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空の彼方
王都レーギスの中心部からはずれた路地に、隠れるようにある防具屋[シャイニーテラス]。陽の光が差し込まない暗い店内に佇むのは、女主人ソラ。彼女の店には、訪れる客と必ずある約束をかわすルールがある。それは、生きて帰り、旅の出来事を彼女に語るというもの。店から出ることのできないソラは、旅人の帰りを待つことで彼らと共に世界を旅し、戻らぬ幼なじみを捜していた。 ある日、自由を求め貴族の身分を捨てた青年アルが店を訪れる。彼との出会いが、止まっていたソラの時間を動かすことになり――。これは、不思議な防具屋を舞台にした心洗われるファンタジー。 -
人質のジレンマ
それは夏休み前のちょっとしたイベントのはずだった。 地域交流を兼ねた学園祭の開催準備日。校庭中央に設置された“鳥カゴ”を模したステージの中から、少女は集まった学校関係者達に向かって《人質ゲーム》の開催を呼びかける。人質は自分、提示する条件が満たされれば人質は解放、受け入れられなければ、人質は死ぬ――。 提示された条件は《百人の共感者》、《罪を犯した教師の贖罪》、そして……《十人の自殺志願者》!? 目の前の人質を助けるために、貴方は何かを犠牲にできますか? 戦慄の《ジレンマゲーム》第2弾! -
探偵・花咲太郎は覆さない
ぼくの名前は花咲太郎。「推理は省いてショートカット」が信条の、犬猫探し専門探偵だ(しかもロリコン)。にもかかわらず、最愛の美少女・トウキは殺人事件を勝手に運んでくる。オネガイヤメテー。これは、そんな僕らの探偵物語だ。 -
不思議系上司の攻略法
梶原健二はしがないSE。その日も土曜日にも関わらず取引先に呼び出されていた。仕事が一段落した後、連れて行かれたのはよりによってメイド喫茶。しかし、健二はそこで 「カヨ」 と呼ばれるメイドと出会い、その献身さに一時の癒しを得たのだった……。 そして月曜日。グループ企業から派遣された年下の女性が健二たちのチームの上長として着任。露骨に煙たがる同僚たちをよそに、健二はまったく別の衝撃を受けていた。そう、その女性はメイドの 「カヨ」 に良く似ていて……!? なさそうでありそうな、新感覚オフィスラブストーリー。 -
探偵・日暮旅人の宝物
保育士の陽子は、相変わらず血のつながらない親子・旅人と灯衣の世話を焼くため、「探し物探偵事務所」 に通う日々を送っている。 ある日、陽子は夏休みを利用して大学時代の友人・牟加田の地元に旅行に出かけることになる。牟加田は陽子にお願いがあるという。それは、彼の恋人役を演じてほしいというものだった。戸惑う陽子だが、その頃旅人は熱で寝込んでいて――。 少年時代の思い出が切なく香る 『夏の日』 ほか、『六月の花嫁』 『犬の散歩道』 『愛しの麗羅』 『花の名前』 の5編を収録。愛を探す探偵の物語、セカンドシーズン開幕! -
探偵・日暮旅人の忘れ物
音、匂い、味、感触、温度、重さ、痛み。目に見えないモノを視る力を持った探偵・日暮旅人は、名字の違う娘・百代灯衣と暮らしながら、探し物専門の探偵事務所を営んでいる。 そんな旅人を 『アニキ』 と慕う青年ユキジは、旅人の“過去”を探していた。なぜ旅人は視覚以外の感覚を失ってしまったのか。ユキジが感じる胸騒ぎの理由とは――? 旅人とユキジの出会いを描く 『雪の道』、喫茶店のマスターに起こるささやかな奇跡を描いた 『森の調べ』、旅人の秘められた過去に迫る 『夢のぬくもり』ほか全5編を収録した、『愛』 を探す探偵の物語第3弾。 -
生贄のジレンマ
「今から3時間後にあなたたちは全員死にます。ただし生き残る方法もあります、それは生贄を捧げることです――」 卒業を間近に控えた高校生の篠原純一が数週間ぶりに登校してみると、何故か校庭には底の見えない巨大な“穴”が設置され、教室には登校拒否だった生徒を含むクラスメイト全員が揃っていた。 やがて正午と共に何者かから不可解なメッセージが告げられる。最初はタチの悪いイタズラだと思っていた篠原たちだが、最初の“犠牲者”が出たことにより、それは紛れもない事実であることを知り……。『殺戮ゲーム』 の著者・土橋真二郎、待望の新作!! -
