【感想・ネタバレ】危機と人類(下)のレビュー

あらすじ

日本、アメリカ、世界を襲う
現代の危機と
解決への道筋を提案する!

国家的危機に直面した国々は、選択的変化によって生き残る――では、現代日本が選ぶべき変化とは何か?
現代日本は数多くの国家的問題を抱えているが、なかには日本人が無視しているように見えるものもある。女性の役割、少子化、人口減少、高齢化、膨大な国債発行残高には関心が寄せられている一方で、天然資源の保護、移民の受け入れ、隣国との非友好的関係、第二次世界大戦の清算といった問題には、関心が低いようだ。現代日本は、基本的価値観を再評価し、意味が薄れたものと残すべきものを峻別し、新しい価値観をさらに加えることで、現実に適応できるだろうか?
博覧強記の博士が、世界を襲う危機と、解決への道筋を提案する。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

各国に起こった危機を分析している本書は、各章それぞれとても面白いだけでなく、12の要因を分析し、他の国と比較することで、よりその国についての理解が深まる。
第8章で現代の日本を分析しているが、人口現象そのものは憂慮するような問題ではないこと、少子高齢化の対応策として移民の受け入れを提案していたのは新鮮だった。
この様にして歴史から危機とその対応策を学び、将来に生かすことで闇雲な対処をしなくていい。歴史を学ぶことは将来の自国の利益につながるのだと思った。

危機を学び、先人の知恵を得ることで、我々の社会をより良いものに変えていく。

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2021年01月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 上巻では明治日本の選択的変化を評価した著者は、下巻では現代日本の国家的問題への対応について「希望を持っている」という。そのことは、突然の鎖国政策の廃止や第2次世界対戦での敗戦の時と同様に、「もう一度時代に合わなくなった価値観を捨て、意味のあるものだけを維持し、新しいしせたせいに合わせて新しい価値観を取り入れること、つまり基本的価値観を選択的に再評価すること」である。
 女性、高齢者、移民、中国と韓国、自然資源管理について、「公正で現実的な自国認識」が必要だと述べる。自国認識を誤っているという指摘である。
 下巻では、戦後ドイツ、オーストラリアの経験を学び、現代日本とアメリカ、そして世界共通の危機(核兵器、気候変動、化石燃料、格差・・・)を明確にし、その危機の枠組みについて明らかにする。あとは、我々の問題である。

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2020年09月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読み終わってから知ったけど、「銃・病原菌・鉄」の著者なんだ!!
この本はいくつかの国の危機(日本も開国と敗戦の時で取り上げられている)について、12の視点で分析したもの。
歴史、心理、政治、経済、気候などなどを複合的に学べる一冊。
そして、国や組織、個人が危機に陥った時に頭を落ち着かせて、状況を把握し、危機の原因を分析し、対応法を考えられるようになる助けにもなるかもしれない。

そして、日本への厳しい指摘はできるだけ多くの日本人に読んでほしいし、受け止めなきゃと思う。

因みに、分析軸は下記。
1.危機に陥っていることを認める
2.責任を受け入れる。被害者意識や自己憐憫、他者を責めることを避ける
3.囲いをつくる/選択的変化
4.他国からの支援
5.他国を手本として利用する
6.ナショナル・アイデンティティ
7.公正な自己評価
8.過去の国家的危機の経験
9.国家的失敗に対する忍耐
10.状況に応じた国としての柔軟性
11.国家の基本的価値
12.地政学的制約がないこと 

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2021年01月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

注)感想は上巻と同じです

ジャレドさん、銃病原菌鉄に続いて2冊目。
この本では、いつくかの国に訪れた危機と、その危機にどのようにして対応したのかが描かれている。

まず、はじめに思ったのは、知らないってことは恐ろしいな、と。この本に書いてあることが、真実なのかどうか、私には確認する術がないけど、それでも、歴史について知ることは自分の考え方に幅をもたらしてくれるような気がする。

例えば、フィンランドの話し。ソ連との関係性について、その内情を知らない人から見たら、なんでそこまでソ連の機嫌を伺うような振る舞いをするのか、理解ができないことだろう。でも、それまでのソ連との関係からフィンランドの人々がどのように考えるに至ったのかを知れば、理解できるようになる。

日本についても、明治維新後の日本については、危機への対応が良かったことが書かれているが、第二次世界大戦や昨今の日本には対応の不味い点が指摘されている。特に戦後のドイツとの比較で、戦争時の過ちに対して正確な自己評価が不足している、と指摘する。ドイツは過ちを詫び、自国内でその過ちについて、きちんと教育しているが、日本ではいまだに戦時の教育ではそうした負の部分が正確に伝えられていない。わたし自身、どちらかというとこの作者の指摘通り、日本がそこまでひどいことをしていないのではないか、という幻想を抱くことがあったように思う。

歴史に学ぶことの重要性を考えさせられる本でした。

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2021年01月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

下巻も面白かった。現代日本の課題は,ほんとそのとおりと思うねんけど解消されそうな雰囲気はないのは何でなんやろと思う点ばかり。その他の分析もすごく参考になった。
こういった類の本は,たいてい文章が難しすぎて頭に入ってこないんだけど,この本は違った。訳が上手なのか,原文がそうなのか。
うなずくことになる意見ばかりだったけど,原発と原爆投下についてはちょっと言いたくなった。けどそれはそれで読んで勉強するところなんだと思う。

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2020年06月01日

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