小説作品一覧

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  • 午後の砲声
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    -
    1巻298円 (税込)
    パレスチナ解放勢力とイスラエル軍がきびしく対峙するレバノン南部――日本人ジャーナリスト峯元彦は、PFLPのコマンド隊の軍事行動に参加。銃弾の飛び交うベカー高原、火を吹くカラシンコフ自動小銃、轟く対空砲火……。戦争の悲惨さと人間解放の困難さを目の当りにした峯は、それでも戦火の中で真の自由と解放を獲得する道を探し求めた。戦火のレバノンで戦う男たちの革命と愛の讃歌!
  • メロンと鳩
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    -
    「生と死」をドラマチックに描く短編小説集。処刑を目前にした死刑囚と面接委員との心の交流を鮮やかに描いた「メロンと鳩」、毎月数十人もの自殺者が飛びこむ断崖をひかえた村を舞台に「その瞬間」を警察官の子供の眼からとらえた「島の春」など、吉村昭の多彩な小説世界のエッセンス10編を収録する。
  • スケバンのいた頃
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    4.0
    2年10組、42人中、8割方が、暴走族の集会に集まるワルそなやつらばかり。なかでもスケバンのノンコは、女教師に目つぶしを食らわすほど。そんなクラスに産休代理で、新任熱血教師・江(こう)健一が赴任した。もちろんその後は、難儀なことばかり。江の熱い想いは、ノンコや生徒たちに伝わるのか。中場流青春学園小説。熱くて悪いか! スケバンvs.熱血教師。
  • 夜の虹
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    -
    一年に一度だけ、箱根のリゾートホテルに集まる「七夕会」の優雅なメンバーたち。しかし、ある年、そのメンバーが次々と怪死してしまう。すべての事件の発端は、6年前の女子大生暴行事件にあった。恋人同士の俊之と美由紀が、ベッド・ディテクティブで、事件の真相に迫る。都会派本格長編ミステリー!
  • 負け犬
    値引きあり
    -
    生き急ぎ、駆け抜けてきた。そんな風にしか生きられなかった人生を振り返ったとき、確かめずにいられない「過去」が浮かび上がる。死んだ友、別れた女、振り切るようにして捨ててきた故郷。今も胸に残る思い出を頼りに、再び訪ねゆく先は……。著者の心情が最も強く投影された、抒情豊かな8編の作品集。捨てたはずの過去、胸に迫る短編集。
  • 冬の別離
    値引きあり
    -
    定年直前の老刑事は、他の刑事たちが犯人の現在の愛人宅を張り込んだのに対し、犯人に棄てられた昔の恋人宅を張り込んだ。男を待ち続ける女の部屋からは、美しいピアノ曲「冬の音楽」のメロディが流れ続けていた。はたして犯人はどちらの女のもとへやってくるのか? 若者たちの心の傷を鮮烈に描く作品集。殺人犯の男を待つ女の愛、老刑事の執念……。ときめきと哀しみの青春像。凜とした季節を描く! <『冬の音楽』改題作品>
  • 電気紙芝居殺人事件
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    3.0
    27年前、天才脚本家とうたわれた男が、奇妙な飛び下り自殺をした。当時のテレビ、映画界を知っている老ルポライターが、ひょんなことから、その事件をあらためて追及すると――。二転三転、意外極まる真相劇を、テレビ草創期の実話をふんだんに盛り込みつつ、重層的に描く、卓抜秀逸な異色の傑作長編推理。
  • 単身赴任
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    -
    金銭に細かく、けちで厚顔な徹底した仕事第一主義のビジネスマン。そんな上司の人間味と悲哀を部下の好意の目でとらえた表題作。偏執的なパトロンの籠から翔びたとうとするバーのマダムの重い人生を描いた「三宅坂渋滞」。ほかに、「時雨るゝや」「逃げの平賀」など、男と女の出会いと別れの人生を、著者独特の息づかいの中に描く、全9編を収めた絶妙の傑作短編集。
  • レジャーランド殺人事件
    値引きあり
    3.0
    レジャーランドのアトラクション内で、自動車セールスマンが刺殺された。犯人を突き止めた刑事が知る、驚愕の真相。という表題作をはじめ、巧妙に仕組まれたワナが圧巻の「“自然”殺人事件」、ホテル業界の熾烈な争いを浮き彫りにした「初夜の陰画」など、人間の醜い欲望を緻密に描く、初期傑作推理短編集の第2弾。殺しても殺しても欲望は消えない! 遊園地のアトラクションで刺殺事件発生。犯人はどこへ消えた?
  • としみつ
    値引きあり
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 おかあさんと「としみつ」チャン。せんせいと「としみつ」くん。「まり子」と「としみつ」……「ねむの木学園」のとしみつチャンが、7年間の間に、宮城まり子さんと交わした、「手紙」と「絵」と「作文」を、1300通をこす中から選び、まり子さんの返事とともに、に小さな画文集にして、あなたの、やさしさに、おくります。「絵」64点&「手紙と文」55編の小さな画集――愛と祈りのデュエット!
  • 作者の家 黙阿弥以後の人びと 〈第一部〉
    値引きあり
    -
    河竹黙阿弥の死後、長男をさしおき、娘・糸女が歌舞伎作者の家を継ぐ。相続や著作権をめぐるトラブルに巻きこまれながらも家を守る、生涯独身で謎的な女丈夫だった糸女。そして坪内逍遙の仲だちで、養嗣子・繁俊をむかえることになる。曽祖父・黙阿弥への想いと綿密な考証を重ねつつ、孫として演劇史家として渾身の力をこめ、糸女の「女の一生」と河竹家の歴史を描いた、実感的近代史。読売文学賞受賞の名作。
  • 同行百歳
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    -
    安穏で平凡な道を望みつつ、しかし、妻と歩いてきた道は、けっこう波風が立ち、危険に満ちていた。今、よくやったじゃないかと、自分に拍手を送ってやりたいような気がしている――という表題作はじめ、来し方を思いながら、生きることの辛さに涙し、楽しさに心を暖め、人生の意味を探る、味わい深い名品11篇。男の涙の履歴書!
  • 鉄筋の畜舎
    値引きあり
    -
    デパート「赤看板」の社長・保科商平のお抱え運転手・竹場正吉は、保科の息子たちのひきおこした轢き逃げ事件の身代り犯として服役中、獄死した。復讐に燃える竹場のひとり息子・栄一は、被害者の父・直川と謀り、保科一族の抹殺計画を実行に移す。復讐のドラマは刻々と進行するが、行く手に意外な陥穽が待っていた!