ガーデン・ロスト
誰にでも、失いたくない楽園がある。息苦しいほどに幸せな安住の地。しかしだからこそ、それを失う痛みは耐え難いほどに切ない。 誰にでも優しいお人好しのエカ、漫画のキャラや俳優をダーリンと呼ぶマル、男装が似合いそうなオズ、毒舌家でどこか大人びているシバ。花園に生きる女子高生4人が過ごす青春のリアルな一瞬を、四季の移り変わりとともに鮮やかに切り取っていく。壊れやすく繊細な少女たちが、楽園に見るものは――。 『ミミズクと夜の王』 の紅玉いづきが挑む、初の現代小説 -
おとなりの晴明さん
一家で京都に引っ越してきた女子高生・桃花。隣に住んでいたのは、琥珀の髪と瞳をもつ青年・晴明さんだった。不思議な術で桃花の猫を助けてくれた晴明さんの正体は歴史に名を残す陰陽師・安倍晴明その人。晴明さんと桃花の前に現れるのは、優しい鬼や京都の街を守る平安京サル会議、美の御利益をもたらす女神様。晴明さんは、いつも憂鬱そうな顔で、けれど軽やかに不思議な世界の住人たちの願いを叶えていく。そして現世での案内係に任命された桃花も、晴明さんの術で思わぬ姿に変身して――。悠久の古都・京都で紡ぐ、あやかしファンタジー。 -
おかえりの神様
就職を機にひとりぼっちで上京した神谷千尋だが、その心は今にも折れそうだった。些細な不幸が積もり積もって、色々なことが空回り。誰かに相談したくても、今は深夜。周りを見回しても知り合いどころか人っこひとりもいない。……でも狸ならいた。寂しさのあまり連れ帰ってしまったその狸、なんと人の言葉を喋りだし、おまけに自分は神様だと言い出して……?? 『お嬢、いかがした? 何事かとそれがしに聞いて欲しそうな顔でござるな』 こうして一日の出来事を神様に聞かせる日課が誕生した。“なんでも話せる相手がいる”、その温かさをあなたにお届けいたします。 -
成巌寺せんねん食堂
長年勤めた小さな会社を退職した千束。部屋の掃除をすませ、鼻歌を歌いながら料理でも作ろうと考えていたとき、スマホが鳴った。 実家の父から、祖父が倒れたと聞き、慌てて北陸の実家に戻る。そこは名刹・成巌寺の仲見世で、三百年以上続く精進料理屋「せんねん食堂」。 寺と食堂を巡る騒動に巻き込まれた千束は、イケメン僧侶となった幼馴染み、清道&隆道兄弟と再会する――。 人気シリーズ『ちどり亭にようこそ』の十三湊による愉快痛快な新作、登場! -
放課後、君は優しい嘘をつく。
3年前の飛行機事故により両親を亡くし、また自身の足も不自由になったことで、すっかり心を閉ざしてしまった美しい少年・古賀春一。 全てを拒絶しながら引きこもる彼のもとに、突如現れたのはクラス委員を名乗る、同級生の彩楓だった。 その日から週に2日、古賀家に訪れるようになった彩楓は春一に拒まれながらも、懸命に歩み寄っていき――。 運命が巡り合わせた2人の男女。その真実が解き明かされたとき、涙がとまらない。愛と感動の物語。 -
七月のテロメアが尽きるまで
人付き合いを避け生きてきた高校生の内村秀は、ある日クラスメイトの飯山直佳が落としたUSBメモリを拾う。その中身、「遺書」を見てしまったことから、奇妙な交流は始まった。やがて秀は直佳が進行性の記憶障害を患い、自殺を願っていることを知り……。 「君が死ぬときは、僕も死ぬ。それが嫌なら君は生き続けろ」 「……内村くん、すごく馬鹿なこと言ってる自覚は?」 約束に隠された本当の想いを知った時、きっと最初からページをめくりたくなる。切なく美しい物語。 -
いつかきみに七月の雪を見せてあげる
いつかきみに、七月の雪を見せてあげる。あの日、彼女は青く光る海を見ながら、僕にそう約束してくれた――。あの人を、死なせたくなかった。だからわたしは『願い』をかけることにした。たとえそのために、何を代償にしようとも。『願い』を遺した彼女とそれを探す僕。死別した彼女の想い出を辿り、三年ぶりに鎌倉に帰郷した僕は、七月の雪に託された、彼女の『願い』の奇跡と巡り遭うことになる――。 -
