あらすじ
人質を楯に、身代金を奪った犯人は、厳重な包囲の中で、ビルの9階からエレベーターに乗り込んだが、1階についた時には消えていた! その頃、近くのマンションで、右翼の大物が何者かに射殺された。“2つの事件は関連するものなのか?”居合わせた警視庁公安刑事・桂田の暗い瞳が光った。彼は、2年前に妻子に逃げられ、それ以後、人が変わったといわれる。その凄腕に更に磨きがかかり……。
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百舌シリーズ第0章
ハードボイルド色弱めなミステリでした。ただし、とても苦くずっと曇っている感じがしました。
読者に決定打を示しておいて徐々につながっていく手法やタイトルにもある裏切り(られる)感じは読む手が止まりませんでした。
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警視庁公安部に所属する刑事の桂田は、右翼の大物として知られる遠山から、一通の手紙を見せられる。それはテロも辞さない左翼グループ『東方の赤き獅子』の名が記された殺害予告だった。情報を掴むために、桂田とコンビを組む相方の浅見は張り込みをはじめる。時を同じくして、浅見のもとにひとりの男が訪ねてくる。特別監察官の津城は、逸脱した捜査や取り調べを行い、金の流れにもおかしいところを感じる桂田を調べているらしいのだが――。
というのが、本書の導入。文庫裏の内容紹介に書いてある部分なので、言ってしまってもいいような気はするのですが、本書の一番の読みどころになる部分は敢えて伏せました。結構中盤に来てから起こることなので……。
まったく別のところにあったふたつの点が結ばれて、綺麗な線になる。警察小説としてはもちろん、本格ミステリとしても秀逸な作品だと思います。心情描写は最低限に、簡潔で無駄のない研ぎ澄まされた文章も魅力的な一冊です。
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MOZUとの直接的な繋がりは…一部の登場人物くらいなのかな?公安特務一課とか。でも警察や政治家の闇ってとこは引き継がれていますね。やはり権力者の“都合”ってのは恐ろしい。人命≪都合ですからね…小説の中だけでお願いします。面白かった✨
百舌シリーズを読むにあたり、エピソード0的物語があると知り.「まずはそこからでしょ」と早速手にした一冊は、男臭く、久々にハードボイルドを読んだ満足感でいっぱいだ。
それにしても、虚しく悲しいラスト。
最初から最後まで裏切りの連鎖、まさに一寸先は闇。
確かに桂田は悪いことに手を染めていたけれど、じゃあ、津城が本当に正義だったのかと言うと、それもはっきりしない。
人生に裏切られ命を落とした桂田がただただ哀れでならなかった。
でもこの感じ、この重苦しい感じがまさに「百舌」に繋がって行くのだろうと、この先にある本編に期待してしまう。
早々に次を読みたいと思う。
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百舌シリーズの序章と言われる作品である。ミステリーと警察小説が見事に同居したハードな傑作。
悪徳公安刑事の桂田、桂田の部下の浅見が丸東商事ビル立て篭り事件に巻き込まれるが…
物語の中で重要な役割を果たす警視庁特別監察官・津城警視は百舌シリーズの本編でも活躍する。また、悪徳公安刑事の桂田が、その冷酷ぶりから『もず』と称されているのも面白い。
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百舌シリーズを3冊ぐらい読んだけど0章読んで無かった。過去の話なので関係無く読める。
ハードさが少なめなのでサクッと読めた。
でも裏切りの連続があぁ、そうなるかぁという展開でちょっと悲しい気分
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公安警察が主役の刑事小説。視点は複数人に変わりながら物語は進む。バラバラに思た事象が次第に繋がってゆく展開。派手なアクションではないが個性的な登場人物たちであり、ミステリー小説としても非常に面白かった。
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エピソード0・・・お、ツキさん登場♪
ほお~、なるほど。ここからシリーズに繋がっていくわけね!
これはこれで完結だけど、なんだか物悲しい事件だったわねぇ。
裏切りの美学?わかるような、わからんような・・・。
んで、浅見刑事は警察をやめちゃって、それっきりなのかなー?
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逢坂さんの百舌シリーズを読もうとすると
この「裏切りの日々」がエピソードゼロとして
紹介されます
公安の桂田刑事は裏社会にも繋がりを持つ凄腕
商業ビルで人質身代金目的立て籠もり事件が発生
同時刻ビル近くのマンションで大物右翼が射殺
この二つの事件を追う桂田
それを疑う津城警視
警察内部に留まらず政治家やら防衛庁やら
それぞれの拠り所により裏切りが続く
刑事の皆さん家族にも出ていかれ大変な警察人生
登場人物は津城警視がシリーズに続けて登場
この公安とその他諸々との裏切りハードボイルド
百舌への布石
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1986年。
9Fで社長を人質にとった犯人「隼」(鳥すきなのかな)は、どうやっていなくなったのか? 同じタイミングで殺された右翼の大物はどうやって射殺されたのか?