  • 婚約
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    -
    「弱っちゃった。焦っちゃうの。最後の最後に来てこうですから」とっくに相手と同棲してしまっている息子の結婚を控えて、微妙に揺れ動く父親の心理を、哀歓をこめてユーモラスに描く表題作。筆者の青春に色濃く影響を与えたおでん屋について書かれた「たにし亭ありき」、他にイタリアの画家ボッカッチの絵にまつわる「一枚の絵」など、人生の味わい深い、哀歓と滋味にあふれた傑作短編集。全12編収録。
  • 復活祭のためのレクイエム
    値引きあり
    -
    <言語>と<笑い>にあふれる、群像新人賞受賞作。――窮極のキャッチフレーズ「買って」! これをオカマのセーラちゃんに教えられた、コピーライターの僕。あらゆる言葉になることができたし、あらゆる物になることができ、メタモルフォ-スをくり返す、W1―ダブルワン。そしてオカマに変身してしまった「彼」の、愛と笑いにあふれた物語。一分ごとの笑いの激流におぼれないで、最後まで「読んで」!?
  • 一万分の一ミリの殺人
    値引きあり
    -
    致命率70パーセント、エイズよりも恐ろしいという、国際伝染病「エボラ出血熱」。その男性の真性患者が、東京で発見された。さらに、疑似患者も次々に出た。第一次感染者と思われる女は、行方不明。国立微生物医学研究所内部の人間による、ウイルス漏出説を探る新聞記者は、殺されてしまう。綿密な取材と完璧なデータに裏打ちされた、俊英の都会派ミステリー。国際伝染病パニックの元凶は、だれなのか? 首都にまき散らしたのは研究者か、赤毛の女か?
  • 十津川警部 愛と絶望の台湾新幹線
    値引きあり
    -
    幼少の頃に父母と暮らした台湾へ向かう前日、中華料理店の女将・戸田一子が殺された。十津川警部は台湾から一子に届いた台湾新幹線のチケットに着目するが、捜査の進展を待たずに一子の娘・二三子が突如、台湾へ。事件の鍵は台湾にあると睨んだ十津川警部と亀井刑事も渡航する。すると入国早々、十津川の携帯に「早く日本へ帰れ」という脅迫が。二三子はどこに? 脅迫者は誰なのか? 台湾を縦断する十津川たちを次々と試練が襲う。
  • 彼の故郷
    値引きあり
    5.0
    幼年の頃、青年の頃の忘れがたい光景……それは「故郷」という地獄である。「浩」と呼ぶ少年の成長の過程を、夢と現実の巧みな交錯の中に描き、硬質な抒情の世界を創る半自伝的短編連作集。「いわゆる生い立ちの時期に自然と注意が集まって行った。で、特に意識させられたことは、自分の奇妙な姿勢であった。幼年期から青年期の始めにかけての記憶と現在との間には遠い距離がある。私は、普通に眺めれば広い視界の、ごく限られた一劃に望遠鏡のピントを合わせ、陽炎のかなたを見ようとして呼吸を整えるといった具合だった。」(後記より)
  • 白い椅子
    値引きあり
    -
    誠実な院主として、檀家に好感を持たれている曜(よう)は、二人の年上の未亡人と関係を続ける一方、拒絶された年下の未亡人に対する想いを断ち切れずにいる。そんなとき、曜は親鸞のいう「宿業」を考える。愛欲と闘った親鸞の苦悩があるか。親鸞の教える生き方をしているか。情欲に溺れる己の非力を痛感し、それを超えようとする青年僧の煩悶を描く、長篇大作。
  • 地鳴りの家
    値引きあり
    -
    瀬戸内海沿岸の浅川村で200年続いた旧家=加納本家の莫大な財産を、二軒の分家の男たちが虎視眈々と狙っていた。莫大な財産をめぐる血塗られた骨肉の争いだ。子宝に恵まれぬ本家の夫婦は、折しも玄関先に捨てられていた女の赤ん坊をりんと名づけ、養女にして財産を継がせようとした。夫婦があいついで世を去り、成長したりんが当主となった時、血の惨劇がはじまった。零落する一方の北加納家の男たちは、その財産を狙うのだが……。――明治の瀬戸内地方を舞台にした野心的長編。
  • 素直な容疑者
    値引きあり
    3.0
    目覚めたとき、明の横で、女は息絶えていた。赤くよごれたシーツと、ベッド脇の血をたたえた水槽。逮捕された明が、自ら推理したのちに選んだ運命は? 少女の愛の渇きを見事に捉えたミステリーの表題作のほかに、女性心理の微妙な揺れ、また翳りを描く「窓辺の娘」「犬を飼う男」「街の神秘と憂愁」など全7編。
  • 生のさ中に
    値引きあり
    -
    先生、世界に夕焼ってものがなくって、或る日急に夕焼が見えたら、みんなよく見るでしょうね。地球が出来てから無くなるまでに、夕焼が一回しかなかったら、その晩には気が狂う人が出るでしょうね。……終末の色に深く彩られた世界を背景に、陰翳に富んだ若く多感な日々の心のゆらめき、血のざわめきを妖しく描く。
  • 黒い森林
    値引きあり
    -
    スターリンの死後から12年たった、1965年のモスクワ。彼の死後も根深く残る、個人の自由を圧迫するスターリン主義は、批判されても、なお厳然、恐怖感とともに残っている。強制収容所帰りの元作家を軸に、社会主義社会・ソ連における非合法の地下出版を描き、人間の原存在を脅かす凌辱を烈しく告発した、井上光晴の異色作。秘密地下出版と強制収容所に焦点をあて、人間性の剥奪を烈しく追究する!
  • 京都愛人旅行殺人事件
    値引きあり
    5.0
    独身実業家・沖邦彦の花嫁公募に殺到した若い女性の群れから、最後に4人が選ばれた。平凡なOLの中山美佳もそのうちのひとり。4人は沖と京都へ旅する。第1夜に美佳は沖と結ばれ、幸せにひたるが、他の花嫁候補の身に惨事が起きていた。そしてまた次の犠牲者が……。華麗なトリックをちりばめた秀作集。
  • ぺ
    値引きあり

    3.2
    「ペ」は「ペ」であり、「ペ」いがいのなにものでもない。が、それにしても「ペ」とはなにか? 液体、気分? 女、男? 哲学、心象? 食べ物、道具? 天使、野兎? 「ペ」と遭遇したことはありますか? 「ペ」と話したことはありますか? ……卓抜なアイディアと詩人の言葉が拓く小宇宙。「花の掟」「墜ちた男」「エデンの園」「緑色の蝶」など、意外な展開と絶妙の結末がしかけられた、23編のショートショート集。
  • 彗星伝説
    値引きあり
    -
    30回目のハレー彗星が近づいている! 人の一生に一度やってくるこの彗星は、はたして吉か凶か? 宇宙創造の謎を秘めたこの彗星を巡る、恐ろしくも美しく、そして哀しい「彗星伝説」をメインに、今はやりの遺伝子に組み込まれた転生の神秘を語る「頭ごっつんこ」や、結末の冴えたみごとなショートショート群の「幻想カレンダー」など、ロマンに満ちた8編を収録。奇想卓抜、抒情横溢、珠玉多彩……神秘の星や人生をめぐる、楽しく華麗なメルヘン集。
  • 炎まつり殺人事件
    値引きあり
    -
    「お前の俳句は盗作だ!」出版記念パーティの会場で、人気評論家を痛罵した男が、ホテルの一室で殺された! 現場に残された白地の扇子、そして事件直後にロビーから姿を消した謎の女……。秘められた過去の怨念が、いま復讐の炎となって赤く燃える。京都・松江・東京を舞台に描く、著者会心のトラベル・ミステリー。鞍馬が燃え、殺意も赤い炎となる!
