by ブクログ

危機をどうキャッチして伝えるか?戦時や破綻以外に。その視点が足りない気がする。あるべき姿、国や企業をこうしたい、することがワクワクする未来が来る。その想いが無いから危機を感じないのかな、と。日本の記述は示唆に富んでる。

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2021年02月23日

Posted by ブクログ

何事においても、何かを変化させるときには最低限自分が行動することが必要だと言う事を皆が理解していれば、人のせいばかりにする事も随分少なくなるだろうに。

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2021年02月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読み終わってから知ったけど、「銃・病原菌・鉄」の著者なんだ!!
この本はいくつかの国の危機(日本も開国と敗戦の時で取り上げられている)について、12の視点で分析したもの。
歴史、心理、政治、経済、気候などなどを複合的に学べる一冊。
そして、国や組織、個人が危機に陥った時に頭を落ち着かせて、状況を把握し、危機の原因を分析し、対応法を考えられるようになる助けにもなるかもしれない。

そして、日本への厳しい指摘はできるだけ多くの日本人に読んでほしいし、受け止めなきゃと思う。

因みに、分析軸は下記。
1.危機に陥っていることを認める
2.責任を受け入れる。被害者意識や自己憐憫、他者を責めることを避ける
3.囲いをつくる/選択的変化
4.他国からの支援
5.他国を手本として利用する
6.ナショナル・アイデンティティ
7.公正な自己評価
8.過去の国家的危機の経験
9.国家的失敗に対する忍耐
10.状況に応じた国としての柔軟性
11.国家の基本的価値
12.地政学的制約がないこと 

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2021年01月04日

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ネタバレ

注)感想は上巻と同じです

ジャレドさん、銃病原菌鉄に続いて2冊目。
この本では、いつくかの国に訪れた危機と、その危機にどのようにして対応したのかが描かれている。

まず、はじめに思ったのは、知らないってことは恐ろしいな、と。この本に書いてあることが、真実なのかどうか、私には確認する術がないけど、それでも、歴史について知ることは自分の考え方に幅をもたらしてくれるような気がする。

例えば、フィンランドの話し。ソ連との関係性について、その内情を知らない人から見たら、なんでそこまでソ連の機嫌を伺うような振る舞いをするのか、理解ができないことだろう。でも、それまでのソ連との関係からフィンランドの人々がどのように考えるに至ったのかを知れば、理解できるようになる。

日本についても、明治維新後の日本については、危機への対応が良かったことが書かれているが、第二次世界大戦や昨今の日本には対応の不味い点が指摘されている。特に戦後のドイツとの比較で、戦争時の過ちに対して正確な自己評価が不足している、と指摘する。ドイツは過ちを詫び、自国内でその過ちについて、きちんと教育しているが、日本ではいまだに戦時の教育ではそうした負の部分が正確に伝えられていない。わたし自身、どちらかというとこの作者の指摘通り、日本がそこまでひどいことをしていないのではないか、という幻想を抱くことがあったように思う。

歴史に学ぶことの重要性を考えさせられる本でした。

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2021年01月04日

Posted by ブクログ

日本を含む7つの国家について、そのターニングポイントとなる歴史と特徴を、個人の危機とそれへの対応に照らし合わせて理解する。

読み始めは、なぜ個人と照らし合わせる必要があるのかやや理解不能だった。
だけど、読み進む内に理解できる。個人に生い立ち・経験等に裏打ちされた人格があるように、国家にも性格があるのだ。
それはブラックジョークやヘイトスピーチに見られるような国籍ステレオタイプ、みたいな単純なことではなくて、その国の立脚する環境(例えばどこと国境が隣接しているか)や、その国が誇らしく・或いは苦々しく思い出し、しかも広く国民が共有する歴史(特に、危機についての)によって、否応なしに刻み込まれてきたもの。

そして、これこそが本書の存在意義だと思うが、渦中にいると置かれた危機環境には気付きにくい!
日々わたしたちは、あまりに頻繁に危機感を煽られ続けている。
常に日本は変革が急務だし、深刻な問題に囲まれてて、でも他の国家も同様にいくつもの大きな問題を抱え変革を迫られているように見える。コロナ前は全人類共通の危機への実感が希薄だったし、それじゃわたしたち日本人の状況はどの程度ヤバいのかなんて認識する機会もなかったと思う。
本書の客観的事実や比較によって、日本がまさに危機、ヤバい状況らしいことが認識できる。対応すべき方向性も示唆される。
良薬口に苦い、グローバル版『シン・ニホン』といった印象。

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2020年12月31日

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下巻は、過去のドイツとオーストラリア、現在の日本、米国、世界について書かれている。

ドイツと日本の第二次世界大戦の反省の仕方について比較されているが、なぜドイツが反省できたかについて書かれていない。第一次世界大戦ではドイツは反省できなかったので、そこが重要だと思うのに。

