歴史・時代小説作品一覧
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4.0破天荒な名医(?)が江戸で活躍する痛快時代劇! 文芸評論家 菊池 仁氏、絶賛! 「まさに脂が乗っている。楽しみなシリーズものがひとつ増えた」 名医を目指してはいるが、何をやっても続かない与之助は、枯田薄斎のもとに弟子入りして一年が過ぎた。患者に養生を勧めるだけで薬も出さず貧乏医を続ける薄斎に、与之助は溜息しか出ない。だが、薄斎はなぜか遠江の黒岩山藩からは御殿医として招聘され、藩主の病を治してしまった。直後、このことが発端で、二人は尾張と紀州の暗闘に巻き込まれ、公儀隠密に狙われてしまう。果たして薄斎は本当にやぶ医か、それとも……? 書き下ろし時代小説、新シリーズ第一弾!
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3.5江戸期のもっとも優れた改革者・上杉鷹山の仕法と生き方を描いた、書き下ろし長編小説である。江戸開幕から百数十年、米沢藩十五万石は、幕府への領地返上も考えざるを得ないほど、財政窮乏の極みにあった。そんな状況のもとで、日向高鍋藩から養子に入った治憲(鷹山)は、十七歳で上杉家の家督を継ぎ、さっそく藩政改革に着手する。名門であるがゆえに家臣の抵抗は強く、まず自らが襟を正すとともに、思い切った人材の登用で、藩士の意識改革に努める。その上で、倹約の奨励、漆・桑・楮の植立てや縮布製造など殖産興業を推進し、財政基盤を整えていくのである。本書では、改革に取り組む治憲を、剣の奥義を極めることを目指す若き武芸者の生きざまと対比しながら描くことにより、治憲のこころの内を見事に引き出していく。作家と会社社長の二足のわらじをはく著者だけに、ひと味違った新鮮な味付けがなされた鷹山像が描かれている。
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3.0『三国志』といえば、吉川英治氏の小説や横山光輝氏の漫画などによって、日本人にあまねく普及している。しかし、そこに登場する英雄像は、いずれも小説『三国志演義』をもとにしており、歴史書としての『三国志』にかなりの創作が加えられている。では、歴史学者が史書『三国志』をもとに、当時の時代状況を踏まえながら人物伝を書いた場合どうなるか。本書は、曹操と並んで三国志最大の英雄と称えられる諸葛孔明を、歴史上の人物として評価し直し、その真実の生涯に迫った力作評伝である。劉備から「三顧の礼」を受けて「天下三分の計」を説き、その戦略構想に沿って蜀漢建国を成し遂げる孔明。しかし劉備に先立たれ、幼主劉禅を補佐して一国の命運を担うようになると、悲劇の最期に向けて運命が急展開していく。小説とはまた違う味わいで、稀代の名補佐役の真摯で高潔な人生が浮き彫りになっている。昭和41年から読み継がれた孔明伝の決定版として文庫化されたものを電子化!