  • ねむの木の子どもたち
    値引きあり
    -
    就学猶予……障害児へのこの冷たい言葉に怒りを覚えた女優・宮城まり子。悪戦苦闘の連続で育てた「ねむの木学園」園長、そして障害児たちの「おかあさん」宮城まり子。……「なぜ、ねむの木を作ったのか? 理屈をつくっても、どれも本当で、どれも後から考えること。ただ、言えることは、私が彼と彼女を知ってしまったこと。そして就学猶予という悲しい言葉があったことです」……心身に障害をもつ子らと、裸の心とからだを寄せ合って育てた「ねむの木」の、愛と誇りにみちた闘いの軌跡。一人一人の子どもに宛てた愛のメッセージや、子どもたちの美しい詩も、多く収める。障害児たちとのヒューマンな触合いの記録。園児たちの背負うハンディの重さと、彼らとのやさしい心の交流をつづる、感動の書!<正続 全2巻>
  • 無宿人の墨縄
    値引きあり
    -
    明治41年8月、空前の大悪党・ヤマカンこと山内勘三郎が、広島監獄で43年の強烈な生涯を閉じた。14歳で盗みの味を覚えて以来、脱獄・殺人・強姦と悪の限りを尽し、警察をキリキリ舞いさせた男。護送中に脱走して奥深い四国の山中を駆け抜け、警察に挑戦状を叩きつけた黒い疾風。月の光の中だけを生きつづけた野獣のコスモロジーを描き、その実像を丹念に追う、犯罪小説の巨編! ヤマカンと捜査の神様・郡長三郎の息づまる対決。悪の道を突っ走る男の輝く闇と沈黙の叫び。稀代の悪人の実像に迫る衝撃の長編犯罪小説!
  • 風の旅団
    値引きあり
    4.0
    中国奥地への学術調査隊に加わった青年・早見大介が、不審な死を遂げた隊長の「密命」を受けた。早見は任務を遂行すべく、バイクを駆って、雄大な天山山脈、タクラマカン砂漠、さらに秘境の地へ……。彼を襲う謎の男たちとの闘いののちに、彼が探りあてた未踏の地の秘密とは何か? 清新、熱血のバイク冒険小説。
  • 風の辻
    値引きあり
    -
    風が辻を曲がるように、人生の辻をもうひとつ強引に曲がり、刑場へと消えていった男がいた。昭和50年8月23日午前5時過ぎ、台風6号が近づく嵐のとき、大阪・寝屋川の団地で、新婚の夫婦を斧で惨殺。その後、警察の目を逃れて豪遊をつづけていた神山隆は、12月7日、ついに刑事の来訪を受ける……。ほかに中編「風の塵」を収録。凄まじい迫力で殺人者の肖像を描き、殺人者の内部を通して人間の暗黒に迫る、犯罪小説の力作。
  • ハッピネス
    値引きあり
    -
    夫と妻、父親と息子、男と友人、主人公と隣人たち。執拗にくりかえされる対話のうちに見えてくるのは、彼自身の心の中の「町」。だが彼は、彼らは、ほんとうにわかり合えるのか? 会話の多い小気味よい文体が、一方でモノローグのように読者に訴えかける。独自の感性で、現代文学の地平に未知の領域を拓く、新鮮な短篇群。
  • 紫の火花(上)
    値引きあり
    -
    1~2巻298円 (税込)
    祗園の名妓とイギリス人との間に生まれた魔子は、成長するにつれ、凄艶な美貌と悪魔のような心をそなえ、男たちの注目をあつめる。古い習慣に反逆した彼女は、祗園のボスを手玉にとり、大金をせしめて東京へ。花の銀座でホステスをしながら、魔子が考え出したアイデア商法とは? 悪女の魅力を描き出す、傑作長篇小説。
  • オフィス・ゲーム オフィス空間の生理と心理
    値引きあり
    -
    人間は、空間に支配される。サラリーマンには、オフィスが、仕事の場所であると同時に、生命現象の運動場である。会社本位には能率であっても、社員本位には生甲斐にからんで、人間の生理を考えなければならない。入れ物は立派でも、はたして生き生きとしたサラリーマンの生理空間になっているだろうか? オフィス空間は人間をどのように支配するのか、空間に支配される人間の生理と心理を解く。
  • 春来る鬼
    値引きあり
    -
    三陸を舞台に民衆の哀しみを物語る短編集。風も雲も海も、まだ神の属性を失っていなかった遥か遠い昔……黒潮と親潮がぶつかりあう三陸の岬の浜に流れついた、駈け落ちの若い男女が、数々のためしをうけて村の一員となった頃、村に悪疫が蔓延し始める。それは南の海を渡ってくる鬼のたたりだという、三陸の漁村に伝わる伝説と――という「春来る鬼」(第一回吉川英治賞)ほか「三陸津波」「南部牛方節」「山の伝説」を収録する短編集。表題作は、小林旭・監督、三船敏郎・主演で映画化された名作!