花霞紅莉の怪異調書シリーズ
世にニ十冊しか存在しない奇書『眼球蠱聞(がんきゅうこぶん)』。その物語をなぞるかのように、博多区連続通り魔事件が発生する。捜査官の花霞紅莉(はながすみ あかり)は、見た目は小柄な新人刑事ながら、他人の仕草から嘘を見抜く能力があった。コンビを組む、切れ者ながら昼行灯の捌津茅晋助(はつがや しんすけ)と容疑者である高校生の自宅を訪れると、事件の鍵を握ると思われる『眼球蠱聞』と大量の人形を発見する。事件の真相に迫る二人は、日本庭園「仙願亭(せんがんてい)」に潜む、人形に纏わる怪異に蝕まれて行き……。 -
ひとり旅の神様
神崎結子・OL。ひとり暮らし、彼氏なし。とにかくとことんついてない。上司からは小言の連続、後輩はいまいち頼りない。そんな日常からの逃避行でたどり着いたのは、都心からは遠くて近い、鎌倉駅。そこで結子は、言葉を話す不思議な猫・ニャン太と出会う。自分を“旅を司る神”と名乗るその猫から頼まれたのは、日本の各地に住まう猫神様に文を届けること。どこか懐かしい土地へのひとり旅は、新たな発見の連続で――。日本の景色と食を巡る、心に優しいひとり旅の物語。 -
キミとまた、同じ空の下で。
美しい転校生・皆川ゆり子が東京からこの田舎町にきたのには、大きな病気を抱えているからという理由があった。そんなゆり子に女嫌いで有名なクラスのリーダー・渉が恋をした。夏祭り、バーベキュー、初キス。すべてが初体験のゆり子と渉の、淡く儚い恋愛がはじまったけど――。 ゆり子の親友・京子目線で語られる、輝く日々をおくる高校生たちの大号泣ラブストーリー。 第7回魔法のiらんど大賞〈金賞〉受賞、Rain書き下ろし。 電子特別版には、魔法のiらんど公式サイトに掲載された書きおろし短編『キミとまた、同じ空の下で。SS』を追加収録。物語は、まだゆり子が転校してくるより前。ゆり子に出会い、大切なものを知ることになる少年少女3人のお話。 -
時をめぐる少女
並木道の奥にある小さな広場では、未来や過去の自分に逢えるらしい――。その日、九歳の葉子の前に現れたのは、恋人と婚約したばかりだという将来の自分自身で……。母親との衝突、繰り返す転校、上手くいかない就活、そして不安が押し寄せる結婚。いつも悩んで涙をこぼしてばかり。だけど、そうしてめぐっていく時間の先に、「私」は幸せを手に入れたのだろうか? それぞれの時代、五月の憂鬱な一日。過去と未来が入り交じるこの特別な場所で、私はいつかの私と向かい合う。 -
兼業作家、八乙女累は充実している
突然の婚約破棄に昇進取り消し。完璧な人生を送っていたはずの大手通信会社営業職、八乙女累は人生のどん底に沈んでいた。そんな彼女にまさかの小説新人賞受賞の吉報が! 夢の作家生活がスタート!? と思いきや、待ち受けていたのはイケメン鬼編集の手厳しいダメ出しに山積みの本業タスク、そして容赦なく迫り来る締切だった! 覆面ベストセラー作家、索太郎の助言ももらいながら、どうにかOLと作家業の両立を目指す累だったが!? 兼業作家の泣き笑いを描く業界お仕事小説! -
一年前の君に、一年後の君と。
大切な彼女を事故で亡くし、絶望する臨床心理士の浅賀。ある日、彼のもとに「一年後の君と」という件名で紅葉の写真付きメールが届くが、それは一年前の日付からだった。もしかしたら……と考える浅賀だが、メールの差出人は「ark(アルケー)」と名乗る入院中の女子高生で、過去を変えることは不可能だった。そんな見知らぬ少女と不思議なやりとりをすることになった浅賀だが、彼女の明るさで傷ついた心が少しずつ癒されていく。だが、ある日、真実を知る日がやってきて……。 -
舞王