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3.3戦国の梟雄と称される松永久秀。織田信長上洛前の京の実質上の支配者であった彼は、主家・三好家を乗っ取り、第十三代将軍・足利義輝を弑逆、さらには東大寺放火と、その非道な行動から悪人のレッテルを貼られてきた人物である。だが、かつて同じく梟雄と称された斎藤道三や信長が、一方で優れた先見力を持ち、時代の先駆者として近年再評価著しいように、久秀もまた、少なからずその面を持ち合わせている。本書は、彼の評価を人間的な史観から問い直す力作である。京の東寺を縄張りとする浮浪の少年であった久秀は、ひょんな経緯から三好家と縁の深い隆法院の寺男となり、さらに離宮八幡の荏胡麻買いの人夫に。この時期に培った視野の広さ、兵学、そして処世の術をもって、後に三好長慶に仕え、次第に能力を発揮していくのである。何の後ろ盾もなく、自らの力のみを信じて乱世を疾駆した男の心情と、下剋上そのものの波瀾の生涯を見事に描出する長編小説。
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-法神流は江戸後期、上州(群馬県)赤城山で楳本法神(うめもとほうしん)が創始した実戦的剣法。門下3千人といわれ隆盛を誇ったが、その剣名を江戸にまで轟かせたのは、2代目・須田房之助である。房之助は少年時代から、近在では太刀打ちできる相手がいないほどの暴れん坊だったが、楳本法神が放浪から戻ってくると、完膚なきまで打ちのめされる。降参し、教えを乞う房之助だったが、その修行たるや言語に絶する激しいものだった。やがて「赤城の天狗」と異名をとるほどの無敵の剣士となった房之助は、前橋に道場を構え、つづいて江戸へ進出する。しかし最強を誇り、道場が急速に門弟を増やし始めると、他流から執拗かつ卑劣な陰謀を仕掛けられる。剣で勝ち目のない彼らは、鉄砲で暗殺してまで房之助を亡きものにしようとするのだが……。百年後の昭和4年の天覧試合で流派出身の剣士が優勝。現代にまでその名を響かせた法神流の、最強剣士の生涯を描く。
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-剣一筋に生きた凄まじき男達がいた! 本書は、剣豪小説の第一人者が、戦国期から江戸初期にかけて活躍した高名な剣客たちの逸話を鮮やかに描いた短篇小説集である。飯綱の妖術を遣う敵を一瞬にして倒した塚原卜伝。薪一本で剣客を手玉に取った富田勢源。思いのままに敵を御し、戦わずして勝つ伊藤一刀斎。武田晴信・長尾景虎らがその武勇を讃えた法体の名人・佐野祐願寺、島津藩のお家流示現流を天下無敵の剣法に育てた東郷重位。将軍家兵法師範を務め、天下に敵なしと言われた小野次郎右衛門、「直立ったる身の位」によって剣術を変革した柳生兵庫助。燕返しの大技を遣う佐々木小次郎を、枇杷の木刀で一撃で倒した宮本武蔵。杖ひとつで骨まで打ち砕き、相手を“速死”させる柳生十兵衛。高田馬場の血闘で獅子奮迅の働きをし、赤穂藩士としての吉良邸討ち入りで勇名を馳せる堀部安兵衛。迫真の描写で、10人の剣客の強さの真髄を切れ味よく浮き上がらせた一冊。
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3.0上杉謙信と聞いてまず思い浮かぶのは、どのようなイメージだろうか。あの信長軍団を破った戦国最強の武将、毘沙門天を崇拝する敬虔なる仏教徒、生涯女人を近づけなかった変わり者、大酒飲み、武田信玄の永遠のライバル……。これらの事からわかるのは、まず戦国時代には類を見ない異色の人物だということである。事実、謙信の場合、領土欲から合戦を仕かけるということはなかった。すべての戦いが正義という大義名分のもとになされたのである。著者は取材を重ね、史料に当たるうち、謙信の重大な欠点に気づいたという。それは実に短慮な性格であったということ。気に入らない部下を大勢の前で叱責する、思い通りにならない部下に嫌気がさし責任を途中放棄してしまうなど、明らかにリーダーとしては不適格な一面がある。著者はそこに謙信の武将としての限界を見た。信長と最も異なるのがその点だという。これまでの天才・謙信像を覆し、その内面を赤裸々に描く。