  • 出口・廃墟の眺め
    値引きあり
    4.0
    過ぎ去った遠い日や心の底深くに、しめやかな触手をのばし、生の根の不思議なゆらめきを鮮かに捉えた、虚無に献げる高貴な酒にも比すべき短篇集。真昼に現れ出た夢魔の如き「出口」、痛ましいまでの思春期の青年の心を描く「手品師」、瓦礫の中に青白い女の裸体が横たわる「廃墟の眺め」など14篇を収録。
  • 残虐な抱擁
    値引きあり
    -
    誤りの戦死公報を受けて再婚していた妻を、復員後20余年たって殺すにいたった男の「戦後」。女子挺身隊員の記憶を胸に、10年以上も結核の療養生活を送っている女の「青春」……戦争の暗影をひきずりながら、現実から脱落して陰のように過去に生きるしかない二つの人生。斬新な手法を駆使して、「戦後」の意味を問う問題作。
  • 錆びた波止場
    値引きあり
    -
    かもめ、ポートサイド、アンカー、マスト、ホックスル、すばる、カシオペア……船員酒場のネオンが涙に滲む。銀ラメドレスの娼婦たちの純愛の涙に。元一等航海士、積荷鑑定人・日高凶平。親のつけた因果な名前のせいか、今にも沈みそうな便宜置籍船が出入する港の一匹狼に、麻薬や密送や娼婦たちのからむ事件が、相次いでふりかかる。半端な野郎は容赦しないぜ! 女の汗と非情の味がしみこんだ、霧笛にむせぶ、センチメンタル・ハードアクション・ロマンの連作集。
  • 湖の琴
    値引きあり
    -
    若狭の国の貧しい農家に生れた栂尾さくは、琵琶湖の北端にひっそりと水をたたえた余呉の湖の近くの蚕の糸とりの家に、糸取り娘として奉公に出る。そこで、同じく若狭出身の宇吉にめぐり会うことにより、さくは新たな運命の糸にもてあそばれていく……。三味線糸生産地の風土を背景に、悲痛な女人像を浮かび上がらせ、哀しみと詩情をこめて描いた人間愛が、哀切な琴の音をひびかせる長編ロマン、悲恋物語。
  • 階級
    値引きあり
    -
    現代社会の〈辺境〉とも言える廃鉱に遺棄され、痛憤の生存を強いられる人々の、熾烈をきわめる階級的憎悪の情念。内面までも風化解体に瀕した人間破壊の状況は、読者に異様な衝撃と戦慄を与える。〈辺境〉の外で惰眠する人間の、精神の荒廃を烈しく指弾した傑作。他に、炭鉱離職者をテーマにした「せむしたちの冬」を収録。
  • 火の舞い(上)
    値引きあり
    -
    1~2巻298円 (税込)
    若狭の山村に祖母とつましく暮らしていた村瀬ふくが、男女の仲にうるさい田舎をあとに、京都の町へ出たのが19歳の秋。多情の血を継ぐふくは、勤め先の工場で出会った初めての男・田島の子を宿すが、それを知った田島は突然、姿をくらます。やむなく腹の子を堕ろし、呑み屋、ホテルの女中を転々とし、男遍歴を重ねるふく。そして偶然にも田島に再会したふくは、幸福な結婚を夢見るのだが‥‥。男たちへの愛に命を賭けた女の哀しい半生を描く。〈上下全二巻〉
  • ダブルハッピネス
    値引きあり
    3.8
    体は「女」だけれど心は「男」の性同一性障害。辛さ、悲しみは2倍、でも2倍楽しいフミノの青春ストーリー。文野はいまどき珍しいぐらいかっこいい。(一青窈)常に“女体の着ぐるみ”を身に付けているかのような違和感を抱く日々。心と体の性の不一致に苦悩する「性同一性障害」を抱えながらも、フェンシングに打ち込み、仲間や家族、愛する人たちとの理解を育んできた著者。真剣に悩み、真剣に楽しんできた“フミノくん”の直球自伝エッセイ。文庫版の書下ろし収録。
  • いつかは恋を
    値引きあり
    3.0
    夫亡き後、ちいさな町工場を細々と営む久美子は57歳。心と躰に乾きを覚えながらも、邪心を振り払うがごとく健気に生きてきた。タクシー運転手の寺坂との出会いが久美子を揺さぶる。たやすくない人生を歩んできた男と女。その軌跡は重なってどこへ向かうのか。抑えた筆致の中に色気が漂う、おとなの恋物語。
  • 体育会系探偵部タイタン!
    値引きあり
    3.0
    中学時代に野球部エースだった白石球人は、一度の挫折で野球を辞めてしまう。高校入学後、なげやりな日々を過ごす彼はひょんな事から体育会系探偵部「タイタン」に仮入部。連続盗難、校内新聞を模倣したイタズラ、ネットリンチ。推理力はないが、体力と気力で学内の事件に真摯に向き合う部員たち。その姿に白石も惹かれていき、一生懸命、何かに挑戦する格好良さに気づき始めるが、そんな矢先、タイタンに廃部の危機が訪れる。
  • 野の鈴(上)
    値引きあり
    -
    1~2巻298円 (税込)
    扁平足で脚が短く、あひるのようにペタペタと歩く、少年・庄吉。9歳の彼の姿は、どことなく剽軽でもの哀しい。その孤独な歩みのたびに、背の鈴の音が響く。戦地の中国・満州で父を失い母と生き別れ、戦後ひとり荒廃した日本へひきあげた庄吉。敗戦直後の東京の焼野原で、母を求めて彷徨い、四国の田舎で生きていく。運命の神に翻弄されながら、やがて来るつかの間の再会。だが、それが永遠の別れへの旅立ちとなった……。戦後の混沌とした時代状況の中で、人間の哀しい定めと愛の美しさを謳い、凜とした深い感動を伝える名作。<上下全2巻>
  • 生贄伝説殺人事件
    値引きあり
    -
    長野県の諏訪に古代より伝わる秘密宗教結社「ミシャグジ教団」の信者たちが、50年に一度の大祭に結集し、10代の美少女を生けにえにする「闇の大祭」が近づいているという。そんな折、諏訪出身のレストランの主人が一人娘を誘拐されてしまう。彼は名探偵・滝連太郎に救出を依頼したが、殺人事件に発展してしまう。3人の美少女が秘密宗教の儀式で生贄に……ロリコン・マニアとカルト教団を結ぶ黒い罠とは? 謎解き伝奇ミステリーの傑作!<『古代諏訪生贄伝説殺人』改題作品>
  • 小屋
    値引きあり
    -
    自殺した知人の遺品を遺族に届けた19歳の青年は、その村に居ついて、村人や遺族の異様な光景に出会う。戦争にいって廃人同様になった父親。そして、その妻のモノローグを通じて、戦後25年経ったいまも、戦争の傷を癒せぬ、夫婦の戦慄的生活が現われる。暗い時代の深暗部を照し出した力作。他に「小泊海岸の犯罪」と「雪」を収録。
  • 石を抱いた樹(上)
    値引きあり
    -
    1~2巻298円 (税込)
    巨木は、地中深く、石を抱いているものだ。……名門・布施学園の理事長・布施英之は、樹木を愛し、学園のマンモス化により、緑が失われていくのを憂えていた。折しも20年の歳月を経て、敗戦の混乱のうちに、生き別れた息子が姿を現わす。大地にしっかり根を張ろうと、父と子それぞれに歩む道を描く、感動の長編問題小説。生き別れた息子との再会、親子の運命……水上文学のロマンチシズムの源泉がここにある!
