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パーク・アベニューの孤独
クレイジー・ヘッド&グッド・ハート。それが、マンハッタン島でのベスト・ウェイだ。輝く光の塔、ボトム・ラインのビート。凍えるハドソン川と、さまざまな色のイルミネーションに飾られたパーク・アベニュー。 音楽とコカインと眠れないミッドナイト。ファンタスティックな詩人のロン・ブラックウェルと、心優しいアーティストであるビル・リード。華やかな娼婦達。 EXITを求めて、浩司は青春の喧騒のただ中を駆けぬけていく。 1980年代の冬から81年の春にかけて、凍てついたニューヨークで生活する川本浩司の、友情、ローラとの愛、そして孤独をたおやかな感性でストイックに描く、青春四部作の1作。 -
窓にのこった風
ある日忽然と、ぼくの前から姿を消した妻・芽衣子。個展を前にして芽衣子が借りていた海辺のアトリエ。そこに残されていたのは6枚の窓の絵と、1羽の青いオームだった。絵は2枚ずつ赤、青、黄の三原色に塗られ、額のガラスはみな叩き割られていた。そしてオームは喋りだす「いいか、これが君と彼女との生活の結果なんだ」と。ぼくは考えねばならない。芽衣子とは何者か。ぼくとは一体誰なのか。オームが裁判官であり、ぼくが被告だった。網膜の裏には、芽衣子の躯と顔が輪郭を残して揺れている。これが、長い夏の始まりだった――。自己不在から脱却しようともがく主人公を通して、社会の中で永遠に開放されぬ迷路に住まう我々人間へ宛てた、文学の贈り物。 -
オペ・おかめ
米大統領を襲った謎のテロ作戦「オペ・おかめ」。それは虐げられた弱者たちが突きつけた告発状だった。 偽善者を憎む娼婦ジャンヌは、自分のスリを見逃した東洋人・白鳥の正体を暴いてやろうと、その後を追い始める。同じ頃アメリカ大統領が小型ロボットで昏睡させられる事件が発生。現場には「オペレーション・オカメ」という謎のメッセージが残される。白鳥を犯人と思う対テロ組織のバート、次第に白鳥に惹かれていくジャンヌ。謎めいた白鳥の真意とは。 事件から浮き上がる原爆の惨劇。強者の傲慢と搾取に対する弱者たちの怒り、おかめの面に秘められた傷そして慈愛。人はいかに生き、なにと戦うべきなのかを問う、衝撃的作品。 【著者】 藤永茂 藤永茂(1926年生)満州国長春生まれ、国籍カナダ(カナダではSigeru Huzinaga)、1948年九大物理卒、1959年京大理学博士、1968年アルバータ大教授、1991年同大学名誉教授(著作):『分子軌道法』(岩波書店、1980年)、『化学や物理のためのやさしい群論入門』(岩波書店、2001年)、『アメリカ・インディアン悲史』(朝日選書、1991年)、『ロバート・オッペンハイマー 愚者としての科学者』(朝日選書、1996年)『アメリカン・ドリームという悪夢』(三交社、2010年)など。 -
カウントダウン【文春e-Books】
不思議なことに結婚してからの方が男性から声をかけられるようになった。後腐れなく遊べると思われているのだろうか。 ミヤは四ヶ月半たったら夫のイツキと離婚することが決まっている。 会社の他の男に抱かれたことを、イツキに知られたのだ。悪いのはわたしだった。けれど、許してと言うこともできなかった。 壮絶ないがみ合いが夜通し続く日々。ところが離婚が決まると、穏やかな生活が戻ってきた。「最後くらい楽しく暮そうか」。 そんなとき、あの男から電話がかかってきた。関係が夫に発覚したとき、「あなたの家庭を壊すつもりはないから」と保身に走った男から・・・。 結婚生活の最後に揺れうごく、三十台のキャリアウーマンの心を描く。 -
真冬の大満足プレシャスパック2時間【文春e-Books】
セックスって、こんなに簡単なものだったっけ? 15年間、一緒に暮した元夫とのそれは、とにかく気合と努力と体力が必要な大仕事だったのに。 離婚して1年、46歳の私は、ホームセンターのパートとして働いている。その店のつかえない営業担当の男に誘われるままカラオケボックスへ行き、ソファの上でタイツと下着を脱がされて・・・。それから私と男は何度もカラオケボックスの二時間コースを利用している。お互いに一度も達していないから、セックスフレンドでさえない。中途半端で、ささやかな間柄がちょうどいい。 一年ぶりに元夫と会ったとき分かった。若い女と結婚したこの人も、カラオケ屋で若い男とイチャつく私も、前線に復帰したのだ。入籍から離婚まで、ひと通りを経験してわかった結婚生活の正体を描く。 -
