【感想・ネタバレ】百舌の叫ぶ夜(百舌シリーズ)のレビュー

あらすじ

【第61回毎日芸術賞受賞作】能登半島の突端にある孤狼岬で発見された記憶喪失の男は、妹と名乗る女によって兄の新谷和彦であると確認された。東京新宿では過激派集団による爆弾事件が発生、倉木尚武警部の妻が巻きぞえとなり死亡。そして豊明興業のテロリストと思われる新谷を尾行していた明星美希部長刑事。錯綜した人間関係の中で巻き起こる男たちの宿命の対決。その背後に隠された恐るべき陰謀。迫真のサスペンス長編小説。

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Posted by ブクログ

 新宿の雑踏で起こった爆発事件。二人の死者と負傷者二十一人を出した惨劇で亡くなったふたりのひとりは爆弾の所持者とされるフリーライターで、もうひとりは本庁公安部の特務一課に所属する倉木警部の妻だった。男は左翼グループのメンバーだったのか、それとも――。妻を失った倉木尚武は捜査のメンバーを外されながらも、真相を追っていく。一方、能登半島の突端にある孤狼岬につながる道路を傷だらけで歩いていた〈彼〉が発見される。〈彼〉は記憶を失っていて、自分が何者か分からなくなっていた。

 ということで、本書は逢坂剛が1986年に発表した一作。『カディスの赤い星』などと並んで、著者の代表作のひとつとされている作品ですね。妻を失った公安の刑事が傷だらけ(本当に傷だらけになります)になりながら、真相を追っていく姿を、硬質な文体と複雑な構成で描かれていきます。

 後書きでも作者自身が触れていますが、過去と現在の時系列が行ったり来たりする一筋縄ではいかない構成が魅力的な作品で、さらにはミステリ的にもある大きな仕掛けが用意されているのですが、そのトリッキーさが暗い真実と孤独に闘う〈ふたり〉の姿を描いたハードボイルド的、警察小説的な要素と混じり合っても、決して水と油になっていないところが素晴らしかったです。

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2025年03月09日

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シリーズがいつの間にか完結していたので一から再読。綿密に練られたストーリーは何度読んでも飽きさせない。
公安所属で冷徹な倉木と正義に燃える公安嫌いな刑事の大杉とに奇妙な絆が芽生えるシーンが好きだ

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2024年06月13日

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職場の読書家の人から教えてもらったこの本。逢坂剛さんは初読み。記憶の片隅、かなり前にドラマ化された「MOZU」というタイトルが薄っすら脳を刺激する。ドラマはあまり見ない方なので内容は知らないけど面白そうだった印象だけ微かにもやもやする。まるでこの記憶喪失の主人公みたいに。なかなかハードボイルドな様相でスタート。いきなり爆破テロ。そこから崖の上から突き落とされるシーンへ。そして事件は展開していき事の次第が進んでいく。読み応え十分。そこに二転三転する罠。シリーズがたくさんあるらしいのでもう少し読んでみよう。

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2024年05月07日

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ドラマから入り、原作を読みました。
記憶喪失の登場人物がテレビの歌番組を見ていて僅かながら記憶が戻る描写が個人的にスゴイと思いました。

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2024年03月18日

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 読み応えのある作品でした。どっちの目線で読むかで感じ方も違ってくると思います。また、「百舌」とは誰のことかわかるのも途中からなので、これから読む方はそれも推理しながら読むと楽しい?かと思います。
 初版が1986年と古いのですが、古さを感じさせない作品でもあります。百舌シリーズの続編も読んでみたいです。
 公安警察モノが好きな方は必読の一冊です!

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2023年03月25日

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シリーズ最高。
それぞれのキャラがめちゃくちゃ立ってて感情移入しやすかったし、その場面場面が迫力があって映画みたいに自分の脳内で再生されてた。
公安って汚いことばかりなイメージあったけど、公安が正義、捜査1課が悪(ほどまではいかないけど)で書かれており、新しい視点だなって思った。新鮮だった。

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2021年09月26日

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ドラマ、映画から来ました。映像のとはかなり登場人物とか作戦が違っています。明星さんがそこで⁉︎てとこで恋愛モード入るのが印象的。幻の翼も読みたいです

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2021年01月23日

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グラークαもアテナセキュリティもオメラスもなかったけどw紛れもなくMOZUでした。世の中は一握りの権力者の都合で動いている。公安はオメラスの番人である。次作に手を伸ばしたくなる作品です。

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2020年12月28日

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私はヘビースモーカーである。だから1日に一箱はタバコを買う。しかし、この小説720円(税抜き)を読むためだったら2日ぐらい我慢してもいいかなと思う。
そして、少し外に出てタバコを吸う。