  • 空に住む飛行機
    値引きあり
    4.0
    異常に厳格で、病弱で、夫婦仲の悪い両親を持つ、大屋敷理加子は、礼儀正しく真面目に過し、29歳になった。他人との距離のとり方に、何かしらぎこちなさを感じる理加子は、ふつうの恋、あたりまえの生活を夢見るようになっていた。そんなある日、彼女の前に江木という男が現われて……。切なく心に迫る長篇小説。ふつうの恋と生活、それが29歳、理加子の夢!
  • ピタゴラスの時刻表
    値引きあり
    3.0
    クラス会の最中に、老舗旅館の跡取り息子が首を吊った! そのポケットには「ピタゴラスの時刻表」と記された地名と数字が並ぶ1枚の紙が……。しかし、《AM837新潟1224金沢》に合致する列車はない。謎を残したまま、警察は男の死を自殺と断定。だが、犯人の巧妙な罠(トリック)を、美人家庭教師・軽井沢純子は見破った! 意表を衝くトリック。死者のポケットには架空の時刻表。傑作ミステリー。
  • ニュートンの密室
    値引きあり
    3.5
    「ニュートンの密室」と題された、巨大なる黄金のモニュメント。箱根の美術館庭園に作られた、高さ15メートル&直径8メートルの円筒形オブジェの中で、女性彫刻家が殺された。現場は完全密室で、犯人の姿はない。唯一の逃げ場所は、15メートル上に開いた空間のみ。万有引力に逆らわねば不可能な犯人消失の謎に、軽井沢純子と木原青年が挑む! 万有引力に逆らった、殺人犯のトリックとは?
  • 踊子ノラ
    値引きあり
    -
    さいはての地に舞う抒情あふれる踊子物語。女子大に学んだ日も、男たちとの夜も、すべては遠い思い出だ。過ぎ去った日を追わず、明日を夢見ず、踊り疲れて楽屋を出れば、今夜も外は、心も凍らせる一面の雪……。哀しみに耐え、ひたすらに生きる女の姿を、美しい北海道の風光のなかに鮮やかに描く長編小説。
  • 平家物語を歩く
    値引きあり
    -
    夏草おい繁る祗園女御塚、墨色の暮靄に沈む祗王寺……、一ノ谷、壇ノ浦へ、そして大原寂光院へ……。春浅き西海に散った平家の滅びの美を謳う一大叙事詩「平家物語」を、「人間業」の記録とみた著者がいざなう、もう一つの平家物語の世界。――歴史の舞台を彩った人々の、封じこめられた呻き、悲歎、呪咀を行間につたえる歴史紀行。平家の舞台を旅しその「心」を探る。この1冊をポケットに平家物語を歩こう!
  • 出逢った頃の君でいて
    値引きあり
    3.8
    特に取柄もなく、小料理屋を経営する母と二人暮らしのナナ。ナナの父は考古学者で、研究の場・エジプトで死んでいた。短大卒業、就職を目前に、父の愛したエジプトへ旅行した彼女が、そこで出会ったものは……! 普通の女の子・ナナの激しい恋の行方は……! 大人気漫画の原作小説。
  • 夢のあと
    値引きあり
    -
    〈死〉と、死への鎮魂として〈愛慾〉を対置し、男女の愛憎を、渇望を、あるいは寂寥を、審美的境地に昇華し、独自の美の世界をみせる短編集。恵まれた妻の座にありながら、激しい情念に身を灼く、女の愛のうつろいを描く〈夢のあと〉。父と娘の近親相姦を扱い、娘が父を殺すにいたる精神の流れを描く〈野づら〉。ほか7編の傑作短編集。
  • 長崎駅殺人事件
    値引きあり
    3.5
    英国の超人気推理作家ビクトリア・ヘイズが、取材のため来日することに。 目的地は長崎。ところが、直前に「WRP」という謎のグループから「ヘイズを日本によこすな」という脅迫状が届く。「WRP」とはヘイズが創造した架空の犯罪組織の名前。混乱する警視庁だったが、結局、ヘイズとその日本人妻は、十津川警部が護衛することになる。しかし、長崎へ向かう特急「さくら」車中で、夫人が誘拐されてしまった! 傑作長編推理。
  • にぎやかな家
    値引きあり
    -
    かつて家庭は小さいながらも、それぞれがひとつのノアのはこぶねであった。夫婦と子供たち、庭にはさまざまな木々や花々、小さな動物たち、ときには思いがけない来客もある。……ちょっと変な造りのこの〈にぎやかな家〉がかもしだす芳醇な世界は、極上ワインの味であり、失われゆくものへのひそやかな挽歌でもある。数々の名作を生み出し、多くの文学賞を受賞した児童文学者にして、元帝塚山学院大学学長の名作。
  • 風は思い出をささやいた
    値引きあり
    -
    望郷の詩人・おのちゅうこうが、郷里の赤城山麓で過した幼い日の思い出を活写した、土の香り豊かな珠玉の連作集。「母と木イチゴ」「一年ぼうずの先生」「村のおばけ」「もらいぶろ」「イヌと少年」「カモシカの話」「町っ子の冬子」「こぶ吉さん」「おとなのうそ」「きびしい父の目」など16編。ほかに姉妹編の代表作『氏神さま』も収録。野間児童文芸推奨作品賞受賞作。
  • メモリーズ・オブ・ユー 東京デート漂流
    値引きあり
    -
    長い髪のあのコとデート! となった高橋は、有頂天。はやる心を抑え、デートスポット研究にはしる。そしてその日……。東京の街を舞台に、どこにもありそな「ボーイ・ミーツ・ガール・ストーリー」。かつて少年だったアナタには、おかしくほろ苦く、いま青春しているキミには情報です。「講談社エッセイ賞」の著者の、心やさしい青春への応援歌でもあります。
  • 優しい人々