第二次世界大戦ではユダヤ人虐殺という明らかに悪者にできる対象がいたこと(悪いのは国としてはドイツだが、ナチスが悪で自分はそうではない、ナチスのやったことを明示して後世に活かす、と考えることができる)、フリッツ・バウアー(ドイツ系ユダヤ人の法律家)「ドイツ人はみずからを裁くべし」で「ごくふつうのドイツ人も追求の対象」にし、国民にふつうのドイツ人も自分の信条で犯罪を犯したことを白日のもとに晒したことが大きかったと思う。

一方の日本は、宣戦布告をしなかったのは非常によろしくないが、ほかは他国もやっていることをやったという認識であったろうと思う。一般国民からしたら、戦争に負けたから裁かれた、もしくは軍部に従っただけというところに落ち着いてしまう。
また、軍部から差別・虐殺された大集団はなく、戦後にバウアーのように軍部や末端まで裁こうとするものがなかった。

中国、韓国への謝罪として、田中角栄や昭和天皇、村山富市、橋本龍太郎など繰り返し行ってきたが、「反省していない」といわれると、なにをしたらいいのかと思う。著者がいうように、ひざまづいて許しを請えば納得してもらえるのか。草の根での対話をしていかないとわからないと感じた。

教育・展示については、被害者側としての教育・展示だけでなく、加害者としての教育・展示をしていく必要はあると思った。

オーストラリアについては、想像以上の白人至上主義から、思わぬ理由で路線変更されていったことをしり、とても興味深かった。

米国については、トランプ政権や2020年の大統領選挙で感じたことが書かれていた。
教師の待遇と教育水準については、他国ながら危機感を覚えた。

世界をまちうけるものとしては、背筋が凍るようなシナリオが提示されていて、見た目の穏やかさを真に受けてはいけないと感じた。だからといって、なにかできるかというと難しいが。

歴史書を書くことについて、「今日ほど字の読める人が多い時代はない」というのは確かにそう。「歴史から学びやすい時代である」ことを活かさなくていはいけない。

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2020年12月02日

Posted by ブクログ

日本で大規模な移民を受け入れたのは、第二次世界大戦時の朝鮮人のみ。これらの朝鮮人の10%は広島の原爆で犠牲になった。

アメリカの地理的有利は、ひとつは肥沃な大地。もう一つは、沿岸部と内陸部の二つに水路があること。水路がは道路より20倍も安く済ませられる。

テレビや携帯電話の普及しているところでは、相手との会話に注意を100%向けられずに手元の携帯電話を見たりする。

アメリカの有権者の多くが投票しない理由は、ひとつは有権者登録である。日本のように、特に何もしなくても投票に行けるわけではない。

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2020年08月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

下巻も面白かった。現代日本の課題は,ほんとそのとおりと思うねんけど解消されそうな雰囲気はないのは何でなんやろと思う点ばかり。その他の分析もすごく参考になった。
こういった類の本は,たいてい文章が難しすぎて頭に入ってこないんだけど,この本は違った。訳が上手なのか,原文がそうなのか。
うなずくことになる意見ばかりだったけど,原発と原爆投下についてはちょっと言いたくなった。けどそれはそれで読んで勉強するところなんだと思う。

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2020年06月01日

Posted by ブクログ

ジャレドダイアモンド氏の他の著書に比べてインパクトが薄い気がした。ドイツ、オーストリア、日本、アメリカの危機とそれの対処法が書かれていた。強制収容所、ヒトラー、ウィルヘルム2世、日本の教育、国債、少子高齢化、移民の受け入れ、キューバ危機、気候変動、風土病。最近のコロナウイルスも想定に入っているところは凄いと感じた。

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2020年05月05日

Posted by ブクログ

下巻は、ドイツとオーストラリアにおける過去の危機、そして、現在進行形の日本と米国の危機などが取り上げられ、最後には世界的な問題と、これらの実例から一般化された法則の有無が検討される。
オーストラリアの歴史が中々面白かった。アジア・太平洋に位置しながら英国との一体性というアイデンティティを次第にアジアの国という位置付けに変えていった国民意識の変容がどのようなものであったか、当事者でないと分からない部分はあると思うが、様々な出来事や要素が挙げられていて興味深い。
日本の現在の危機については、概ね理解できるが、資源に乏しい日本が海外の資源を濫費しているという指摘は、少々理解に苦しむ。そういうイメージなのか、あるいは、日本人が本当には知らない事実がそこにあるのか。

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2020年04月07日

Posted by ブクログ

2020年15冊目

下巻では、ドイツ、オーストラリア、現代の日本、アメリカを扱う。

上巻にも登場した戦前から戦後の日本に続いて、現代の日本について扱う。少子高齢化や資源の獲得について著書は人口が減ることで、日本は必要以上の資源獲得に走ることなく、改善していくと考える。但し、戦争への認識については改める必要があるとか。

歴史は何が正しくて何が間違っているかはその時点ではわからないけれど、ひとつ言えることは強者が歴史を作ってきたことは事実の様な気がしました。

オーストラリアはイギリスとの関係から、アジアやアメリカとの関係に重点を置く。

ドイツは戦後は隣国との関係改善に力を注ぎ、ドイツ統一を果たした。

アメリカは世界一の経済力や軍事力で唯一、壊滅的な危機に瀕することはなかったが、他国を参考にしないとあった。経済面や戦争でも日本を十分に研究していたこともあり、これは当てはまらないのではと思ったり。