紅の衣を纏い、少年は未来を拓く。室町初期。将軍臨席のもと、大観衆を集めて行われた華やかな田楽興行で、見物の桟敷が崩れ落ち、数百人が死傷する惨事が起きる。戦災孤児の少年・犬弥はどさくさにまぎれ、死んだ舞い手・花夜叉の遺骸から美しい紅の衣を奪い取るが、そこから思いもかけなかった運命が開けてゆく。後世、天女舞の名手として世阿弥や足利義満に絶賛され、観阿弥とともに初期能楽に一時代を築いた犬王太夫の、傷つき、悩みながらも懸命に自分の生きる道を見い出そうとする波乱の少年時代を描く。 -
廻る素敵な隣人。
「ありがとうね、ヒーローくん」 幼い頃に助けた女の子が忘れられずヒーローに憧れる、わかりやすい男・金森将輔。でも、大人になった彼の現実は回転寿司店「まんぷく」で働くダメな副店長だった。横暴な店長にビビり、毎日毎日仕事漬けの社畜サラリーマン。ある日、そんな彼が部下のミスで謝罪に向かった先はアパートのお隣さん!? 「ほんまにありがとうね、金森さん」 素敵な隣人と知り合った将輔は「また誰かのヒーローになれるかもしれない」とダメな自分を変えようとするが……。わかりやすくて不器用な男の純情すぎる逆転劇が始まる。 -
タイムカプセル浪漫紀行
「探しに行こうよ、タイムカプセル!」考古学者である父の「遺跡ねつ造」事件で、同じ考古学者となる夢を砕かれた青年・英一。失意の日々を過ごす彼の前に現れたのは、10年前に亡くなった幼馴染の少女・明日香だった。驚く英一をよそに、明日香は10年前と同じ屈託のない笑顔で話しかけてくる。彼女は幽霊なのか。それともよく似た他人なのか。困惑しつつも英一は、明日香と共に「タイムカプセル探し」の旅に出るが――。 -
こちらの荷物、どうしますか?
武田光星が働く、アオバト引っ越しセンターには、緊急・深夜の引っ越しにも対応するサービスがある。今夜もアオバトのもとに仕事が舞い込んだ。若い夫婦、ワケありカップル、やる気のない大学生、険悪な親子――それまでの思い出と共に、住んでいた場所を出て行く依頼者たち。普通は本人たち以外が知ることのない空間で、思い出(荷物)を運び出すのがお仕事。そんな、真夜中の引っ越し屋さんが見つけたのは――。“人”と“モノ”を巡る、ほっこり優しい物語。 -
京都骨董ふしぎ夜話
京都祇園の路地裏にたたずむ「桃枝骨董店」。三代目店主未之助と弟子兼使用人の天草がいるこの店には、骨董品はもちろん、時には不用品や盗品といったものまで――、毎日不思議な“ご縁”が品物とともに舞い込んでくる。 京都に春が訪れたある日。大学進学のため、全寮制の高校を卒業した孫娘・光が7年ぶりに帰ってくる。と同時に、馴染みの刑事からある品物の問い合わせが入る。聞けば、事件がらみのいわく品で……。 百鬼夜行の気配ただよう町並に、人と物と人情が紡ぎだす、ちょっぴり不思議であったかいライトミステリ。 -
幸せの青い贈りもの
──この箱からは、人生を変える何かが出てきます。海沿いの街で将来の進路を悩む真由。海は広がっていてどこにでも繋がっているのに、自分は一生この街から出られないのか……。そんな想いを抱える中、見つけたのは不思議な文字が書かれていた箱。そこから出てきたのは、ガラス作家が作った、海が閉じ込められたペンダントだった。手作りの一点ものには作り手の想いが込められる。学生運動時代に手にした青い薔薇のハンカチーフ、太平洋戦争開戦直前、恋い焦がれた女性への最後の贈りもの……。これは、時代を越えて綴られる、繋がる想いを辿っていく物語。 -
奇人の頭を叩いてみれば
困ったさんばかりの学園で恋愛開始! 高2の戸島彦は両親の仕事の関係で、全寮制の桐生宮学園高等部に転校してきた。 この学園では、超問題児の不良達で作られる“チーム”が支配者のように振る舞っていて、“生徒会”とはいつも火花を散らしている。 そんな中、彦は転校初日から“チーム”相手に事件を起こしてしまい、最初から波乱の学園生活に! “チーム”相手に絶体絶命のピンチを迎えたりしながらも、たまたま寮で同室になったルームメイトが抱えている「とある問題」の解決に乗り出してから(正義のため!)事態は意外な方向へ──。 そんな彦には“チーム”の面々もペースを乱されてしまい、一方、彦の方にも“ロボット女”返上につながるような感情が芽生え始めて!? -
お仕事ガール!