    値引きあり
    -
    兄夫婦の交通事故という天災のような事態が、一族の人間関係の中にひき起した大きな波紋。父が母が妻が妹が、ベッドの上の兄と死んだ義姉をめぐって、時にはかくされていた心理をあらわにしながら、ぶつかり合う。不意に緊張状態に置かれてしまった家庭を見つめて、現代における真の愛の可能性を探る、問題の長編小説。
  • 荒木のおばさん
    値引きあり
    -
    僕は少年時代、何度も死の誘惑が待ち伏せていた。今度は42歳で脳溢血だ。奇跡の生還をして2年、ベンチに座っていると、記憶の底から怪しく、おかしく、懐かしい人々がやってくる。稲荷大明神が降りた荒木のおばさん、キブツで出会った女、フランスの小さな城の田園生活……普通の生活へのいとおしさ、懐かしさを謳い上げ、病んで知る人生の機微を鮮やかに描いた15の名篇。高校国語の教科書にも収録された「丘を越えて」を含む。
  • 渓流
    値引きあり
    -
    夫と離別し、一家の要として肉親の愛憎や葛藤を一身に引きうけるいっぽう、共産党の運動方針や除名問題というさまざまな体験や苦労を味わいながらも、党や文学団体との関わりの中に、自らの生き方を求める安川友江。内憂外患の情勢下で、思想的にも人間的にも誠実に生きようとする一女流作家の真摯な生を描く。
  • 人喰鉄道(上)
    値引きあり
    5.0
    1~2巻298円 (税込)
    暗黒大陸と怖れられたアフリカ大陸に、文明の曙光を投げかけんと企てられた、ウガンダ鉄道建設。英人鉄道技師・パターソンは理想に燃えて赴任するが、サバンナは、人間の侵略に〈人喰い(マン・イーター)〉と化したライオンとの血みどろの戦場だった。雄大な大自然のなかに、ライオンと人間の死闘を非情なタッチで描き出した、異色の動物文学。
  • 重き流れに(上)
    値引きあり
    -
    1~2巻298円 (税込)
    大陸の植民地に夢と野望を賭ける青年に嫁ぎ、夫と大陸に渡った16歳の幼な妻。夫を愛し、夫だけを頼りにして暮らす外地の生活は、新鮮であり、幸福に満ちていた。だが、夫から見知らぬ女に宛てた一通の手紙が、夫婦に翳りをもたらした。自己の全存在を夫への愛に賭けて、歴史の激流を生きぬいた、女の一生を描く。
  • 愛とおそれと
    値引きあり
    -
    自殺未遂に追いやられた高校生の息子。家族が新しい母を迎えた日から予測されたことなのか。お互いの気くばりや思いやりが微妙にくい違って、小さな波紋が輪を拡げていったすえの事件だった。愛はおそれや痛みを伴うものなのだろう。娘の恋愛もからませ、人と人とのつながりを暖かくこまやかな筆致で描いた、テレビドラマ化もされた名編。
  • 赤毛のアン
    値引きあり
    -
    老兄妹にもらわれた赤毛の少女アンは、あふれる空想力のために何度も失敗や騒動を引き起しながらも、周囲の愛情と美しいカナダの自然に包まれて少女から乙女へと成長していく――愛情に飢えていた孤児の人間や自然との暖かい交流を描くことによって、生きることのすばらしさときびしさを謳った愛と感動の名作。サンケイ児童出版文化賞などを受賞した猪熊葉子の名訳でお届けします。
  • 小説 角福戦争
    値引きあり
    -
    橋本vs.小沢の対決と福田の秘蔵っ子・小泉の浮上、小渕政権誕生と自自連立、石原都知事誕生……。田中角栄と福田赳夫の「角福戦争」が、いまも永田町を揺るがす。ポスト佐藤を巡る怨念の対決から田中退陣、三木から福田への政権委譲、両雄の死後も続く二大派閥の果てしなき攻防を描く。『小説 風雲角福戦争』改題作品。小渕・小沢・森・小泉……「角福」門下生の暗闘を描いた、自自公連立に至る実録小説。宿命のライバル対決!
  • 新・東京物語
    値引きあり
    -
    ここではないどこかへ! だれも皆、ひとり悶々としていた、焦っていた、あの日あの時。はたして自分は何者かになれるんだろうかと……。それでもこの東京のどこかの街で、いつか来るかも知れぬ明日を夢見ていたはず。街と時代そして青春――3つのフィルターを通して語られ、いくつもの物語。あなたが忘れられない東京の「街」はどこですか? 石ノ森章太郎、宮部みゆき、小池百合子、イッセー尾形ら著名人の、心に響く東京物語。
  • 青い鳥
    値引きあり
    -
    時代と国境をこえて、世界中の若い魂を魅了しつづける、ノーベル賞作家メーテルリンクの不朽の名作。クリスマスの前夜、貧しい木こりの子供チルチルとミチルの兄妹が、夢に見る旅の物語を通して、人間の求めるほんとうの心の幸福がどこにあるかを暗示した、ファンタスティックな童話劇。流麗な新庄嘉章訳による決定版。幸福の青い鳥は……? 全世界で愛される永遠の名作!
  • 小説農産物輸入
    値引きあり
    3.0
    議員秘書・片山道朗のもとに、地元の支持者から重大な情報が入った。小豆輸入に絡んで独占商社が暴利を貪っている――と。片山は持前の行動力で取材を開始した。驚いたことに監督すべき立場の通産省、農水省の官僚たちが、天下り先にトンネル法人を作って巨額の資金を吸い上げていたのだ。悪魔の妨害工作と対決する、息づまる政経アクション! 官僚たちの聖域のもの凄い実態、穀物貴族たちの暗躍で輸入差益は暗渠へと流れていく!
