hanaさんのレビュー一覧
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猫探偵・正太郎。
居なくなった猫を探す、探偵の正太郎さんが主人公の物語だと思って読みはじめたら……猫の名前が正太郎でした。
作者の作品は、「RIKO」と「聖なる黒夜」しか読んだことがなかった事もあり、まさか主人公が猫とは。
麻生龍太郎に山内練を書いた人が、黒白猫の正太郎ですよ。幅広すぎ。なんかため息が出ちゃいました。柴田さんスゴイです。もう、尊敬です。
ファンタジーとも違いますが、なかなか面白かったです。
謎解きのトーマの件とか、ちょっとムリではと思うところもあるものの、正太郎たちなら許せるというか、物語として楽しんで読めて満足‼︎
優しくて切ない癒してくれるミステリーですね。...続きを読む -
アルスラーン戦記の作者、田中芳樹氏の作品。
頭脳明晰、超美人、スーパーモデル並みのスタイル、裕福な家庭のお嬢様で、天から二物も三物も与えられているけれど、とにかく邪悪で自己中で暴君のような女 薬師寺涼子警視。
イケメン、剣道三段、極々普通の常識人 泉田準一郎警部補。
この二人を中心に物語は展開します。
オカルト系とかサイコ系とか刑事物も色々ありますが、私にとってこの作品は初めてのタイプ。
怪奇・爆走刑事ミステリーとでも言えば良いのか、とにかくハチャメチャです。
あり得ない‼︎ 内容ですが、なぜか許せてしまう、あららと思わず笑ってしまうこともたびたび。
面白かったです。スカッと...続きを読む -
ラストライン4作目は、「警視庁犯罪被害者支援課」とのコラボレーション作品、いわゆる企画物です。
ラストラインは、今までも他作品の登場人物達が、名前だけのものも含めるとかなり登場していたので、お得感のある作品だなぁと思っていましたが、今回はガッツリとタックを組むわけですからね、岩倉と村野、2人の活躍がどういう展開を生むのか期待して読み始めました。
物語は、10年前の女子高生失踪事件を軸に、家族崩壊を描くというなかなかヘビーな内容ですが、期待どおり読み応えがあり十分楽しめました。
ラストラインは、西川・沖田コンビともコラボしているとのこと、そちらも早速読んでみようと思います。
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いつもとは違うオープニング、事件捜査と達也の催眠治療の様子を交互に追いながら展開する中盤、そしてあまりにも悲しすぎるラスト。
今作は読み続けるのが本当に辛く切なくて、何度も中断しました。
麻希の元恋人で、今や上司にして同志でもある広田達也が、椿聖一郎の策略により心を破壊され廃人同様となってしまった他、その隙をついてスパイを送り込まれ捜査も撹乱されてしまいます。
前作では新人手塚が殺されかけ瀕死の重症を負っており、八係に残る麻希、原田、鍋島の三人にも椿の魔の手が迫る気配……
原麻希シリーズは、12作目にして最大最悪のピンチを迎えてしまいます。
そんな中、公安部との共闘でようやく反撃を開...続きを読む -
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原麻希の最新シリーズ、その第一作目を読みました。
今作は、足を使った地道な捜査を積み重ねる麻希や八係の姿が特に印象的で、「刑事」感が際立った作品であった様に思います。
新人でありながらいきなり大ピンチを迎える「手塚」が今回の主役(⁉︎)でしたが、その手塚を気遣う麻希の姿が大人で、脇に回った彼女も新鮮で良かったです。
今回は右翼が相手、「椿教官」と言うシンボリックな人物が登場するなど、ついつい第一シリーズの左翼、「リクルーター」を思い出し、そちらも改めて読み返してしまいました。
バリバリの硬派で、付け入る隙もない感じが不気味で恐い「椿教官」に麻希達がどう立ち向かうのか、今後の...続きを読む -
下巻の始まりは戦闘中のガザ。
そこに置き去りにされた加奈子と、その彼女を連れて逃げ延びようとするサレー。
迫力の戦場シーンはさすがで、その後の展開を期待させます。
展開が目まぐるしく登場人物も多数、そのせいか犯人逮捕直前まではバタバタして逆に中だるみな感じも受けますが、一転、犯人逮捕時は特に女性の活躍が目立ち、いつも通りの派手な展開ながらピリッとしまって事件解決を迎えます。
そして終盤、警視庁退職のピンチを迎える達也と麻希。また、加奈子帰国の真相が明からかになるなか、シリーズは思った以上の穏やかで感動的なクライマックスを迎えます。
何だかんだ言って、結局面白く読ませていた...続きを読む -
アゲハが困難を乗り越えて、麻希とその家族に復讐するため日本に帰国していた⁉︎
物語は、8年前の事件を模倣した新たな事件を追う展開で進みます。
前半は、前の事件(「アゲハ」参照)と比べてしまい、今ひとつ感が否めませんでしたが、一転後半は、超法規的措置によるアゲハ解放の真相が明らかになり、舞台も一気にイスラエルのガザへ。
ラストシーンはさすがの迫力で、ハラハラドキドキしながら読み終えましたが・・・・・アゲハへの仕打ちがあまりにも切なく悲しい。
この後、「蝶の帰還」下巻に続きますが、則夫の更なる暗躍や優香(達也の妻)の登場、そして麻希とアゲハの運命はどうなるのか?
