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就職を機にひとりぼっちで上京した神谷千尋だが、その心は今にも折れそうだった。些細な不幸が積もり積もって、色々なことが空回り。誰かに相談したくても、今は深夜。周りを見回しても知り合いどころか人っこひとりもいない。……でも狸ならいた。寂しさのあまり連れ帰ってしまったその狸、なんと人の言葉を喋りだし、おまけに自分は神様だと言い出して……?? 『お嬢、いかがした? 何事かとそれがしに聞いて欲しそうな顔でござるな』 こうして一日の出来事を神様に聞かせる日課が誕生した。“なんでも話せる相手がいる”、その温かさをあなたにお届けいたします。
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Posted by ブクログ
マヨネーズと銭湯好きの狸と晩酌とチョコレート好きのビーバーの話。
いや、神様なんだけど(笑)
それにしても狸はまあいいとしてなんでビーバー?
日本ならカワウソでしょうに(笑)
でも、いいなあ、こんな神様。
うちにもいて欲しい。
物語的には大人の恋物語。
4人の互いに顔見知りの主人公たちの短編連作。
いろんな恋模様があるけど、個人的には子供の時に出逢ったレンちゃんをずっと想う鳥居くんの話がなんとも切ない。
それが男だったというオチに一旦笑ったのだけど、実はウソで、本当はもう亡くなっているという事実がなんとも。
これ、いつか本人に本当の事がわかる時がくるんだろうか?
布袋さんはちゃんと打ち明けたほうがいいと思うけどなあ。
で、そんな恋愛に悩む大人たちに神様はというと、何をしてくれるでもなく、ただ話を聞いてくれるだけ。
でも、悩んだとき、落ち込んだとき、困った時、その想いを話せる相手がいるっていうのは幸せだよなあ。
それだけで、涙が出るほど嬉しいこともある。
うん、やっぱり、うちにもこないかな。
そして神様は、幸せになってもう自分が必要になくなった時にはさりげなく去って行く。
おー、まさしくヒーローじゃないか!(笑)
どこかで何にでもマヨネーズをかけて食べる風呂好きの青年や、ホールのチョコケーキを平らげている原宿系少女を見かけたら、いい事あるかも(笑)
Posted by ブクログ
表紙でほっこり、読んでまたほっこりと癒される連作短編集です。
出雲に神様が集まる神無月の頃、橋の上を一陣の風(神渡し)が通り抜け…。山の神と川の神が、縁結びの神から「暇なら一人でもいいから縁を結んできてほしい」と依頼されます。
山の神様(たぬき)の言葉はなぜか武士語(〜でござる、それがし、等)、川の神様(ビーバー)はなぜか花魁語(〜でありんす、わちき、等)で、男女4人に関わります。
ただこの神様、何をするでもなく、「悩み苦しむ自分のそばに居てくれる誰か」なのです。たまにポロッと話す言葉が、心にスッと入り沁みていく妙な説得力があるのでした。
著者があとがきで記している通り、「そばにはいるけど何もしない」のは手抜きのようだけど、実は一番してあげることの難しい優しさかもしれません。
老若男女、いつでもどこでも楽しめる一冊だと思います。
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