  • 小さな部屋・明日泣く
    値引きあり
    4.7
    朽ちかけた貸部屋に我物顔に出入りする猫、鼠、虫たち。いつしか青年は、凄まじい〈部屋〉を自分と同じ細胞をもつ存在と感じ熱愛し始める――没後10年目に発見された色川武大名義の幻の処女作「小さな部屋」、名曲「アイル・クライ・トゥモロウ」そのままの流転の人生を辿る女を陰影深く描く「明日泣く」など12篇。戦後の巷を常に無頼として生きながら、文学への志を性根にすえて書いた色川武大の原質とその変貌を示す精選集。
  • 三重露出
    値引きあり
    -
    アメリカのスパイ小説「三重露出」を翻訳していると、作中に意外な人物が登場して、訳者の滝口を仰天させた。沢之内より子という日本娘で、滝口がよく知っている女性と同一人物らしい。しかも実在のより子は2年前、何者かに殺された。この小説は、その死の真相を告げているのではないか……。異色の設定で展開する、長篇ミステリーの名作。
  • とむらい師たち
    値引きあり
    -
    人間、産むことはやめても、死ぬことはやめられぬ。死顔がもっている威厳と迫力に魅せられて、葬儀産業に着手――万国博に対抗して葬博の実現に賭けるガンめん、葬儀のレジャー産業化に狂奔する葬儀演出家・ジャッカンたちの、奇行愚行の笑いと哀しみ。表題作「とむらい師たち」ほか、異色快作4篇を収録。
  • 欅通りの人びと
    値引きあり
    3.3
    一人暮らしの自転車屋さん、喫茶店の女主人、退職して犬を飼い始めた老人、駆け落ち結婚の十代の若夫婦……、郊外の町にひっそりと真摯に生きる人たちのドラマを温かく見守るのは、大通りの欅並木。さり気ない思いやりと心温まるふれあいから、小さな発見に満ちた生活から生まれ、思いがけない感動と涙となる。NHKドラマ原作にもなった名作。
  • 卍ともえ
    値引きあり
    -
    大阪・天満、油問屋の黄櫨屋(はぜや)は、人骨を使っての精油法を秘伝とし、天運来福、殷賑をきわめていた。人骨は、墓をあばいて集められたゆえ、骨にまつわる幾百、幾千の男女の怨霊は、黄櫨屋一門にとりつき、狂乱の渦に投げ込む。近親相姦、墓あばき、骨集め、惨殺など、戦慄の地獄絵図が、著者独自の幻想世界を構築する。
  • 他人の血
    値引きあり
    4.0
    袋を足に鎌首もたげて、勝手に歩き出したイチモツは女の股間にもぐりこむ。驚愕と喜悦にうちふるえる女。オレの背筋を電流がはしる――口、指、へそ、足など肉体の一部が自在に変化して、主人公の秘めた熱い願いをかなえてくれるのだが……。奇想天外な発想と、巧みな語り口で展開する、セクシャル・ブラック・ユーモア。文句なく笑わせる傑作10編。
  • 今日は再び来らず
    値引きあり
    5.0
    東大―大蔵省―総理大臣の夢をわが子にかける母。早朝、霜を踏んで寒中受験特訓に励む小学生の群れ……就職に失敗して進学塾を始めた津島には、それはあまりに異様な光景だった――。教師・学生・浪人そして親たちの人生に、このますます加熱する「受験戦争」はどのような意味をもつか? その内幕をえがき、最も切実で緊急なテーマに迫る意欲的長編。
  • 経営者失格
    値引きあり
    -
    有名デザイナーである社長親子の芸術路線と、経済観念を見失った超一流意識。そのあまりに経営基盤の脆弱さが見えるモード企業との業務提携に、異を唱えてはみたものの……。ヤングファッションを華々しくリードして一世を風靡したVANの倒産劇をモデルに、日本のミドルが負わされる責任と悲哀を描いた企業小説。
  • 明夫と良二
    値引きあり
    4.4
    磊落な浪人生の兄と、気立ての優しい中学生の弟。男の子二人のおかしみに満ちたやりとりを見守る姉は、間もなく嫁いでゆく。自然に囲まれた丘の上の一軒家に暮らす作家一家の何気ない一瞬に焼き付けられた、はかなく移ろいゆく幸福なひととき--。著者没後10年。人生の喜び、そしてあわれを透徹したまなざしでとらえた家族小説の傑作、初文庫化
  • 青眉抄
    値引きあり
    -
    女が女を描く――そこには、えてして安易な俗なる妥協と甘美な自己陶酔とが表出しがちであるが、松園の場合、まったくそれと異なり、高い精神の緊張と親密な美意識とで近代日本画史上に印象深い足跡を残した。本書はこの閨秀画家の画業を支えた内奥にある、女の性と情念を吐露した信仰告白であると同時に、美しきものへの限りない憧憬を語った恋文でもある。
  • 狂人日記
    値引きあり
    4.3
    狂気と正気の間を激しく揺れ動きつつ、自ら死を選ぶ男の凄絶なる魂の告白の書。醒めては幻視・幻聴に悩まされ、眠っては夢の重圧に押し潰され、赤裸にされた心は、それでも他者を求める。弟、母親、病院で出会った圭子――彼らとの関わりのなかで真実の優しさに目醒めながらも、男は孤絶を深めていく。現代人の彷徨う精神の行方を見据えた著者の、読売文学賞を受賞した最後の長篇小説。
  • 帰郷ツアー
    値引きあり
    5.0
    男たちには、生まれ育った故郷に帰れない理由があった。それぞれの思いをこめて、いま橋を渡っていく。ひとりひとりの笑顔の奥にある、数々のドラマが優しく紡がれていく……。という表題作ほか、心の琴線に触れる慈愛に満ちた珠玉の短編8話を収録。思わず心が震えてしまい、読む人の気持ちまで優しく豊かにしてくれる小説集。
  • 蟹の町
    値引きあり
    -
    処女作「雪洞にて」は、山岳カメラマンが朝の光で樹氷を撮ろうと雪の斜面に掘った穴に潜む短い時間の心理と回想を、瑞々しく綴った秀作。「蟹の町」は、詩性にあふれた筆致が不思議な町を浮かび上がらせる快作。他の2篇も、暖かい人々の情景を描かせれば日本一と注目を集める作家の、みごとな出発点となる小説だ。詩的感性あふれる鮮烈なデビュー作。内海文学の原点がここにある!
  • 小説円投機
    値引きあり
    4.0
    外国為替相場で脚光を浴びたYENは、たちまち壮烈な売買戦の対象となった。そうしたなかで、それぞれ一流バンカーとして苛酷な人生を歩む同期入社の3人組。そのうち古海は、海外融資こげつきの責めを負って退社し、一匹狼のマネーハンターとして自立するが……。世界経済の支配者・ロスチャイルドとロックフェラーの死闘を日本側からなまなましく描いた、出色の傑作長編。
  • 日蝕の檻(上)
    値引きあり
    -
    東洋映画の若手プロデューサー・加瀬は、映画「日蝕の森」の製作に情熱を燃やしている。ところがその矢先、彼の眼前で主演女優の横井美奈がビルから墜死し、にわかに前途に暗雲が立ちこめた。しかも、何者かが加瀬を監視しているような気配も……。現在の事件からさかのぼり、戦後映画史の暗黒部を描く、野心的推理長篇。
  • 青春をわれらに
    値引きあり
    -
    婿の周吉に社長の椅子を譲った南部友助は、閑暇な日常がもの足らず、とかく小言幸兵衛になりがちだ。この上は茶飲み友達でもあてがおうと、周吉夫婦が見合いのプランを立てた。一方、友助が昔世話をした女性が、用事あり気に突然現れた。前社長の面目にかけてもと友助は胸を叩く。見合いも進行、用事も進行。友助に青春は蘇るか。
  • 青い麦
    値引きあり
    -
    美しいブルターニュ海岸の自然描写の中に、思春期の男女の悩ましい官能の芽生えを、みずみずしいタッチで描き、詩的・音楽的な表現を得た、不朽の青春小説ーー。鋭い感覚で豊かな本能の流れを捉え、近代フランス女流文学の第一人者と称されるコレット中期の代表作。
  • ピーター・パン
    値引きあり
    4.5
    星のきれいな夜、妖精の粉をふりかけられて、ウェンディと二人の弟は、ピーターを先頭に窓から飛びだしました。行く先は、夢と冒険の島・ネバーランドです。そこには、ご存じ海賊フックが待ちうけています……。だれでも愛さずにはいられない、永遠に大人にならない少年=ピーター・パンを描いた、イギリスの名作童話。高杉一郎の名訳でお届けします!
