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窃盗犯を担当する警視庁捜査三課の警部補・萩尾秀一と、部下の女性刑事・武田秋穂。独特の「目」で犯罪を観察し事件の真相に迫る。警察小説の第一人者が満を持して放つシリーズ第一弾!! 連続テレビドラマ化原作。
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Posted by ブクログ
昔今野敏さんの小説をすごく面白いなぁと思って、今わたしの警察推理小説ブームで最近また色々読んでるんだけど、わたしはどうやらとても今野敏さんが好きらしいです。面白い! その理由は登場人物の魅力と、事件の背景にある人間の情や心とかそういうところまで描かれていて、他の人の作品もそうなんだとは思うんだけど、...続きを読む特に、登場人物たちのやりとりに人情を感じる。から、リアルなのかなぁ。身近に感じるというか。 ムカつく人はいるけど、結局魅力的に描かれて憎めない。あ、この作品は特にと言う意味です。 あとこの作品は読んでてなんか鬼平犯科帳を思い出した。盗賊と盗人が同じだからかなぁ。 鬼平犯科帳も人情の塊みたいな話だとわたしは思うので。 泥棒と警察は相入れないんだけど、そこにも絆があるって変だな、と思うんだけどそれが人情な訳で。 そこに我々は惹かれる、それも人情な訳で。 とっても面白かったです!
高級時計店、宝飾店を襲う強盗と別件の盗難事件が連続で発生。 警視庁捜査三課盗犯係の萩尾と秋穂が盗難事件を追います。 殺人事件も絡んでいるため捜査一課に捜査協力となったがなかなか上手くいかない。 上司が信頼できる人だと助かりますね。 面白い。さすがです。
都内で起きた強盗事件と窃盗事件 捜査一課と捜査三課とのやり取りが面白かったです。 萩尾さんの「なんか引っかかる」が さすがです! 優しさも見えて よかったです。秋穂さんもだんだん萩尾さんのやり方がわかって来たところで、続きが楽しみです。
窃盗をテーマにどんなストーリーが繰り広げられるかと思ったら、とても面白かった。 何より、萩尾警部補の捜査一課に対する物言いに、胸のすく思いだった。情報源である元盗人や相棒である秋穂、自身の仕事に誇りに思い、立ち向かう姿が頼もしい。 一度気持ちに火がつくと歯止めがきかず、係長や捜査一課長すらも手を焼...続きを読むくほどだが、そこがまた良いキャラクターで、思わず「行け、やってやれ!」と感情移入してしまう。 碓氷シリーズや樋口シリーズも読んでおり、彼等の謙虚なキャラクターも好きだが、萩尾さんの勢いのある感じはまた新しく、面白い。 検察官の因幡さんも格好良かった。
僕にとって新たな今野敏シリーズのスタート!今回は盗犯。一課が嫌なやつで登場。安積班も所轄だったし。情に溢れる物語でした。
実際に起こってそうな日常やいざこざも交えたストーリーと人と人との繋がりの大切さや今の時代になかなかない名コンビ愛も見られ、最後はスッキリして終わった作品であった。
プロの盗っ人には職人と同じプライドがある。 警視庁盗犯係もまた同じ世界の住人として心を通わす。 一見、えっ?と目を疑うクライムノベル。相棒コンビもなんか凸凹していて、読み始めはエンジンがかからなかった。が、気づけば捜査の進展を夢中で追うことに。 強盗殺人という「異質」を取り囲んで、窃盗班と盗犯係...続きを読むのスイートな関係に捜査一課が割り込む三角関係に発展。 要所要所に出てくる棲み分け、という表現が意味深だ。 そういえば柚月裕子『孤狼の血』シリーズもマル暴と暴力団が近しい関係だった。治安を守るのは一方向では成立しない、ということが理解できる。 派手さはなく、抑えの効いた作品で息を凝らして読んだ。 ──冬は寒さにガタガタと震え、夏はダラダラと汗を流す。(中略)刑事にとって最も大切なものは忍耐力だと(主人公)は考えていた。普通の人間が諦めることも、決して諦めてはいけない─ 諦めという言葉はいまやポジティブ。しかし平和な生活を送るには、縁の下の力があるからだと棲み分けに感謝。 ほかにも泥臭い男社会のニュアンスが見られ、女性をお嬢とかファーストネームで呼ぶとか、正直目につく箇所もある。警察社会がまだそうだと作者は言い切っているが、部下の女性はハツラツとして描かれ、主人公も次第に認めていく。そんな流れもごく自然に思えるのは昭和世代だからか。 ── 顔を見れば互いに文句ばっかり言い合っているが、離れていると苦労ばかりかけて申し訳ないと思う。それが夫婦というものだろうと思っていた─ これも棲み分け、棲み分け。(濫用) 干渉しないところを持っておかないと、文句を言うことすらしなくなってくるよねっ。(誰に確認した?) 今野敏さんの節回しはきれいで分かりやすい。 他の作品も読んでみたい。
渋谷の高級時計店で、強盗事件発生。 その、12時間後に、同じく、渋谷の宝飾店で、鮮やかな手口の、窃盗事件が起きる。 警視庁捜査三課で、盗犯係のベテラン警部補、萩野秀一は、二つの事件の関連性を指摘するが、萩野は、相棒で部下の、武田秋穂と、窃盗事件の捜査を始める。 さらに、その翌日、赤坂の宝石店で、強盗...続きを読む殺人事件が勃発。 3件の事件についての萩野の意見が、捜査一課に聞こえ、捜査本部に、秋穂と参加することになる。 殺人や強盗を専門に捜査し、エリート意識で凝り固まっている、一課の連中と、盗犯係の萩野の見方は、ことごとく違う。 エリート意識をひけらかし、三課をバカにする面々に、一歩も引かず、自分の意見を通す萩野。 他所から、秋穂をバカにする言葉を投げかけられるたびに 「俺の相棒を、バカにするんじゃない!」と 秋穂を庇う、荻野に、胸がすく。
盗犯係の刑事、盗み、を主題とした作品を読んだのは初めてかも。よくある警察小説にはない違う世界感がとても新鮮。またそれに上手く複雑な人間模様が自然にのっていて、かつ、読み易い描写がすごいと感じました。静かに起きるどんでん返しも妙!
最近読んだ今野敏作品の中では、かなり展開が速い方かなと思った。今野敏作品でよくある人間関係を中心に描いてあるというよりも、この作品は事件の流れ、カラクリに重きを当てて描かれている感じがした。途中で、もしかしてこの人怪しい?と思ったものの細かいカラクリまではわからず、盗人の心境を理解することも事件解決...続きを読むに必要なんだなと感心した。
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