地獄くらやみ花もなき
罪人が化け物に見える青年・遠野青児は、わけあって借金をかかえネットカフェを泊まり歩く放浪生活を送っていた。そんな中、迷い込んだ洋館で、白牡丹の着物をまとった美少年・西條皓(さいじょうしろし)に出会う。皓はある使命を受け、鬼の代わりに罪人を地獄に届ける「地獄代行業」を営んでいるという。そんな皓は、持ち前の観察眼から青児の窮状を見抜き、住みこみの助手として屋敷で働くよう誘う。なし崩しで助手として働くことになった青児は、旧家の令嬢からの一家に災いをもたらしている「鵺」を対峙してほしいという依頼を受け、皓とともに旧家・獅堂家に乗り込むが、そこには血縁に絡む怨念が渦巻く事情が・・・。旧家での連続殺人、ライバル探偵・凜堂棘との推理合戦、数々の困難に巻き込まれながら、青児は少しずつ自らの役割を自覚し、どこか寂しそうな皓も、青児との関わりの中、少しずつ笑顔を取り戻していく。罪人を地獄に届ける謎の少年と世に絶望したニートの事件簿! -
モノノケ杜の百鬼夜行
御神木に見守られる町・御森には大樹に嫁入りした巫女の末裔である百目木一華が取り巻きの妖怪と暮らしていた。 一華は常世の者と心交わすことができる、人間離れした妖艶な雰囲気が漂う高校生。 一華のクラスに編入した、藤谷潤という気弱な少年もまた、見えないはずのものが見えてしまう霊感の持ち主だった。 ある日、妖怪に襲われてしまった潤を一華が助け、二人の距離は少しずつ縮まる。 その後も妖怪に追われ続ける潤を目撃し、一華は原因を探すべく奮闘するのだが……。 『幽落町おばけ駄菓子屋』『華舞鬼町おばけ写真館』シリーズの著者・蒼月海里の待望の新シリーズ、スタート! -
十津川警部捜査行 SL「貴婦人号」の犯罪
犯行声明は“SL模型”!? 東京─山口─鎌倉─京都……消えた“鉄道マニア”を追え! インターネットで鉄道模型を販売していた男が殺害された。目撃証言から鉄道マニア雨宮の犯行とされ、十津川警部は行方を追って山口へ飛んだ。雨宮が愛するSL・C57-1「やまぐち号」の最終運行日に、JR山口線沿線に現われると考えたのだ。だがそこに犯人の姿はなく、線路付近で東京在住の若い女性の他殺体が発見される。その被害者の横には「貴婦人」の愛称を持つC57-1の模型があった。これも雨宮の仕業なのか。そして被害者たちを結ぶものは? 捜査が混迷を深める中、さらに鎌倉、京都でも新たな殺人が……。円熟の著者が放つ、鉄道ミステリーの傑作! -
声も出せずに死んだんだ
レオナと呼ばれる少女が「殺された」。 その少女は生身の人間ではなく架空のキャラクターだったが、ほんの数ヶ月前まで、レオナは彼のすべてだった。 だが突然、レオナは「殺されて」しまったのだ。 レオナを蘇らせるため、ネットに犯行声明をアップした吉永千裕がまず企てたのは、現実の少女の誘拐だった。 ネットで知り合った少女・星来を呼び出し誘拐を実行した千裕だったが、星来からの提案で、ある「勝負」を受けることになる。 それからふたりの、奇妙な旅がはじまった――。 千裕はいったい何を目論んでいるのか? 旅するふたりの「勝負」の行方は? 驚きと切なさに満ちたラストが胸を刺す、異色の長篇ミステリ! ※本作は第37回横溝正史ミステリ大賞の奨励賞受賞作「pH」を改題の上、加筆修正したものが底本です。 -
ハラサキ
百崎日向(ももさきひなた)は結婚が決まり、“腹裂(ハラサ)き”の都市伝説の残る、故郷の竹之山を訪ねようとしていた。日向には小学校卒業までの記憶がほとんどなかったが夕陽に照らされる雪景色だけは覚えていた。日向は駅のホームで親友だったと語る相原沙耶子と出会う。突然、電車内を暗闇が覆い、日向は気を失う。目覚めるといつの間にか夜の竹之山駅にいた。人がまったくいない、明らかに異世界の竹之山駅の外には雪が積もり始めた女性の死体があり、その手には謎の手紙が握られており、竹之山温泉へ向かうよう書かれていた。襲いかかってくる黒い影から逃げながら、この出られない世界からなんとか脱出しようと温泉街をさまよう。日向の婚約者である神原正樹は、消えた日向を探し始める。繰り返される残酷な悪夢、一体この町で何があったのか。失った記憶を取り戻したとき、真の恐怖が日向を襲う――。戦慄のノンストップホラー。涙なしには読めない衝撃のラスト!書店員様より「これは最高に怖い!」(TSUTAYA三軒茶屋店 栗俣力也氏)と大絶賛。 -
皆殺しツアーにご招待