色々盛りだくさん...続きを読む -
グッド👍
原麻希シリーズ2作目。やっぱりおもしろい。
スピード感ある内容で、前作同様一気に読み終えました。
複雑に絡み合う人間関係とそこに潜み発生する事件。そして、その隙間に入り込む神出鬼没の背望会リクルーターと麻希達の攻防。
劇画タッチのストーリー展開で、ハラハラドキドキの場面に思わず笑っちゃう家族の揉め事を絡めていたり、そんな刑事いる?と思う様な関西のオバちゃんやオジさんが登場したりとクールになりすぎないところもこの作品の良いところ。
リクルーターってもしかして麻希のストーカー⁉︎ と思ってしまうほど彼が麻希に固執するのは何故?
麻希の家族の今後の展開はどうなるの?
などなど気になる...続きを読む -
ぜひご一読を
記念すべき原麻希シリーズ第1作目。
異色の女性警察官 原麻希が天才的な捜査能力と男顔負けの行動力で難事件を解決に導いていく。
警察官と言う職業柄、生真面目でお堅い女性かと思いきや、そこそこ軟派なヒロイン麻希。
歳の離れた夫とその連子(夫よりも歳が近い)、おませな一人娘、元カレ等々ヒロインに勝るとも劣らない魅力的な登場人物達と繰り広げるのは、警察崩壊を企むテロリストとの命をかけた攻防というなかなかのストーリー展開。
最後は可愛く乙女な麻希に変身⁉︎ととにかく面白かったです。
ストーリーのテンポの良さもあり、あっという間に読み終えてしまいました。
女性作の警察ものは初めてでしたが、「あ...続きを読む -
おススメです‼️
合冊版、しかも11冊分。
正直、読み終えるまで何日かかるんだろうと、購入後、若干不安を覚えたのですが、物語自体にスピード感があり、読み始めたら次が気になってしまってあっという間に読了しました。
面白かったです。
中心となる厚田班の面々、これがいい奴ばかりでチームワークも◎、後半から加わる御子柴が若干難ありですが、そこはご愛嬌のレベル。
班全員で事件解決に奮闘する姿に胸が熱くなります。
厚田班をサポートするメンバーや、ヒロイン比奈子を取り巻く人達もとにかく心優しい素敵な人ばかり。この作品の最大の良さがそこだと思います。
ホラー小説というだけあって、猟奇的なシーンも多々有りますが、...続きを読む -
ハードボイルドです
八神瑛子シリーズの4作目。
前作で、夫殺害の真相に辿り着き、自分なりの落とし前をつけた瑛子。
もしかしたらシリーズはこれで終了⁉︎と思っていましたが、待望の続刊。
どんな展開になるのかとワクワクして読み始めましたが、ある意味期待を裏切られました。
これはもうこてこてのハードボイルド、ヤクザにチャイニーズマフィアに公安。後半は襲撃に次ぐ襲撃で人が死ぬわ死ぬわ。前作までのハラハラドキドキとは比べものにならないほど激しく、何度となく読む手を止めてしまいました。
活躍に期待しつつ、心身ともに痛めつけられる瑛子に心が痛む反面、悪に立ち向かうその姿はカッコ良すぎて痺れます。
また、気になってい...続きを読む -
今回も👍
「警官の貌」に続くアンソロジー集。
前作がとても良かったので、早速こちらも読んでみましたが、さすが期待を裏切りませんでした。
今野敏氏:好きなシリーズの短編
萩尾警部補もの、特に短篇は人情味アッ
プで◎
五十嵐貴久氏:私にとってはお初の作家さん。
途中、あまりにやるせない話で読む
のが辛くなりましたが、終わってみ
れば感動
三羽省吾氏:こちらもお初でしたが、後味の良い、