小説を書いてみようとすると、書く前や完成させる前に売れる気がしてくる。
しかし、この小説を読むと本物との違いが現実に出てくる。

少し長々と書いたが、この小説は面白い

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2020年08月16日

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ネタバレ

警視庁とかの警察ミステリ?はわりと好きなので、そこは面白く読めた。
百舌って結局誰なんだ、とか爆弾犯とか、えっ!?と驚く展開もあり面白かった。
倉木の冷徹なキャラわりと好き。
美希と恋仲?になるのはちょっと訳わかんなかったが。
時系列を掴むのが難しかった。
シリーズ化してるみたいなので、続きも読むか悩む。

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2025年09月12日

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【第61回毎日芸術賞受賞作】能登半島の突端にある孤狼岬で発見された記憶喪失の男は、妹と名乗る女によって兄の新谷和彦であると確認された。東京新宿では過激派集団による爆弾事件が発生、倉木尚武警部の妻が巻きぞえとなり死亡。そして豊明興業のテロリストと思われる新谷を尾行していた明星美希部長刑事。錯綜した人間関係の中で巻き起こる男たちの宿命の対決。その背後に隠された恐るべき陰謀。迫真のサスペンス長編小説。

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2025年08月16日

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ネタバレ

ドラマを観てから読んだ。ドラマの倉木は嫁の死の真相以外になんの執着もなく自暴自棄気味なように見えたが、原作では幾分か冷静な気もする(気のせい?)。
のっけからド派手な爆破テロから始まるからさぞ大きな陰謀が絡んでいるだろうと思って読んでも期待を裏切らない規模の話の展開だと思う。

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2025年08月07日

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ドラマを観て原作を入手

モズは
小さく可愛らしい見た目に反して
はやにえという
人からは惨たらしく見える行為を行う

作中、モズという名の出演者は
プロフェッショナルの殺人者として描かれてる

この鳥とイメージは重なる

物語は
公安倉木尚武、
捜一大杉良太、
公安明星美希に加えて
百舌こと新谷宏美目線で語られる

ちょっと警察内部の人間関係で
リアリティに欠けるような所が
あるが
ストーリーとしては
ドラマを先に観てしまってるせいもあって
脳内映像化し易く
テンポよく進む

楽しめた

あとがきで、
百舌は
また後作で登場してくると思うが
ゴメンねと作者

で、シリーズ化されているのが判明
読むかな

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2025年07月16日

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1986年。
ドラマは見たからストーリーはなんとなく。表紙はドラマの倉木。こんなストイックな公安いたら、すごいなー。知らんけど。古くても良いものは良い。

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2025年05月25日

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時系列が前後左右するのに慣れるまで少し時間がかかるけど、それもまた色んな伏線になって、最後まで一気に読み続ける感じが気持ちよかった本です

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2024年02月11日

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 公安警察の活躍を描くサスペンス小説。視点は公安警察側と謎の記憶喪失の男の間を行ったり来たりで、謎がどきどきとさせる。謎や真相が入り組みすぎていることはなかったのだが、順に読み進めてゆくと途中で急に時系列がいつの間にか入れ替わっていて、そこは混乱するところだった。それでも楽しんで読むことができる小説だった。

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2023年10月27日

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時系列が前後して書かれていて、戸惑ったところもあった。展開がスピーディーで、最後の関係者一同が集結する場面は緊張感が伝わってきて、ドキドキした。

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2023年09月17日

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百舌シリーズ。
新宿の雑踏のなかで爆弾が爆発し、死者二人に負傷者21人の大惨事が起こる。
爆破事件の鍵を握るテロリストの新谷和彦は、岬にて傷だらけで発見される、記憶喪失となっていた。
爆破事件で妻を殺された倉木警部は、事件の真相をおう。警察庁警務局の津城特別監査官も登場し、警察内部の不祥事も暗躍する
面白い、テンポも良いし、一気読みしてしまいます。

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2023年06月20日

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ずっと読みたかった本。
記憶を失くした殺し屋らしい男と、妻を爆破テロに巻き込まれて亡くした公安の男。
両者の物語が交差した時、絡まっていた事件の謎が明かされる。
ノンストップのサスペンス映画を見ているかのような躍動感。
面白かった。
シリーズものと後で知った。
この作品で一番魅力的だった、倉木さんがまた出てくるみたいなので他のも読んでみたい。

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2022年12月03日

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テレビドラマMOZUの原作本
ドラマとは微妙に違う内容
倉木尚武警部
津城俊輔警視正
明星美希公安三課巡査部長
室井玄公安部長
若松忠久警視 公安三課長
新谷(しんがい)和彦/宏美
大杉良太 本庁捜査一課