ほーと思ったけど。
わきがで興奮する若い秘書ってのもなぁ・・・いるらしいけど、少数派だよねぇ。なんつーか、昭和だ。
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スピード感のある話
公安の話は、日本ではあめり馴染みないテロや銃などがよく出てくるけれども、人の消失等のトリックがあり、なかなか読み込めた
最後はなかなかショッキングだけども
続きがあるので、読みたいと思えた
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百舌シリーズの序章。
口数の少ない無愛想な警視庁公安刑事.桂田。
警察庁の特別監査官.津城警視は、その桂田警部補が右翼の大物と癒着していると内偵を進めている。桂田警部補の部下である浅見は、苦悶しつつ、桂田の行動を監視し始める。
謎解きもあり、テンポ良く進み、飽きさせない展開。非常に面白い。
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2021.08.15
久しぶりの百舌シリーズ。6作品目。
これまでの主人公たちは出てこないが、ドラマMOZUの津城警視正の警視時代。
相変わらずの警察内部の汚職を暴くが政治的な部分は解消出来ないというこれまでの百舌作品のテーマにブレはない。
古い作品だが、結構すんなり読めてしまう。
浅見が慕っていた桂田との関係性が切ないが、これもいつもの百舌作品という感じで個人的には納得。
1974年(昭和49年)に起きた三菱重工爆破事件を模している部分もあるのかな?と思い調べることにもなった。知らない出来事だったのでタメになった。
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百舌シリーズを何冊か読んだ後だったので、津城警視が出できてビックリ! 百舌シリーズのエピソード0だったんですね。
内容は面白くて一気に読めました。権力を持つ者は怖いよ‥ 私は平凡な民で良いです。
それにしても、たかが奥さんの浮気で人生をこうも台無しにするかね‥ 桂田さん不器用過ぎ。
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百舌シリーズだが、百舌の前みたいな位置づけかなぁ。久しぶりに生きている津城警視。いつも少し怖い洞察眼。いろいろな裏切りを見ることになる今回、タイトル通りですねꉂ(ˊᗜˋ*)ヶラヶラ続き気になるが、まだ買ってないから、しばらく間空くなぁ
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『MOZU』シリーズ0(ゼロ)作。シリーズ原点作品となる。登場人物に若干重なりはあるが、シリーズとはまた別物と考えてよい。
ミステリー小説としてはやや薄手ではあるが、終盤からの展開は見物。そして細部まで緻密に練られたトリックもまた見事。
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10月-14.3.0点。
百舌シリーズの前日譚。
ある公安刑事と、その部下の物語。
題名通り、色んな裏切りがある。
かなり古い小説。あっさり。
百舌シリーズを読む前に、一読した。
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犯人については早くから手掛かりがばらまかれているので予想は簡単についてたけど、まさかの結末。
結局のところ黒幕は逃げ切ったってことだよね。もやもや。
百舌だの隼だの出て来て、ほかのシリーズも楽しみ。
ちなみに読んだ本は、赤い表紙でした。
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アクの強い公安刑事・桂田は、新しい相棒・浅見とそれなりに上手くやっていた。
警視庁警務局・特別監察官である津城は、桂田を内偵調査するために浅見に協力を求める。
桂田に親近感を感じ始めていた浅見は抵抗をおぼえるが、津城は気にしたようすもなく帰っていく。
ほぼ同時に起きたビル人質事件と右翼の大物射殺事件。
関係のないものと思われたこのふたつの事件は、思いがけない繋がりがあった。
この作品が書かれていたときには、すでに「百舌の叫ぶ夜」の構想があったのだろうか。
凄烈な印象を残す津城警視のキャラクターは、このときには基本的なものはほぼ出来上がっていたようだ。
桂田の孤独さが垣間見える場面はどこか哀しかった。
悪い人間ではない・・・とは感じたけれど、一度狂ってしまった歯車は元には戻らない。
麻由子の弱さがすべてを桂田から奪い去ってしまった。
本当に悪人だったのは誰か。
少なくとも桂田や浅見ではないことは確かだ。
どこか陰鬱な空気が漂うプロローグが、この物語の雰囲気を序盤にして一気に作り上げていた。
読み始めの掴みがいかに大事か、グッと物語の世界に入っていけた。
悪人になりきれなかった浅見の選択に、少しだけれど心が落ち着いた。
「裏切りの日日」をさらに研ぎ澄まして洗練された先に「百舌の叫ぶ夜」があるのかと。
もう一度「百舌シリーズ」を読みたくなった。
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ハードボイルドと言うには少し推理小説然としていて、どんでん返しと言うほど意外性のある結末ではなく、やや中途半端な印象。1986年の作品なので、昭和の雰囲気が色濃く残っていて、そこはいい。
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百舌シリーズの1作目かと思って読んだが、『百舌の叫ぶ夜』で触れられている事件が描かれているが、この作品には百舌は登場しなかった。謎解きもありなかなか面白かった。
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サクサクとテンポよく読めたかな。
可もなく不可もなく。
テレビドラマにはまったので、今度は原作の方を読んでみようか。そちらの方が評価高いみたいだし。
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公安の刑事である桂田と浅見が商社回りで立ち寄ったビルで、立てこもり事件が発生。
所轄署の刑事・機動隊が包囲する中、ビル内から忽然と姿を消した犯人の行方は…?
<以下、ネタバレです。>
百舌シリーズを含めた公安シリーズの1冊目。
百舌での主要人物である某監察官が出てますね。
TVドラマでの某監察官(=津城さん)も、何やら黒い感じがしていましたが。
もう、黒い感じどころか、真っ黒じゃないですか!(笑)
まぁ、津城なりの、正義があるんでしょうけどもね。
桂田と津城はちょっとなー、で、何だかんだ言って、まともなのは、浅見だけでしたね、という話。