心暖まる話。
主人公の佐田も良かったですが、脇役
の那智、いい味出してました。
誉田哲也氏:正直、「裏切り」...続きを読む -
本庁捜査一課から所轄の南太田署に赴任した岩倉。
赴任の理由は、サイバー犯罪対策課からその脳を狙われたから⁉︎
???と思われた方、早速読んでみて下さい。
決して、異色の刑事物じゃありません。王道の刑事物です。
赴任早々、事件勃発。
捜査を先導する捜査一課の刑事と対立するも、粘りの捜査で真実にたどり着こうとする岩倉。
定年まであと10年と言いつつ、精力的に捜査に奔走する姿は渋くてカッコいいです。
家庭はとっくに崩壊していても、癒してくれる若い彼女がいたりと、私生活もなかなかやり手のようで、良い意味で色気のある男です。(ちょっと褒めすぎかなぁ)
文春に連載されていた小説なんです...続きを読む -
シリーズ最終作は、児童虐待という今までで一番重たく悲しい事件の捜査。
自分と優斗の姿を重ね合わせ、いつになく冷静さを失い心乱れる大友だが、家族や仲間達に支えられ事件解決に奔走する。
最終作に相応しく⁉︎、まさにオールスター総出演。優斗に柴、敦美は当然のことながら、お久しぶりの福原、後山、聖子さん、他作品の村野や岩倉に名前だけの登場ではあるが西川に沖田と、出てくるたびに「わぁ、豪華」と得した気分になった。
読んでいてかなりヘビーな展開だった(辛かった)が、出演者に救われた感じがある。
全作読んでみて、アナザーフェイスはやっぱり良かった‼︎
これから読む方、途中まで読んだ方、ぜひ...続きを読む -
今作は、福岡県警の皆川が主人公。
児童誘拐事件を解決すべく奮闘する物語。
いったい誰が犯人で、何が目的の誘拐なのか。
事件は二転三転し、関わる人間も多くて、なかなか全容は見えてきませんでした。
しかし、解決してみれば、その真相は信じ難く、家族を崩壊へと導くもので、後味の悪さでいっぱいになってしまいました。
重厚で読み応え充分でしたが、正直、読み疲れは否めません。
それでも不思議と読みたくなるのですよね、堂場さんの作品って。
主軸となる物語(神谷と凛の関係も含む)が結構重たいせいか、スピンオフも自然と重たくなるのかなぁ?
まだ3作品ほどあるようなので、覚悟して⁉︎全部読破したいと...続きを読む -
久しぶりに正統派の警察小説を読んだなという感じです。
定年間近の刑事が、ひたすら「地取り」を繰り返しつつ、長年の経験とその中で培われた刑事の勘を頼りに犯人に迫って行く。派手さは無いけれど、本当に読み応えのある一冊でした。
ラストのどんでん返しもお見事、面白かったです。
シリーズ作品の様なので、そちらもぜひ読んでみたいと思います。 -
エピソード0から順に読み続けてきたが、私的には今作が一番面白かった。
取り調べを重ねる中、明らかになる真相は、ヤクザに半グレ、容疑者強奪からの奪還、犯人逮捕時の大捕物、最後は検事の不祥事と、盛りだくさんの内容で展開もスピーディー、十分楽しめた。
ラストには、後山が警視庁を去ると言うオマケ付きで、シリーズもあと2作となった今、刑事としての大友鉄、父親としての大友鉄が今後どうなっていくのか、色々と想像したり推理したり、別の意味でも楽しんでいる。
それにしても、大友は狙撃された後、爆破に巻き込まれたり、今作では後頭部を殴られ、一時意識を失うなど、そこそこ危険な目に遭っているのだが・・・「そ...続きを読む -
盗みの話も良いです!