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4.2「三国志」の魅力は、幾多の武将の活躍と、軍師たちの戦術にある。本書は、その中から軍師のみ34人を選び出し、彼らの生き方と果たした役割を、人物ごとにまとめたものである。世は戦乱の時代、大きな変革の時代である。日々激しく動く状況下に身を置きながら、軍師たちは、時代の趨勢をいかに読み、いかなるグランドデザインを描き、いかなる戦術を立て、いかに行動したのか?「天下三分の計」を描いた諸葛孔明。軍師として勲功第一の働きをしながら曹操から死に追いやられた荀いく。赤壁の戦いで曹操軍を撃退するものの早すぎる死を迎えてしまった呉の周瑜。非凡な才能を持ち劉備から信頼されるものの、母への孝を貫くためにやむなく曹操に仕えた徐庶、などなど。三国志学会事務局長である著者は、物語の中ではなく、歴史としての三国時代に活躍した軍師たちの実際の人物像と行なった事績を紹介しているので、この時代に対する興味が一層深まる書である。
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-鎌倉幕府を開いた源頼朝、浮気がばれて妻の北条政子から“ひどい目”に!? 天下の豪傑・加藤清正、便所で高ゲタをはくそのワケは? 名奉行・大岡越前守が、「銭をくれ」バアさんにお手上げ!? 明治維新の功労者・勝海舟、急所を犬に咬まれて悶絶!?――日本史に名を残した有名人たちも、一皮むけばタダの人。本書は、颯爽たる活躍で知られる面々の「面白い話・珍しい話・ドジな話」を一堂に集めた決定版である。戦国武将の意外な一面から、江戸時代の諸大名・文化人たちの笑える話、幕末動乱期の男たちの変わった苦労談、歴史に残るドジな男女の色恋沙汰までと、「歴史って、こんなに面白かったのか!」と目からウロコが落ちる面白エピソードが満載。とにかく楽しめる蔵出しネタのオンパレード!!
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4.0戦争、敗戦、占領、復興、経済成長、バブル景気……。飢餓もあれば飽食もあり、軍国主義も民主主義もあった“昭和”という時代。およそ人類が体験できる事件や事象のほとんどが存在したこの時代は、日本とは何か、日本人とは何かを考える上で多くの示唆と教訓にあふれている。本書は、昭和元年(1926)から昭和64年(1989)までの64年を、前期・占領期・後期の三部にわけ、全55項目のテーマに沿って概観した一冊。「大正から昭和へ」「金融恐慌」「満州への野心」……(前期)、「GHQ最高司令官マッカーサー」「戦後教育改革」「極東国際軍事裁判」……(占領期)、「10年目の経済白書」「60年安保と岸内閣」……そして「昭和天皇崩御」(後期)と読み進めるなかで、昭和史の全体像をしっかりと理解できる。激動の昭和史を次代に正しく伝えていく上で、バランスある歴史感覚でわかりやすく記述された本書は、まさに格好の講師役といえる。
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3.7ゲームやTVドラマでおなじみの武将たちが美麗なイラストとともに迫り来る! 上杉謙信、伊達政宗、真田幸村、長曾我部元親・・・。若い女性を中心に今巷で大人気の戦国武将たち。彼らの魅力のひとつは、他を圧倒する強烈な個性と「義」を重んじた独特の美学にある。 独眼竜の異名を取った奥州の覇王=伊達政宗 強靭な肉体と恐るべき精神力を誇った天下無双の豪傑=本多忠勝 神の心、悪魔の戦術で敵を圧倒した軍神=上杉謙信 天下の覇権を夢見た四国の覇者=長曾我部元親 など、常に死と隣り合わせに生きた男たち117人を「婆沙羅武将」「猛将」「義将」「智将」「戦略家武将」「哀将」の6つのカテゴリーに分け、紹介する。 本書のもうひとつの魅力は、従来の固定概念を覆すイラストの数々。力強く格好いいイラストから、憎らしい程のスキのない武将イラストまで、カバー、本文とも豊富に掲載。一見の価値あり! の戦国武将入門書。