がんばり屋なOL・時子は、いつもどこかツイてない。社会人3年目で会社が倒産。二十三社目の面接も手応えなし。彼氏からは放置され気味で、心の拠りどころもない。そんな人生迷子な時子に、人材急募の情報が舞い込んだ。そこは因縁のある大企業、しかも、なぜか受付嬢をすることになって――!? 緊張の初日早々、受付リーダーがまさかの遅刻。さらに顔色の悪い人事課社員、口の悪い鬼上司も絡んで、予想外のトラブルが続出して……。問題だらけの職場で、前途多難なお仕事がスタート! -
踊り場姫コンチェルト
全国大会を目指すべく、県立伊佐美高校吹奏楽部に入部した梶浦康規。真面目で正確な演奏しか取りえがない康規が命じられたのは、天才的な音楽の才能を持ちながら、破滅的な指揮を振りつづける問題児「踊り場姫」藤野楡を、まともな指揮者に生まれ変わらせることだった。周囲に関心がなく自分の思う指揮を振る楡には取りつく島もなく、演奏は空回りを続けるばかり。どうすれば、彼女と周囲の歯車とを噛み合わせることができるのか。コンチェルトを奏でることができるのか……。青春の踊り場にいる彼女と僕の、吹奏楽ストーリー。 -
まいごなぼくらの旅ごはん
体を壊して仕事をリタイアした颯太。とある理由から大学を休学中の、食いしん坊女子ひより。 人生迷子な二人は、亡き颯太の父が遺した小さな食堂『風来軒』で出会う。 町の人たちからとても愛されたこの食堂を存続させるため、二人は新たなメニューを探して旅に出る。 父の最期の料理はどこに? 幻の絶品コロッケの材料は? 東京から岩手の盛岡、そして北海道は美しい羊蹄山の麓、真狩村へ。 二人が歩む“おいしい旅”。元気になれるフード&ロードノベル、登場! -
アフターライフレストラン
ある街の外れ、あまり人が寄りつかない寂れた一角に、そのレストランは建っている。 世界各地のどんな料理もお手ものという天才オーナーシェフ、日辻。お客の料理にも手を出してしまう食いしん坊のウェイトレス、みづき。二人が働くその店は、立地の悪さにもかかわらず、今日も大勢の客で賑わう。美味なる料理に舌鼓を打ちながら、客たちはみな、楽しい顔つきで食事を楽しんでいる。 その店の名は、不老不死を意味する「ELIXIR」――。 これは、腹を空かせた幽霊たちがやってくる、風変わりなレストランの物語。 -
お近くの奇譚
「──ねえ、こんな話を知ってる?」 この町では、古風な黒電話がそこかしこに置かれている。そんな黒電話の向こうには、『カタリベ』と呼ばれる黒いフードを被った謎の人物がいた。 噂話の怪異。 それが『本当のこと』になるこの町で、『カタリベ』の黒い糸に導かれた少年と少女は、今日も奇妙な謎解きに挑む。 それは、『噂の語り替え』のために開かれる、すこし不思議なお茶会。 郷土を愛する皆様、この噂話を紐解くときは、お茶請けに甘いものをお忘れなく。 -
ココロ・ドリップ
そのカフェには、一風変わった飾り棚がある。 ここに並ぶ“贈り物”は誰のものでもないし、誰のものでもある。なにか気に入った物があれば持ち帰ることができるが、条件がひとつだけ。 “贈り物”を受け取った人間は、それと同じくらい価値のある物を、別の誰かへの“贈り物”として、飾り棚に残さなければならない。 このカフェは待合室なのだ。“贈り物”は人との出会いを待ち、人は“贈り物”との出会いを待つ。そしてときには“贈り物”が人と人とを繋ぐ。 香味豊かな一杯の珈琲のように、あなたに幸せなひとときをお届けする物語。 -
エキナカには神様がいる
知っているだろうか? 一日に数十万の人が利用している、東京の某ターミナル駅には「神様がいる」という噂がある。その神様はいつも、優しい目で私たちを見守ってくれている。 理不尽な上司の元で激務をこなし、疲労困憊の会社員。金を無心してくる元彼につきまとわれて悩んでいる女性。一人ぼっちでエキナカを寂しげに徘徊する小学生。記憶を失って行き場のない老女……。そんな彼らを、「エキナカの神様」は決して見放さない。 -
隣人の死体は、何曜日に捨てればいいですか?