  • 紅い喪服 佐野 洋 推理傑作選
    値引きあり
    -
    地方政界の大物政治家の夫人が死去し、葬儀の席に、真紅の喪服を着た女が現れ、参列者は度肝を抜かれた! 地元紙の記者はひそかに彼女のあとをつける……。はたして、この女の正体は? この表題作のほかに、「一等車の女」「冷えた茶」「穴」「拳銃を持つ女」「利口な女」「氷の眼」「仲のよい夫婦」「現代の貞女」「捨てられた女」「宣誓」を収録。
  • 常務会紛糾す
    値引きあり
    -
    ライバルを蹴落として、ついに勝ち取った役員の椅子。だが、このエリート集団の内部では、外部から想像すらできぬ牙を剥き出しにした死闘が、社の命運を懸けて繰り広げられていた。航空機汚職、中東危機、食糧戦争……、一流商社のトップが暗躍する役員室という密室の中で繰り広げられる暗闘、ビジネスの非情さ、男たちの夢を描く傑作企業小説。分厚いドアの向こうには地獄があった……。
  • 海に降る雪
    値引きあり
    -
    二人の愛の巣は線路ぎわ、電車が通るたびゆれる小さな部屋。大都会・東京のすみっこで結ばれて、青春をいちずに生きる、塩子と裕一のかけがえのない時間。だが、心のボタンをいつ掛け違えたのか。彼女が変ったのでも、彼がそむいたのでもないけれど、あんなにはずんでいた塩子が貝になる。……信じることの困難な現代に、愛の神話を希求する青春恋愛小説。こんな恋がめばえたら、あなたならどう育てますか?
  • 卑劣な耳(上)
    値引きあり
    -
    電話のべルが再び鳴った。「新聞の投書を読んだよ。ずいぶん偉そうなことを言ってるじゃないか」と見知らぬ男は言った。私は投書なんかしていない! なのに投書欄には私の名前が……。いったい、誰の仕業なのか? 平凡な一人暮らしのOL冴子を襲う不気味な電話、その正体を追う。ミステリーの名匠が、実際にあった盗聴事件を基に描く、迫真の長編サスペンス!
  • 光る砂
    値引きあり
    -
    一握の砂が見る向きによって沈んだり輝いたりするように、身の回りの些細な出来事も、光の当たる角度によって、まったく違う姿を見せる。私鉄沿線の新興住宅地のタウン誌『光る砂』編集部のスタッフが探る、日常の謎。そして、その身近な「謎」に潜む意外な真実の数々とは? ミステリーの名手ならではの爽快な読後感。9編の傑作連作ミステリー集。
  • 2(S+T)の物語
    値引きあり
    -
    「君はイニシャルがTSだろう。俺はSTなんだ」ーーふたりが初めて出会った夜、彼は嬉しそうにそう言った。白浜津矢子は、都内のマンションに住む女子大生。恋人の高場潜は、元鳶職で、趣味はなんと泥棒!?という正体不明の謎の男。絶妙の〈逆立ちコンビ〉が周辺で起こる事件の解決に乗り出して……。花の女子大生と元鳶職の青年コンビが難事件に挑む、痛快青春ミステリー。
  • 僕はいつも巻きこまれる
    値引きあり
    3.3
    買い物中の「僕」がいるコンビニで暴走車両の追突事故が発生。けれど巻きこまれて死亡した買い物客は、ナイフを持った強盗だった!?
  • 今夜、君に殺されたとしても
    値引きあり
    3.4
    ついに四人目が殺された。連続殺人の現場には謎の紐と鏡。逃亡中の容疑者は、女子高生・乙黒アザミ。僕の双子の妹だ。僕は匿っているアザミがなにより大切で、怖い。常識では測れない彼女を理解するため、僕は他の異常犯罪を調べ始める。だが、保健室の変人犯罪学者もお手上げの、安全な吸血事件の真相は予想もしないもので――。「ねぇ本当に殺したの」僕はまだ訊けずにいる。
  • 新装版 花怨
    値引きあり
    3.0
    父親を知らずに美しく成長してゆく奈々緒。色街で料亭を営む母・菊江とも別の家に暮らしていた。経済的には恵まれていたが、菊江が経済界の大物の元愛人だったことがわかる。そんな境遇に反発を覚えながらも、奈々緒は上流社会の生活を謳歌し始める。ところが菊江は、奈々緒が女学校卒業を間近に控えるころ、自分の眼鏡に適った男を聟として押し付けてくる。奈々緒は望まぬ結婚を受け入れるが、その先には想像を絶する悪夢が……。
  • 吠える炎
    値引きあり
    -
    「公開捜査すべし」と幼稚園児誘拐犯が、警察とマスコミに堂々と挑んだ不思議な事件。その奇妙な真相は…(表題作)。ありふれた自動車追突事故の裏にひそむ怪(「逃げる壁」)。ハム愛好家が、無線会話中の仲間の突然の死の謎を解く異色短編(「無許可殺人」)…。緻密な論理と鮮やかな意外性の、推理秀作6編。
  • 婦人科選手 佐野 洋 推理傑作選
    値引きあり
    3.0
    プロ野球の人気選手に瓜二つの男が、夜の街に出没した。その選手とは、芸能誌でさんざん浮き名を流すことになってしまったペガサス球団の田室だ。ニセ者は何が目的で、彼の名をかたったのか? その秘められた意外な真相を追求した表題作「婦人科選手」。外科医夫人殺害事件の予想だにできない結末を描いた「ある証拠」など、9編収録の傑作ミステリー短編集。
  • 犯罪総合大学
    値引きあり
    -
    実在した毒物殺人に刺激された女子大生の殺意(「文献学的事件」)、ガン宣告を巡る妻と夫の駆け引き(「医学的事件」)、青酸カリ殺人の怪(「薬学的事件」)、母を殺した男を追うOLの心の襞(「心理学的事件」)、飼い犬主人殺しの真相(「生物化学的事件」)、小学生と担任女教師の謎の関係とは(「教育学的事件」)――知性派作家による6つの大どんでん返しミステリー集。

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