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4.0ふうわり心が温まる畠中恵ワールド。ドラマ化もされた大人気「まんまこと」シリーズ第1弾! 江戸は神田、玄関で揉め事の裁定をする町名主の跡取りに生まれた麻之助。このお気楽ものが、町の難問奇問に立ち向かう。 ある日、女好きの悪友・清十郎が「念者のふりをしてくれ」と言ってきた。嫁入り前の娘にできた子供の父親にされそうだという。本当の父親は一体誰なのか!? 「まんまこと(=真真事・ほんとうのこと)」を麻之助が解き明かす短編連作シリーズ。 解説・吉田伸子 ※この電子書籍は2007年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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4.22015年のNHK大河ドラマ『花燃ゆ』の主人公は久坂玄瑞の妻、文(ふみ)。文の兄であり玄瑞の師である吉田松陰こそ、『世に棲む日日』前半の中心人物です。「人間が人間に影響をあたえるということは、人間のどういう部分によるものかを、松陰において考えてみたかった。そして後半は、影響の受け手のひとりである高杉晋作という若者について書いた」(「文庫版あとがき」より) 嘉永六(1853)年、ペリー率いる黒船が浦賀沖に姿を現して以来、攘夷か開国か、勤王か佐幕かをめぐり、国内には激しい政治闘争の嵐が吹き荒れていた。この時期、骨肉の抗争を経て倒幕への主動力となった長州藩には、その思想的原点に立つ松下村塾主宰・吉田松陰と、後継者たる高杉晋作がいた――。維新前夜の青春群像を活写した怒濤の歴史長編、ここに開幕。
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4.0飯炊き下手な独り身の男ばかりが住み、夕餉どきには飯のこげる匂いが立ちこめるため“おこげ長屋”と呼ばれる浜町堀の裏長屋。元南町奉行所の定町廻り同心・伏木真九郎と、養子縁組をしくじって家を出た御家人の次男・蓮見健吾は、大家の為五郎から用心棒の仕事をもらい、細々と暮らす長屋の住人。ある日、二人のもとに刀傷を負った浪人が転がりこんできた。男は倉内又之助。藩のお家騒動の罠にはまり、脱藩してきたらしい。だがこの又之助、なかなかの剣の遣い手で、度重なる真九郎たちの危地を救うことに…。理不陣な理由でそれぞれの居場所を失った三匹の浪人が、立ち向かう悪の数々。ところが、その背後には又之助を狙う刺客の影が…。痛快時代長編。
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-美濃の国の小藩、松木藩では大変なことが持ち上がっていた。藩主の丹羽氏善が年若くして急逝してしまったのだ。時は徳川三代家光の世、多くの大名が改易の憂き目にあっていた。お世継ぎのいない松木藩のお家取り潰しは、もはや時間の問題だった。絶体絶命、藩の窮状に際し、慌てふためく重臣たちをよそに、祐筆をつとめる若輩の侍・藤崎修吾は、主君が江戸の芸者に産ませたと噂されるご落胤を世継ぎに据えることを提案する。藁にもすがりたい重臣たちは、修吾を江戸に遣わし、消息の途絶えた落胤探しの命を与えた。主君の死を隠し通せる日数はわずかしかない。果たして世継ぎは見つかるのか……。藩の危機を救う若侍の姿を軽妙な筆で描いた痛快書下ろし長編!
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-愛する母の遺言により、枯郷の村からはるばる江戸にやってきたアイヌの少年が訪ねたのは、間宮林蔵なる謎の男…。まだ見ぬ林蔵を想い浮かべ、不安と期待をいだく少年の前に現れたのは、粗末な身なりで突飛な振る舞いをする、なんとも奇妙きてれつなお侍であった。小平太という和名をもらい、衣食住をあてがわれたものの、無愛想で風釆のあがらぬ林蔵は、どうにも好きになれない。不満がたまるいっぽうの小平太だったが、間宮林蔵のもつ不思議な魅力と思いがけぬ優しさに、じょじょに心を開いていく…。冒険家で知られる間宮林蔵の、知られざる顔を描く活劇シリーズ、ここに開幕!書下ろし長編時代小説。
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-ろくに働きもせず、ぼろ屋敷にこもってがらくた骨董集めに精を出す同心、日暮慶次郎。相手をこきおろす毒舌とひねくれた性格がわざわいし、『南町奉行所の問題児』と言われる男である。だがこの慶次郎、剣の腕はからっきしだが頭脳明晰で、なにより下手人を追いつめる執念がすごい。上司である筆頭同心・小野に呼び出されては、厄介な事件の探索をまかされてしまう。今回も、唯一の友である定廻り同心・久賀新之介とともに、謎が残る斬りすて御免騒動や、疑惑の仇討ち事件などを、丹念に捜査していくのだが……。毒舌を吐きつつも、けっして悪を許さない慶次郎の心には、自身の過去につながる『仇討ち』が隠されていた!