凶悪事件が後を絶たない状況を受け、日本政府が新たな法律を施行した。5人組――それは隣近所の5世帯が、犯した罪に連帯して処されるというもの。そんな中、5人組の班長に任命された来栖克明の隣に住む、真鍋老人が殺された。しかも、殺したのは同じ5人組の正体不明の人物。井辻という男らしく……。このままでは、ほかの5人組のメンバー全員が殺人罪に問われてしまう……。 ごく普通の平凡な生活から一変、ここから狂気の日々が始まった。近所を徘徊する不審者、来栖の娘に忍び寄るストーカーの影、謎が事件を呼ぶ、猟奇ミステリー。 -
おきつねさまのティータイム
心休まる洒落た雰囲気の紅茶専門店マチノワでは、女の姿に化けた狐が紅茶を出してくれるという――。 実は、トウカという名で呼ばれる彼女、紅茶を淹れるのが苦手。客に紅茶をつくるのは、もっぱら尼子拓巳という青年の役割だった。 そんな店を訪れるのは、悩みやトラブルを抱えた客ばかり。お節介焼きのトウカと、そんな彼女に呆れつつもフォローする拓巳。いいコンビに見える二人だが、実は――。 これは、人を騙すことがきわめて下手な狐と、人を騙して生きてきた詐欺師との、嘘と紅茶にまつわる物語である。 -
逢魔ヶ時あやいと倶楽部
雪のように白い肌。黒檀のように黒い髪。血のように赤い唇。その美少女の名は、紫榊銘といった。彼女は、感情が高ぶると、無意識に妖怪を“召喚”してしまう体質であった。制御できない妖怪に狙われる銘。そんな彼女を守るため、『弁慶』と名乗る少年が付き従う。彼の正体は、“社人形”―少年の姿をした対妖怪用呪術戦闘機。銘の日常が、『非日常』に変わる―。これは、不思議な学園異能奇譚。 -
サッポロ無職グラフィティ
真夏の札幌。就活中の万里裕輔は、昔のバイト仲間に誘われて、最近話題の「地下鉄車両に描かれたアート落書き」の清掃バイトに参加することになる。就職面接連敗中の万里と同じく、知り合いたちも相変わらずの無職揃いだった。 そんな万里たちは、清掃責任者からの報酬に目がくらみ、落書き犯を捜すことに。札幌市内を南北、東西に走る二つの地下鉄。それぞれの落書きを調べていくうちに、万里たちは思わぬ真相にたどり着く。 フリーター、就活中の大学生、不良たちから女子高生まで、若者たちが札幌の街を駆け抜ける! 『無職』×『青春』グラフィティ! -
ぼくたちのなつやすみ
久しぶりに帰ってきた故郷。思い出すのは、とある事件をきっかけに離ればなれになってしまった子供時代の仲間たち。タケオ、モミジ、ウミ、カイ、そして猫のニャン太。ふと気づくと、僕はなぜか小学三年生のあの時代にやってきていて――。そして再び大事な仲間たちに出会った僕は、あの事件、神社の近くにあった“秘密基地”が焼失してしまった悲しい想い出を阻止するべく動き出す。でも、僕の記憶していたなつやすみの出来事とは少しずつズレたことが起こり始め、ついに事件が起こった日を迎えることになったんだ――。これは、僕が仲間たちと失われた絆を取り戻す物語。 -
ソラの星
いまどきありえない行き倒れの少女を拾った僕。それがソラという不思議な女の子との出会いだった。 この子、初めて会うタイプだ。やけに偉そうな老成した喋り方をするし、とにかくよく食べる。しかも「恐ろしい組織に私は追われている」とまことしやかに言う始末。かわいいのに、残念な子だった。 奔放なソラの行動はとどまらない。何にでも興味を示す彼女の標的となったのは噂の「死を予知する猫」。彼女はこの不思議な現象を解明できると意気込むけど。そう、これがあの恐ろしくも不思議な事件の始まりだったんだ。 -
便利屋 池福楼KEEPERS
池袋西口から徒歩5分、怪しげなビルの一角。そこには絶対任務遂行を謳い、ワケありの人々が駆け込む謎の便利屋がある──。 久しぶりに池袋にある実家の名門塾“池福楼”に帰省した大学生の凛子。しかし、なぜかそこは怪しい便利屋“池福楼KEEPERS”へと様変わりしていた。塾を継いだはずの兄は不在。店は従業員だという正体不明なイケメン4人組が経営していた。イケメン4人組から実家を取り戻すため、正体を隠して便利屋で働くことにした凛子だが、次々とオカシな依頼が舞い込んできて──!? -
推定未来