サルドニア国 エチェバリア大統領
森原研吾法務大臣
筧俊三
野本専務 豊明興業

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2020年08月16日

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倉木に夢中w
でもなぁ~ハードボイルド系に女絡みは邪魔なんだよね。
シリーズ揃えたから読むけど·····。

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2020年05月27日

購入済み

ウォー‼︎

ただただカッコイイ(≧∇≦)

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2014年10月20日

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★★★☆☆公安警察、爆弾、倉木。面白いところとそうでないところがハッキリ感じられたかな。新谷の正体や倉木、大杉が事件の謎に迫って来るところはとても面白かった。後半のネタばらしはうーん。エチュバリアとか、大臣とか。警察も上り詰めると政治的な要素をださないと収集がつかなくなってしまうのか

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2025年08月30日

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2019年第61回毎日芸術賞受賞作
ドラマ&映画の「MOZU」シリーズは未鑑賞
小説はいつか読もうとBOOKOFFでお安く見つた時に徐々に購入
そして、この「百舌の叫ぶ夜」の西島さんの写真で
西島さんが刑事で百舌なのだと勘違いをしたまま読み始めてしまい、途中で脳内修正

能登半島で保護された記憶喪失の男
新宿で過激派による爆破事件
この爆発で公安特務一課の倉木警部(これが西島さん)の妻が巻き添えで亡くなる
幾つかの事件の幾つかの場面が巧妙に入れ替わりながら物語が錯綜していく
途中で場面が変わるヒントに気がついて読みやすくなりました
百舌が何を指すのか途中まで明らかにされません
誰が味方で誰が裏切るのか最後までわからず

1冊完結というより続く感じ

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2025年06月17日

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警察、公安、殺し屋、暴力団と爆弾事件。様々な思惑が複雑すぎて始めはやや苦慮する。時系列が前後するのでより難解だった。休日にのんびりと読むのには辛かったが途中からは一気に読み進めて楽しめた。

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2024年02月18日

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ネタバレ

時系列があっちいったりこっちいったりと、わざと読み手側を混乱させて物語を整理させない意図が感じられた。

なんとなく夜苺と重なる印象がした作品でした。

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2021年10月22日

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たしか百舌は「ケケケッケーーー!…」と叫んで飛んでいく。暗闇に不吉な余韻を残して。餌も蛙とかトカゲを木の枝に串刺しにしておいて食す。という印象が強くある。

そんな異名を持つ殺し屋が現れたのではないか、と思わされるプロローグのひとつが「怪」を呼ぶ。本書には三つのプロローグがあり、これが百舌の叫び声の余韻ように全編を読んでいると絶えずよみがえる。

ハードボイルドではあるが、むしろ愛と憎しみの人間臭い悩みを抱え、過去、深層心理、血縁の血のなせるわざにうごめく沢山の登場人物たちの克明なストーリーである。

作者は警察の組織(公安と刑事)に場をとってはいるが、この社会のどの場をとっても当てはまる人間社会の機構宿命のようだ。

私は女性主人公のハードボイルド「明星美希(あけぼしみき)部長刑事」を知りたくて読んだのであるが、この書では多彩な登場人物の一人としてのみ。シリーズが続くようだから今後活躍するのだろうか?

とても凝ったすじ立てではある。章立ての数字の上下に最初から気がつき、過去、未来、現在と判じて読み進むのも面白かった。

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2021年09月11日

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内容は興味深い仕掛けがあって楽しめる。
最初は読み進めるコツが分からず往生した。時系列の通りに進まず前章で殺害されたヤクザが次の章ではピンピンしているので誰もが戸惑うだろう。

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2021年07月03日

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ネタバレ

ドラマを見ていたので、読んでみたら意外と古い時代のお話でびっくり。グイグイ引き込まれる内容で一気に読めました。公安ものは大好物なので、新宿での爆弾事件が、サルドニアという国のゲリラに繋がったり、公安の大物幹部が関わってきたりと、話がどんどん大きくなっていき、ドキドキしたのに、最後の最後で事件の発端が男女の不倫問題だとは… がっかりというか、エリートでも馬鹿だなぁ…

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2021年05月02日

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大どんでん返しあるけれど、後から後からぼろぼろと…。国家権力の腐敗を絡めた社会派ハードボイルドではあるけど、非常に男性優位的で感情移入できない。書かれた時代を反映しているんだろうね。

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2020年05月02日

Posted by ブクログ

少しグロくて読むのが大変だった。
シリーズの続きは読むか分からないけど、映像化されたやつは見てみたい

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2020年04月03日

購入済み

百舌の叫ぶ夜

この本の前半は非常に興味のある表現で、読者をひきつけるが、後半はややくどく読みずらい感じがする。後半はもっと簡潔に物語を進めたら、非常に面白く素晴らしい小説になったと思われる

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2019年09月05日

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