旅行代理店のさえない社員・京三の唯一の自慢は、3歳年上の美貌の妻・ルリ。そのルリがツアー企画を打ち明けた。募集するのは老人ばかり20人。平家物語の遺跡をめぐる6泊7日のバスツアー。費用は15万円だが、実はそれは片道料金だけ。参加者は途中でみんな死んでもらい、保険金だけを全部もらおうというあこぎな話だった。うまうまとルリに丸めこまれた京三は、添乗員としてバスに乗るが、どうも参加した老人たちはこちらの狙いを知ってか知らずか、予想外の行動に出て殺人計画は狂っていく。果たして皆殺しツアーの行方は……?ウィットに富んだ文体で描いたスラップスティック・サスペンス小説! -
人間失格 アニメカバー版
≪TVアニメ「文豪ストレイドッグス」放送記念! アニメ描き下ろしコラボカバー版を配信!通常表紙版と内容が同じ商品です。ご注意ください。≫ 無頼の生活に明け暮れた太宰自身の苦悩を描く内的自叙伝であり、太宰文学の代表作である「人間失格」と、家族の幸福を願いながら、自らの手で崩壊させる苦悩を描き、命日の由来にもなった「桜桃」を収録。 <シリーズ累計250万部突破!「文豪ストレイドッグス」シリーズとは!?> 中島 敦、太宰 治、芥川龍之介、与謝野晶子、泉鏡花、F・スコット・フィッツジェラルドなど国内外の文豪のイメージをモデルに擬人化されたキャラクターが、「人間失格」「羅生門」などといった各文豪に関連する異能力を用いて戦うバトルアクションコミックス。 舞台は横浜。孤児院を追われた主人公・中島 敦は、とある自殺志願の男・太宰 治を助けたことから、異能力集団「武装探偵社」に所属することに。やがて、ポートマフィアの芥川龍之介らや、北米の異能力集団・組合(ギルド)との対決が激化していく――! -
老人と狩りをしない猟犬物語
南アルプスの荒涼とした岩山を中心に、ひとりの老猟師が“荒野の王者”と名付ける三頭の獣が棲息していた。巨大な犬鷲、狂猛な巨熊、長大な牙を誇る猪……老猟師は、いつしかすべての王者たちと闘う日が来るとは思っていた。が、とりわけ怨敵と考えていたのは、可愛い嫁や孫をはじめ猟犬の“隼”までも鋭爪にかけた巨熊だった。そんな折、老猟師は一匹の仔犬を拾い、二代目“隼”と名付けた。王者たちとの対決の日は刻一刻と近づいてくる……。最後の闘いに残り少ない命を燃やす老猟師と、一匹の犬との交流を描き、生命の不思議と悲しさを謳い上げた壮大なドラマ。作家・西村寿行の幻の処女長編であり、原点ともいえる名作。 -
咆哮は消えた
逃亡中の犯罪人・徳蔵は、山中で死にかけた仔犬をひろい、ゴロと名付けた。しかし、ゴロは骨肉しか喰わず、長ずるにつれて不敵な面持ちを備え始めた。四肢は異様に太く、眼窩は裂け、切れ長の目には底知れぬ青い光をたたえていた……。そして村の犬はゴロを避け、山からは鹿や猪が姿を消した。そんなある冬の夜、徳蔵は、悲壮感のこもったすさまじい咆哮をきいた。それ以来、徳蔵はゴロの姿を見なくなった。――徳蔵は新聞記事で、“猟師に追われた最後の日本狼”の話を知ったのは、それからしばらく後のことであった……。動物と人間との葛藤と交流を描く、西村寿行の感動の動物小説! 全6篇収録。 -
陽炎の街
放浪無頼の鉈割瓢と斧割糺は蔵王五色岳山麓で事もあろうに巨大な虎に出喰した。それは来日中の中国遼東雑技団から逃げ出した体長4メートルを超すアムール虎で、名は剛剛。剛剛には台湾側の手で中国の核ミサイル配置に関する極秘情報がボディランゲージとして憶え込ませてあるという。国際軍事バランスの鍵を握る巨大虎を手中にせんと台中米ソの精鋭部隊が大挙日本に乗り込む―。奇縁によって結ばれた城岬涼子と鉈割・斧割の三人は、アムール虎をめぐる血で血を洗う凄絶な攻防に巻き込まれ、遂には海を渡る。暴力と性の極限、男女の愛憎の相克を描いた比類なきハードロマン。 -
哀しき檸檬色の密室
そこは赤と黄色の密室だった! 上司のセクハラを訴えるために実名で記者会見をしたOL幸田美代子が、1DKのマンションで殺された。後頭部をブロンズ像で殴られたうえ、包丁で喉をかき切られたのだ。鮮血で赤く染まった室内にはなぜか百個のレモン。おまけに現場は、内側から完全にロックされていた。洋室の窓ガラスは割られていたが、そこから犯人が侵入するのは可能でも、出た形跡がない! 奇妙な密室の謎に挑む捜査一課烏丸ひろみを待ち受ける意外な真相とは…!? 『三色の悲劇』シリーズ第二弾。 ※本書は九三年四月、実業之日本社ジョイ・ノベルスより刊行された『檸檬色の悲劇』を改題したものが底本です。
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