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2020年02月21日

Posted by ブクログ

個別の国について話しているところはとても良かったですね。まとめ的なところは蛇足かも。
トータルとしては歴史の見方が学べる本。普段思ってることと同じことでしたが、違う事実からその結論に帰着していたので、やはり再現性あるんだなと。
あと、1番気になったのは態度。フラットに書くのが難しいのは分かるので全く良いのですが、フラットに書けているでしょう感が滲み出てて、そういう感じが嫌なんだよと思いました。
完全フラットはありません。

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2025年09月23日

Posted by ブクログ

オーストラリアの歴史に触れることができ、興味深かった。
加えて、日本の課題を考えるに際し、著者の前提と私のそれとの違いを認識する。

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2024年01月03日

Posted by ブクログ

教訓として示されたものはなかったと言うのは言い過ぎかもしれないが、期待していたほどのものはなかったように思う。
しかし、現在の日本における危機への対応についての指摘は、自分の認識とは異なっていて大事な気付きになった。

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2023年11月30日

Posted by ブクログ

 つぎの一〇年において、これらの問題は日本にどのような結果をもたらすだろうか? 現実的にみて、日本が現在直面している問題は、一八五三年の唐突な鎖国政策の廃止や、一九四五年八月の敗戦による打撃に比べれば大したものではない。これらのトラウマから日本がみごとに回復したことを思えば、今日、もう一度日本が時代に合わなくなった価値観を捨て、意味のあるものだけを維持し、新しい時代状況に合わせて新しい価値観を取り入れること、つまり基本的価値観を選択的に再評価することは可能だという希望を私は持っている。

――本書の出版が2019年。さて10年後、本書で取り上げられた、日本、アメリカ、世界の問題はどうなっているのか。答え合わせが楽しみなような、怖いような。

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2023年09月07日

Posted by ブクログ

上巻と違い、現代日本をこき下ろしている。
まあ、客観的にはそうみられているのだろうなと言う感じ。

日本は国益にそうか、ということよりも国民感情みたいなところのプライオリティが高い施策が多く、それが客観的には、ちょっと政策がクソだなと思われていると。

まあ、アメリカも大概だが、日本ももっと国益を考えて考える部分が出てきても良いのではと思う。
ただし、結局ロビー活動とか対外的な発信力が異常に弱いため、国益にそう活動をしたとしても、それをアメリカに評価してもらうしかないと言う情けない状態。

国益にそう活動をすると言うことも必要だが、同時に英語での発信力をあげるということも、国益を考えた時に重要なファクターになるんじゃないかと思う。
(日本で声を上げている人も多いが、基本的に日本語で国内に向けてしか発信しておらず、全く世界的なコンセンサスに至らない、という日本語のが障害になっている構造)

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2021年03月19日

Posted by ブクログ

戦後、過去の過ちにきちんと向き合うことで近隣諸国と関係回復したドイツ。戦いで得た独立ではなく与えられた自治のためイギリスを慕い続けたオーストラリア。日本の問題は、合わなくなった伝統的価値観や自国認識、中韓関係。アメリカの問題は民主主義の衰退。

人類と危機を語る事例として、日本が大きくとりあげられていてびっくり。だけど、世界の中の位置づけ的には確かに妥当だし、現実的メリットとしての民主主義、他国と同列の観点からの比較が新鮮でした。

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2020年10月09日

Posted by ブクログ

下巻を読むのは時間がかかりました。
何もかもが定量的に捉まえる必要はないが、傾向はあって、人も国もその経験を知り、行かせることができるのは確かだなあと思いました。

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2020年08月29日

Posted by ブクログ

この本は、ジャレッド・ダイアモンド氏の知ってる国々のお話し。
フィンランド、日本、チリ、インドネシア、ドイツ、オーストラリア、アメリカ。

学校で習わなかった知識を得る事が出来る点で勉強になったし、視野を広げてもらえた。

アメリカについての記述ではあるけど、
「憲法や法律において民主制を掲げながら国民が投票しない、あるいはできない国は、民主主義国と呼ぶに値しない。」とな。

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2020年08月30日

Posted by ブクログ

下巻はドイツ、戦後の日本、アメリカなどについて取り上げ、
最後に世界全来に害を及ぼす問題にどんなものがあり、今後の危機に世界はどのように立ち向かっていかなければならないかを述べています。
著書はもともと地理学を専門としているだけあり、切り口や原因に地形や風土、位置に関連性を持たせているところが特徴的でした。
今回、あげられた国々はすべて著者が住んだり住んでいる人が身近にいたりした国に限られているが、国家的危機の帰結に影響を与える12の要因(要因が多すぎないか?)をもっと多くの国のについても触れることを期待します。

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2020年05月21日

Posted by ブクログ

今この時点で読むと、もっと即物的に答えがほしいよ〜と思ってしまうが。部分的には、フムフムなるほどと思うけれど、自分の体験に引き寄せ過ぎではと思うとところも。要因12はやっぱり多いよ。散漫になる。

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2020年02月28日

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