港町しぐれた
  • 完結

港町しぐれた

275円 (税込)

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ふられる時には、共に移動してみる、
というやり方もある。

女と男がいて、別れが生じようとしている。
よくある話だ。別れは時に、唐突に訪れる。
別れ話、とは言うけれど、どちらかが決めてしまったら
決意はなかなか覆らない。
2人にとっての最後の時間を、日常ではなく、
列車や、ホテルや、自動車の中で過ごすことで
時間ばかりでなく、互いの中を流れていく何かがあるだろう。
もう二度と会わないのだとしても、
その「流れ」を2人はその時、確かに共有している。

【著者】
片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。81年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。

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