決められた未来はない──だが、予測できる未来はある。どんな瑣末なデータからも予測した犯罪を未然に防ぐという警視庁の眉唾部署・捜査一課犯罪未然防止対策係──通称「ミゼン」に転属となってしまった巡査部長の君島透。 ミゼンのことを胡散臭いと疑う彼だったが、そんな男をスカウトしたのは「人の不幸を呼ぶ女」と噂されながらも、犯罪防止を信じて疑わない若き美人係長・如月美姫だった。困惑しながらも如月の下で事件を追う君島だったが、やがてある真実へと辿り着く……。 果たして、二人が出会ったのは予測可能な未来だったのか、それとも──。 -
海の上の博物館
瀬戸内海に浮かぶ小さな島に建つ、茅埜辺市立博物館。遠くから見る光景は、まるでキラキラと輝く海に浮かんでいるかのよう。美しい自然に囲まれたその博物館では、個性豊かな学芸員たちが日々、懸命(?)に働いている。 いつも釣りばかりしている高垣館長、熊のような体格で無口な青年・秋吉、ニコニコしていて人当たりはいいが、ひ弱さ全開の桐谷……。 そんな人々に囲まれ、臨時職員として働きはじめたばかりの新人女子・若菜は、悪戦苦闘しながら成長していく。 憧れていた「博物館の学芸員」って、けっこう大変な仕事なんだなぁ~~~! -
妄想ジョナさん。
これは、自らの妄想と現実の区別がつかない大学生 『僕』 の物語だ。大学一年生の春、恋する僕は確かに幸せだった。憧れの人が、自分の妄想の産物だと気付くまでは。大学二年の秋、傷心から立ち直れない僕の前にひとりの女性が現れる。その名はジョナさん。彼女もまた僕の妄想の産物だ。驚いたことに彼女は、僕を妄想から解放すると宣言した。 自らの妄想に導かれ、壮大な脱妄想計画が幕を開ける! 大学キャンパスがロンドンに変じ、ラブホテルが魔王の城と化す、妄想にまみれた東京多摩市で展開する、騒々しくも切なく、悲しくも情けない恋の物語。 -
思春期テレパス
学校で話題になった一つの噂。「そのサイトに空メール送ると、友達の“本音”を教えてくれるんだって」 秀才の大地、お調子者の学、そしてさばさば女子の翼は、帰宅部3人組。自然と集まってダラダラ時間を過ごす、心地良い距離感の友達だった。 だけど、夏祭りの夜――。 ふざけて登録した例のサイトから、一通のメールが届く。それは、翼の恋の本音――。 その気持ちを知った時から、彼らの距離は変わっていく。大人でも子供でもない時間、思春期というネバーランドは、もう彼らを待ってはくれないのだ。苦くて切なくて、でも温かい、高校生達の青春物語。 -
嘘つき探偵・椎名誠十郎
失踪した親友の捜索依頼のため、自由が丘にある「椎名探偵事務所」を訪れた千脇奏。 彼女が出会ったのは、およそ探偵らしくない甘いフェイスの「嘘つき探偵」こと所長の椎名誠十郎――美人に甘いペテン師だが、巧みな話術と嘘を使うことで真実を見抜き、依頼を即解決するという元恋愛詐欺師の凄腕探偵である。 彼の相棒は、堅物の元エリート刑事・明神秋馬。彼らは、世を騒がせた、通称「嘘憑き事件」を捜査しているらしい。 そんな凸凹コンビに目を付けられた奏は、依頼人にもかかわらず捜査を手伝わされるのだが、親友が絡む事件は思わぬ方向に転がり始め……!? -
神のゴミ箱
ある日。とあるアパートの住人、神 喜助(じん きすけ)のゴミ箱の中身が、ひとりでに増えた。ここの住人の誰かのゴミが、何故か転送されてきている。糸くず、美しい髪の毛、小説の下書き、そして『恥ずかしいポエム』。 しかし、読んでいるこちらが赤面するそのポエムは、どうやら『遺書』らしい。つまり、ここの住人の誰かが、死のうとしている? 自殺防止に奔走したり、女子中学生の援助交際を諭したり。 神(のゴミ箱)のお告げにより、退屈だった彼の人生は、ささやかに動き始めた。 これは、『どこかとつながっている』ゴミ箱を巡る、すこし不思議な住人たちの物語。 -
雨ときどき、編集者
出版不況にあえぐ大手出版社『仙葉書房』。そこに勤める中堅文芸編集者・真壁のもとに、一通の手紙が舞い込んだ。それは、新人時代からいがみ合いながら共に成長してきた担当作家・樫木重昂からの『遅れてきた遺言』。「真壁、俺の本を親父に届けてくれ――」。 樫木の父親は生粋のドイツ人。日本文学は読むことができないため、作品を翻訳する必要があった。真壁は『遺言』を胸に、超マイナー言語である日本語で書かれた『名作』を、世界に羽ばたかせる決意をする。出版業界と翻訳業界の狭間で東奔西走する文芸編集者の苦悩、その行く末は……!? -