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3.0女の眉のような細い月が浮かぶなか、牢屋同心・橋場慶次郎は、ある罪人の処刑に立ち会っていた。そして、刑の執行寸前に罪人が浮かべたかすかな笑みの意味を、慶次郎ひとりが知っていた……。伝馬町牢屋敷に勤める橋場慶次郎は、やや間のびした顔とおっとりとした立ち居振る舞いを見せる、ごく普通の地味な役人である。だがその裏では、病弱なひとり息子の薬代のため、遠島・打ち首などの重罪人の頼みを聞き届ける『閻魔の旦那』として知られていた。ひそかに心寄せる亡き親友の妻・沙世や、牢人下男の繁蔵、粋でいなせな手下・兵吉とともに、慶次郎は、さまざまな罪人の最後の願いを叶えていく。剣あり涙ありの、情緒あふれる新シリーズ!
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4.0水戸家の若さま・徳川専十郎は、光圀公の再来とまで言われる才覚の持ち主で、しかも十一代将軍・家斉の実子。だが、それゆえにお世継ぎ騒動に巻き込まれ、いっそ家なぞ捨ててやるとばかりに無断で出奔、もと水戸藩士の石動勘右衛門が経営する料理屋『志之井』へと転がり込む。しかしてこの専十郎、敬愛する兄・敬三郎に対する遠慮はあったものの、とかく窮屈な武家社会に飽いていたのも事実。気ままな町家暮らしに胸躍る、まこと風変わりな若さまであった。英明でありながらも世間知らずの専十郎は、葵鯉之介と名を変え、志之井の用心棒となるのだが……。痛快娯楽シリーズ、ここに始まる!
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3.5貧乏御家人の松平玉三郎は、借金を気にするふうもなく、ときたま奉行所の手伝いをするほかは、その日暮らしの気ままな生活。その日も、知り合いの与力に頼まれた玉三郎は、水戸藩の歌会で大名の奥方を警護するという、なんとも面倒な仕事に、いそいそと出かけていった。ところがこの男、相手が誰であろうと曲がったことが大嫌いという、いささか厄介な性格の持ち主。美貌の姫を手籠めにしようとした水戸斉昭を退治したまではよかったものの、急死してしまった姫の夫……つまり、一国の大名の身代わりを務めることになってしまった!無頼の御家人が殿さまとなり悪を裁く、痛快時代劇!!
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-南町奉行所に勤める信藤長次郎は、自他ともに認める根っからの小心者。仕事も剣も、はたまた恋も、持ち前の気弱さが邪魔をしてなかなかうまくはいかない。織田信長の史書を読むことを唯一の楽しみとしていたが、それも同僚から名前をもじられて「信長殿」とからかわれる始末であった。天保七年三月──そんな長次郎に、思わぬ人生の転機が訪れる。定町廻りとなり、慣れぬ役務に戸惑う長次郎は、探索の途中、頭と身体を強く打ち、賊の手に捕らわれてしまう。そしてそのときから頭の中で、戦国の英雄、織田信長の声が聞こえるようになってしまったのだが……。信長の叱咤激励で生まれ変わる、若き同心の活躍!