「常習犯」と言う短編を事前に読み、それが良い作品だったので他にも作品がないかと探していたところ、シリーズ化している事を知り早速読んでみました。
警察小説と言うと、どうしても「殺人」がメインですが、こちらは「盗み」がメイン。
主人公のハギさんこと萩尾警部補が、相棒の武田秋穂巡査部長とともに3件の窃盗・強盗事件の謎に挑みます。
正直、盗みがメインの話とはどんな展開になるのか興味もあったのですが、面白く、人情味もあって、心に染みる後味の良い内容で、本当にいい意味で期待を裏切られました。
ハギさんの長年の経験と勘、そして捜査三課としての誇りと意地が、捜査を解決へと導いていきます。
勿論そこには、相棒...続きを読む -
怪我の療養のため長野に里帰りしていた大友鉄。
その大友のもとを訪れるため、高速バスに乗った息子の優斗が突如行方不明となる。
幸い優斗は無事に見つかるが、実は、監禁・拉致だった事が判明して困惑する大友。
更に事件は、埼玉、長野両県警にまたがり、面倒な展開となっていく。
優斗の出番が多く、大友の父としての顔がいつもより鮮明に描かれていた様に思いますが、それでもエピソード1から順に読んできた者としては、更に刑事色が強い作品になってきたなと感じます。
捜査の展開にどんどん引き込まれてしまい、特に中盤からはあっという間に読み終えてしまいました。
ラストには、久しぶりに福原も登場して、捜査...続きを読む -
検証捜査の兄弟編とのレビューを見て読みました。
当然、検証捜査特命班メンバーの桜内が主役だと思っていたのに、なんと主役はその上司、若林。
部下に恵まれず、彼らの失態続きでほぼほぼ出世の道を絶たれてしまった気の毒な男です。
が、この若林、それでめげる様な男ではありませんでした。
空気を読まない、野心や情熱をたっぷり持ったウザいおじさん刑事だったのです。
前半は、若林一人が空回り・暴走している感じが好きになれず、読むのも停滞してしまいましたが、中盤から後半、特にラストにかけては流石の迫力とスピード感で、あっという間に読み終えてしまいました。
好きなれないキャラの主役若林でしたが、何...続きを読む -
怪しげな団体、SCアカデミーが主催する自己啓発セミナーへ通う人気女子アナの秋子。
秋子の彼氏はセレブな青年実業家、岩谷。
その岩谷は、SCアカデミー会長の白鷺と知り合いで・・・
絶対何かあるよね!と期待させるシチュエーション。
フグ毒だのSMだのと次から次に出てくる仕掛けにビックリしたり感心したり。
犯人は大体予想のつく展開でしたが、それでも十分に面白く楽しめました。
STの活躍も見事でしたが、それをフォローする捜査一課の菊川が良い味出してました。
皮肉屋で横柄なオジさんだけど、物語を引き締めるのには欠かせない存在です。
次はどんな事件展開? STメンバーと菊川はどう絡んで...続きを読む -
百舌シリーズを読むにあたり、エピソード0的物語があると知り.「まずはそこからでしょ」と早速手にした一冊は、男臭く、久々にハードボイルドを読んだ満足感でいっぱいだ。
それにしても、虚しく悲しいラスト。
最初から最後まで裏切りの連鎖、まさに一寸先は闇。
確かに桂田は悪いことに手を染めていたけれど、じゃあ、津城が本当に正義だったのかと言うと、それもはっきりしない。
人生に裏切られ命を落とした桂田がただただ哀れでならなかった。
でもこの感じ、この重苦しい感じがまさに「百舌」に繋がって行くのだろうと、この先にある本編に期待してしまう。
早々に次を読みたいと思う。
...続きを読む -
これまでの作品の中では一番面白かった。
実は、前作の「消失者」が私の一番だったのだが、今作はそれを越えたと思う。
事件の背景の大きさや複雑さに、戸惑い悩みながら地道な捜査を続けるが、なかなか見えてこない真相に疲労と苛立ちを募らせる大友鉄。
父親としての姿もさることながら、今まで以上に刑事として捜査に臨む姿が描かれており、刑事物としての読み応えが増した様に思う。
新しい展開は、佐緒里との偶然⁉︎の出会い。
事件を通して出会うとは、あまりに出来過ぎだなぁとは思うものの、嫌な感じは無く、むしろ応援してしまうのは鉄の人徳だろうか。
ラストは、事件が100%解決を迎えられずにモヤモヤする中、...続きを読む -
警視庁捜査一課から伊豆大島の警察署に左遷された神谷。
そんな彼が「特命」の名の下、警察庁への出向という形で東京に呼び戻される
神谷以外にも、日本各地から4人の刑事達が召集されており、警察庁のキャリア官僚をキャップに据えチームを編成。
神奈川県警及び警視庁の犯人捏造・事件隠蔽に関わる組織の闇を暴いていく。
捜査に於ける相手側からの抵抗や妨害、急造チーム内でのわだかまり、信頼していた人間からの裏切りと、様々な困難にぶつかりながら真犯人を追い詰め、逮捕に至るラストは圧巻の展開でした。
面白かったです‼︎
作者によると、これはシリーズ物ではないらしいのですが、スピンオフ的な作品が5作ほ...続きを読む -
ドラマを見てからずっと気になっていたものの、なかなか読む機会がなかった麻見和史さんの「殺人分析班」シリーズ。
この際、大人買いして全作を一気に読んでしまうつもりですが、記念すべきその一作目がこの「石の繭」です。
ヒロイン如月塔子が所属するのは、早瀬泰之係長率いる警視庁捜査第一課殺人犯捜査第十一係。
他に、門脇仁志、鷹野秀昭、徳重英次、尾留川圭介の4人の先輩刑事が所属する。
特に鷹野は、捜査一課の中でも一目置かれる存在で、細かな観察と推論を積み重ねる捜査で検挙率が群を抜く優秀な刑事。
しかし、普段は飄々として掴みどころの無いちょっとした変わり者。
そんな鷹野は塔子の指導係。鷹野...続きを読む