パントロジスト
超常現象・心霊現象、何でもご相談ください――。 扉にそんな貼り紙がされたマンションの一室に住む、パントロジストと名乗る青年・三枝ジョー。不器用だが、優しく物静かな彼のもとには、信じられないような依頼が次々と舞い込んでくる。 宇宙人に誘拐されたと訴える少女。百発百中の予言に動揺する中学生。誰もいないはずの部屋でピアノが演奏されて怖がる夫婦……。 奇怪な現象に隠された秘密とは? パントロジストは冷静に分析し、誰も気づかない真実を追究していく――。 人間の心の 「不可思議さ」 を描く、ミステリアスな物語。 -
舞妓さんと怪盗大旦那
福井の田舎から祇園へ出てきた一花。どこかどんくさい少女で、やっと仕込みから舞妓になれたばかり。 お座敷は失敗の連続。落ち込む一花が夜道で出くわしたのが、なんと怪盗だった。怪盗夜行──最近、京を騒がす義賊である。人の好い一花は、追われている夜行を逃がす手助けをするのだった。 その日から、一花の運勢は上向いていく。なぜか、一花をひいきにする青年が現れたのだ。石川総司は若くして祇園の大旦那と呼ばれる青年実業家。だが、禍福はあざなえる縄のごとし。時を同じくして、一花は驚くような事件にまきこまれていくのだった。 -
彼女と僕の伝奇的学問
明応大学・民間伝承研究会のメンバーは、ある日 『実地調査(フィールドワーク)』 のため、山奥にある葦加賀村を訪れた。高校からの知り合いである新垣七海の誘いで会員になった民俗学初心者の大学1年・能美啓介はその矢先、白いワンピースを着た謎の人影を目撃する。彼女に大学の同級生 「弓立桜花」 の面影を見た啓介は、訝しみながらも村で行われる祭事のリサーチを進めていく。 だが村の人々と交流を深めるうち、彼らは村人たちに不審な点があることに気づく。深夜の謎のかがり火、メンバー以外のよそ者に対する過剰な反応……。 果たして《祭事》に秘められた真相とは。そして啓介が見た人物との関係は――!? -
華麗なる絵魂術師の面倒事
各地を訪れながら襖絵や屏風絵を描き、生計を立てる画学生の舟木和豊。彼は、不思議な力を持っている。 描いた絵に魂を“与え”、また生きているものの魂を絵に“封じ込める”こともできる「絵魂術」。この怪しの術を幼少時代に会得した和豊だが、能力はひっそりと隠しながら暮らしてきた。 旅のお供は、不思議な“喋る”学生帽、無邪気な愛弟子・サナ。そんな三人(?)が赴いた先で何故か次から次へと事件が舞い込んでくる。その陰に見え隠れするのは、かつての恩師の姿で――!? 優しく、心温まる人情物語の幕開け。 -
不良少年と彼女の関係
有名チームのヘッド拳児。バイクを駆る、鋭いまなざしに憧れる後輩は数知れず。数々の伝説を作ったらしいが、今はただの人。というか、それ以下のプータローだった。 そんな彼が、ひょんなことからセレブの代名詞紅堂家で働くことに。しかも超がつくお嬢様の専属執事だという。 紅堂家令嬢の朱乃は気品あふれる美少女だが、やや人見知りで内弁慶。だがデリカシーという言葉とは無縁の拳児はお構いなし。 かくして違った意味で火花を散らす主従が誕生! これで事件が起こらぬ訳がなく!? コミカルなハートウォーミングストーリー。 -
特急便ガール!
上司をぶん殴って一流商社を辞めた元OL、吉原陶子。同僚のツテであるバイク便運営会社に身を置くことになるが……職場の人々はとんでもなく個性的なメンツばかりだった! 常に寝ぐせがついたままの社長・如月。強面で口の悪い“人間カーナビ”・菅野。少女趣味な女性ライダー・さおりん。そして、宣伝部長・大谷さん(オカメインコ)――。若干引きつつも長距離の荷物を手持ちで運ぶ 「ハンドキャリー便」 担当として仕事を始めた陶子だったが、あるときそんな彼らの個性をも凌駕する 「ある能力」 を身につけてしまい―― !? 荷物をめぐって東奔西走! 異色のヒューマンドラマ。
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